8.1 プールとは
仮想ボリュームは、物理ドライブの容量以上のボリュームを作成したり、必要に応じて拡張、縮小したりできます。ストレージシステムのリソースを有効に活用できるため、ドライブ増設に伴う設定も軽減します。また、複数の物理ボリュームを統合することで、複数のドライブにデータを分散して格納するため、ドライブの稼働効率の向上にもつながります。
REST APIでは、HDPプール、HDTプール、およびThin Imageプールを作成します。このマニュアルでは、HDPプールとHDTプールを区別しない場合はDPプールと表記します。
REST APIで実行するプールの操作を次に示します。
- プールの作成
LDEVを指定して、DPプールまたはThin Imageプールを作成します。プールの使用率が一定の割合を超えたときに警告を通知するためのしきい値も設定できます。DPプールは仮想ボリュームの作成、Thin Imageプールはスナップショットデータの格納に利用します。次のストレージシステムの場合は、HDPプールをスナップショットデータの格納先として利用することもできます。
- VSP 5000 シリーズ
- VSP E シリーズ
- VSP G150、G350、G370、G700、G900、VSP F350、F370、F700、F900
- VSP G100、G200、G400、G600、G800、VSP F400、F600、F800(マイクロコードのバージョンが83-05-0X-XX/XX以降)
- VSP G1000、VSP G1500、VSP F1500(マイクロコードのバージョンが80-06-0X-XX/XX以降)
- プールの設定の変更
プールの種別をHDPプールからHDTプールに変更したり、DPプールまたはThin Imageプールの使用率のしきい値や、DPプールの容量に対する仮想ボリュームの予約率を変更したりします。
- プールの拡張
DPプールまたはThin ImageプールにLDEVを追加して、容量を拡張します。
- プールの縮小
DPプールまたはThin Imageプールを構成するLDEVを削除して、容量を縮小します。
- HDTプールの性能モニタリング
HDTプールのデータが適切に配置されるように、HDTプールのモニタリングを任意のタイミングで開始または停止します。
- HDTプールの階層再配置
性能モニタリングの情報を基にして、HDTプールのデータを適切な階層へ再配置します。
- プールの閉塞解除
障害などから回復したDPプールまたはThin Imageプールの閉塞を解除します。
- プールの削除
不要になったDPプールまたはThin Imageプールを削除します。
- プールの情報取得
DPプールまたはThin Imageプールの情報を取得します。
プールの作成は、ボリューム割り当てやThin Imageペア作成の操作の流れの中で実行します。そのほかのプール操作は、プールの状況に応じて実行します。
HDP(Dynamic Provisioning)およびHDT(Dynamic Tiering)についての詳細は、マニュアルオープンシステム構築ガイドまたはシステム構築ガイドを参照してください。