Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
ブートディスクにHDLMを適用した場合の注意事項を次に示します。
- ブートディスクを作成できるストレージシステムとして,次の条件を満たしている必要があります。
- HDLMを使用しない状態でも,ストレージシステムがブートディスクとしての機能をサポートしている
- HBAが,ストレージシステムからの起動をサポートしている
- OSをインストールする場合は,ルートディレクトリ「/」と/bootディレクトリを別のパーティションに作成してください。
- HDLMをブートディスクとして使用する場合は,カーネルパラメタのresume,journalおよびdumpにHDLMデバイスを指定しないでください。
- Red Hat Enterprise Linux,SUSE LINUX Enterprise Serverでは,ブートディスクにLVM2を使用している環境をサポートします。
- Red Hat Enterprise Linux,SUSE LINUX Enterprise Serverでは,ブートディスクにmdデバイスを使用している環境はサポートしていません。
- 起動中に構成を変更したり,/etc/fstabファイルの設定が正しくなかった場合は,システムが起動できなくなることがあります。
- 起動時にルートディレクトリ「/」がマウントされないと,障害ログ(/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlmboot.log)を取得できません。その場合は,コンソールに出力されるログを参照して問題を解析してください。
- 起動時のdlmcfgmgrのログは,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlmboot.logファイルに出力されます。
- HDLMデバイスから起動する環境を構築したあとで,ブートディスクを変更することはできません。
- ブートディスクに設定したSANRISEのディスクをHDLMデバイスとして使用しない場合には,HDLMをインストールする前に,次の手順に従って/etc/fstabファイルの記述をLABEL指定からsdデバイス指定に編集してください。
- LABELで指定されているOSのインストール先ディレクトリを確認します。
# cat /etc/fstab LABEL=/ / ext3 defaults 1 1 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2ルートディレクトリと/bootディレクトリがLABEL指定であることが確認できます。- LABELとsdデバイスの関係を確認します。
# mount /dev/sda2 on / type ext3 (rw) none on /proc type proc (rw) none on /dev/pts type devpts (rw,gid=5,mode=620) usbdevfs on /proc/bus/usb type usbdevfs (rw) /dev/sda1 on /boot type ext3 (rw) none on /dev/shm type tmpfs (rw)ルートディレクトリが/dev/sda2,/bootディレクトリが/dev/sda1であることが確認できます。- viなどのエディタを使用して,LABEL指定をsdデバイス指定に変更します。
(変更前)LABEL=/ / ext3 defaults 1 1 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2(変更後)/dev/sda2 / ext3 defaults 1 1 /dev/sda1 /boot ext3 defaults 1 2- HDLMのインストールを行います。
- HDLMデバイス構成後に,dlmcfgmgr -oコマンドを実行して,ブートディスクに対応するHDLMデバイスを管理対象外にしてください。
- udev機能でSCSI デバイス名を変更している場合は,「3.7.3 マルチパス構成のブートディスク環境の設定」および「3.7.4 ブートディスク環境でのHDLMのアップグレードインストール」でSCSIデバイス名をudev機能で変更したSCSIデバイス名(udev名)に読み替えて操作してください。
HDLMがインストールされた環境ではHDLM構成定義ユティリティ(dlmcfgmgr)でSCSIデバイスとudev名の対応関係を確認することができます。
dlmcfgmgrユティリティに-vパラメタおよび-udevパラメタを指定して実行する例を次に示します。図3-9 dlmcfgmgrユティリティに-vパラメタおよび-udevパラメタを指定した実行例
HDevName列はHDLMデバイス,Device列はSCSIデバイス,Udev列はudev名になります。- カーネルパッケージを更新する場合,使用しているOSによって次のように対応ください。
- Red Hat Enterprise Linux 5,Red Hat Enterprise Linux 6,またはRed Hat Enterprise Linux 7を使用している場合
カーネルパッケージの更新手順は「4.2 カーネルパッケージの更新またはOSのアップデートパッケージの適用」を参照してください。- SUSE LINUX Enterprise Serverを使用している場合
カーネルパッケージを更新するときは,HDLMをいったんアンインストールしてからカーネルパッケージを更新し,再度HDLMをインストールしてください。なお,HDLMのインストールとアンインストールを実行するため,HDLMデバイスとSCSIデバイスの対応関係が,アンインストール前とインストール後で変わる場合があります。- カーネルパッケージを更新する場合で,次の条件をすべて満たすときは,Persistent Bindingの設定を変更する必要があります。
Persistent Bindingの設定については,マニュアル「Hitachi Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズガイド」を参照してください。
- ホストがBladeSymphonyである
- HDLMでブートディスクを管理している
- Persistent Bindingの機能が有効である
- ブートディスクにHDLMを適用する場合は,swapパーティションにLUKSを使用できません。
- HDLMのアップグレードインストールを行っても,作成済みのLVM構成は変わりません。
- HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとしている場合,サーバ起動時に次のようなメッセージが出力される場合がありますが,HDLMの動作上の問題はありません。
MM DD hh:mm:ss ホスト名 kernel: dracut: Found duplicate PV pvid: using SCSIデバイス名 not SCSIデバイス名
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