Tuning Manager - Agents
ここでは,クラスタシステムのインストールおよびセットアップでの前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。インストール全般の確認事項および注意事項については,次に示す個所を参照してください。
- 「4.1.2 インストール前の確認事項」および「4.1.3 インストールの前に必ずお読みください」(HTM - Agent for RAIDの場合)
- 「4.3.2 インストール前の確認事項」および「4.3.3 インストールの前に必ずお読みください」(HTM - Agent for NASの場合)
- この項の構成
- (1) 前提条件
- (2) 論理ホスト運用するHTM - Agentsのセットアップに必要な情報
- (3) HTM - Agentsで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項
- (4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項
- (5) AIX環境でHAモニタを使用する場合の注意事項(HTM - Agent for RAID)
HTM - Agentsをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。
次の条件が整っていることを確認してください。
- クラスタシステムがクラスタソフトによって制御されていること。
- クラスタソフトが論理ホスト運用するHTM - Agentsの起動や停止などを制御するように設定されていること。
次の条件が整っていることを確認してください。
- 論理ホストごとに共有ディスクがあり,実行系ノードから待機系ノードへ引き継げること。
- フェールオーバーの際に,何らかの問題によって共有ディスクを使用中のプロセスが残った場合でも,クラスタソフトなどの制御によって強制的に共有ディスクをオフラインにしてフェールオーバーできること。
- 1つの論理ホストで複数のPerformance Managementプログラムを運用する場合,共有ディスクのディレクトリ名が同じであること。
なお,Performanceデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。次の条件が整っていることを確認してください。
- 論理ホストごとに論理ホスト名,および論理ホスト名と対応する論理IPアドレスがあり,実行系ノードから待機系ノードに引き継げること。
- 論理ホスト名と論理IPアドレスが,hostsファイルやネームサーバに設定されていること。
- DNS運用している場合は,FQDN名ではなく,ドメイン名を除いたホスト名を論理ホスト名として使用していること。
- 物理ホスト名と論理ホスト名は,システムの中でユニークであること。
- 注意
- 論理ホスト名に,物理ホスト名(uname -nコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常に通信処理がされなくなるおそれがあります。
- 論理ホスト名に使用できる文字は,1~32バイトの半角英数字です。次の記号および空白文字は指定できません。
/ \ : ; * ? ' " < > | & = , .- 論理ホスト名には,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名を指定できません。
(2) 論理ホスト運用するHTM - Agentsのセットアップに必要な情報
論理ホスト運用するHTM - Agentsをセットアップするには,通常のHTM - Agentsのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の情報が必要です。
表6-5 論理ホスト運用のHTM - Agentsのセットアップに必要な情報(UNIXの場合)
項目 例 論理ホスト名 jp1-ha1 論理IPアドレス 172.16.92.100 共有ディスク /jp1 なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。
共有ディスクに必要な容量については,「付録C. システム見積もり(Storeデータベースで運用する場合)」を参照してください。
(3) HTM - Agentsで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項
HTM - Agentsを論理ホスト運用するシステム構成の場合,HTM - Agentsの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。
HTM - Agentsの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,HTM - Agentsが動作している同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与える可能性があります。
HTM - Agentsに異常が発生しても,同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションの動作に影響がないように,必要に応じてクラスタソフトの設定を次のどちらかにしてください。
- HTM - Agentsの動作監視をしない
- HTM - Agentsの異常を検知してもフェールオーバーしない
論理ホスト運用のHTM - Agentsをバージョンアップする場合は,実行系ノードまたは待機系ノードのどちらか一方で,共有ディスクをオンラインにする必要があります。
(5) AIX環境でHAモニタを使用する場合の注意事項(HTM - Agent for RAID)
AIX環境で,HAモニタを使用したクラスタシステムでHTM - Agent for RAIDを運用する場合のコマンドの設定について説明します。
serversファイルを使用したサーバの環境設定で,server定義文のnameオペランドに指定するスクリプトでは,次のコマンドを実行してからjpcspm start(jpcstart)コマンドを実行するように設定してください。
ulimit -s 32768HAモニタの設定については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編」を参照してください。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.