Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編

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7.2.5 構築済み実行環境の切り替えで使用するコマンドcosmienv(構築済み実行環境の退避,回復,削除,一覧出力))

構築済み実行環境の切り替えでは,次のコマンドを使用します。

表7-8 構築済み実行環境の切り替えで使用するコマンド

コマンド名称 分類 概要
cosmienv 構築済み実行環境の退避,回復,削除,一覧出力 実行環境の退避・回復を行います。

コマンドの格納先
構築済み実行環境の切り替えで使用するコマンドは,次のディレクトリに格納されています。
 
/opt/Cosminexus/env/bin/

以降にコマンドの文法を示します。

●形式
cosmienv <オプション> [-I<識別子>]
                      [-P<退避パス>]
                      [-f]
●機能

実行環境の退避・回復,退避環境の削除または一覧を表示します。

●引数

<オプション>
-s
構築済み実行環境を退避します。
-d
退避環境を削除します。
-r
退避環境を回復します。
-l
現在の退避環境の一覧を表示します。
-h
cosmienvコマンドのヘルプを表示します。

-I<識別子>
退避環境を識別するための識別子を指定します。
20文字までの半角英数字で指定します。
-s-d-rオプションを使用する場合には,識別子の指定は必須です。

-P<退避パス>
構築済み実行環境を退避するパス名をフルパスで指定します。
半角空白,全角空白,タブ文字を含むパス名は指定できません。
構築済み実行環境の退避先は <退避パス>/<識別子> となります。
-sオプションを使用する場合には,退避パスの指定は必須です。

-f
-rオプションを指定した場合に,退避環境を強制的に回復することを指定します。
-fオプションを指定した場合,Application Serverのインストール先にファイルが残っていても,退避環境の回復が実行されます。
-fオプションを指定しない場合,Application Serverのインストール先にファイルが残っていると,退避環境の回復は実行されません。
-rオプション以外のオプションと組み合わせて指定した場合,無効です。
●出力形式

退避環境の一覧表示
aa…aa bb…bb cccc/dd/ee ff:gg:hh ii…ii jj…jj kk…kk
 
  • aa…aa 退避機能実行時に指定した識別子
  • bb…bb 退避機能実行時に指定した退避パス
  • cccc 退避機能実行時の時刻(年)
  • dd 退避機能実行時の時刻(月)
  • ee 退避機能実行時の時刻(日)
  • ff 退避機能実行時の時刻(時)
  • gg 退避機能実行時の時刻(分)
  • hh 退避機能実行時の時刻(秒)
  • ii…ii 退避した製品の形名
  • jj…jj 退避した製品のVV-RR-SS
  • kk…kk 退避した製品名
●入力例・出力例

入力例
退避環境の一覧を表示します。
cosmienv -l

出力例
KEUC00001-I The cosmienv -l command will now start.
UCAPSE001 /home/CosmiBackup 2007/03/23 15:02:36 P-1M43-7K71 07-50 uCosminexus Application Server Enterprise
UCAPSS001 /home/CosmiBackup 2007/03/23 16:06:08 P-1M43-7D71 07-50 uCosminexus Application Server Standard
KEUC00002-I The cosmienv -l command ended successfully.
●戻り値

コマンドの戻り値を次の表に示します。

表7-9 cosmienvコマンドの戻り値一覧

戻り値 意味
0 正常終了しました。
128 異常終了しました。
129 構築済み実行環境の退避・回復の元情報が正しくありません。
130 構築済み実行環境の退避・回復の後処理で障害が発生しました。
131 構築済み実行環境の退避・回復のための情報が正しくありません。
133 ディスクのアクセスでエラーが発生しました。
135 ファイルのオープンでエラーが発生しました。
138 引数の指定に誤りがあります。
139 製品がサポートしていない機能を指定しています。
140 コマンド実行中です。
141 コマンドの実行環境が正しくありません。
142 コマンドの実行権限がありません。
143 製品の構成ソフトウェアで障害が発生しました。
構成ソフトウェアの戻り値が付与されています。

注※ 障害が発生した構成ソフトウェアについては,コマンドで出力されるログファイルで確認してください。


戻り値「143」で付与される構成ソフトウェア別の戻り値を次の表に示します。

表7-10 構成ソフトウェア別の戻り値一覧

構成ソフトウェア 戻り値 意味
Component Container 145 HNTRLibのインストールに失敗しました。
146 退避に失敗しました。
147 異常終了しました。
Component Transaction Monitor 129 退避・回復の元情報が正しくありません。
130 退避・回復の後処理でエラーが発生しました。
131 退避・回復のための情報が正しくありません。
138 引数の指定に誤りがあります。
142 実行権限がありません。
146 退避先ディレクトリがありません。
147 そのほかのエラーが発生しました。
148 ファイルおよびディレクトリの削除に失敗しました。
DABroker Library 128 異常終了しました。
131 退避・回復の元情報が正しくありません。
138 引数の指定に誤りがあります。
144 DABroker Libraryが実行中です。
Developer's Kit for Java 131 構築済み実行環境の退避・回復のための情報が正しくありません。
138 引数の指定に誤りがあります。
144 回復に失敗しました。
145 /opt/Cosminexus/jdkがシンボリックリンクファイルです。
146 そのほかのエラーが発生しました。
Performance Tracer 129 退避・回復の元情報が正しくありません。
130 退避・回復の後処理でエラーが発生しました。
131 退避・回復のための情報が正しくありません。
138 引数の指定に誤りがあります。
142 実行権限がありません。
145 HCCLibのインストールに失敗しました。
146 退避先のディレクトリがありません。
147 そのほかのエラーが発生しました。
148 ファイルおよびディレクトリの削除に失敗しました。
Reliable Messaging 129 退避・回復の元情報が正しくありません。
130 退避・回復の後処理でエラーが発生しました。
144 HNTRLib2のインストールに失敗しました。
145 退避先のディレクトリがありません。
146 そのほかのエラーが発生しました。
TPBroker 129 退避・回復の元情報が正しくありません。
130 退避・回復の後処理でエラーが発生しました。
131 退避・回復のための情報が正しくありません。
133 ディスクのアクセスでエラーが発生しました。
135 ファイルのオープンでエラーが発生しました。
144 HCCLibのインストールに失敗しました。
145 HNTRLib2のインストールに失敗しました。
146 退避に失敗しました。
147 PPインストーラ情報の取得・設定に失敗しました。
Web Services - Security 129 退避・回復の元情報が正しくありません。
130 退避・回復の後処理でエラーが発生しました。
131 退避・回復のための情報が正しくありません。
138 引数の指定に誤りがあります。
146 退避に失敗しました。
147 そのほかのエラーが発生しました。
148 ファイルおよびディレクトリの削除に失敗しました。
XML Processor 128 異常終了しました。
138 引数の指定に誤りがあります。
144 退避に失敗しました。
145 HNTRLib2のインストールに失敗しました。
HTTP Server 128 異常終了しました。
138 引数の指定に誤りがあります。
144 退避に失敗しました。
●注意事項