Tuning Manager - Agents
ここでは,StoreデータベースからHybrid Storeへ移行する前に読む必要のある,注意事項や確認事項および移行後に変わる運用などについて説明します。
- この項の構成
- (1) Hybrid Storeへの移行に関する注意事項
- (2) Hybrid Storeへの移行時の注意事項
- (3) Hybrid Storeへの移行後に変わる運用や設定値について
Hybrid Storeへの移行に関する注意事項および確認事項を次に示します。
- Hybrid Storeでの運用は,Storeデータベースで運用する場合に比べて,多くのメモリーやディスク容量が必要となります。Hybrid Storeでの運用に必要となるメモリーやディスク容量は「付録A. システム見積もり(Hybrid Storeで運用する場合)」を参照してください。
- StoreデータベースからHybrid Storeへ移行する場合は,移行のために空き容量が必要となります。移行のために必要な空き容量は「A.1 StoreデータベースからHybrid Storeへの移行時に一時的に必要となる空き容量」を参照してください。
- バージョンアップインストール時にHybrid Storeへ移行する場合,Storeデータベースのパフォーマンスデータの格納先ディレクトリのパス長が81バイト以上のときは,80バイト以下に変更しておく必要があります。
Storeデータベースの運用時に,パフォーマンスデータの格納先ディレクトリを変更する方法は,「11.2.3 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。- クラスタ環境でHTM - Agentsをインスタンスごとに異なる論理ホストに分けている場合,Hybrid Storeへの移行はできません。
Hybrid Storeに移行して,クラスタ環境で運用したい場合は,HTM - Agentsのインスタンスを1つの論理ホスト上で稼働させてください。- HTM - Agent for NASは,Storeデータベースで運用しているHTM - Agent for RAIDが同一ホストにインストールされている環境では,Hybrid Storeに移行できません。HTM - Agent for NASをHybrid Storeで運用したい場合は,先にHTM - Agent for RAIDをHybrid Storeに移行してください。
- Store バージョン1.0 からHybrid Storeへは移行できません。Hybrid Storeに移行したい場合は,Store バージョン2.0 にバージョンアップしてから移行してください。
- Hybrid Storeに移行する際,Performanceデータベースの形式を変更するため,多くの移行時間が掛かります。目安として,Storeデータベースのサイズが100GBの場合,移行の処理が4~5時間掛かるときがあります。
なお,Hybrid Storeへ移行したあとの環境でHybrid Storeへ移行した製品のバージョンアップインストールを実施する場合は,データ量に依存した処理時間および空き容量が必要になることはありません。- 別ホストへ移行する場合は,次の項目を確認してから実行してください。
- 移行先ホストで,Hybrid Storeを選択したインストールが完了しているか,またはHybrid Storeへの切り替えが完了しているかどうか。
- 移行先ホストのエージェントのデータモデルバージョンが,移行元ホストのエージェントのデータモデルバージョンと同じか,または移行元ホストより新しいバージョンになっているかどうか。
- 移行先ホストのエージェントのインスタンス名が,移行元ホストのエージェントのインスタンス名と同じになっているかどうか。
- Hybrid Storeへ移行した場合,Storeデータベースでの運用へは戻せません。
- Storeデータベースでの運用時にTuning Manager APIの利用を有効化していたときに出力していた稼働性能情報ファイルは,移行できません。
- Hybrid Storeへ移行すると,Tuning Manager APIが有効化されます。
移行後に,必要に応じて,Tuning Manager APIの利用を有効化している場合の環境設定をしてください。設定方法の詳細については,「7.1 設定」を参照してください。- 同一ホスト内にHybrid Storeへの移行が完了していないエージェントが存在する場合,Hybrid Storeで運用するエージェントはすべて運用を開始できません。
- HTM - Agent for RAIDとHTM - Agent for NASを同一ホストにインストールしている環境での,Hybrid Storeへの移行の可否について,次の表に示します。
エージェントの状態 条件 移行可否 HTM - Agent for RAIDの状態 HTM - Agent for NASの状態 HTM - Agent for RAID HTM - Agent for NAS 移行完了 Hybrid Store 移行完了 なし - 移行未完了※1 なし - ○ Storeデータベース なし - ○ 移行未完了※1 Hybrid Store 移行完了 なし ○ - 移行未完了※1 なし ○※2 Storeデータベース HTM - Agent for RAIDだけ移行したい ○※3 - HTM - Agent for NASだけ移行したい ×※2 どちらも移行したい ○※2
- (凡例)
- -:移行対象外
- ○:Hybrid Storeへ移行できます。
- ×:Hybrid Storeへ移行できません。
- 注※1
- 移行未完了とは,インストール時[インストール後にパフォーマンスデータの引き継ぎを実施する]を選択したり,インストールが途中で失敗したりして,まだデータの引き継ぎが完了していない状態を表します。
- 注※2
- この状態の場合,HTM - Agent for RAIDとHTM - Agent for NASはHybrid Storeでの運用が開始できません。そのため,htmhsmigrateコマンドを-keyオプションを指定しないで実行して,HTM - Agent for RAIDとHTM - Agent for NASの両方を移行してください。
- 注※3
- htmhsmigrateコマンドおよびhtmhsconvertコマンドの実行時,HTM - Agent for NASを対象外にする必要があります。
- ・htmhsmigrateコマンドを実行する場合,-key agtdを指定してください。-keyオプションを省略すると,HTM - Agent for NASも移行されます。
- ・htmhsconvertコマンドを実行する場合,-allオプションは指定しないでください。-allオプションを指定すると,HTM - Agent for NASも形式変換されます。
HTM - Agent for NASの状態 条件 移行可否 HTM - Agent for RAID HTM - Agent for NAS Hybrid Store この構成は,非サポート構成です。 Storeデータベース HTM - Agent for RAIDだけ移行したい ○※1 - HTM - Agent for NASだけ移行したい ×※2 どちらも移行したい ○※3
- (凡例)
- -:移行対象外
- ○:Hybrid Storeへ移行できます。
- ×:Hybrid Storeへ移行できません。
- 注※1
- htmhsmigrateコマンドおよびhtmhsconvertコマンドの実行時,HTM - Agent for NASを対象外にする必要があります。
- ・htmhsmigrateコマンドを実行する場合,-key agtdを指定してください。-keyオプションを省略すると,HTM - Agent for NASも移行されます。
- ・htmhsconvertコマンドを実行する場合,-allオプションは指定しないでください。-allオプションを指定すると,HTM - Agent for NASも形式変換されます。
- 注※2
- HTM - Agent for NASは,HTM - Agent for RAIDと同時の移行しかできません。
- 注※3
- htmhsmigrateコマンドを-keyオプションを指定しないで実行して,HTM - Agent for RAIDとHTM - Agent for NASの両方を移行してください。
Hybrid Storeへ移行する時に必要な作業および指定方法についての注意事項を次に示します。
- Hybrid Store へ移行する前に,Storeデータベースをバックアップしてください。
- Tuning Manager Agent REST APIコンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agentのサービスを停止してください。
- htmhsconvertコマンドで形式変換したパフォーマンスデータを別ホストにFTPで転送する場合は,バイナリモードで転送してください。
- htmhsconvertコマンドで形式変換したパフォーマンスデータを別ホストに転送した後,転送元データと転送先データの容量が一致することを確認してください。
- htmhsmigrateコマンドおよびhtmhsconvertコマンドでパスを指定する場合の注意事項を,次の表に示します。
項目 注意事項 指定可能パス 指定できるパスは,次の条件に該当するパスです。指定する際は,絶対パスで指定してください。 なお,シンボリックリンク,ネットワークドライブ,ネットワークディレクトリは指定できません。
- 存在しているパスである
- パス長が80バイト以下である
指定可能文字 指定できる文字は,次の文字を除く,半角英数字,半角記号および半角空白です。
; , * ? ' " < > |
パスに空白文字を含む場合はダブルクォーテーション(")で囲んでください。- Hybrid Storeへの移行で使用するhtmhsmigrateコマンドおよびhtmhsconvertコマンドの詳細については,「18.2.6 htmhsmigrate」および「18.2.4 htmhsconvert」を参照してください。
- Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのサービスの稼働中に新しくインスタンスを追加し,追加したインスタンスのHybrid Storeの格納先ディレクトリ配下に別ホストで形式変換したデータを格納した場合は,次の手順を実施してください。
- 次のコマンドを実行して,Tuning Manager Agent REST API コンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agent のサービスを停止します。
インストール先ディレクトリ/htnm/bin/htmsrv stop -all- 追加したインスタンスのHybrid Storeの格納先ディレクトリ配下のディレクトリ,ファイルを手動で削除します。
- 移行元ホストから形式変換したデータを,追加したインスタンスのHybrid Storeの格納先ディレクトリ配下にコピーします。
- 次のコマンドを実行して,Tuning Manager Agent REST API コンポーネント,PFM - Manager,およびPFM - Agent のサービスを起動します。
インストール先ディレクトリ/htnm/bin/htmsrv start -all
(3) Hybrid Storeへの移行後に変わる運用や設定値について
Hybrid Storeへ移行した後に変わる運用や設定値について次に示します。
- バックアップとリストアの運用方法(実行するコマンドや実行単位など)が変わります。Hybrid Storeでのバックアップおよびリストアについては「9.1 Hybrid Storeで運用しているHTM - Agentsのバックアップとリストア」を参照してください。
- Storeデータベースの運用時に使用していた次のコマンドが使えません。
- jpcaspsv updateコマンド
- jpcaspsv outputコマンド
- jpctool db backup(jpcctrl backup)コマンド
- jpctool db dump(jpcctrl dump)コマンド
- jpcconf db define(jpcdbctrl config)コマンド
- jpctool db dmconvert(jpcdbctrl dmconvert)コマンド
- jpctool db import(jpcdbctrl import)コマンド
- jpcconf db vrset(jpcdbctrl setup,jpcdbctrl unsetup)コマンド
- jpctool db restore(jpcresto)コマンド
- 要約データは,要約単位がdaily,weekly,monthly,yearlyのときには1時間ごとに更新されます。そのため,Hybrid Storeの場合,最新のパフォーマンスデータが要約データに含まれていないことがあります。
- すでに存在するインスタンスの設定値には次の値が設定されます。
ただし,Storeデータベースで運用していたときに保存期間を0に変更していた場合は,Hybrid Storeの設定値には1が設定されます。
- PIレコードタイプの分単位,およびPDレコードタイプの保存期間の設定値:
・Tuning Manager APIの利用を有効化していた場合:Tuning Manager APIの利用を有効化していたときの設定値,またはStoreデータベースで運用していたときの設定値のうち,期間が長い方の値
・Tuning Manager APIの利用を有効化していない,HTM - Agent for RAIDのv8.0より前からのバージョンアップインストールである,またはHTM - Agent for NASのv8.2.1より前からのバージョンアップインストールである場合:48時間,またはStoreデータベースで運用していたときの設定値のうち,期間が長い方の値- 上記以外の場合:そのまま引き継ぐ
- 新規インスタンスをセットアップしたときに設定されるレコードの保持期間のデフォルト値は,Storeデータベース運用時に設定されていたデフォルト値から変わります。
- 保存期間(分単位):
PIレコードタイプのレコードの保存期間のデフォルト値が,24時間から48時間になります。- 保存期間(時単位):
次のPIレコードタイプのレコードの保存期間のデフォルト値が,168時間(7日)から216時間(9日)になります。
HTM - Agent for RAIDの場合:
・PI_CLCS
・PI_LDE
・PI_LDE1
・PI_LDE2
・PI_LDE3
・PI_LDS
・PI_LDS1
・PI_LDS2
・PI_LDS3
・PI_PDOS
・PI_PDS
・PI_PLTI
・PI_VVTI
HTM - Agent for NASの場合:
・Hitachi Virtual File Platform※監視用の各PIレコード- レコードのLOGIFは使用できません。Storeデータベースでの運用時にレコードのLOGIFの値をデフォルト値から変更していた場合でも,Hybrid Storeでの運用時にはデフォルト値と見なされます。
- 注※
- 次のファイルサーバを総称して,「Hitachi Virtual File Platform」と呼びます。
- Hitachi Virtual File Platform
- Hitachi Capacity Optimization
- Hitachi Essential NAS Platform
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