Tuning Manager - Agents
HTM - Agent for RAIDをインストールする前に確認する必要があるインストールおよびセットアップ時の注意事項を説明します。
- この項の構成
- (1) インストール時のPerformanceデータベースの選択について
- (2) 環境変数に関する注意事項
- (3) 同一ホストにPerformance Management プログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
- (4) HTM - Agent for RAID のインストール先ホストについての注意事項
- (5) バージョンアップ時の注意事項(Hybrid Storeで運用している場合)
- (6) バージョンアップ時の注意事項(Storeデータベースで運用している場合)
- (7) その他の注意事項
(1) インストール時のPerformanceデータベースの選択について
HTM - Agent for RAIDでは,インストール時にPerformanceデータベースとしてHybrid StoreまたはStoreデータベースを選択できます。
- 注意
- Hybrid Storeで運用しているHTM - Agent for NASが同一ホストにインストールされている環境では,HTM - Agent for RAIDはHybrid Storeしか選択できません。
HTM - Agent for RAIDとしては,新しいPerformanceデータベースであるHybrid Storeを推奨します。
Hybrid Storeには,次のような特長があります。
- 監視対象リソース数が多い場合,一部のパフォーマンスデータをTuning Manager APIで取得するときの取得性能が,Storeデータベースと比べて大幅に向上する。
- Storeデータベースでの運用時と同一のサイクルで監視する場合,より多くのリソースを1台のAgentホストで監視できる。
- TCP/IP接続を使用する設定をすると,Storeデータベースでの運用時と比べて,より多くの種類のレコードを収集できる(VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,およびVirtual Storage Platformシリーズの場合)。
TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータの種類と制限事項については,「付録N. TCP/IP接続を使用してパフォーマンスデータを収集する場合の確認事項」を参照してください。- TCP/IP接続を使用して収集できる情報も含めた,すべてのパフォーマンスデータのしきい値を監視できる。
なお,Hybrid Storeを選択すると,Tuning Manager APIの利用が有効化されます。
Storeデータベースは,次に示す場合のユーザーに向けて,引き続き提供しています。なお,Hybrid Storeで運用しない場合,Hitachi Command Suiteの[分析]タブのホストごとのストレージシステム性能分析機能およびMP ブレード/ユニット分析機能を使用できません。
- Hybrid Storeで運用するために必要なメモリーやディスク容量を確保できない場合。
- v8.1.3より前と同じ運用方法でPerformanceデータベースを運用したい場合。
- クラスタ環境でHTM - Agent for RAIDをインスタンスごとに異なる論理ホストに分けて運用したい場合。
- 参考
- Hybrid StoreおよびStoreデータベースで運用するために必要なメモリーやディスク容量は,「付録A. システム見積もり(Hybrid Storeで運用する場合)」および「付録C. システム見積もり(Storeデータベースで運用する場合)」を参照してください。
- なお,Hybrid Storeでの運用には,多くのメモリーが必要になりますが,環境や機能を限定することで省物理メモリー環境でも運用できます。省物理メモリーでの運用についての詳細は,「付録B. システム見積もり(機能を限定して省物理メモリー環境で運用する場合)」を参照してください。
Performance Managementが使用しているため,JPC_HOSTNAMEを環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(3) 同一ホストにPerformance Management プログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - ManagerとPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
参考
- システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - ManagerとPFM - Agentをそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
- Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいてください。なお,停止するサービスは物理ホスト上および論理ホスト上のすべてのサービスです。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
- PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - BaseとPFM - AgentをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - ManagerとPFM - AgentをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
- PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,PFM - Agentの接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
- Tuning Manager serverがインストールされているホストに,Performance Managementプログラムをインストールする場合は,ブラウザーの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
- Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ただし,バージョンアップインストールした場合は,ステータス管理機能の設定状態はバージョンアップ前のままとなります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
(4) HTM - Agent for RAID のインストール先ホストについての注意事項
HTM - Agent for RAIDは,「(3) 監視対象ストレージシステム」で示す接続でストレージシステムにアクセスしているホストにインストールする必要があります。
(5) バージョンアップ時の注意事項(Hybrid Storeで運用している場合)
古いバージョンのHTM - Agentsからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
- HTM - Agent for RAIDをバージョンアップする場合,HTM - Agent for RAIDを上書きインストールしてください。古いバージョンのHTM - Agent for RAIDをアンインストールすると,古いバージョンで作成したパフォーマンスデータなども一緒に削除されてしまうため,新しいバージョンで使用できなくなります。アップグレードまたは上書きインストールを実施すると,Agentのインスタンス環境および設定ファイルが自動的に更新されます。
- アップグレードインストールを実施すると,Agentのインスタンス環境および設定ファイルに新しい設定項目が追加される場合があります。その場合,新しい設定項目にはデフォルト値が設定されるため,必要に応じて再度設定してください。
- バージョンアップのためにHTM - Agent for RAIDを上書きインストールする場合,インストールを開始する前に,必ず既存のデータベースのバックアップを取得してください。
(6) バージョンアップ時の注意事項(Storeデータベースで運用している場合)
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
- v8.1.3以降のHTM - Agent for RAIDにバージョンアップする場合,Hybrid Storeでの運用に移行するためのダイアログが表示されます。Hybrid Storeについては,「(1) インストール時のPerformanceデータベースの選択について 」を参照してください。
なお,Hybrid Storeで運用するHTM - Agent for NASを同一ホストにインストールしたい場合は,先にHTM - Agent for RAIDをHybrid Storeでの運用に移行する必要があります。
StoreデータベースからHybrid Storeへ移行する場合,インストールを始める前に「13.1.1 StoreデータベースからHybrid Storeへ移行する前に必ずお読みください」を必ずご確認ください。
- HTM - Agent for RAIDのバージョンアップ時にHybrid Storeでの運用へ移行しない場合,既存のStoreデータベースが自動的にバージョンアップされるため,一時的にStoreデータベースの格納先のディスクに,Storeデータベースのサイズの2倍の空き容量を必要とします。HTM - Agent for RAIDをバージョンアップする前に,Storeデータベースの格納先のディスクに十分な空き容量があるかどうかを確認してください。
なお,PIレコードタイプの分単位データの保存期間をデフォルト値から変更している場合,Storeデータベースのサイズが非常に大きくなるときがあるため注意が必要です。
必要な空き容量は,現在のStoreデータベースの合計サイズを基準に考慮してください。例えば,現在のStoreデータベースの合計サイズが100GBの場合,バージョンアップに必要なディスクの空き容量は200GB以上です。Storeデータベースの格納先ディスクを変更している場合は,変更後のディスク容量に対して必要な空き容量を考慮してください。- HTM - Agent for RAIDのバージョンアップ時にHybrid Storeでの運用へ移行しない場合,バージョンアップ前後でデータモデルが変更されているときは,バージョンアップインストール時に既存のStoreデータベースをバージョンアップする処理が行われます。その際,データモデルのコンバート処理が必要な場合に蓄積されたデータ量によって,多くの時間を要します。目安としてStoreデータベースのサイズが100GBの場合,インストール処理が3~4時間掛かるときがあります。
なお,Storeデータベースのサイズが増大する要因の一つとして,PIレコードタイプの分単位データの保存期間の変更があります。ディスク占有量を見積もった上で保存期間を変更してください。- HTM - Agent for RAIDをバージョンアップする場合,HTM - Agent for RAIDを上書きインストールしてください。古いバージョンのHTM - Agent for RAIDをアンインストールすると,古いバージョンで作成したパフォーマンスデータなども一緒に削除されてしまうため,新しいバージョンで使用できなくなります。アップグレードまたは上書きインストールを実施すると,次の項目が自動的に更新されます。
- Agent StoreのStoreデータベースファイル
- iniファイル
- Agentのインスタンス環境
- アップグレードインストールを実施すると,iniファイルおよびAgentのインスタンス環境に新しい設定項目が追加される場合があります。その場合,新しい設定項目にはデフォルト値が設定されるため,必要に応じて再度設定してください。
- バージョンアップのためにHTM - Agent for RAIDを上書きインストールする場合,インストールを開始する前に,必ず既存のデータベースのバックアップを取得してください。
- HTM - Agent for RAIDをバージョンアップするとき,次に示すインスタンス項目にはデフォルト値「N」が設定されます。
既存のHTM - Agent for RAIDのバージョンがv6.2より前の場合:必要に応じてインスタンス環境を更新し,これらのインスタンス項目に値を再設定してください。インスタンス環境の更新方法については,「11.2.4 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
- Secure Port function?
- HTM - Agent for RAIDのバージョンアップインストールでは,インポートしたStoreデータベースのデータモデルのバージョンアップが行われないため,インストール後にHTM - Agent for RAIDのサービスを起動するとAgent Storeサービスの起動時にKAVE00229-Eが出力され,サービスが起動されない現象が発生します。この現象を回避するために,次に示すどちらかの対処を実施してください。
コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
- バージョンアップインストール前にjpctool db import(jpcdbctrl import)コマンドで-clearオプションを指定し,インポートしたStoreデータベースを削除する。
- バージョンアップインストール後にjpctool db dmconvert(jpcdbctrl dmconvert)コマンドでimportディレクトリのStoreデータベースのデータモデルをバージョンアップする。
- v8.1.1 より前のHTM - Agent for RAID からバージョンアップインストールすると,PI_CLMSレコードに関する次のデフォルト値がバージョンアップ前の値から変更されます。
- Collection Interval
バージョンアップ前の値が300の場合,60になります。- Log
バージョンアップ前の値に関わらず,Yesになります。
- インストール先ディレクトリにリンクを張りHTM - Agent for RAIDをインストールすることはできません。また,インストールパスにはシンボリックリンクを含まないようにしてください。
- /opt/jp1pc/setupディレクトリにHTM - Agent for RAIDのセットアップファイルがある場合,新規HTM - Agent for RAIDの追加セットアップが実行されます。HTM - Agent for RAIDの追加セットアップが成功した場合の実行結果は共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されます。確認してください。
- Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントでOracle JDK 7を使用している場合,v8.2.1以降のHTM - Agent for RAIDをインストールするとHTM - Agent for RAIDを使用できなくなります。HTM - Agent for RAIDに同梱されたJDKかHTM - Agent for RAIDがサポートしているOracle JDKに切り替えてください。 Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントでのOracle JDKへの切り替え手順については,「7.1.10 Oracle JDKへの切り替え」を,HTM - Agent for RAIDがサポートしているOracle JDKについては「ソフトウェア添付資料」を参照してください。
- Performance Management製品がインストールされているホストのOSをアップグレードする場合,アップグレード前にPerformance Management製品をすべてアンインストールしてください。OSのアップグレード後,アップグレード後のOSに対応するPerformance Management製品をインストールしてください。
Hybrid Storeのデータを流用する手順を次に示します。なお,OSのアップグレード前後で,インストールするHTM - Agent for RAIDのバージョンおよびリビジョンを一致させてください。バックアップおよびリストアの手順の詳細については,「9.1 Hybrid Storeで運用しているHTM - Agentsのバックアップとリストア」を参照してください。
- Hybrid Storeのデータを流用する
- Performance Management製品がインストールされているホストのOSをアップグレードする場合,移行元ホストのバックアップを移行先ホストへリストアすることで,アップグレード後にデータを流用できます。
- OSのアップグレード前にhtmhsbackupコマンドでHybrid Storeのバックアップを取得する。
- アップグレードしたOSにHTM - Agent for RAIDをインストールする。
- htmhsrestoreコマンドで,a.で取得したバックアップをHybrid Storeにリストアする。
Storeデータベースのデータを流用する手順の例を次に示します。
- Storeデータベースのデータを流用する
- 次の条件を満たす場合,OSのアップグレード前に定義ファイルやPerformanceデータベースなどのバックアップデータを取得しておくと,アップグレード後にデータを流用できます。
- ・OSのアップグレード後もホスト名に変更がない
- ・Performanceデータベースのバックアップデータのデータモデルバージョンが,OSアップグレード後のデータモデルバージョンよりも古いか,同一※
- 注※ StoreデータベースのStoreバージョンが1.0の場合は,データモデルバージョンがOSアップグレード後と同一の場合だけ,データを流用できます。
- OSのアップグレード前にjpctool db backup(jpcctrl backup)コマンドでStoreデータベースのバックアップを取得する。
- アップグレードしたOSにHTM - Agent for RAIDをインストールする。
- jpctool db dmconvert(jpcdbctrl dmconvert)コマンドで,バックアップデータのデータモデルを新しいHTM - Agent for RAIDのデータモデルにコンバートする。
この操作は,StoreデータベースのStoreバージョンが2.0で,バックアップのデータモデルバージョンがOSアップグレード後のデータモデルバージョンより古い場合だけ必要な操作です。
jpctool db dmconvert(jpcdbctrl dmconvert)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。- jpctool db restore(jpcresto)コマンドで,バックアップを取得したStoreデータベースをリストアする。
- インストール先のディレクトリ属性が製品に設定したディレクトリ属性に変更される場合があります。
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