Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
Object Accessアダプタで障害が発生した場合,障害対策に必要な情報がメッセージまたはトレースに出力されます。Object Accessアダプタで取得できるログおよびトレースの種類を次に示します。
表7-95 ログ・トレースの種類(Object Accessアダプタの場合)
ログ・トレース | 出力情報 | 説明 |
---|---|---|
メッセージログ | Object Accessアダプタで発生した各種情報が,メッセージとして出力されます。 | 稼働情報(起動・停止・障害など)をメッセージとして確認できます。なお,メッセージログの出力先はアプリケーションサーバ全体で共通のため,システムの稼働状況を一括して確認できます。 |
メソッドトレース | Object Accessアダプタの内部メソッドの開始時と終了時に,次の情報が出力されます。
|
内部メソッド発行の時刻やシーケンスを確認できます。 |
データトレース | 送受信データ内容が出力されます。 | データ(内部データ)の正当性を確認できます。 |
性能解析トレース | アプリケーションサーバ全体の性能解析トレース取得ポイントで,次の情報が出力されます。
|
サービスリクエスタから要求を受け付けて,実行結果を返却するまでの一連の処理で出力される性能解析情報を基に,サービスプラットフォームシステムの性能を検証できます。 |
例外ログ | 発生した例外情報(スタックトレース)を出力します。 | 例外情報を確認できます。 |
ログまたはトレースを出力する場合の注意事項については,「7.3.4(1) 全般的な注意事項」を参照してください。
Object Accessアダプタのログおよびトレースは,アプリケーションサーバのトラブルシューティングの機能を使用して取得できます。取得方法を次に示します。
また,HCSCサーバやTPBrokerのトレースを取得すると,アプリケーションサーバ全体のトラブルシュートが容易になります。HCSCサーバとTPBrokerで取得できるトレースの情報を次に示します。詳細はマニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の障害情報の取得に関する内容を参照してください。
表7-96 HCSCサーバで取得できるトレースの情報
トレース機能 | 説明 |
---|---|
リクエストトレース | メッセージング基盤での,標準受付,ビジネスプロセス受付,またはサーバ間転送受付で受け付けたリクエストのビジネスプロセスやサービスアダプタの呼び出し先やその結果を把握するための情報が取得できます。 |
メソッドトレース | HCSCサーバが提供するメソッドトレース情報が取得できます。 |
性能解析トレース | J2EEアプリケーションを含めたサービスプラットフォームシステム全体の性能ボトルネックを解析するための情報が取得できます。 |
表7-97 TPBroker提供トレース
トレース機能 | 説明 |
---|---|
通信トレース | ORBの通信トレースです。 |
モジュールトレース | ORBのモジュールトレースです。 |
TPBroker提供トレースは,障害調査のため取得することを推奨します。
メッセージログのJ2EEサーバの稼働ログに,Object Accessアダプタで発生した各種情報がメッセージとして出力されます。
メッセージログの出力内容や出力先については,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。
メソッドトレースは,内部メソッド発行の時刻やシーケンスを確認できます。保守員が障害解析のために使用します。
Object Accessアダプタのメソッドトレースは,次に示すディレクトリに出力されます。
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\OAADP\maintenance\<サービスID>
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。
メソッドトレースのトレースファイル名を次の表に示します。
表7-98 メソッドトレースのトレースファイル名(Object Accessアダプタ)
トレースファイルの出力モード | トレースファイル名 |
---|---|
ラップアラウンドモードの場合 | mtdtrace<面数>.log |
シフトモードの場合 | mtdtrace.log |
出力ファイルの面数のデフォルトは4面です。ファイル面数はObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルのmethodtracefile.numキーで変更できます。
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.8 Object Accessアダプタを定義する」のObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
出力ファイルサイズのデフォルトは4MBです。出力ファイルサイズは,Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルのmethodtracefile.sizeキーで変更できます。
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.8 Object Accessアダプタを定義する」のObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
メソッドトレースの出力形式を次の図に示します。
図7-101 メソッドトレースの出力形式
メソッドトレースに出力される内容を次の表に示します。
表7-99 メソッドトレースに出力される項目(Object Accessアダプタ)
項目 | 内容 |
---|---|
番号 | メソッドトレースの出力通番が表示されます。 |
日付 | メソッドトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
|
時刻 | メソッドトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
|
製品ID | 製品を特定するための識別子として,Object Accessアダプタを示す「ADPOA」と,バージョン情報が表示されます。 バージョン情報の形式は次のとおりです。
|
pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
ID | 空白 |
種別 | トレース取得ポイントの種別が出力されます。
|
クラス名 | トレースを取得するクラス名が出力されます。 30文字未満の場合は左詰めされ,足りない文字はスペースで補われます。 |
メソッド名 | トレースを取得するメソッド名 25文字未満の場合は左詰めされ,足りない文字はスペースで補われます。 |
RootAP情報 | 性能解析トレースに出力されるRootAPの情報であるIPアドレス・プロセスID・通信番号を「/」(スラッシュ)で区切った文字列が出力されます。 |
入出力情報 | トレースを取得するメソッドの入出力情報(引数や戻り値の値など)が出力されます。 |
CRLF | レコード終端符号が出力されます。 |
データトレースは,送受信データ内容を取得することで,データ(内部データ)の正当性を確認できます。
データトレースは,次に示すディレクトリに出力されます。
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\OAADP\maintenance\<サービスID>
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。
データトレースのトレースファイル名を次の表に示します。
表7-100 データトレースのトレースファイル名(Object Accessアダプタ)
トレースファイルの出力モード | トレースファイル名 |
---|---|
ラップアラウンドモードの場合 | dattrace<面数>.log |
シフトモードの場合 | dattrace.log |
出力ファイルの面数のデフォルトは4面です。ファイル面数はObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルのdatatracefile.numで変更できます。
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.8 Object Accessアダプタを定義する」のObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
出力ファイルサイズのデフォルトは4MBです。出力ファイルサイズは,Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルのdatatracefile.sizeで変更できます。
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.8 Object Accessアダプタを定義する」のObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
データトレースの出力形式を次の図に示します。
図7-102 データトレースの出力形式
データトレースに出力される内容を次の表に示します。
表7-101 データトレースに出力される項目(Object Accessアダプタ)
項目 | 内容 |
---|---|
番号 | データトレースの出力通番が表示されます。 |
日付 | データトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
|
時刻 | データトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
|
製品ID | 製品を特定するための識別子として,Object Accessアダプタを示す「ADPOA」と,バージョン情報が表示されます。 バージョン情報の形式は次のとおりです。
|
pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
ID | 空白 |
種別 | データの入出力種別が出力されます。
|
形式 | データの形式が出力されます。
|
RootAP情報 | 性能解析トレースに出力されるRootAPの情報であるIPアドレス・プロセスID・通信番号を「/(スラッシュ)」で区切った文字列が出力されます。 |
電文情報 | 送受信電文情報が出力されます。
|
CRLF | レコード終端符号が出力されます。 |
Object Accessアダプタの性能解析トレースは,サービスリクエスタから要求を受け付けて,実行結果を返却するまでの一連の処理で出力される性能解析情報を基に,サービスプラットフォームシステムの性能を検証できます。
性能解析トレースファイルの出力形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。
性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。
表7-102 性能解析トレースファイルに出力される内容(Object Accessアダプタ)
項目 | 内容 |
---|---|
イベントID | 取得ポイントのイベントIDが出力されます。 取得ポイントの詳細は,「(c) 性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。 |
リターンコード | 取得ポイント種別が出力されます。
|
インターフェース名 | クラス名が出力されます。 |
オペレーション名 | メソッド名が出力されます。 |
オプション情報 | 保守情報が出力されます。取得ポイントによっては出力されないこともあります。 |
Object Accessアダプタが取得している性能解析トレースの取得ポイントを次に示します。
図7-103 性能解析トレースの取得ポイント(Object Accessアダプタ)
イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-103 性能解析トレースの取得ポイント(Object Accessアダプタ)」中の番号と対応しています。
表7-103 性能解析トレース取得ポイント(Object Accessアダプタ)
イベントID | 図中の番号 | トレース取得ポイント | レベル※1 |
---|---|---|---|
0x9F21 | 1 | 要求電文変換処理前 | B |
0x9F22 | 2 | 要求電文変換処理後 | B |
0x9F01 | 3 | TPBroker接続処理前 | A |
0x9F02 | 4 | TPBroker接続処理後※2 | A |
0x9F03 | 5 | サービス要求処理前 | B |
0x9F04 | 6 | サービス要求処理後 | A |
0x9F23 | 7 | 応答電文変換処理前 | B |
0x9F24 | 8 | 応答電文変換処理後 | B |
Object Accessアダプタが取得している性能解析トレースの取得レベルは,任意のタイミングで変更できます。性能解析トレースの取得レベルの変更方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」を参照してください。
性能解析トレース取得レベルは,cprflevelコマンドの-PrfChangeLevelオプションに,4バイトの16進数(8桁)で指定します。cprflevelコマンドの指定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cprflevel(PRFトレース取得レベルの表示と変更)」を参照してください。
それぞれの桁には,機能レイヤが2つずつ割り当てられています。16進数を2進数にした場合の上位2ビットに割り当てられている機能レイヤを上位レイヤ,下位2ビットに割り当てられている機能レイヤを下位レイヤといいます。Object Accessアダプタでは,3桁目の上位レイヤを使用します。
図7-104 性能解析トレース機能レイヤ
Object Accessアダプタの取得レベルの設定値を次に示します。
表7-104 性能解析トレース取得レベルの設定値
インデックス | 設定桁 | 指定値 | 説明 |
---|---|---|---|
インデックス2 | 3桁目 | 0 | 標準の性能解析トレースを取得します。 |
4 | 詳細の性能解析トレースを取得します。 |
3桁目の下位レイヤを合わせて設定する場合は,設定値に3桁目の下位レイヤの設定値を加算して設定してください。
例外ログには例外情報が出力されます。例外ログの概要については,「7.4.6(1) 例外ログ」を参照してください。
例外ログの出力先を次に示します。
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\OAADP\maintenance\<サービスID>
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。
例外ログのログファイル名を次の表に示します。
表7-105 例外ログのログファイル名(Object Accessアダプタ)
ログファイルの出力モード | ログファイル名 |
---|---|
ラップアラウンドモードの場合 | exception<面数>.log |
シフトモードの場合 | exception.log |
出力ファイルの面数のデフォルトは4面です。面数はObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルのexptracefile.numキーで変更できます。
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.8 Object Accessアダプタを定義する」のObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
出力ファイルサイズのデフォルトは4MBです。出力ファイルサイズは,Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルのexptracefile.sizeキーで変更できます。
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.8 Object Accessアダプタを定義する」のObject Accessアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
例外ログの出力形式を次の図に示します。
図7-105 例外ログの出力形式
例外ログに出力される内容を次の表に示します。
表7-106 データトレースに出力される項目(Object Accessアダプタ)
項目 | 内容 |
---|---|
番号 | 例外ログの出力通番が表示されます。 |
日付 | 例外ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
|
時刻 | 例外ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
|
製品ID | 製品を特定するための識別子として,Object Accessアダプタを示す「ADPOA」が表示されます。 |
pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
ID | 空白 |
スタックトレース情報 | スタックトレース情報が出力されます。 |
CRLF | レコード終端符号が出力されます。 |
Object Accessアダプタは,障害情報にエラー情報を使用して障害を通知します。エラー情報の各設定値を次に示します。
表7-107 Object Accessアダプタが設定するエラー情報
要素名 | 型 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
faultCode | String | Server | 通信エラーなど,サーバ側のエラーです。 |
faultString | String | <Object Accessアダプタが出力するメッセージのメッセージテキスト> | 詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム メッセージ」の「2.12 KDEF20000〜KDEF30999のメッセージ」を参照してください。 |
faultActor | String | <サービスアダプタID> | エラー情報を通知したサービスアダプタIDです。 |
faultDetail | Document(XML) | IDLユーザ例外の形式のXML(DOM) | IDLに記載されたユーザ例外のデータ形式に沿って発生した例外情報が格納されたXML電文です。 |
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