Tuning Manager - Agents

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4.3.2 インストール前の確認事項

HTM - Agent for NASをインストールする前に確認しておくことを説明します。

この項の構成
(1) 前提OS
(2) インストールする環境の状態について
(3) 監視対象NASシステム
(4) ネットワークの環境設定
(5) ポート番号の使用状況について
(6) インストールに必要なOSユーザー権限について
(7) 前提プログラム
(8) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(9) 仮想化システムでのインストールとセットアップについて
(10) インストール済みのHTM - Agent for NASのバージョンを確認する
(11) セキュリティ関連プログラムの有無を確認する

(1) 前提OS

HTM - Agent for NASの前提OSについては,「ソフトウェア添付資料」の適用OSについて説明している個所を参照してください。

(2) インストールする環境の状態について

HTM - Agent for NASをインストールするホストに,Tuning Manager serverおよびほかのHTM - Agents製品がインストールされている場合は,それらすべての製品のバージョンがv8.5以降であることを確認してください。v8.5より前の製品がインストールされている場合は,v8.5以降にアップグレードしてください。

(3) 監視対象NASシステム

HTM - Agent for NASは,NAS Platform,およびHitachi Virtual File Platformを監視できます。それぞれの監視対象ストレージシステムについては,NAS Platform監視の場合は「NAS Platformを監視する場合」を,Hitachi Virtual File Platform監視の場合は「Hitachi Virtual File Platformを監視する場合」を参照してください。

なお,次のファイルサーバを総称して,「Hitachi Virtual File Platform」と呼びます。

NAS Platformを監視する場合

HTM - Agent for NASがサポートしているNAS Platformは,次の表に示すストレージシステムと接続できます。

なお,NAS Platformのバージョンによって,接続できるストレージシステムが異なります。詳細については,「ソフトウェア添付資料」を参照してください。

表4-9 接続できるトレージシステム(NAS Platformの監視)(UNIXの場合)

管理対象
ストレージシステム VSP E990
VSP Gx00モデル
VSP Fx00モデル
HUS VM
VSP 5000シリーズ
VSP G1000
VSP G1500
VSP F1500
Virtual Storage Platform シリーズ
  • HUS150
  • HUS130
  • HUS110
  • Hitachi AMS2500
  • Hitachi AMS2300
  • Hitachi AMS2100
ファイルサーバ NAS Platform

注※
NASモジュールを搭載したVSP G400,G600,G800,およびVSP F400,F600,F800も含みます。

注意
  • HTM - Agent for NASを使用するには,HTM - Agent for NASをインストールしたホストと監視対象NAS PlatformがLANで接続されている必要があります。
    なお,監視対象がNASモジュールを搭載したストレージシステム内に存在するNAS Platformの場合は,HTM - Agent for NASをインストールしたホストが次のどちらともLANで接続されている必要があります。
    ・NASモジュールを搭載したストレージシステム
    ・NASモジュールを搭載したストレージシステムを管理するSVP
  • 複数の監視元からruscコマンドを使用してNAS Platformからパフォーマンスデータを収集する場合,回避できない競合が発生するためデータを正しく取得できません。この場合の注意事項については,「5.3.13 運用開始の前に」の「(3) NAS Platformからパフォーマンスデータを収集する場合の注意事項」を参照してください。

Hitachi Virtual File Platformを監視する場合

HTM - Agent for NASがサポートしているHitachi Virtual File Platformを管理するために必要なプログラム,および接続できるストレージシステムについて,次の表に示します。

なお,ファイルサーバによって,必要なプログラム,および接続できるストレージシステムが異なります。詳細については,「ソフトウェア添付資料」を参照してください。

表4-10 管理ソフトウェアおよび接続できるストレージシステム(Hitachi Virtual File Platformの監視)(UNIXの場合)

管理対象
管理ソフトウェア NAS Blade Manager
NAS Manager Modular
Hitachi NAS Manager
Hitachi NAS Base Suite
Hitachi File Services Manager
ストレージシステム VSP E990
VSP Gx00モデル
VSP Fx00モデル
HUS VM
VSP G1000
Virtual Storage Platform シリーズ
Universal Storage Platform V/VM シリーズ
Hitachi USP
SANRISE Hシリーズ
HUS100シリーズ
Hitachi AMS2000/AMS/WMSシリーズ
ファイルサーバ Hitachi Capacity Optimization
Hitachi Virtual File Platform
Hitachi Essential NAS Platform

注意
  • HTM - Agent for NASを使用するには,HTM - Agent for NASをインストールしたホストと監視対象であるHitachi Virtual File PlatformがLANで接続されている必要があります。
  • HTM - Agent for NASが監視できるHitachi Virtual File Platformは,クラスタ構成のNASシステムです。シングル構成のNASシステムは監視できません。
  • HTM - Agent for NASでVirtual Serverを運用しているHitachi Virtual File Platformを監視する場合,Physical NodeのCPU使用率,実メモリー使用量および実メモリー使用率は収集できます。ただし,Virtual ServerごとのCPU使用率,実メモリー使用量および実メモリー使用率は収集できません。
    Physical Nodeの実メモリー使用量のうち,Virtual Server分の使用量は各Virtual Serverに割り当てたメモリー量(割り当て時の固定値)です。割り当てたメモリーで実際に使用されているメモリー量ではありません。また,Physical Nodeの実メモリー使用率は実メモリー使用量を基に算出されるため,実際の使用率ではありません。
  • HTM - Agent for NASでVirtual Serverを運用しているHitachi Virtual File Platformを監視する場合,Virtual Serverで管理しているファイルシステムおよびローカルディスクデバイスの情報は収集できません。Physical Nodeで管理しているファイルシステム,ローカルディスクデバイスの情報だけ収集できます。

(4) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

IPアドレスの設定

PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

注意
  • 監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。Performance Management は,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。
  • Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
  • Tuning Manager serverとDevice Managerを別のホストにインストールしている環境で,アラート機能を使用する場合,Device Managerホストから,PFM - Agentをインストールしているホストの実ホスト名を名前解決できるようにしてください。
  • 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
  • jpchostsファイルで名前解決していて,かつTuning Manager APIの利用を有効化している場合,Tuning Manager serverのユーザープロパティファイル(user.properties)の次のプロパティにエージェントの情報を指定してください。
    ・rest.discovery.agent.host.HostName.host
    ・rest.discovery.agent.host.HostName.protocol
    ・rest.discovery.agent.host.HostName.port
    ユーザープロパティファイル(user.properties)については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager運用管理ガイド」を参照してください。
  • 名前解決を実施するホスト名のIPアドレスにループバックアドレスは設定できません。
  • hostsファイルにlocalhostとしてループバックアドレスの設定が必要です。
  • Performance Managementシステム上では,サーバのホスト名または監視ホスト名設定機能で設定したエイリアス名をユニークにしてください。 なお,サーバのホスト名は監視ホスト名の取得方法設定によって次に示すように異なります。
    ・ 監視ホスト名の取得方法がhostnameの場合:hostnameの結果
    ・ 監視ホスト名の取得方法がunameの場合:uname -nの結果

Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でも,Performance Managementを運用できます。なお,Tuning Managerシリーズは,IPv6環境だけのネットワーク構成では運用できません。

IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でのPerformance Managementの運用については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,ネットワークの構成について説明している個所,およびインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表4-11 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(UNIXの場合(HTM - Agent for NAS))

機能 サービス名 パラメーター ポート番号 備考
サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。
サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。

これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(5) ポート番号の使用状況について

インストールする前に,Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントがデフォルトで使用するポート番号の使用状況を確認してください。

デフォルトで使用するポート番号が,ほかのプログラムと重複しないように調整する必要があります。重複する場合は,そのプログラムの設定を変更してください。

デフォルトで使用するポート番号の詳細については,「7.1.4 ポート番号の変更について説明と手順」を参照してください。

(6) インストールに必要なOSユーザー権限について

HTM - Agent for NASをインストールするときは,必ず,rootユーザー権限を持つアカウントで実行してください。

(7) 前提プログラム

HTM - Agent for NASを管理するためのプログラムについては,「ソフトウェア添付資料」の同一装置内前提ソフトウェアまたはシステム内前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。また,仮想化システムで運用する場合に必要な製品については,「ソフトウェア添付資料」の機能別/条件付前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。

(8) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「6. クラスタシステムでの運用」を参照してください。

(9) 仮想化システムでのインストールとセットアップについて

仮想化システムでHTM - Agent for NASを運用する場合,ゲストOSにHTM - Agent for NASをインストールします。

仮想化システムでのHTM - Agent for NASのインストール手順およびセットアップ手順は,非仮想化システムの場合と同じです。インストール手順については「4.3.4 インストール手順」を,セットアップ手順については「5.3 HTM - Agent for NASのセットアップ」を参照してください。

(10) インストール済みのHTM - Agent for NASのバージョンを確認する

インストール済みのHTM - Agent for NASのバージョンを確認する方法について説明します。バージョンの確認には,jpctminfoコマンドを使います。jpctminfoコマンドは,実行ホストにインストールされたHTM - Agent for NASの製品情報を表示するコマンドです。このコマンドを使用すると,バージョンおよび修正パッチ履歴情報を確認できます。

コマンドの格納先ディレクトリを次に示します。

   /opt/jp1pc/tools/

HTM - Agent for NASのバージョンを確認したい場合,次のように指定してコマンドを実行します。

   jpctminfo agtn

コマンドを実行すると,次の例のように,製品のバージョンが表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for Network Attached Storage
   VERSION  8.0.0-00(08-00-00)

また,修正パッチ履歴情報を付加して製品情報を表示したい場合,次のように-pオプションを指定してコマンドを実行します。

   jpctminfo agtn -p

修正パッチがインストールされている場合,-pオプションを指定してコマンドを実行すると,次の例のように,修正パッチのバージョンとインストール日が表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for Network Attached Storage
   VERSION  8.0.0-02(08-00-02)
   PATCH    DATE
   080001   2014/05/31
   080002   2014/06/30

修正パッチがインストールされていない場合,-pオプションを指定してコマンドを実行すると,次の例のように,修正パッチのインストール履歴がないことを示すメッセージが表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for Network Attached Storage
   VERSION  8.0.0-00(08-00-00)
   KAVF24903-I 修正パッチの履歴情報はありません

(11) セキュリティ関連プログラムの有無を確認する

次に示すプログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。

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