Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
Message Queue受付では,障害情報として性能解析トレースを出力します。
ここでは,Message Queue受付実行時に発生したエラーの伝わり方と,性能解析トレースについて説明します。
JMSプロバイダ(WebSphere MQ)からMessage Queue受付を使用してビジネスプロセスを呼び出す場合のエラーの伝わり方を説明します。
カスタム受付フレームワークがエラーをリターンした場合のエラーの伝わり方を次の図に示します。
図7-106 カスタム受付フレームワークがエラーをリターンした場合のエラーの伝わり方(Message Queue受付の場合)
図中に示したエラー1〜エラー5の要因を次に示します。
エラー1〜エラー5のどれかが発生した場合,例外をキャッチしたカスタム受付フレームワークはMessage Queue受付の受付処理に対して,CSCMsgServerExceptionをスローします。CSCMsgServerExceptionの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録A.3 カスタム受付フレームワークのAPI」を参照してください。
Message Queue受付の受付処理では,キャッチした例外を基に例外ログを出力し,EJBContext#setRollbackOnlyを実行したあと,MQリソースアダプタに正常応答します。
MQリソースアダプタでは,JMSプロバイダ(WebSphere MQ)のキューマネージャに対して正常応答をそのまま渡します。
JMSプロバイダ(WebSphere MQ)のキューマネージャは,トランザクションをロールバックし,メッセージをキューの先頭に戻します。
運用時に障害が発生した場合,障害対策に必要な情報は,ログファイルにログとして出力され,トレースファイルにトレースとして出力されます。
ここでは,メッセージログおよび各種トレースの取得方法について説明します。
メッセージログのJ2EEサーバの稼働ログに,Message Queue受付で発生した各種情報がメッセージとして出力されます。
メッセージログの出力内容や出力先については,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。
リクエストトレースは,リクエストの障害要因の解析に使用します。
リクエストトレースの出力は,Message Queue受付からではなく,カスタム受付フレームワークからになります。
リクエストトレースの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録A.8 障害情報の取得(カスタム受付)」のリクエストトレース(カスタム受付)に関する説明を参照してください。
Message Queue受付での性能解析トレース(PRFトレース)について説明します。
表7-108 性能解析トレースファイルに出力される内容(Message Queue受付の場合)
項目 | 内容 |
---|---|
イベントID | 取得ポイントのイベントIDが出力されます。 取得ポイントの詳細は,項目「性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。 |
リターンコード | 取得ポイント種別が出力されます。
|
インターフェース名 | クラス名が出力されます。 |
オペレーション名 | メソッド名が出力されます。 |
オプション情報 | 次のオプション情報が出力されます。
|
図7-107 性能解析トレースの取得ポイント(Message Queue受付の場合)
表7-109 性能解析トレースの取得ポイント(Message Queue受付の場合)
イベントID | 図中の番号 | トレース取得ポイント | レベル |
---|---|---|---|
0x98A0 | 1 | Message Queue受付の入口 | A |
0x98A1 | 2 | Message Queue受付の出口 | A |
0x98A2 | 3 | カスタム受付フレームワークの呼び出し口 | B |
0x98A3 | 4 | カスタム受付フレームワークの応答受信口 | B |
0x9860 | 5 | カスタム受付フレームワークの入口 | A |
0x9861 | 6 | カスタム受付フレームワークの出口 | A |
0x9864 | 7 | HCSCメッセージ配送制御の呼び出し口 | A |
0x9865 | 8 | HCSCメッセージ配送制御の応答受信口 | A |
ユーザ電文トレースは,電文の状態を確認するために使用します。
ユーザ電文トレースの出力は,Message Queue受付からではなく,カスタム受付フレームワークからになります。
ユーザ電文トレースの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録A.8 障害情報の取得(カスタム受付)」のリクエストトレース(カスタム受付)に関する説明を参照してください。
Message Queue受付の処理中にJ2EEサーバがダウンした場合,WebSphere MQの仕様でメッセージは即時ロールバックされません。その場合,WebSphere MQサーバを再起動してください。
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