Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
N対1クラスタ構成では,クラスタを構成するすべてのHCSCサーバについて,HCSCサーバ構成定義ファイルで設定するクラスタ種別に「HA」を設定してください。クラスタ種別が「LB」の場合,N対1クラスタ構成を構築できません。
なお,標準の非同期受付(MDB(WS-R)/MDB(DBキュー))を使用する場合は,HAクラスタ相当のHCSCサーバの組にリクエストを送信するように,リクエスタを設定する必要があります。
N対1クラスタ構成でHCSCサーバを運用するための環境構築手順を次に示します。
実行環境を構築するには,実行系および待機系で次の作業を実施します。
それぞれのマシンにService Platformをインストールします。
Service Platformのインストール方法については,「2.1.2 Service Platformのインストール」を参照してください。
運用環境でHCSC-Managerを使用するためのManagement Serverの設定を,HCSC-Managerの接続先となる実行環境で実施します。
Management Serverの設定については,「2.1.6 HCSC-Managerを使用するためのManagement Serverの設定」を参照してください。
HCSCサーバをN対1クラスタ構成にする場合,構成する実行環境および運用環境で利用するSOAPモードを合わせる必要があります。異なるSOAPモードの環境は共存できません。
SOAPモードを設定するには,J2EEサーバのコンテナ拡張ライブラリの設定が必要になります。J2EEサーバのコンテナ拡張ライブラリの設定については,「3.1.2(4)(e) コンテナ拡張ライブラリの設定」を参照してください。
構築するHCSCサーバの種類(実行系・待機系)に応じて,HCSCサーバの構成などの実行環境に関する設定を各マシンで実施します。設定内容および設定方法はロードバランスクラスタ構成やHAクラスタ構成の構築時と同じです。設定内容と設定方法については,「2.3 実行環境に関する設定」を参照してください。
実行系または待機系のHCSCサーバを構築する場合の構成例とHCSCサーバの構成などの設定手順について,次に示します。
図2-9 実行系のHCSCサーバの構築例(HCSCサーバ2を追加した例)
図2-10 実行系のHCSCサーバの構築例(HCSCサーバをマシン4で構築した例)
設定項目 | 設定する値 |
---|---|
クラスタ表示名 | クラスタ内で同一の値 |
クラスタ種別 | クラスタ内で同一の値 |
manager名 | システムで一意になる値 |
managerのIPアドレス | 管理用物理IPアドレス |
WebサーバのIPアドレス(同期サービス(Webサービス)呼び出しをする場合) | クラスタ内で同一の値 |
WebサーバのIPアドレス(非同期サービス(MDB(WS-R))呼び出しをする場合) | それぞれのHCSCサーバの受付IPアドレス (実行系と待機系とで同一のIPアドレス(仮想IPアドレス)を指定) |
NameServerのIPアドレス | クラスタ内で同一の値 |
表2-24 N対1クラスタ内のHCSCサーバで同じ値を設定するプロパティ
同じ値を指定するプロパティ | プロパティに設定する値 |
---|---|
request-ejb | 標準の同期受付(SessionBean)の使用有無 |
request-soap | 標準の同期受付(Webサービス)の使用有無 |
request-jms | 標準の非同期受付(MDB(WS-R))の使用有無 |
request-jms.maxmessage | 標準の非同期受付(MDB(WS-R))のキューの最大メッセージ数 |
request-dbq | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))の使用有無 |
request-dbq.maxmessage | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))のキューの最大メッセージ数 |
request-jms-rdarea | 標準の非同期受付(MDB(WS-R))のRDエリア名 |
request-dbq-rdarea | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))のRDエリア名 |
request-dbq-maxlen | 標準の非同期受付(MDB(DBキュー))の最大メッセージ長 |
rm-displayname | Reliable Messagingの表示名 |
dbcon-xadisplayname※1 | XATransactionまたはLocalTransaction用DB Connectorの表示名 |
dbcon-nodisplayname※1 | NoTransaction用DB Connectorの表示名 |
dbtype | 使用するデータベース種別 |
jdbc-type | JDBCドライバ種別 |
jdbc-url※2 | JDBC用データベースURL |
jdbc-dbhostname | データベースのホスト名 |
jdbc-dbconnectinfo | データベースの接続情報 |
db-character-sets | データベース文字コード種別 |
db-tbl-split-key | 日付データによるテーブルのレンジ分割機能の使用有無 |
db-tbl-split-corcheck-use | 相関セットの重複チェックの強化有無 |
クラスタソフトウェアをインストールします。インストール方法は,利用するクラスタソフトウェアのドキュメントを参照してください。
運用環境は,クラスタを構成するHCSCサーバのマシンに構築します。
運用環境と実行環境の構成については,マニュアル「サービスプラットフォーム 解説」の「1.5 クラスタ構成における運用環境の構成パターン」を参照してください。
運用環境を構築するには,次の作業を実施します。
DBサーバは,クラスタを構成するHCSCサーバから独立して構築し,クラスタ内のHCSCサーバで共有します。
DBサーバとして利用するマシンに利用するデータベースをインストールしてください。インストール方法は,利用するデータベースのドキュメントを参照してください。
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