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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


5.3.35 標準受付を停止する

標準受付の停止方法には,通常停止,計画停止および強制停止があります。

通常停止
同期受付の場合

仕掛かり中の実行要求を処理したあと,標準受付を停止します。

非同期受付の場合

サービスリクエスタからの実行要求を受け付けない状態にして,仕掛かり中の実行要求を処理したあとに,標準受付を停止します。キュー内には,受け付けた実行要求が処理されないで残ります。

通常停止したあと,標準受付を再度開始すると,キュー内に残っていた実行要求から処理が開始されます。

通常停止したあとにHCSCサーバをアンセットアップした場合,キュー内に残っている実行要求は破棄されます。

計画停止

標準受付を停止したあとにHCSCサーバをアンセットアップする場合に利用する停止方法です。計画停止を実行すると,次のように標準受付が停止されます。

同期受付の場合

仕掛かり中の実行要求を処理したあと,標準受付を停止します。

非同期受付の場合

サービスリクエスタからの実行要求を受け付けない状態にして,キュー内に残っている実行要求をすべて処理したあとに,標準受付を停止します。

強制停止

コマンドでだけ実行できます。ほかのコマンドの実行中や標準受付の停止失敗中でも強制的に停止できます。

標準受付の停止の前提条件と停止方法について次に説明します。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

標準受付を停止するには,次の条件を満たす必要があります。

HCSCサーバおよび標準受付の状態の確認方法については,「5.3.16 HCSCサーバの情報を確認する」を参照してください。

(2) 停止方法

標準受付を停止する方法を次に示します。

注意事項

標準受付が停止できなかった場合,エラーになった原因を取り除いたあと,標準受付を強制停止してください。標準受付を停止状態にしたあとで,再度標準受付を開始して運用を再開してください。標準受付を開始する方法については,「5.3.10 標準受付を開始する」を参照してください。

(a) 画面の場合

運用環境の画面を利用して標準受付を停止する手順を次に示します。

  1. ツリービュー上で,標準受付を停止するHCSCサーバをダブルクリックします。

    ダブルクリックしたHCSCサーバの情報がエディタエリアに表示されます。

  2. エディタエリアで[稼働運用]タブを選択します。

    稼働運用ページに,手順1で選択したHCSCサーバの稼働運用に関する情報が表示されます。

    HCSCサーバの稼働運用ページの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「4.4 稼働運用ページ」を参照してください。

  3. 稼働運用ページに表示された内容を確認し,「標準受付」の[通常停止]ボタンまたは[計画停止]ボタンをクリックします。

    標準受付の停止を確認するダイアログが表示されます。

  4. ダイアログに表示された内容を確認し,[OK]ボタンをクリックします。

    標準受付の停止処理が開始されます。停止処理中のログはコンソールビューに出力されます。

    [キャンセル]ボタンをクリックした場合は,停止処理を実行しないで稼働運用ページに戻ります。

    標準受付の停止処理が完了すると,実行結果を示すダイアログが表示されます。

  5. 実行結果を示すダイアログを確認します。

    停止処理が成功した場合

    [OK]ボタンをクリックして,稼働運用ページに戻ります。

    稼働運用ページでは,標準受付の稼働状態が「停止状態」になります。また,[通常停止]ボタンおよび[計画停止]ボタンが非活性化し,[開始]ボタンが活性化します。

    停止処理が失敗した場合

    ダイアログにエラーの内容が表示されます。詳細情報に表示されるメッセージIDを参照して対処してください。

(b) コマンドの場合

標準受付を停止するには,運用環境でcscrcptnstopコマンドまたはcscutilコマンドを実行します。

cscrcptnstopコマンドおよびcscutilコマンドは,次の場合に使用します。

  • cscrcptnstopコマンド

    該当するリポジトリが存在する運用環境で,標準受付を停止する場合。

  • cscutilコマンド

    該当するリポジトリがなく,cscutilコマンドが使用できる環境(例えば,JP1で直接運用している実行環境)で標準受付を停止する場合。

それぞれのコマンドの実行方法を次に説明します。

●cscrcptnstopコマンドの場合

運用環境でcscrcptnstopコマンドを実行します。

cscrcptnstopコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrcptnstop(標準受付およびユーザ定義受付の停止)」を参照してください。

cscrcptnstopコマンドの実行形式を次に示します。

クラスタ内のすべてのHCSCサーバの標準受付を一括して停止する場合(クラスタ単位)

クラスタ名を指定して実行します。

-clusterオプションで指定したクラスタ内のすべてのHCSCサーバの標準受付が一括して停止されます(停止されていないユーザ定義受付も同時にすべて停止されます)。

cscrcptnstop -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名>

ユーザ定義受付を停止しないで標準受付だけを停止する場合は,-standardオプションを指定します。

cscrcptnstop -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名> -standard
HCSCサーバの標準受付を一括して停止する場合(HCSCサーバ単位)

HCSCサーバ名を指定して実行します。

-cscオプションで指定したHCSCサーバの標準受付が停止されます(停止されていないユーザ定義受付も同時にすべて停止されます)。

cscrcptnstop -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名>

ユーザ定義受付を停止しないで標準受付だけを停止する場合は,-standardオプションを指定します。

cscrcptnstop -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -standard
●cscutilコマンドの場合

運用環境でcscutilコマンドを実行します。-targetオプションにrequest_serviceを,また-operationオプションにstopを指定します。

cscutilコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscutil(各種操作)」を参照してください。

cscutilコマンドの実行形式は,プロパティ定義ファイルを使用するかどうかによって異なります。

プロパティ定義ファイルを使用しない場合

-propsオプションにHCSCサーバ名,J2EEサーバ名および停止フラグを指定します。

cscutil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名> -target request_service -operation stop -props "CSCSrvName=<HCSCサーバ名>, J2EESrvName=<J2EEサーバ名>, ForceFlag=<停止フラグ>"

cscutilコマンドに指定するManager名,HCSCサーバ名およびJ2EEサーバ名は,cscreplsコマンドで確認できます。cscreplsコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrepls(リポジトリ情報の表示)」を参照してください。

また,停止フラグには,通常停止,計画停止または強制停止のどれを実行するか指定します。停止フラグには,次のどれかを指定してください。

  • 通常停止:NORMAL_OPTION

  • 計画停止:WAIT_OPTION

  • 強制停止:FORCE_OPTION

プロパティ定義ファイルを使用する場合

-propfileオプションにプロパティ定義ファイル名を指定します。プロパティ定義ファイルは,J2SEのプロパティファイル形式であらかじめ作成しておく必要があります。

cscutil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名> -target request_service -operation stop -propfile <プロパティ定義ファイル名>