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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編


3.3.9 Message Queueアダプタを定義する

Message Queueアダプタの定義方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 電文フォーマット定義ファイルの作成

Message Queueアダプタでは,要求電文と応答電文の2種類の電文があります。それぞれの内容について説明します。

電文フォーマット作成手順の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「4. 電文フォーマットの作成」を参照してください。

Message Queueアダプタの要求電文・応答電文には,XML形式またはバイナリ形式メッセージが指定できます。

XML形式のメッセージを送信する場合はXML形式電文,バイナリメッセージを送信する場合はバイナリ形式電文だけを指定できます。また,XML形式メッセージを受信する場合はXML形式電文,バイナリメッセージを受信する場合はバイナリ形式電文だけを指定できます。

注意事項

送信メッセージまたは受信メッセージのユーザデータは1バイト以上を指定してください。長さ0バイトのユーザデータはエラーになります。

(a) 要求電文

Message Queueアダプタの呼び出し元から,送信キューへのメッセージ送信および受信キューからのメッセージ受信の実行を要求するための電文を要求電文といいます。

要求電文として送信する情報を説明します。

キュー操作情報

キュー操作情報はキューにアクセスするために必要な情報です。キュー操作情報の内容を次に示します。

表3‒37 キュー操作情報

情報

説明

送信キュー特定情報,受信キュー特定情報

アクセスする送信キューまたは受信キューを指定します。アプリケーション統合属性ファイルの<resource-env-ref>タグ内にある<resource-env-ref-name>タグで指定したresource-env-refの名称を指定します。

メッセージ相関識別子

メッセージ受信要求またはブラウズ・メッセージ受信要求時,メッセージ相関識別子と一致するメッセージを受信する場合に指定します。指定値は24バイト以内でメッセージ送信応答時に設定されるメッセージ相関識別子を指定します。メッセージ相関識別子のフォーマットについては,マニュアル「サービスプラットフォーム 解説」の「2.10.2 Message Queueアダプタを使ったメッセージキューへのアクセス」のメッセージ相関識別子の生成方法に関する説明を参照してください。

送信メッセージ

XML形式またはバイナリ形式メッセージを送信要求する場合に要求電文に指定するユーザデータです。

(b) 要求電文の内容

要求電文の内容は,送信キュー特定情報および受信キュー特定情報の有無やメッセージ相関識別子の指定有無および送信メッセージ形式(バイナリ形式またはXML形式)のうち,必要な情報だけを電文に記述します。

●メッセージ送信要求の場合

XML形式で送信キュー特定情報を指定する場合の要求電文形式を次に示します。

表3‒38 XML形式の送信要求電文形式(送信先キュー特定情報指定あり)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

ルート要素

SendRequest

ヘッダ情報

mqheader

送信キュー特定情報

sndresname

送信キュー特定情報

送信メッセージ

userdata

ユーザ任意

(凡例)

○:必ず指定します。

−:指定値はありません。

注※

Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>タグを省略した場合,この送信キュー特定情報は指定必須です。Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>タグを指定した場合,この指定は無視され,Message Queueアダプタ通信構成定義の指定値が使用されます。

XML形式で送信キュー特定情報を指定しない場合の要求電文形式を次に示します。

表3‒39 XML形式の送信要求電文形式(送信先キュー特定情報指定なし)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

ルート要素

SendRequest

ヘッダ情報

mqheader

送信メッセージ

userdata

ユーザ任意

(凡例)

○:必ず指定します。

−:指定値はありません。

バイナリ形式で送信キュー特定情報を指定する場合について説明します。

バイナリメッセージを送信する場合は,要求電文がバイナリ形式になります。バイナリ形式の要求電文の構造を次に示します。

図3‒17 バイナリ形式の送信要求電文の構造

[図データ]

電文の全体長は次の関係式が成り立つ必要があります。

LL ≧ 10 + Ln

バイナリメッセージを送信する場合に,要求電文に必要な情報を次に示します。

表3‒40 バイナリ形式の送信要求電文形式(送信先キュー特定情報指定あり)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

送信キュー特定情報長

送信キュー特定情報のバイト長を10進数文字列で指定

10バイト

送信キュー特定情報

送信キュー特定情報(文字列)

任意

送信メッセージ

ユーザ任意

任意

(凡例)

○:必ず指定します。

バイナリ形式で送信キュー特定情報を指定しない場合の要求電文形式を次に示します。

表3‒41 バイナリ形式の送信要求電文形式(送信先キュー特定情報指定なし)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

送信メッセージ

ユーザ任意

任意

(凡例)

○:必ず指定します。

●メッセージ受信要求の場合

バイナリ形式のメッセージ受信要求は指定できません。

XML形式のメッセージ受信要求電文形式を次に示します。

表3‒42 XML形式のメッセージ受信要求電文形式

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

ルート要素

RecvRequest

ヘッダ情報

mqheader

受信キュー特定情報

rcvresname

受信キュー特定情報※1

×

メッセージ相関識別子

correlationid

受信メッセージの相関識別子※2

×

(凡例)

○:必ず指定します。

×:省略できます。

−:指定値はありません。

注※1

Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>タグを省略した場合,この受信キュー特定情報は指定必須です。Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>タグを指定した場合,この指定は無視され,Message Queueアダプタ通信構成定義の指定値が使用されます。

注※2

Message Queueアダプタ通信構成定義の<id_type>タグの指定値がType2の場合,このメッセージ相関識別子は指定必須です。Message Queueアダプタ通信構成定義の<id_type>タグを省略またはType1を指定した場合,この指定は無視されます。

●ブラウズ・メッセージ受信要求の場合

バイナリ形式のブラウズ・メッセージ受信要求は指定できません。

XML形式のブラウズ・メッセージ受信要求電文形式を次に示します。

表3‒43 XML形式のブラウズ・メッセージ受信要求電文形式

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

ルート要素

BrowseRequest

ヘッダ情報

mqheader

受信キュー特定情報

rcvresname

受信キュー特定情報※1

×

メッセージ相関識別子

correlationid

受信メッセージの相関識別子※2

×

(凡例)

○:必ず指定します。

×:省略できます。

−:指定値はありません。

注※1

Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>タグを省略した場合,この受信キュー特定情報は指定必須です。Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>タグを指定した場合,この指定は無視され,Message Queueアダプタ通信構成定義の指定値が使用されます。

注※2

Message Queueアダプタ通信構成定義の<id_type>タグの指定値がType2の場合,このメッセージ相関識別子は指定必須です。Message Queueアダプタ通信構成定義の<id_type>タグを省略またはType1を指定した場合,この指定は無視されます。

●メッセージ送受信要求の場合

XML形式の送信キュー特定情報および受信キュー特定情報を指定する場合の要求電文形式を次に示します。

表3‒44 XML形式のメッセージ送受信要求電文形式(送受信キュー特定情報指定あり)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

ルート要素

SndRcvRequest

ヘッダ情報

mqheader

送信キュー特定情報

sndresname

送信キュー特定情報

受信キュー特定情報

rcvresname

受信キュー特定情報

送信メッセージ

userdata

任意

(凡例)

○:必ず指定します。

−:指定値はありません。

注※

Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_inf>タグを省略した場合,この送信キュー特定情報および受信キュー特定情報は指定必須です。Message Queueアダプタ通信構成定義の<res_inf>タグを指定した場合,この指定は無視され,Message Queueアダプタ通信構成定義の指定値が使用されます。

XML形式の送信キュー特定情報および受信キュー特定情報を指定しない場合の要求電文形式を次に示します。

表3‒45 XML形式のメッセージ送受信要求電文形式(送受信キュー特定情報指定なし)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

ルート要素

SndRcvRequest

ヘッダ情報

mqheader

送信メッセージ

userdata

任意

(凡例)

○:必ず指定します。

−:指定値はありません。

バイナリ形式の送信キュー/受信キュー特定情報を指定する場合について説明します。

バイナリメッセージを送受信する場合は,要求電文がバイナリ形式になります。バイナリ形式の要求電文の構造を次に示します。

図3‒18 バイナリ形式の送受信要求電文の構造

[図データ]

電文の全体長は次のような関係式が成り立つ必要があります。

LL ≧ 10 + Ln + 10 + Lo

バイナリメッセージを送受信する場合に,要求電文に必要な情報を次に示します。

表3‒46 バイナリ形式の送信要求電文形式(送信先キュー/受信キュー特定情報指定あり)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

送信キュー特定情報長

送信キュー特定情報のバイト長を10進数文字列で指定

10バイト

送信キュー特定情報

送信キュー特定情報(文字列)

任意

受信キュー特定情報長

受信キュー特定情報のバイト長を10進数文字列で指定

10バイト

受信キュー特定情報

受信キュー特定情報(文字列)

任意

送信メッセージ

ユーザ任意

任意

(凡例)

○:必ず指定します。

バイナリ形式の送信キュー/受信キュー特定情報を指定しない場合の要求電文形式を次に示します。

表3‒47 バイナリ形式の送信要求電文形式(送信先キュー/受信キュー特定情報指定なし)

情報

電文内のタグ名

指定値

必須

送信メッセージ

ユーザ任意

任意

(凡例)

○:必ず指定します。

(c) 応答電文

Message Queueアダプタの呼び出し元へ返却する電文を応答電文といいます。応答電文として返される情報を説明します。

受信メッセージ

XML形式,またはバイナリ形式のメッセージを受信する場合,応答電文に格納されるユーザデータです。

メッセージ送信結果

XML形式,またはバイナリ形式のメッセージを送信する場合,送信処理の結果が応答電文へ格納されます。送信処理が失敗した場合,Message Queueアダプタはカスタムアダプタ開発フレームワークへ例外を通知し応答電文は返しません。応答電文にメッセージ送信結果が格納されるのは,メッセージ送信が成功したときだけとなります。このため,メッセージ送信時の応答電文の返却値は必ず「OK」になります。

メッセージ相関識別子

XML形式,またはバイナリ形式のメッセージの送信時,JMSCorrelationIDヘッダフィールドに設定したメッセージ相関識別子です。

(d) 応答電文の内容

応答電文の内容は,受信メッセージ形式(バイナリ形式またはXML形式)によって異なります。

なお,バイナリ形式のメッセージ送信応答は指定できません。

XML形式の送信応答電文形式を次に示します。

●メッセージ送信要求の応答電文の場合

XML形式の送信応答電文形式を次に示します。

表3‒48 XML形式の送信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

返却値

ルート要素

SendResponse

メッセージ送信結果

status

OK

メッセージ相関識別子

correlationid

メッセージ相関識別子

(凡例)

−:返却値はありません。

注※

Message Queueアダプタ通信構成定義の<id_type>でType2を指定した場合に返却されます。

●メッセージ受信要求の応答電文の場合

XML形式のメッセージ受信応答電文形式を次に示します。

表3‒49 XML形式のメッセージ受信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

返却値

受信メッセージ

ユーザ任意

ユーザ任意

バイナリ形式のメッセージ受信応答電文形式を次に示します。

表3‒50 バイナリ形式のメッセージ受信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

受信メッセージ

ユーザ任意

●ブラウズ・メッセージ受信要求の応答電文の場合

XML形式のブラウズ・メッセージ受信応答電文形式を次に示します。

表3‒51 XML形式のブラウズ・メッセージ受信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

返却値

受信メッセージ

ユーザ任意

ユーザ任意

バイナリ形式のブラウズ・メッセージ受信応答電文形式を次に示します。

表3‒52 バイナリ形式のブラウズ・メッセージ受信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

受信メッセージ

ユーザ任意

●メッセージ送受信要求の応答電文

XML形式のメッセージ送受信応答電文形式を次に示します。

表3‒53 XML形式のメッセージ送受信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

返却値

受信メッセージ

ユーザ任意

ユーザ任意

バイナリ形式のメッセージ送受信応答電文形式を次に示します。

表3‒54 バイナリ形式のメッセージ送受信応答電文形式

情報

電文内のタグ名

受信メッセージ

ユーザ任意

(e) フォーマット定義ファイルの作成

各電文フォーマットのうち,サービス部品項目に設定する電文フォーマットがMessage Queueアダプタの電文フォーマットです。Message Queueアダプタの電文フォーマットの作成方法を説明します。

XML形式の要求電文

要求電文用のXMLフォーマット定義ファイルは,テンプレートファイルを使用して作成するか,製品提供ファイルを使用します。それ以外の場合はユーザが独自に作成してください。

XMLフォーマット定義テンプレートファイルを使用する場合
  • メッセージの送信要求電文で送信キューを指定します。

  • メッセージの送受信要求で送信キューおよび受信キューを指定します。

製品提供ファイルを使用する場合
  • メッセージの受信要求電文で受信キューおよびメッセージ相関識別子を指定します。

  • ブラウズ・メッセージ受信要求で受信キューおよびメッセージ相関識別子を指定します。

ユーザが独自に作成する場合

上記,XMLフォーマット定義テンプレートファイルを使用する場合にも製品提供ファイルを使用する場合にも該当しない場合は,ユーザが独自に作成してください。

XMLフォーマット定義テンプレートファイルとカスタマイズの説明を次に示します。

図3‒19 メッセージ送信要求電文用テンプレートファイル(adpmq_snd_request.xsd)

[図データ]

表3‒55 メッセージ送信要求電文用テンプレートファイルの内容

行数

説明

4行目

このテンプレートファイルの名前空間宣言を表します。ユーザは6行目に指定したtargetNamespace属性の値に任意の接頭辞を宣言します。

6行目

このテンプレートファイルの対象名前空間を表します。ユーザはtargetNamespace属性の値に一意となる対象名前空間を指定します。

8行目

25行目でユーザデータ用のXMLスキーマ情報をインポートする場合,5行目にインポートするスキーマのターゲットネームスペースを,8行目にインポートするスキーマのインポート文を記述します。

10〜16行目

SendRequest要素宣言を表します。要求電文のルート要素となる。mqheader要素とuserdata要素を持ちます。ユーザはmqheader要素とuserdata要素の接頭辞として4行目で宣言した接頭辞を記述します。

18〜22行目

mqheader要素宣言を表します。

24行目

userdata要素宣言を表します。

25行目

ユーザデータ用のXMLスキーマ情報を記述します。

記述方法

記述方法は2種類あり,このファイルに直接記述する方法と,ユーザデータ用のXMLスキーマ情報を記述するファイルを別に作成し,このファイルからインポートする方法があります。インポートする場合は5行目にインポートするスキーマのターゲットネームスペースを,8行目にインポートするスキーマのインポート文を記述します。

注意事項

ユーザデータ用のXMLスキーマ情報を記述する際,userdata要素の子要素には複数の要素を宣言してはいけません。userdata要素の子要素はXMLファイル出力時にルート要素となる要素であるため,userdata要素の子要素は必ず1つだけ宣言してください。

図3‒20 メッセージ送受信要求電文用フォーマット定義テンプレートファイル(adpmq_sndrcv_request.xsd)

[図データ]

表3‒56 メッセージ送受信要求電文用テンプレートファイルの内容

行数

説明

4行目

このテンプレートファイルの名前空間宣言を表します。ユーザは6行目に指定したtargetNamespace属性の値に任意の接頭辞を宣言します。

6行目

このテンプレートファイルの対象名前空間を表します。ユーザはtargetNamespace属性の値に一意となる対象名前空間を指定します。

8行目

26行目でユーザデータ用のXMLスキーマ情報をインポートする場合,5行目にインポートするスキーマのターゲットネームスペースを,8行目にインポートするスキーマのインポート文を記述します。

10〜16行目

SndRcvRequest要素宣言を表します。要求電文のルート要素となるmqheader要素とuserdata要素を持ちます。ユーザはmqheader要素とuserdata要素の接頭辞として4行目で宣言した接頭辞を記述します。

18〜23行目

mqheader要素宣言を表します。

21行目

受信キュー特定情報の指定要素を表します。この指定個所がメッセージ送信要求用テンプレートファイルと異なります。

25行目

userdata要素宣言を表します。

26行目

ユーザデータ用のXMLスキーマ情報を記述します。

記述方法

記述方法は2種類あり,このファイルに直接記述する方法と,ユーザデータ用のXMLスキーマ情報を記述するファイルを別に作成し,このファイルからインポートする方法があります。インポートする場合は5行目にインポートするスキーマのターゲットネームスペースを,8行目にインポートするスキーマのインポート文を記述します。

注意事項

ユーザデータ用のXMLスキーマ情報を記述する際,userdata要素の子要素には複数の要素を宣言してはいけません。userdata要素の子要素はXMLファイル出力時にルート要素となる要素であるため,userdata要素の子要素は必ず1つの要素しか宣言できません。

XML形式の応答電文

応答電文用のXMLフォーマット定義ファイルは,製品提供のフォーマット定義ファイルを使用するか,ユーザが独自に作成してください。

製品提供ファイルを使用する場合

次の条件に当てはまるときに使用します。

  • メッセージ送信応答するとき。

  • メッセージ受信応答,ブラウズ・メッセージ受信応答またはメッセージ送受信応答でFault応答情報電文を受信するとき。

ユーザが独自に作成する場合

上記,製品提供ファイルを使用する場合に該当しない場合は,ユーザが独自に作成してください。

バイナリ形式の要求電文

要求電文用のバイナリフォーマット定義ファイルは,製品提供のテンプレートファイルを使用してユーザがバイナリフォーマット定義画面で編集するか,ユーザが独自に作成してください。

バイナリフォーマット定義テンプレートファイルを使用する場合
  • メッセージの送信要求電文で送信キュー特定情報を指定するとき。

  • メッセージ送受信要求で送信キュー特定情報および受信キュー特定情報を指定するとき。

ユーザが独自に作成する場合

上記,製品提供ファイルを使用する場合に該当しない場合は,ユーザが独自に作成してください。

バイナリ形式の応答電文

応答電文用バイナリフォーマット定義ファイルは次のケースがありますが,ユーザが独自に作成してください。

  • メッセージ受信応答でバイナリメッセージを受信する。

  • ブラウズ・メッセージ受信応答でバイナリメッセージを受信する。

  • メッセージ送受信応答でバイナリメッセージを受信する。

(2) データ変換の定義

データ変換(マッピング)定義画面で,変換元の電文フォーマット定義ファイルおよび変換先の電文フォーマット定義ファイルを設定して,データ変換を定義します。

データ変換の定義方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「7. データ変換の定義」を参照してください。

(3) サービスアダプタ定義画面での操作

Message Queueアダプタを定義する場合の手順を次に示します。設定内容の詳細は,「3.3.18(9) Message Queueアダプタの場合」を参照してください。

  1. サービスアダプタ定義画面を表示します。

    サービスアダプタ定義画面の表示方法については,「3.3.1(4) サービスアダプタ定義画面の表示」を参照してください。

  2. サービス部品制御情報の[サービス名]および[サービスID]を必要に応じて編集します。

  3. サービス部品制御情報の[追加]ボタンをクリックして,定義パターン,オペレーション名,およびフォルト名を指定します。

    オペレーション名はMessage Queueアダプタ通信構成定義のオペレーション名(op_name)と一致させる必要があります。

    注※ 定義パターンが「メッセージ送信」以外の場合に指定します。

  4. オペレーション情報の[通信モデル]のドロップダウンリストから,「同期」を選択します。

  5. 要求電文について,手順6.から手順15.までを実施します。

  6. 次に示す操作をします。

    標準電文のフォーマットを指定する場合

    手順7.〜9.を実施して,手順10.に進みます。

    標準電文のフォーマットを指定しない場合

    手順10.に進みます。

  7. 標準電文の[使う]チェックボックスをチェックします。

  8. 標準電文の[参照]ボタンをクリックして,[電文フォーマット]に標準電文のフォーマットを指定します。

    指定できる電文フォーマットの形式については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「2.6.5 XMLスキーマの適用範囲」を参照してください。

  9. 標準電文の[表示]ボタンをクリックします。

    電文フォーマットがXML形式の場合,標準電文のフォーマットが表示されます。必要に応じて指定した標準電文のフォーマットを確認してください。

  10. 手順3.で指定した定義パターンに応じて次の電文フォーマットが設定されていることを確認します。

    定義パターンが「メッセージ送信」の場合

    要求電文のサービス部品:なし

    応答電文のサービス部品:adpmq_snd_response.xsd

    フォルト電文:なし

    定義パターンが「メッセージ受信」の場合

    要求電文のサービス部品:adpmq_rcv_request.xsd

    応答電文のサービス部品:なし

    フォルト電文:adpmq_fault_response.xsd

    定義パターンが「ブラウズ・メッセージ受信」の場合

    要求電文のサービス部品:adpmq_browse_request.xsd

    応答電文のサービス部品:なし

    フォルト電文:adpmq_fault_response.xsd

    定義パターンが「メッセージ送受信」の場合

    要求電文のサービス部品:なし

    応答電文のサービス部品:なし

    フォルト電文:adpmq_fault_response.xsd

  11. サービス部品電文の[表示]ボタンをクリックします。

    サービス部品電文のフォーマットが表示されます。必要に応じてサービス部品電文のフォーマットを確認してください。

  12. 次に示す操作をします。

    標準電文の[使う]チェックボックスをチェックした場合

    手順13.〜15.を実施して,手順16.に進みます。

    標準電文の[使う]チェックボックスをチェックしない場合

    手順16.に進みます。

  13. データ変換定義のファイル名を入力します。

  14. [編集]ボタンをクリックします。

    データ変換定義画面が表示されます。初めて定義する場合は,[ルート要素選択]ダイアログが表示されます。

  15. 標準電文とサービス電文の内容をマッピングします。

  16. 応答電文についても,手順6.から手順15.までを実施します。

  17. サービスアダプタ定義(詳細)タブをクリックします。

    サービスアダプタ定義画面(詳細)が表示されます。

  18. サービスアダプタ(EJB-JARファイル)およびユーティリティクラス(JARファイル)の名称を確認します。

    サービスアダプタ(EJB-JARファイル)の名称が「cscmsg_adpejb.jar」,ユーティリティクラス(JARファイル)の名称が「adpmqpc.jar」であることを確認してください。

  19. 独自定義ファイルに次のファイルが追加されていることを確認します。

    • customadapter_properties.xml(Message Queueアダプタ環境定義ファイル)

    • adpmq_communication(Message Queueアダプタ通信構成定義ファイル)

    • cscadapter_property.xml(アプリケーション統合属性ファイル)

(4) Message Queueアダプタ環境定義ファイルの編集

Message Queueアダプタの環境定義に必要な情報は,XML形式のMessage Queueアダプタ環境定義ファイルに定義します。

Message Queueアダプタ環境定義ファイルの編集手順を示します。

  1. サービスアダプタ定義画面(詳細)の[独自定義ファイル]で「customadapter_properties.xml」を選択し,[編集]ボタンをクリックします。

    Message Queueアダプタ環境定義ファイルを編集するためのエディタが起動します。

  2. エディタ上でMessage Queueアダプタ環境定義ファイルを編集します。

    Message Queueアダプタ環境定義ファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「3.8.1 Message Queueアダプタ環境定義ファイル」を参照してください。

  3. Eclipseのメニューから[ファイル]−[保存]を選択し,定義内容を保存します。

(5) Message Queueアダプタ通信構成定義ファイルの編集

Message Queueアダプタの通信構成定義に必要な情報は,XML形式のMessage Queueアダプタ通信構成定義ファイルに定義します。

Message Queueアダプタ通信構成定義ファイルの編集手順を示します。

  1. サービスアダプタ定義画面(詳細)の[独自定義ファイル]で「adpmq_communication.xml」を選択し,[編集]ボタンをクリックします。

    Message Queueアダプタ通信構成定義ファイルを編集するためのエディタが起動します。

  2. エディタ上でMessage Queueアダプタ通信構成定義ファイルを編集します。

    Message Queueアダプタ通信構成定義ファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「3.8.2 Message Queueアダプタ通信構成定義ファイル」を参照してください。

  3. Eclipseのメニューから[ファイル]−[保存]を選択し,定義内容を保存します。

(6) アプリケーション統合属性ファイルの編集

アプリケーション統合属性ファイルの編集方法について説明します。

(a) 編集手順

アプリケーション統合属性ファイルの編集手順を示します。

  1. サービスアダプタ定義画面(詳細)の[独自定義ファイル]で「cscadapter_property.xml」を選択し,[編集]ボタンをクリックします。

    アプリケーション統合属性ファイルを編集するためのエディタが起動します。

  2. エディタ上でアプリケーション統合属性ファイルを編集します。

    設定内容については「(b) 定義詳細」を参照してください。

  3. Eclipseのメニューから[ファイル]−[保存]を選択し,定義内容を保存します。

(b) 定義詳細

アプリケーション統合属性ファイルの内容を次に示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE hitachi-application-all-property PUBLIC 
'-//Hitachi, Ltd.//DTD Application All Property 7.6//EN' 'http://localhost/hitachi-application-all-property_7_6.dtd'>
<!-- All Rights Reserved. Copyright (C) 2008, Hitachi, Ltd. -->
 
<hitachi-application-all-property>
  <hitachi-application-property>
    <lookup-name>CSCMQ</lookup-name>
    <security-prop>
      <security-method>no_security_for_methods_without_roles</security-method>
    </security-prop>
    <managed-by-ctm>false</managed-by-ctm>
  </hitachi-application-property>
  <ejb-jar>
    <hitachi-ejb-jar-property>
      <display-name>CSCMsgServiceAdapter</display-name>
    </hitachi-ejb-jar-property>
    <hitachi-session-bean-property>
      <display-name>CSCMsgServiceAdapterEJB</display-name>
      <session-type>Stateless</session-type>
      <transaction-type>Container</transaction-type>
      <resource-ref>
        <res-ref-name>jms/リソースアダプタ特定情報</res-ref-name>
        <res-type>javax.jms.QueueConnectionFactory</res-type>
        <res-auth>Container</res-auth>
        <res-sharing-scope>Unshareable</res-sharing-scope>
        <linked-to>リソースアダプタ表示名</linked-to>
      </resource-ref>
      <resource-env-ref>
        <resource-env-ref-name>送信キュー特定情報または受信キュー特定情報</resource-env-ref-name>
        <resource-env-ref-type>javax.jms.Queue</resource-env-ref-type>
        <linked-adminobject>
          <resourceadapter-name>リソースアダプタ表示名</resourceadapter-name>
          <adminobject-name>管理対象オブジェクト名</adminobject-name>
        </linked-adminobject>
      </resource-env-ref>
      <container-transaction>
        <description></description>
        <method>
          <description></description>
          <method-intf></method-intf>
          <method-name>*</method-name>
        </method>
        <trans-attribute>Required</trans-attribute>
      </container-transaction>
      <session-runtime>
        <lookup-name>CSCMsgServiceAdapterEJB</lookup-name>
        <optional-name></optional-name>
        <maximum-sessions>0</maximum-sessions>
        <stateless>
          <pooled-instance>
            <minimum>インスタンス最小数</minimum>
            <maximum>インスタンス最大数</maximum>
          </pooled-instance>
        </stateless> 
      </session-runtime>
   </hitachi-session-bean-property>
  </ejb-jar>
</hitachi-application-all-property>

定義の設定値について説明します。

●アプリケーション属性<hitachi-application-property>
<lookup-name>

クライアントからEJBをルックアップするときに使う名前として「CSCMQ」を指定します。

<security-method>

セキュリティの管理方法として「no_security_for_methods_without_roles」を指定します。

<managed-by-ctm>

CTMの連帯として「false(CTMと連携しない)」を指定します。

●EJB-JAR属性<hitachi-ejb-jar-property>
<display-name>

EJB-JARの表示名として「CSCMsgServiceAdapter」を指定します。

●Session Bean属性<hitachi-session-bean-property>
<display-name>

Session Beanの表示名として「CSCMsgServiceAdapterEJB」を指定します。

<session-type>

Session Beanの種別として「Stateless」を指定します。

<transaction-type>

トランザクション管理種別として「Container」を指定します。

<res-ref-name>

リソースアダプタ特定情報を指定します。この指定値はリソースアダプタを特定する任意の名称を指定します。指定するときは先頭に「jms/」を付与してください。

この要素と同一の指定値をMessage Queueアダプタ通信構成定義の<res_ref_name>要素に設定してください。

<res-type>

リソース種別を指定します。参照先リソースアダプタのコネクション定義識別子(<connectionfactory-interface>タグの設定値)として「javax.QueueConnectionFactory」を指定します。

<res-auth>

認証方式として「Container」を指定します。

<res-sharing-scope>

参照したリソースアダプタ共有有無の指定として「Unshareable」を指定します。

<linked-to>

参照するリソースアダプタの表示名を指定します。

Outboundリソースアダプタは,<リソースアダプタ表示名>!<コネクション定義識別子>で指定します。

<コネクション定義識別子>とは,リソースアダプタのデプロイ・ディスクリプター(ra.xml)の<connectionfactory-interface>タグで指定した値のことです。

<res-env-ref-name>

送信キュー特定情報または受信キュー特定情報を指定します。この指定値は接続先キューを特定する任意の名称を指定します。指定するときは先頭に「jms/」を付与してください。

この要素と同一の指定値をMessage Queueアダプタ通信構成定義の<res_name>,<snd_res_name>,または<rcv_res_name>要素に設定してください。

<res-env-ref-type>

リソース環境変数の値のクラスタイプの指定として「javax.jms.Queue」を指定します。

<resourceadapter-name>

リソース環境変数のリソースアダプタの表示名を指定します。

<adminobject-name>

管理対象オブジェクト名を指定します。リソースアダプタのデプロイ・ディスクリプター(ra.xml)の<adminobject-name>と同一の値を指定します。

<trans-attribute>

メソッドに割り当てるトランザクション属性として「Required」を指定します。

<lookup-name>

クライアントからEJBをルックアップする場所に使用する名称として「CSCMsgServiceAdapterEJB」を指定します。

<maximum-sessions>

セッションの最大数として「0(無制限)」を指定します。

<minimum>

プール内のインスタンスの最小数を指定します。

<maximum>

プール内のインスタンスの最大数を指定します。

アプリケーション統合属性ファイルの詳細については,次の個所を参照してください。

(7) Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成

Message Queueアダプタの場合,Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルを作成する必要があります。

Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。