Tuning Manager - Agents

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12.2.1 Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0への移行

Storeデータベースの保存形式には,バージョン1.0と2.0の2種類があります。Storeバージョン2.0の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。

Storeバージョン2.0は,PFM - BaseまたはPFM - Managerのバージョン08-10以降の環境に,HTM - Agentsを新規インストールした場合にデフォルトで利用できます。既存の環境がStoreバージョン1.0で稼働している場合,HTM - Agentsをインストールしても,Storeバージョン1.0で稼働する設定のままとなります。この場合,セットアップコマンドを使用してStoreバージョン2.0に移行してください。

何らかの理由によってStoreバージョン1.0に戻す必要がある場合は,Storeバージョン2.0をアンセットアップしてください。

この項の構成
(1) Storeバージョン2.0のセットアップ
(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ
(3) 注意事項

(1) Storeバージョン2.0のセットアップ

Storeバージョン2.0へ移行する場合のセットアップ手順について説明します。

  1. Storeデータベースの保存条件を設定する。
    Storeバージョン2.0導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているかどうかを確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。
    • ディスク容量
    • ファイル数
    • 1プロセスがオープンするファイル数
    これらの値は保存条件の設定によって調節できます。実行環境の保有しているリソースを考慮して保存条件を設定してください。システムリソースの見積もりについては,「付録C. システム見積もり(Storeデータベースで運用する場合)」を参照してください。
  2. Agent Storeサービスが使用するフォルダを設定する。
    Storeバージョン2.0に移行する場合に,Storeバージョン1.0でのフォルダ設定では,Agent Storeサービスが起動しないことがあります。このため,Agent Storeサービスが使用するフォルダの設定を見直す必要があります。Agent Storeサービスが使用するフォルダの設定はjpcconf db definejpcdbctrl config)コマンドを使用して表示および変更できます。
    Storeバージョン2.0は,Storeデータベースの作成先フォルダやバックアップ先フォルダの最大長がStoreバージョン1.0と異なります。Storeバージョン1.0でフォルダの設定を相対パスに変更している場合,絶対パスに変換した値がStoreバージョン2.0でのフォルダ最大長の条件を満たしているか確認してください。Storeバージョン2.0のフォルダ最大長は214バイトです。フォルダ最大長の条件を満たしていない場合は,Agent Storeサービスが使用するフォルダの設定を変更したあと,手順3以降に進んでください。
  3. セットアップコマンドを実行する。
    Storeバージョン2.0に移行するため,次の例のようにコマンドを実行します。

    HTM - Agent for RAIDの場合:
    ここでは,インスタンス名を35053としています。
    jpcconf db vrset -ver 2.0 -key RAID -inst 35053(jpcdbctrl setup -key agtd -inst 35053)

    HTM - Storage Mapping Agentの場合:
    jpcconf db vrset -ver 2.0 -key RAIDMapjpcdbctrl setup -key agte

    HTM - Agent for NASの場合:
    ここでは,インスタンス名をNS21としています。
    jpcconf db vrset -ver 2.0 -key NAS -inst NS21(jpcdbctrl setup -key agtn -inst NS21)
    jpcconf db vrsetjpcdbctrl setup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。
  4. Storeデータベースの保存条件を設定する。
    手順1の見積もり時に設計した保存条件を設定してください。Agent Storeサービスを起動して,Performance Reporterで設定してください。

(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ

Storeバージョン2.0はjpcconf db vrset -ver 1.0jpcdbctrl unsetup)コマンドを使用してアンセットアップします。Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,Storeデータベースのデータはすべて初期化され,Storeバージョン1.0に戻ります。

jpcconf db vrsetjpcdbctrl unsetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

(3) 注意事項

移行についての注意事項を次に示します。

Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行する場合

StoreデータベースをStoreバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行した場合,PIレコードタイプのレコードの保存期間の設定は引き継がれますが,PDレコードタイプのレコードについては,以前の設定値(保存レコード数)に関係なくデフォルトの保存日数がレコードごとに設定され,保存日数以前に収集されたデータは削除されます。

例えば,Storeバージョン1.0で,Collection Intervalが3,600秒のPDレコードの保存レコード数を1,000に設定していた場合,PDレコードは1日に24レコード保存されることになるので,1,000÷24≒約42日分のデータが保存されています。このStoreデータベースをStoreバージョン2.0へ移行した結果,デフォルト保存日数が10日に設定されたとすると,11日以上前のデータは削除されて参照できなくなります。

Storeバージョン2.0へ移行する前に,PDレコードタイプのレコードの保存レコード数の設定を確認し,Storeバージョン2.0でのデフォルト保存日数以上のデータが保存される設定となっている場合は,jpctool db dumpjpcctrl dump)コマンドでデータベース内のデータを出力してください。Storeバージョン2.0でのデフォルト保存日数については,次に示す個所を参照してください。

HTM - Agent for RAIDの場合:
C.2.1 HTM - Agent for RAIDのディスク占有量」の「(4) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

HTM - Storage Mapping Agentの場合:
C.2.2 HTM - Storage Mapping Agentのディスク占有量」の「(4) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

HTM - Agent for NASの場合:
C.2.3 HTM - Agent for NASのディスク占有量」の「(4) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

Storeバージョン2.0からStoreバージョン1.0に戻す場合

Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,データは初期化されます。このため,Storeバージョン1.0に変更する前に,jpctool db dumpjpcctrl dump)コマンドでStoreバージョン2.0の情報を出力してください。

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