3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する
実行環境をセットアップする前に,実行環境に必要なソフトウェアの設定が必要です。実行環境に必要なソフトウェアの設定は,データベースとReliable Messagingの使用有無によって,次のように設定内容が異なります。
-
データベースを使用してReliable Messagingを使用しない場合
実行環境に必要なソフトウェアの設定の流れと,参照先を次の図に示します。
図3‒2 実行環境に必要なソフトウェアの設定(データベースを使用してReliable Messagingを使用しない場合) -
データベースとReliable Messagingの両方を使用する場合
実行環境に必要なソフトウェアの設定の流れと,参照先を次の図に示します。
図3‒3 実行環境に必要なソフトウェアの設定(データベースとReliable Messagingの両方を使用する場合) -
データベースとReliable Messagingの両方を使用しない場合
実行環境に必要なソフトウェアの設定の流れと,参照先を次の図に示します。
図3‒4 実行環境に必要なソフトウェアの設定(データベースとReliable Messagingの両方を使用しない場合)
実行環境のセットアップ前に実施するソフトウェアの設定について,次に説明します。
- 〈この項の構成〉
-
(1) データベースのサーバ側のセットアップ
データベースのセットアップとして,DBサーバおよびDBクライアントの両方をセットアップします。
(a) DBサーバ側の設定(HiRDBの場合)
次の作業を実施します。
- HiRDBサーバの文字コードの設定
-
文字コードにシフトJIS漢字コード,EUC日本語漢字コード,UTF-8,または単一バイト文字コードのどれかを設定してください。文字コードの変更方法は,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」の文字コードの指定,または文字コードの選択に関する内容を参照してください。
- 注意事項
-
HCSCサーバをUNIXで稼働させる場合は,HCSCサーバとHiRDBサーバの文字コードを合わせる必要があります。
- 環境設定
-
HiRDBの環境設定についてはマニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
- ユーザ権限の設定
-
最初に,接続するユーザの名称を決定します。そのあと,HiRDBに管理情報を格納するため,HiRDBに接続するユーザに権限を設定します。HiRDBでは,ユーザにCONNECT権限を設定することでユーザが作成されます。
- 設定する権限
-
-
CONNECT権限
HiRDBを利用するために必要な権限です。データベースに接続(CONNECT)できるようになります。CONNECT権限を持たないユーザがHiRDBを利用しようとするとエラーになります。
-
スキーマ定義権限
スキーマを定義するために必要な権限です。スキーマ定義権限を設定すると,スキーマ,表,ビュー表,インデクス,抽象データ型を定義できます。また,ストアドプロシジャやストアドファンクションを登録できます。
-
- 権限の設定方法
-
データベース定義ユティリティ(pddef),HiRDB SQL Executerを使用して権限を設定します。権限の設定方法の詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。データベース定義ユティリティの使用方法の詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
データベース定義ユティリティを使用して権限を設定する場合の手順を次に示します。
-
次の環境変数を設定します。
Windowsの場合
SET PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス> SET PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号> SET PDUSER=<DBA権限を持つユーザ名>/<パスワード>
UNIX(Bourneシェル)の場合
export PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス> export PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号> export PDUSER=<DBA権限を持つユーザ名>/<パスワード>
-
次のコマンドでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行します。
pddef
-
次のSQLを実行します。
GRANT CONNECT TO <ユーザ名>※ IDENTIFIED BY <パスワード>; GRANT SCHEMA TO <ユーザ名>※;
注※
権限を設定するユーザは,メッセージング基盤が使用する接続ユーザの名前です。HiRDBのクライアント環境変数グループに登録したPDUSER環境変数と同じ値になります。
PDUSER環境変数については,「表3-5 環境変数グループで設定する環境変数」を参照してください。
-
Windowsの場合は[Ctrl]キー+[Z]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。
UNIXの場合は[Ctrl]キー+[D]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。
-
- スキーマの定義
-
HiRDBに管理情報を格納するため,スキーマを定義します。
- スキーマの定義方法
-
データベース定義ユティリティ(pddef),HiRDB SQL Executerを使用してスキーマを定義します。スキーマを定義する方法の詳細については,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。データベース定義ユティリティの使用方法の詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
データベース定義ユティリティを使用してスキーマを定義する場合の手順を次に示します。
-
次の環境変数を設定します。
Windowsの場合
SET PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス> SET PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号> SET PDUSER=<ユーザ名>※/<パスワード>
注※
指定するユーザ名は,権限を設定したユーザのユーザ名です。
UNIX(Bourneシェル)の場合
export PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス> export PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号> export PDUSER=<ユーザ名>※/<パスワード>
注※
指定するユーザ名は,権限を設定したユーザのユーザ名です。
-
次のコマンドでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行します。
pddef
-
次のSQLを実行します。
CREATE SCHEMA;
-
Windowsの場合は[Ctrl]キー+[Z]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。
UNIXの場合は[Ctrl]キー+[D]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。
-
- RDエリアの準備
-
メッセージング基盤の管理情報テーブルを格納するため,必要に応じてRDエリアを作成します。RDエリアの作成方法の詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。
- pd_max_users(同時実行可能ユーザ数)の設定
-
HiRDBのシステム共通定義のオペランドpd_max_users(同時実行可能ユーザ数)には,実行環境が使用するDBコネクション数の最大値を設定してください。実行環境が使用するDBコネクション数の最大値については,「表3-4 実行環境が使用するDBコネクションの数」を参照してください。
pd_max_usersの詳細については,マニュアル「HiRDB システム定義」を参照してください。
(b) DBサーバ側の設定(Oracleの場合)
次の作業を実施します。
- 環境設定
-
Oracleの環境設定方法の詳細については,Oracle Corporationが発行するドキュメントを参照してください。
- 接続ユーザの作成と権限の設定
-
Oracleに管理情報を格納するため,Oracleに接続ユーザを作成し,権限を設定する必要があります。
- 設定する権限
-
システム権限として,次の権限を設定します。
-
CREATE ANY INDEXシステム権限
-
CREATE SESSIONシステム権限
-
CREATE TABLEシステム権限
-
CREATE VIEWシステム権限
-
FORCE ANY TRANSACTIONシステム権限
オブジェクト権限として,次の権限を設定します。
-
SYS.DBA_PENDING_TRANSACTIONSのSELECT権限
-
SYS.DBMS_SYSTEMのEXECUTE権限
また,次のロールを設定します。
-
SELECT_CATALOG_ROLE
-
- 接続ユーザと権限の設定方法
-
Oracle Enterprise Managerコンソール,またはsqlplusを使用してユーザを作成し,権限を設定します。Oracle Enterprise Managerコンソールとsqlplusを使用した場合の設定例を次に示します。
Oracle Enterprise Managerコンソールを使用する場合の設定例
-
sysユーザでデータベースに接続します。
-
ナビゲータ・ツリーの[セキュリティ]−[ユーザ]を右クリックして,[作成]を選択します。
-
[一般]タブを開き,名前とパスワードを入力します。
-
[ロール]タブを開き,CONNECTロールを削除して,SELECT_CATALOG_ROLEを追加します。
-
[システム]タブを開き,システム権限を設定します。
-
[オブジェクト]タブを開き,[SYS]−[ビュー]−[DBA_PENDING_TRANSACTIONS]を選択して,SELECT権限を設定します。
-
[SYS]−[パッケージ]−[DBMS_SYSTEM]を選択して,EXECUTE権限を設定します。
-
[割当て制限]タブを開き,表領域の割り当て制限サイズを設定します。
-
[作成]ボタンをクリックします。
sqlplusを使用する場合の設定例
-
sysユーザでデータベースに接続します。
-
次のSQL文を発行します(QUOTA句の指定値は例です)。
CREATE USER <権限を付与するユーザ名> PROFILE "DEFAULT" IDENTIFIED BY <パスワード> DEFAULT TABLESPACE "USERS" TEMPORARY TABLESPACE "TEMP" QUOTA 10 M ON "USERS" ACCOUNT UNLOCK; GRANT CREATE ANY INDEX TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT CREATE SESSION TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT CREATE TABLE TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT CREATE VIEW TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT FORCE ANY TRANSACTION TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT SELECT ON "SYS"."DBA_PENDING_TRANSACTIONS" TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT EXECUTE ON "SYS"."DBMS_SYSTEM" TO <権限を付与するユーザ名>; GRANT SELECT_CATALOG_ROLE TO <権限を付与するユーザ名>;
-
(2) Management Serverのセットアップ
Management Serverをセットアップし,環境設定をします。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.15 Management Serverを使用するために設定する情報」のManagement Serverの動作環境に関する説明を参照してください。また,HCSC-Managerを使用するための設定については,このマニュアルの「2.1.6 HCSC-Managerを使用するためのManagement Serverの設定」を参照してください。
なお,Management Serverと運用管理エージェントは,HCSCサーバを運用するための基盤となります。そのため,OSの起動と同時にManagement Serverと運用管理エージェントを自動起動するように設定してください。
設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngautorun(自動起動および自動再起動の設定/設定解除)」を参照してください。
作業フォルダまたは共通フォルダを利用する場合,Management Serverのメモリ使用量が増大する可能性があります。次の計算式をもとにメモリ使用量を拡張してください。
- Javaヒープサイズ
-
↑Max( (200MB+A),256MB)↑
A:cscfscls,cscfswlsコマンドで表示する最大ファイル数×5000バイト
- メタスペースサイズ
-
128MB以上
(3) PRFのセットアップ
PRFのセットアップは,Smart Composer機能,または運用管理ポータルを使用して実施してください。
Smart Composer機能を使用したPRFのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.8 その他の機能を使用したシステムの構築」を参照してください。
また,運用管理ポータルを使用したPRFのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「3. J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築と削除」を参照してください。
(4) J2EEサーバのセットアップ
次の作業を実施します。
(a) J2EEサーバの構築
J2EEサーバは,Smart Composer機能または運用管理ポータルを使用して構築してください。また,J2EEサーバの互換モードが推奨モードかV9互換モードかによって,構築に必要な作業が異なります。構築に必要な作業を次に示します。
- Smart Composer機能を使用して構築する場合
-
推奨モードの場合,簡易構築定義ファイルに次に示すパラメタを追加してください。
- 論理J2EEサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param> <param-name>manager.j2ee.compat</param-name> <param-value>none</param-value> </param>
- 論理Webサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param> <param-name>manager.web.send_request_method</param-name> <param-value>reverseproxy</param-value> </param>
V9互換モードの場合,簡易構築定義ファイルに次に示すパラメタを追加してください。
- 論理J2EEサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param> <param-name>manager.j2ee.compat</param-name> <param-value>V9</param-value> </param>
- 論理Webサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param> <param-name>manager.web.send_request_method</param-name> <param-value>redirector</param-value> </param>
- サーバ管理コマンド(cjsetup)で構築する場合
-
推奨モードの場合,cjsetupコマンドに「-compat」オプションを付けないで実行してください。
V9互換モードの場合,cjsetupコマンドに次のように「-compat V9」オプションを付けて実行してください。
cjsetup <J2EEサーバ名> -compat V9
V9互換モードの指定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「3. V9互換モードの使用方法」を参照してください。
Smart Composer機能を使用したJ2EEサーバの構築については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.8 その他の機能を使用したシステムの構築」を参照してください。
また,運用管理ポータルを使用したJ2EEサーバの構築については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「3. J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築と削除」を参照してください。
- 注意事項
-
構築時には,論理サーバ名と実サーバ名を同一にしてください。異なる場合,HCSCサーバのセットアップに失敗するおそれがあります。
J2EEサーバ名は110バイト以内を推奨します。ローカルマシンにIPv6アドレスを使用している環境では,111バイト以上のJ2EEサーバ名を指定すると,プロセスインスタンスの生成でエラーが発生するおそれがあります。その場合は,HCSCサーバランタイム定義のshort-processidプロパティにONを指定してください。
(b) J2EEサーバのシステム環境変数の設定
J2EEサーバのシステム環境変数の設定方法については,OSのドキュメントを参照してください。システムの環境変数の設定時の確認事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.13 論理サーバの環境変数を設定するときの確認事項」を参照してください。
(c) SOAP通信基盤およびJAX-WSエンジンの初期設定
選択したSOAPモードに応じて,次の初期設定が必要になります。
-
SOAP1.1モードを利用する場合:SOAP通信基盤
J2EEサーバの互換モードで推奨モードを選択した場合は,SOAP1.1モードは使用できません。
-
SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合:JAX-WSエンジン
それぞれの初期設定手順について説明します。
- ●SOAP1.1モードを利用する場合の初期設定
-
SOAP1.1モードを利用する場合,次の手順でSOAP通信基盤の初期設定をします。
-
Common Public License Version 1.0に基づいて配布されているWSDL4Jを利用するため,「wsdl4j.jar」ファイルを入手し,次のディレクトリにコピーします。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\c4web\lib以下
-
サーバ定義ファイル(c4websv.cfg)を設定します。
HCSCサーバが動作するJ2EEサーバでのSOAP通信基盤のサーバ定義ファイルに指定する内容を次の表に示します。サーバ定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。
- ポイント
-
HCSCサーバでの識別子とは,サーバ定義ファイル中から動作中のサーバの情報を取得するためのキーのことです。サーバに配備したSOAPアプリケーションのコンテキストルートから先頭の「/」を除いた名称を使用しています。このため,HCSC-Messagingでは次のようになります。
-
標準受付の識別子:クラスタ名
(例)クラスタ名が「cluster1」の場合
標準受付の識別子:「cluster1」
-
ユーザ定義受付の識別子:ユーザ定義受付の受付ID
-
-
共通定義ファイル(c4webcom.cfg)を設定します。
HCSCサーバが動作するJ2EEサーバでのSOAP通信基盤の共通定義ファイルに指定する内容を次の表に示します。共通定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.4 共通定義ファイルの設定」を参照してください。
表3‒2 共通定義ファイルの設定項目(SOAP通信基盤) 設定項目
キー名称
設定値(デフォルト)
説明
トレースファイル出力の重要度
c4web.logger.log_level
WARN
このプロパティにDEBUGを指定しないでください。DEBUGを指定した場合は,ほかの値を指定したときに比べてより多くのメモリが消費され,スループットに影響が出ます。
-
- ●SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合の初期設定
-
SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合,次の手順でJAX-WSエンジンの初期設定をします。
-
共通定義ファイル(cjwconf.properties)を設定します。
HCSCサーバが動作するJ2EEサーバでのJAX-WSエンジンの共通定義ファイルに指定する内容を次の表に示します。共通定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。
表3‒3 共通定義ファイルの設定項目(JAX-WSエンジン) 設定項目
キー名称
設定値(デフォルト)
説明
HTTPセッションの維持の有無
javax.xml.ws.session.maintain
false
trueを指定した場合の動作は保証しません。
-
サーバ単位にプロキシの設定をします。
プロキシの設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.10 プロキシサーバ経由の接続」を参照してください。
-
(d) HCSCサーバをセットアップするための固有設定
プロパティファイルで次のように指定します。
-
J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)
プロパティ
指定内容
ejbserver.rmi.localinvocation.scope
「app」を指定します。
ejbserver.jndi.global.enabled
「false」を指定します。
「true」の場合,Component Containerのメッセージログに「KDJE47722-W」が出力されますが,Service Coordinatorは,Portable Global JNDI名を使用していない(使用できない)ため,アプリケーションの開始は続行されますので,問題ありません。
ejbserver.distributedtx.XATransaction.enabled
「true」または「false」を指定します。
HCSCサーバが複数のリソース(DBサーバなど)へアクセスするどうかを検討して,ライトトランザクション機能を無効にする場合は「true」,有効にする場合は「false」を指定します。
oracle.jdbc.autoCommitSpecCompliant
Oracle 12c以降のバージョンに接続する場合,「false」を指定します。
なお,ejbserver.DynamicStubLoading.Enabledには「true」を指定しないでください。
-
サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル(usrconf.properties)
プロパティ
指定内容
ejbserver.cui.optionalname.enabled
「true」を指定します。
「false」の場合,クライアントからのリクエスト送信時にエラーが発生します。
(e) コンテナ拡張ライブラリの設定
コンテナ拡張ライブラリとして,次の設定をします。コンテナ拡張ライブラリの設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「18. コンテナ拡張ライブラリ」を参照してください。
-
SOAP1.1モードを利用する場合
<Reliable Messagingのインストールディレクトリ>\lib\reliablemessaging-api.jar <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\c4web\lib\hitsaaj.jar
cjjaxws.jarを無効にするため,cjjaxws.jarの行をコメントアウトするか削除してください。
-
SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合
<Reliable Messagingのインストールディレクトリ>\lib\reliablemessaging-api.jar <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jaxws\lib\cjjaxws.jar
hitsaaj.jarを無効にするため,hitsaaj.jarの行をコメントアウトするか削除してください。
このとき,「add.class.path=<jarのパス>」の形式で指定してください。
この定義は,運用管理ポータルからも設定できます。運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面の拡張パラメタにクラスパスを指定します。ここでの設定値は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に反映されます。
J2EEサーバ用オプション定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,「論理サーバの環境設定」での設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10. 論理サーバの環境設定」を参照してください。
(5) Webサーバ(HTTPサーバ)のセットアップ
Webサーバ(HTTPサーバ)をセットアップするには次の2とおりの方法があります。
-
J2EEサーバに含まれるサーバを使用する方法
推奨モードの場合は,NIO HTTPサーバを使用します。
V9互換モードの場合は,インプロセスHTTPサーバを使用します。
-
HTTP Serverを使用する方法
これらの方法について次に説明します。
(a) NIO HTTPサーバまたはインプロセスHTTPサーバを使用する方法
次の作業を実施します。
- NIO HTTPサーバのセットアップ(推奨モードの場合)
-
NIO HTTPサーバを使用する場合のシステム構築の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「7. NIO HTTPサーバ」を参照してください。
- インプロセスHTTPサーバのセットアップ(V9互換モードの場合)
-
インプロセスHTTPサーバを使用する場合のシステム構築の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「6. インプロセスHTTPサーバ」を参照してください。
- NIO HTTPサーバまたはインプロセスHTTPサーバのコネクションタイムアウト値の設定
-
サービスリクエスタ側にあるSOAP通信基盤でコネクションプーリング機能を使用している場合,サービスリクエスタ側のコネクション保持の時間と,HCSCサーバ稼働マシンでのコネクションタイムアウト値の整合性をとる必要があります。
コネクションタイムアウト値の設定手順を次に示します。
-
運用管理ポータルから,[論理サーバの環境設定]を選択します。
-
サーバビューから,[論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバ]−[<J2EEサーバ名>]を選択します。
-
[HTTPサーバ]タブの[通信・スレッド制御]タブを選択します。
[通信・スレッド制御設定]画面が表示されます。
-
[Webクライアントとの接続設定]−[Persistentコネクション]−[タイムアウト]に,SOAP通信基盤(Web Services)の共通定義ファイルのc4web.common.connection_pool.timeoutプロパティの設定値以上の値を設定します。
c4web.common.connection_pool.timeoutプロパティを設定していない場合はデフォルト値の1800(単位:秒)で動作するため,その倍の値である3600をタイムアウト値に設定します。
なお,タイムアウト値に設定できる範囲は0〜3600です。そのため,c4web.common.connection_pool.timeoutプロパティの設定が1800よりも大きい場合は,0を設定してください。
-
(b) HTTP Serverを使用する方法
次の作業を実施します。
- HTTP Serverのセットアップ
-
セットアップ方法の詳細については,マニュアル「HTTP Server」を参照してください。
- HTTP ServerとJ2EEサーバを連携する設定
-
J2EEサーバと連携するためには,簡易構築定義ファイルでWebサーバ連携のためのパラメタの設定が必要です。パラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.10 論理Webサーバで指定できるパラメタ」を参照してください。
- HTTP ServerのKeepAliveTimeout値の設定
-
サービスリクエスタ側にあるSOAP通信基盤でコネクションプーリング機能を使用している場合,サービスリクエスタ側のコネクション保持の時間と,HCSCサーバ稼働マシンのKeepAliveTimeout値の整合性をとる必要があります。
HTTP Serverの環境設定ファイルであるhttpsd.confのKeepAliveTimeoutに,SOAP通信基盤(Web Services)の共通定義ファイルのc4web.common.connection_pool.timeoutプロパティに指定した値の倍以上の値を設定します。例えば,c4web.common.connection_pool.timeoutプロパティを設定していない場合はデフォルト値の1800で動作するため,その倍の値である3600をKeepAliveTimeoutに設定します。
なお,指定できる値の範囲は0〜65535です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「7.4.2 コネクションプーリングに関する設定」を参照してください。
(6) データベースのクライアント側のセットアップ
(a) DBクライアント側の設定(HiRDBの場合)
実行環境のマシンで,次の作業を実施します。
- 環境変数の設定
-
Windowsの場合は,次の環境変数を設定します。
UNIXの場合は,HCSCサーバが稼働しているJ2EEサーバ起動時とManagement Server実行時の環境変数に,次の環境変数を設定します。
HCSCサーバが稼働しているJ2EEサーバ起動時の環境変数の設定方法は,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.27 J2EEサーバの環境変数の設定」を参照してください。
Management Server実行時の環境変数の設定方法は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.8 mserverenv.cfg(Management Server用環境変数定義ファイル)」を参照してください。
- PDXAMODE
-
1を指定します。
ただし,ライトトランザクション機能を利用する場合はPDXAMODEの設定は必要ありません。
- PDTXACANUM
-
サービスプラットフォームが使用するDBコネクション数の最大値を指定します。
ただし,ライトトランザクション機能を利用する場合はPDTXACANUMの設定は必要ありません。
DBコネクション数の最大値は,利用する実行環境に応じて見積もる必要があります。実行環境がDBコネクションを使用する契機と数を次の表に示します。
表3‒4 実行環境が使用するDBコネクションの数 DBコネクションの使用先
DBコネクションの使用の契機
DBコネクションの使用数
使用するコネクション
メッセージング基盤
起動時
1
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-nodisplaynameに指定したDBコネクタから取得する
コマンド実行時
1
[HCSCサーバ停止状態]
コマンド実行時にJDBCドライバを使用してコネクションを取得する
[HCSCサーバ起動状態]
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-nodisplaynameに指定したDBコネクタから取得する
ビジネスプロセス基盤
ビジネスプロセス実行要求受付時
ビジネスプロセスの同時実行数
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-xadisplaynameに指定したDBコネクタから取得する
DBアダプタ
サービス部品実行要求受付時
サービス部品の同時実行数
SQLオペレーション定義ファイルのデータベース参照名で参照されるDBコネクタから取得する
Reliable Messaging
マニュアル「Reliable Messaging」の「3.4.1 DBMSの設定(HiRDBを使用する場合)」を参照してください。
DBコネクション使用数の和が最大値となります。
- PDLANGまたはLANG
-
HCSCサーバをUNIXで稼働させる場合,HiRDBサーバの文字コードに応じて,PDLANGかLANGのどちらかにHiRDBサーバと同じ文字コードを指定します。詳細は,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」のPDLANGに関する内容を参照してください。
HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。
- LC_CTYPE
-
HCSCサーバをUNIXで稼働させる場合,HiRDBサーバと同じ文字コードを指定します。
HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。
- LD_LIBRARY_PATH
-
HCSCサーバをLinux(R)で稼働させる場合,下記のパスを追加します。
-
<HiRDB運用ディレクトリ>/client/lib
HiRDB/Single Server,HiRDB/Parallel ServerまたはHiRDB Serverインストール時に指定します。
-
<HiRDBのインストールディレクトリ>/client/lib
HiRDB/Run Time,またはHiRDB/Developer's Kitインストール時に指定します。
HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。
-
- LIBPATH
-
HCSCサーバをAIXで稼働させる場合,下記のパスを追加します。
-
<HiRDBの運用ディレクトリ>/client/lib
HiRDB/Single Server,HiRDB/Parallel ServerまたはHiRDB Serverインストール時に指定します。
-
<HiRDBのインストールディレクトリ>/client/lib
HiRDB/Run Time,またはHiRDB/Developer's Kitインストール時に指定します。
HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。
-
- 環境変数グループの設定
-
環境変数グループを次の方法で登録します。
- Windowsの場合
-
HiRDBのクライアント環境変数登録ツールで「システムグループ」を選択して,環境変数グループを登録します。この場合,DB Connectorのプロパティ定義では,ここで登録した環境変数グループ名を指定してください。
- UNIXの場合
-
HiRDBのクライアント環境変数グループの設定ファイルに登録します。この場合,DB Connectorのプロパティ定義では,ここで登録した環境変数グループの設定ファイルのパスを指定してください。
環境変数グループを登録する方法の詳細については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」の環境変数のグループ登録に関する内容を参照してください。
DB Connectorのプロパティについては,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2.2 DB Connectorのプロパティ定義」を参照してください。
環境変数グループで設定する環境変数を次の表に示します。
表3‒5 環境変数グループで設定する環境変数 環境変数名
設定する内容
PDHOST
データベースのホスト名またはIPアドレスを指定します。
PDUSER
データベースのユーザ名およびデータベースのパスワードを指定します。
PDNAMEPORT
データベースのポート番号を指定します。
PDSWAITTIME
Component Containerのトランザクションタイムアウトの値※よりも大きな値を指定します。
PDCWAITTIME
Component Containerのトランザクションタイムアウトの値※よりも大きな値を指定します。
PDSWATCHTIME
0を指定します。
(b) DBクライアント側の設定(Oracleの場合)
Oracle JDBC Thin Driverをセットアップします。Oracle JDBC Thin Driverのセットアップについては,「3.1.2(7)(b) Oracle JDBC Thin Driverのセットアップ」を参照してください。
(7) JDBCドライバのセットアップ
使用するJDBCドライバは,利用条件を考慮して選択する必要があります。
使用するJDBCドライバの選択方法を次の表に示します。
利用するDBMS |
使用するJDBCドライバ |
JDBCドライバのパッケージ |
---|---|---|
HiRDB |
HiRDB TYPE4 JDBC Driver |
JP.co.Hitachi.soft.HiRDB.JDBC.HiRDBDriver |
Oracle |
Oracle JDBC Thin Driver |
oracle.jdbc.OracleDriver |
(a) HiRDB Type4 JDBC Driverのセットアップ
HiRDB Type4 JDBC Driverのセットアップについては,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」のHiRDB Type4 JDBC Driverに関する内容を参照してください。
なお,HCSCサーバを使用するために,次の設定をする必要があります。
-
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>/manager/config/mserver.cfgファイルに,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)をクラスパスとして指定します。このとき,「web.add.class.path=<pdjdbc2.jarのパス>」の形式で指定してください。
- 例1(HiRDB/Run Timeの場合)
-
web.add.class.path=<HiRDB/Run Timeのインストールディレクトリ>/client/lib/pdjdbc2.jar
- 例2(HiRDB/Single Serverの場合)
-
web.add.class.path=<HiRDB/Single Serverのインストールディレクトリ>※/client/lib/pdjdbc2.jar
注※
<HiRDBのインストールディレクトリ>は,hirdb_sというディレクトリになります。
-
J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)をクラスパスとして指定します。このとき,「add.class.path=<pdjdbc2.jarのパス>」の形式で指定してください。
- 例1(HiRDB/Run Timeの場合)
-
add.class.path=<HiRDB/Run Timeのインストールディレクトリ>/client/lib/pdjdbc2.jar
- 例2(HiRDB/Single Serverの場合)
-
add.class.path=<HiRDB/Single Serverのインストールディレクトリ>※/client/lib/pdjdbc2.jar
注※
<HiRDBのインストールディレクトリ>は,hirdb_sというディレクトリになります。
この定義は,運用管理ポータルからも設定できます。運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面の拡張パラメタにクラスパスを指定します。ここでの設定値は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に反映されます。
J2EEサーバ用オプション定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,「論理サーバの環境設定」での設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10. 論理サーバの環境設定」を参照してください。
-
HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルのHCSC_ADDCLASSPATHに,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)をクラスパスとして指定します。
HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.4 HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル」を参照してください。
(b) Oracle JDBC Thin Driverのセットアップ
Oracle JDBC Thin Driverのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.7 データベース接続環境を設定する(Oracleの設定)」または,使用しているデータベースのマニュアルを参照してください。
なお,HCSCサーバを使用するために,次の設定をする必要があります。使用するOracleのバージョンによって,Oracle JDBC Thin Driverの種類が異なりますので,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルのクラスパスを指定する際は注意してください。
-
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>/manager/config/mserver.cfgファイルに,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルをクラスパスとして指定します。このとき,「web.add.class.path=<Oracle JDBC Thin Driverのパス>」の形式で指定してください。
- 例(Oracle 12cの場合)
-
web.add.class.path=<Oracle Clientのインストールディレクトリ>/jdbc/lib/ojdbc7.jar
-
J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルをクラスパスとして指定します。このとき,「add.class.path=<Oracle JDBC Thin Driverのパス>」の形式で指定してください。
- 例(Oracle 12cの場合)
-
add.class.path=<Oracle Clientのインストールディレクトリ>/jdbc/lib/ojdbc7.jar
この定義は,運用管理ポータルからも設定できます。運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面の拡張パラメタにクラスパスを指定します。ここでの設定値は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に反映されます。
J2EEサーバ用オプション定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,「論理サーバの環境設定」での設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10. 論理サーバの環境設定」を参照してください。
-
HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルのHCSC_ADDCLASSPATHに,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルをクラスパスとして指定します。
HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.4 HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル」を参照してください。
(8) DB Connectorのセットアップ(Reliable Messagingを使用する場合)
HCSCサーバは,データベースと接続するためにDB Connectorを利用します。処理のタイミングやテーブル種別に応じて,データベースアクセスをトランザクション管理する場合と管理しない場合があるため,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorと,トランザクションサポート種別がNoTransactionであるDB Connectorの,2つのDB Connectorを準備する必要があります。
なお,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorは,処理性能を向上させるため,Reliable Messagingと連携できるDB Connectorを利用します。
それぞれのDB Connectorの表示名は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルの「dbcon-xadisplayname」と「dbcon-nodisplayname」に指定します。HCSCサーバセットアップ定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.4.3 HCSCサーバセットアップ定義ファイル」を参照してください。
(a) DB Connectorのインポート
インポートするDB Connectorは,利用条件を考慮して選択する必要があります。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのプロパティ |
利用するデータベース |
ライトトランザクション機能の利用の有無 |
|
---|---|---|---|
利用する |
利用しない |
||
dbcon-xadisplayname |
HiRDB |
DBConnector_HiRDB_ Type4_CP_Cosminexus_RM.rar |
DBConnector_HiRDB_Type4_ XA_Cosminexus_RM.rar |
Oracle |
DBConnector_Oracle_CP_ Cosminexus_RM.rar |
DBConnector_Oracle_XA_ Cosminexus_RM.rar |
|
dbcon-nodisplayname |
HiRDB |
DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar |
|
Oracle |
DBConnector_Oracle_CP.rar |
DB Connectorのインポート方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。また,プロパティ定義については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
ライトトランザクションについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.14.5 ライトトランザクション」を参照してください。また,設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.6 トランザクションの設定」を参照してください。
また,DBアダプタを利用する場合は,DBアダプタが利用するDB Connectorをインポートします。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。
利用するJDBCドライバ |
利用するデータベース |
ライトトランザクション機能の利用の有無 |
|
---|---|---|---|
利用する |
利用しない |
||
HiRDB Type4 JDBC Driver |
HiRDB |
DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar |
DBConnector_HiRDB_Type4_XA.rar |
Oracle JDBC Thin Driver |
Oracle |
DBConnector_Oracle_CP.rar |
DBConnector_Oracle_XA.rar |
(b) プロパティの定義
DB Connectorをインポートしたあと,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照して,プロパティを定義してください。ただし,次の表に示す内容をプロパティに設定する必要があります。
- 注意事項
-
Reliable Messagingと連携できるDB Connectorと,DBアダプタで利用するDB Connectorで,トランザクションサポート種別(<transaction-support>タグに指定する値)を同じにする必要があります。
また,<transaction-support>タグに指定する値は,ライトトランザクションを適用するか,グローバルトランザクションを適用するかで次のように異なります。
-
J2EEサーバにライトトランザクションを適用する場合
LocalTransaction
-
J2EEサーバにグローバルトランザクションを適用する場合
XATransaction
-
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ |
データベース名※1 |
<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2 |
<transaction-support>タグ |
XATransaction※3 |
LocalTransaction※4 |
|
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※5 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1 |
<transaction-support>タグ |
XATransaction※2 |
LocalTransaction※3 |
|
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※4 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ |
データベース名※1 |
<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2 |
<transaction-support>タグ |
NoTransaction※3 |
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
1以上の値※4 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1 |
<transaction-support>タグ |
NoTransaction※2 |
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
1以上の値※3 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名※1 |
<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ |
データベース名※2 |
<transaction-support>タグ |
XATransaction |
LocalTransaction |
|
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
DBアダプタの最大同時実行数以上の値※3 |
(9) Reliable Messagingのセットアップ
Reliable Messagingをセットアップします。作業の詳細については,マニュアル「Reliable Messaging」の「3. システム構築」を参照してください。セットアップ作業のうちプロパティのカスタマイズについては,次に示す方法で実施します。
(a) Reliable Messagingのコンフィグレーションプロパティの設定
設定するコンフィグレーションプロパティと指定する値を次の表に示します。なお,認証情報(UserおよびPassword)には,Reliable MessagingがHiRDBまたはOracleにアクセスするために利用する接続ユーザのユーザ名およびパスワードを指定してください。
プロパティ名 |
設定内容 |
設定値 |
---|---|---|
RMSystemName |
システム名 |
連携するシステム全体で一意なシステム名を指定します。 |
RMLinkedDBConnectorName |
連携するDB Connectorの表示名 |
連携するDB Connectorの表示名を指定します。 |
RMSHConnectFlag |
共用キューを使用して複数システム間でのアプリケーション連携をする場合の受信用共用キューの有無 |
標準の非同期受付(MDB(DBキュー))を使用する場合,「true」を指定します。 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))を使用しない場合,またはDBキューを使用できないデータベース(Oracle)を使用している場合「false」を指定します。 |
RMTRConnectFlag |
キュー間転送の使用有無 |
「true」を指定します。 |
RMMaxDeliveryNum |
配送回数の最大値 |
0以外(1〜512)を設定します(推奨値:10)。 |
RMDeadMessageQueueName |
デッドメッセージキュー名 |
1〜20文字の識別子を設定します。 なお,必ずデッドメッセージキューを使用してください。 また,デッドメッセージキューはローカルキューとしてください。 |
(b) 注意事項
-
コンフィグレーションプロパティ「RMWaitRestoration」の値は変更しないでください。Reliable Messagingのデフォルト値「true」で動作します。
-
デッドメッセージキュー名「RMDeadMessageQueueName」に指定するデッドメッセージキューは,非同期の標準受付(MDB(WS-R),MDB(DBキュー))や非同期のサービスアダプタ(MDB(WS-R)アダプタ,MDB(DBキュー)アダプタ)を使用している場合に,配送回数が最大値に達してサービス部品が呼び出されなかったメッセージが移動される特別なキューです。
デッドメッセージキュー名を設定していない場合,およびデッドメッセージキューを作成していない場合,無限にサービス部品を呼び出す処理が再実行されるため,注意してください。
なお,デッドメッセージキューとして使用するキューは,Reliable Messagingの設定後,最初に開始したあとに作成してください。
-
データベースにOracleを使用する場合,非同期の標準受付(MDB(DBキュー)),および非同期のMDB(DBキュー)アダプタは使用できません。
(10) TP1インバウンドアダプタのセットアップ
TP1/RPC受付を使用する場合は,TP1インバウンドアダプタをセットアップします。J2EEサーバがセットアップされていれば,任意のタイミングでセットアップできます。
TP1インバウンドアダプタのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「4.12.2 リソースアダプタの設定」に関する説明を参照してください。なお,TP1インバウンドアダプタをセットアップするには,Connector属性定義ファイルを必ず設定してください。
(11) Service Coordinator-Managerのセットアップ
必要に応じて,「2.4 運用環境に関する設定」を参照し,設定してください。
(12) DB Connectorのセットアップ(Reliable Messagingを使用しない場合)
HCSCサーバは,データベースと接続するためにDB Connectorを利用します。処理のタイミングやテーブル種別に応じて,データベースアクセスをトランザクション管理する場合と管理しない場合があるため,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorと,トランザクションサポート種別がNoTransactionであるDB Connectorの,2つのDB Connectorを準備する必要があります。
なお,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorは,処理性能を向上させるため,Reliable Messagingと連携できるDB Connectorを利用します。
それぞれのDB Connectorの表示名は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルの「dbcon-xadisplayname」と「dbcon-nodisplayname」に指定します。HCSCサーバセットアップ定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.4.3 HCSCサーバセットアップ定義ファイル」を参照してください。
(a) DB Connectorのインポート
インポートするDB Connectorは,利用条件を考慮して選択する必要があります。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。
HCSCサーバセットアップ定義ファイルのプロパティ |
利用するデータベース |
インポートするRARファイル |
---|---|---|
dbcon-xadisplayname |
HiRDB |
|
Oracle |
|
|
dbcon-nodisplayname |
HiRDB |
DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar |
Oracle |
DBConnector_Oracle_CP.rar |
また,DBアダプタを利用する場合は,DBアダプタが利用するDB Connectorをインポートします。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。
DB Connectorのインポート方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。また,プロパティ定義については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。
ライトトランザクション機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.14.5 ライトトランザクション」を参照してください。また,設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.6 トランザクションの設定」を参照してください。
(b) プロパティの定義
DB Connectorをインポートしたあと,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照して,プロパティを定義してください。ただし,次の表に示す内容をプロパティに設定する必要があります。
設定項目 |
設定値 |
|
---|---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
|
<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ |
データベース名※1 |
|
<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2 |
|
<transaction-support>タグ |
ライトトランザクション機能を利用しない場合 |
XATransaction※3 |
ライトトランザクション機能を利用する場合 |
LocalTransaction※4 |
|
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※5 |
設定項目 |
設定値 |
|
---|---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
|
<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1 |
|
<transaction-support>タグ |
ライトトランザクション機能を利用しない場合 |
XATransaction※2 |
ライトトランザクション機能を利用する場合 |
LocalTransaction※3 |
|
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※4 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ |
データベース名※1 |
<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2 |
<transaction-support>タグ |
NoTransaction※3 |
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
1以上の値※4 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名 |
<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ |
システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1 |
<transaction-support>タグ |
NoTransaction※2 |
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
1以上の値※3 |
設定項目 |
設定値 |
---|---|
<display-name>タグ |
DB Connector表示名※1 |
<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ |
データベース名※2 |
<transaction-support>タグ |
XATransaction |
LocalTransaction |
|
<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ |
DBアダプタの最大同時実行数以上の値※3 |