切り替え対象となる実行環境を構築する製品は，Application Serverです。構築済み実行環境の切り替えは，UNIX環境の場合に使用できます。退避対象となる実行環境は，システムの構築が完了済みで，各サーバやサービスを起動していない状態（稼働可能状態）であることが前提です。

また，構築済み実行環境から退避環境を作成する場合に，実行環境はTAR形式またはCPIO形式に圧縮されます。このため，実行環境の切り替えは，TAR形式またはCPIO形式に対応している環境で実行する必要があります。

構築済み実行環境を切り替える場合，次の四つの機能を使用します。

• 退避機能
  構築済み実行環境をTAR形式またはCPIO形式のファイルに圧縮して，退避環境を作成します。退避機能を実行しても，構築済み実行環境はそのまま残ります。退避環境は，複数作成でき，退避機能実行時に指定する識別子で管理できます。
  
• 回復機能
  退避環境を回復します。回復機能を実行しても，回復元の退避環境はそのまま残ります。実行環境の回復完了後に，回復元の退避環境を削除したい場合は，削除機能を実行してください。回復機能実行前にはApplication Serverが提供するすべての製品はアンインストール済みである必要があります。
  
• 削除機能
  退避環境を削除します。退避環境が不要となった場合に実施します。
  
• 退避環境一覧出力機能
  現在退避している退避環境の一覧を出力します。
  退避環境一覧出力機能では，次の項目を出力します。
  
  • 退避環境の識別子
  • 退避環境の格納先パス
  • 退避環境を作成した日付と時刻
  • 退避環境に退避した製品の形名，バージョン情報および製品名

これらの機能は，cosmienvコマンドに，機能に対応する引数を指定して実行します。cosmienvコマンドの詳細，および退避環境一覧の出力形式については，「7.2.5　構築済み実行環境の切り替えで使用するコマンド（cosmienv（構築済み実行環境の退避，回復，削除，一覧出力））」を参照してください。

構築済み実行環境を切り替える場合は，cosmienvコマンドを実行します。cosmienvコマンド実行時に障害が発生した場合は，メッセージと，ログファイルの内容を基に障害を解析してください。ログファイルは機能ごとに取得され，次の場所に格納されます。

構築済み実行環境の切り替えで取得するログファイルの格納場所

/opt/Cosminexus/env/log

機能ごとに出力されるログファイルを次の表に示します。

表7-3　機能ごとに出力されるログファイル

なお，退避環境一覧出力機能の場合，ログファイルは出力されません。

ログファイルの内容については，「7.2.7　構築済み実行環境の切り替えで出力するログの出力形式と出力項目（UNIXの場合）」を参照してください。また，メッセージについては，マニュアル「アプリケーションサーバ メッセージ(構築／運用／開発用)」を参照してください。