Tuning Manager - Agents
セットアップやサービスの起動に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- この項の構成
- (1) Performance Managementのプログラムのサービスが起動しない
- (2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
- (3) Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
- (4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとStoreサービスが停止する
- (5) Agent Collectorサービスが起動しない
(1) Performance Managementのプログラムのサービスが起動しない
考えられる要因およびその対処方法を次に示します。
- PFM - Managerが停止している
PFM - ManagerとPFM - Agentが同じホストにある場合,PFM - Managerが停止していると,PFM - Agentサービスは起動できません。PFM - Managerサービスが起動されているか確認してください。PFM - Managerサービスが起動されていない場合は,起動してください。サービスの起動方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。- Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している
Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合,Performance Managementのプログラムのサービスは起動できません。デフォルトでは,ポート番号は自動的に割り当てられるため,ポート番号が重複することはありません。Performance Managementのセットアップ時にPerformance Managementのプログラムのサービスに対して固定のポート番号を設定している場合は,ポート番号の設定を確認してください。Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合は,異なるポート番号を設定し直してください。ポート番号の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。- Storeデータベースの格納ディレクトリの設定に誤りがある
次に示すディレクトリに,アクセスできないディレクトリまたは存在しないディレクトリが設定されていると,Agent Storeサービスは起動できません。ディレクトリの属性の設定を見直し,誤りがあれば修正してください。また,これらのディレクトリを複数のAgent Storeサービスに対して設定していると,Agent Storeサービスは起動できません。ディレクトリの設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
- Storeデータベースの格納先ディレクトリ
- Storeデータベースのバックアップディレクトリ
- Storeデータベースの部分バックアップディレクトリ
- Storeデータベースのエクスポート先ディレクトリ
- Storeデータベースのインポート先ディレクトリ
- 指定された方法以外の方法でマシンのホスト名を変更した
マシンのホスト名の変更方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。指定された方法以外の方法でホスト名を変更した場合,Performance Managementのプログラムのサービスが起動しないことがあります。- インスタンス環境のセットアップ時の設定に誤りがある
インスタンス環境のセットアップ時に設定した次の項目に誤りがあると,Agent Collectorサービスは起動できません。
- HTM - Agent for RAID
HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズの場合
・Storage Model
・IP Address or Host Name (Controller 0)
・IP Address or Host Name (Controller 1)
・Array Unit Name
・user ID
・password
・Secure Port function?
VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,およびSANRISE Hシリーズの場合
・Storage Model
・Command Device File Name
・Unassigned Open Volume Monitoring
jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを実行して,各項目の正しい値を設定し直してください。設定後に,jpctdchkinstコマンドを実行して,各項目が正しく設定されているか検証してください。jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。また,jpctdchkinstコマンドの詳細については,「18.2.12 jpctdchkinst」を参照してください。- HTM - Agent for NAS
・destination_address
・detour_address- サービスコントロールマネージャでエラーが発生した
Windowsでjpcspm start(jpcstart)コマンドを実行した場合,「Windowsのサービスコントロールマネージャでエラーが発生しました」というエラーメッセージが出力され,サービスの起動に失敗する場合があります。この現象が発生した場合,jpcspm start(jpcstart)コマンドを再実行してください。頻繁に同じ現象が発生する場合は,jpcspm start(jpcstart)コマンド実行時にサービス起動処理がリトライされる間隔および回数を,jpccomm.iniファイルを編集して変更してください。jpccomm.iniファイルをUTFで保存する場合は,BOM(byte order mark)が付与されないように保存してください。
リトライ間隔およびリトライ回数を変更する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
(2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
jpcspm start(jpcstart)コマンドを実行してから,または[サービス]アイコンでサービスを開始してから,実際にサービスが起動するまで時間が掛かることがあります。次の要因で時間が掛かっている場合,2回目の起動時からはサービスの起動までに掛かる時間が短縮されます。
- スタンドアロンモードで起動する場合,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
- システム停止時にサービスを自動で停止させる設定をしないで,システムを再起動してサービスを起動すると,Storeデータベースのインデックスが再構築される場合があります。この場合,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
- エージェントを新規に追加したあとサービスを起動すると,初回起動時だけStoreデータベースのインデックスが作成されます。そのため,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
- 電源切断などによってStoreサービスが正常な終了処理を行えなかったときは,再起動時にStoreデータベースのインデックスが再構築されるため,Storeサービスの起動に時間が掛かることがあります。
(3) Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,このサービスが使用していたポート番号で,ほかのプログラムがサービスを開始した場合,通信が正しく実行されないことがあります。この現象を回避するために,次のどちらかの設定をしてください。
- Performance Managementのプログラムのサービスに割り当てるポート番号を固定する
Performance Managementのプログラムの各サービスに対して,固定のポート番号を割り当てて運用してください。ポート番号の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。- TCP_TIMEWAIT値の設定をする
OSのコマンドを使用して,TCP_TIMEWAIT値で接続待ち時間を設定してください。
HP-UXの場合またはAIXの場合,次のように指定して,接続待ち時間を75秒以上にしてください。Windows,Solarisの場合,接続待ち時間をデフォルトの設定としてください。デフォルト値は,次のとおりです。
- HP-UXの場合:tcp_time_wait_interval:240000
- AIXの場合:tcp_timewait:5
Linuxの場合,接続待ち時間のデフォルト値(60秒)は変更できません。Performance Managementのプログラムのサービスのポート番号を固定する方法で対応してください。
- Windowsの場合:2分
- Solarisの場合:4分
(4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとStoreサービスが停止する
Storeデータベースが使用しているディスクに十分な空き容量がない場合,Storeデータベースへのデータの格納が中断されます。この場合,「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあと,Storeサービスが停止します。
このメッセージが表示された場合,次のどちらかの方法で対処してください。
- 十分なディスク容量を確保する
Storeデータベースのディスク占有量を見積もり,Storeデータベースの格納先を十分な容量があるディスクに変更してください。Storeデータベースのディスク占有量を見積もる方法については,「付録C. システム見積もり(Storeデータベースで運用する場合)」を参照してください。Storeデータベースの格納先を変更する方法については,「10.2.3 パフォーマンスデータの格納先の変更」(Windowsの場合)または「11.2.3 パフォーマンスデータの格納先の変更」(UNIXの場合)を参照してください。- Storeデータベースの保存条件を変更する
Storeデータベースの保存条件を変更し,Storeデータベースのデータ量の上限値を調整してください。Storeデータベースの保存条件を変更する方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager 運用管理ガイド」の,エージェントの管理と設定について説明している個所を参照してください。これらの対処を実施したあとも,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスが起動されない場合,Storeデータベースに回復できない論理矛盾が発生しています。この場合,バックアップデータからStoreデータベースをリストアしたあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスを起動してください。利用できるバックアップデータがない場合は,Storeデータベースを初期化したあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスを起動してください。Storeデータベースを初期化するには,Storeデータベースの格納先ディレクトリにある次のファイルをすべて削除してください。
- 拡張子が.DBであるファイル
- 拡張子が.IDXであるファイル
Storeデータベースの格納先ディレクトリについては,「10.2.3 パフォーマンスデータの格納先の変更」(Windowsの場合)または「11.2.3 パフォーマンスデータの格納先の変更」(UNIXの場合)を参照してください。
PFM - AgentホストがWindowsの場合,PFM - Agentの起動時にAgent Collectorサービスの起動に失敗して,Windowsの再起動時に,次のどちらかのメッセージがWindowsイベントログ(システムログ)に出力されることがあります。
- 「サービス名サービスは起動時に停止しました。」
- 「サービス名サービスは開始時にハングしました。」
この現象は,Windowsの再起動時に,次の両方の条件を満たしていると,Windowsのサービスコントロールマネージャのタイムアウトによって発生します。
- PFM - Agentの各サービスについて,Windowsの[サービス]アプレットでスタートアップ種別が「自動」に設定されている
デフォルトで「自動」に設定されています。- PFM - Managerへの通信負荷が高い
例えば,多数のPFM - Agentの起動処理が同時に実行されている場合などが該当します。Agent Collectorサービスの起動の失敗を回避するためには,次のどちらかの設定をして運用してください。
- Windowsの[サービス]アプレットでスタートアップ種別を「手動」に設定して,OSの再起動後に,jpcspm start(jpcstart)コマンドを実行してAgent Collectorサービスを起動する
- PFM - Agentホストで次の設定をして,PFM - Agentの起動時間を短縮する
起動情報ファイル(jpccomm.ini)※1のAgent Collector x Section※2およびAgent Store x Section※2のNS Init Retry Countラベルを,NS Init Retry Count =2からNS Init Retry Count =1に変更します。
起動情報ファイル(jpccomm.ini)をUTFで保存する場合は,BOM(byte order mark)が付与されないように保存してください。
- 注※1
- 起動情報ファイル(jpccomm.ini)の格納先は,次のとおりです。
- PFM - Agentホストが物理ホストの場合
インストール先フォルダ\jpccomm.ini- PFM - Agentホストが論理ホストの場合
環境ディレクトリ\jp1pc\jpccomm.ini- 環境ディレクトリとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリを示します。
この設定をしてPFM - Agentのサービスを起動する場合,PFM - Managerに接続できないときに再接続を試みる回数が少なくなり,PFM - Agentのサービスがスタンドアロンモードで起動する確率が高くなります。
- 注※2
- 「x」には,PFM - AgentのプロダクトIDが入ります。プロダクトIDについては,各PFM - Agentマニュアルの識別子一覧について説明している個所を参照してください。同一ホスト上にPFM - Agentが複数インストールされている場合は,それぞれのプロダクトIDのセクションにNS Init Retry Countラベルの値を設定してください。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.