Tuning Manager - Agents

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3.1.6 インスタンス環境の設定(監視対象がHUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズの場合)

HTM - Agent for RAIDで監視するストレージシステムのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - Agentホストで実施します。

この項の構成
(1) 設定するインスタンス情報を確認する
(2) インスタンス環境を構築する
(3) インスタンス環境の設定を確認する

(1) 設定するインスタンス情報を確認する

ストレージシステムが,HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズの場合に設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表3-11 HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズでのHTM - Agent for RAIDのインスタンス情報(Windowsの場合)

項目 説明
Storage Model 管理するストレージシステムの形式として,「1」を指定する。この指定は必須。
IP Address or Host Name (Controller 0) 監視対象のストレージシステムの「コントローラー0」に割り当てられているIPアドレスまたはホスト名を指定する。
IPv6通信に対応しているストレージシステムを監視する場合,使用できるIPアドレスはIPv4アドレスおよびIPv6アドレス。IPv6通信に対応していないストレージシステムを監視する場合,使用できるIPアドレスはIPv4アドレス。
この項目を指定した場合,Array Unit Nameの指定は無視される。
IP Address or Host Name (Controller 1) 監視対象のストレージシステムの「コントローラー1」に割り当てられているIPアドレスまたはホスト名を指定する。
IP Address or Host Name (Controller 0)を設定していて,監視対象のストレージシステムがデュアルコントローラー構成の場合は,必ず指定する。
IP Address or Host Name (Controller 0)にIPv4アドレスを指定した場合,使用できるIPアドレスはIPv4アドレス。IP Address or Host Name (Controller 0)にIPv6アドレスを指定した場合,使用できるIPアドレスはIPv6アドレス。
Array Unit Name この項目は,旧バージョンとの互換性を保つために使用する。
新規にインスタンスを作成する場合は,IP Address or Host Name (Controller 0)およびIP Address or Host Name (Controller 1)に値を設定して,監視対象とするストレージシステムを指定することを推奨する。この項目を使用して,監視対象とするストレージシステムを指定する場合は,Storage Navigator Modularでストレージシステムを登録したときに生成されるutlprm.infファイルを次のフォルダ下にコピーする。
  • 物理ホストの場合
    インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名
  • 論理ホストの場合
    環境ディレクトリ\jp1pc\agtd\agent\インスタンス名

環境ディレクトリとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリである。
user ID 監視対象のストレージシステムがHUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズで,Account Authenticationを有効にしている場合,HTM - Agent for RAID専用のアカウントのユーザーIDを指定する。アカウントの作成方法については,「3.1.3 ストレージシステムでのセットアップ(HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズ)」を参照のこと。
監視対象のストレージシステムがAccount Authenticationに対応していない場合,または,Account Authenticationを無効にしている場合は,何も指定しない。
password user IDに指定したユーザーIDのパスワードを指定する。この項目で入力した文字は,画面に表示されない。また,この項目に値を設定する場合,2度入力を要求される。
監視対象のストレージシステムがAccount Authenticationに対応していない場合,または,Account Authenticationを無効にしている場合は,何も指定しない。
Secure Port function? 監視対象のストレージシステムとの通信時に,セキュア通信を使用するかどうかを指定する。
  • セキュア通信を使用する場合
    Y」または「y
  • セキュア通信を使用しない場合
    N」または「n
値を入力しない場合は,デフォルト値「N」が設定され,セキュア通信を使用しない。「Y」,「y」,「N」,および「n」以外の値を入力した場合,再度,入力を要求される。
監視対象のストレージシステムがセキュア通信に対応していない場合は,「N」または「n」を指定する。
Store Version 使用するStoreバージョンを指定する。Storeバージョンについては「12.2.1 Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0への移行」を参照のこと。
デフォルト値は「2.0」。
指定できる値は,「1.0」または「2.0」。

注※
Store Versionは,Storeデータベースで運用している場合で,新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。

HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズでは,インスタンス情報の設定に関係なく,すべての論理デバイスおよびパリティグループが監視対象になります。

(2) インスタンス環境を構築する

インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドを使用します。

注意
  • インスタンス環境を設定していない場合,HTM - Agent for RAIDのサービスを起動できません。
  • jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドを使用してインスタンス環境を構築する際,インスタンス項目に誤りのある値を指定した場合でもコマンドは正常に終了します。しかし,その後レコードの収集を開始すると,エラーとなりパフォーマンスデータが収集されません。
  • 1つの監視対象を複数のPFM - Agentのインスタンスから重複して監視することはできません。

次に,jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドの実行手順を,対話形式の場合と非対話形式の場合に分けて説明します。jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

対話形式で実行する場合

  1. サービスキーおよびインスタンス名(32バイト以内の半角英数字で構成されるユニークな値。例えば,DKCシリアル番号など)を指定して,jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドを実行する。
    例えば,監視するストレージシステムのシリアル番号をインスタンス名に指定してインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します(ここでは,シリアル番号が35053であるとします)。
    jpcconf inst setup -key RAID -inst 35053(jpcinssetup agtd -inst 35053)
    ネットワーク上のすべてのPFM - Agentのインスタンスで,ユニークなインスタンス名を使用してください。ただし,「lib」という名称は使用できません。
  2. ストレージシステムのインスタンス情報を設定する。
    表3-11 HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズでのHTM - Agent for RAIDのインスタンス情報(Windowsの場合)」に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合,または値を指定しない場合は,リターンキーだけを押してください。すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。
    複数のインスタンスで稼働させる場合は,1および2の手順を繰り返し,各インスタンスについて設定してください。

非対話形式で実行する場合

  1. jpcconf inst setupコマンドで,定義ファイルのテンプレートを作成する。
    次のようにコマンドを実行します。
    jpcconf inst setup -key RAID -noquery -template 定義ファイル名
    インスタンス環境の設定項目に対応するセクションおよびラベルが定義ファイルに出力されます。なお,[Instance Definitions]セクションのラベルに対応する値は,空白のままです。
  2. 手順1で作成した定義ファイルのテンプレートを編集する。
    インスタンス環境に合わせてテンプレートの設定値を編集します。定義ファイルで指定するプロダクト固有のラベルについては,「表3-11 HUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズでのHTM - Agent for RAIDのインスタンス情報(Windowsの場合)」を参照してください。
    注意
  3. jpcconf inst setupコマンドで,ストレージシステムのインスタンス情報を設定する。
    インスタンス名を「35053」とするインスタンス環境を設定する場合のコマンド実行例を次に示します。インスタンス名には,32バイト以内の半角英数字で構成されるユニークな値を指定します。-inputオプションには,手順2で編集した定義ファイルを指定します。
    jpcconf inst setup -key RAID -inst 35053 -noquery -input 定義ファイル名
重要
定義ファイルにパスワードなどの秘匿情報が含まれる場合,定義ファイルはセキュリティを確保した安全な場所に保存し,使用後は削除するようにしてください。また,定義ファイルをホスト間で転送したいときには,SFTP(SSHトンネル経由のFTP)など,盗聴のおそれがない安全な方法を使用することをお勧めします。

(3) インスタンス環境の設定を確認する

jpcconf inst setupjpcinssetup)コマンドを実行してインスタンス環境を設定したあと,次の確認作業を実施します。

  1. インスタンス環境の設定を検証する。
    作成したインスタンス環境で運用を開始する前に,jpctdchkinstコマンドを実行して,インスタンスの設定を検証してください。jpctdchkinstコマンドは,設定されたインスタンス情報を参照して,HTM - Agent for RAIDが監視対象のストレージシステムから情報が取得できる設定になっているかどうかを検証します。jpctdchkinstコマンドの詳細については,「18.2.12 jpctdchkinst」を参照してください。

構築されるインスタンス環境を次に示します。

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