Tuning Manager - Agents
VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,およびSANRISE Hシリーズのストレージシステムを監視する場合,ここで説明するセットアップを実施してください。セットアップの詳細については,ご使用のストレージシステムのマニュアルを参照してください。
ストレージシステムのセットアップでは,Storage Navigatorを使用します。
また,ストレージシステムのセットアップを実施する前に,監視対象ストレージシステムのマイクロコードのバージョンが,HTM - Agent for RAIDが前提としているバージョンであることを確認してください。ストレージシステムのマイクロコードのバージョンが,HTM - Agent for RAIDが前提とするマイクロコードのバージョンよりも古い場合,パフォーマンスデータの取得に失敗することがあります。HTM - Agent for RAIDが前提とするマイクロコードのバージョンについては,「ソフトウェア添付資料」のシステム内前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。
- この項の構成
- (1) Storage Navigatorのユーザーアカウントを作成する(VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,およびVirtual Storage Platformシリーズ)
- (2) レコード収集に必要な情報の設定(VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,およびVirtual Storage Platformシリーズ)
- (3) コマンドデバイスを設定する
- (4) ストレージ論理分割(SLPR)機能使用時の注意事項
- (5) ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるように設定する
- (6) 性能情報を採取するための設定をする(Hitachi USP,SANRISE Hシリーズの場合)
- (7) セキュリティ通信(SSL通信)で使用するプロトコルの選択
Hybrid Storeで運用している場合で,TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータを収集するときにだけ必要な設定です。
TCP/IP接続を使用してパフォーマンスデータを収集するためには,Storage Navigatorでユーザーアカウントを作成する必要があります。ユーザーアカウントは,HTM - Agent for RAID専用に作成してください。ユーザーアカウントは,1インスタンスに対して1つ必要です。ユーザーアカウントには,次に示すロールを割り当ててください。
Performance Monitorの設定時に必要なユーザーアカウントのロール
- ストレージ管理者(パフォーマンス管理)
次に示すどれかのロールをユーザーアカウントに割り当ててください。
- ストレージ管理者(参照)
- ストレージ管理者(初期設定)
- ストレージ管理者(システムリソース管理)
- ストレージ管理者(プロビジョニング)
- ストレージ管理者(パフォーマンス管理)
- ストレージ管理者(ローカルバックアップ管理)
- ストレージ管理者(リモートバックアップ管理)
Storage Navigatorでのユーザーアカウントの作成方法の詳細については,各ストレージシステムのStorage Navigatorのマニュアルを参照してください。
Hybrid Storeで運用している場合で,TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータを収集するときにだけ必要な設定です。
このパフォーマンスデータを収集するためには,Performance Monitorで次の設定が必要です。
必要な設定 説明 モニタスイッチの設定 パフォーマンスデータを収集するためには,モニタスイッチの設定を有効に設定し,Performance Monitorで短期間(short range)でデータを蓄積する必要があります。 モニタリング対象CUの設定※ パフォーマンスデータを収集するLDEVをCU単位で設定します。 モニタリング対象WWNの設定 パフォーマンスデータを収集するWWNを設定します。 サンプリング間隔の設定 Performance Monitorで収集するパフォーマンスデータの間隔を設定します。ここで設定した粒度のパフォーマンスデータがHTM - Agent for RAIDで収集できるデータの粒度になります。
- 注※
- HUS VMの場合,この設定は不要です。
Performance Monitorでの設定方法や設定できる値の詳細については,各ストレージシステムのPerformance Monitorのマニュアルを参照してください。
注意
- TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータの収集と,一部のプログラムの機能は同時に実行できません。同時に実行した場合,HTM - Agent for RAIDのTCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータの収集,または一部のプログラムの機能の実行に失敗します。一部のプログラムの機能を使用したい場合は,jpcspm stop(jpcstop)コマンドを実行してHTM - Agent for RAIDのインスタンスを一時的に停止してください。
- TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータの収集と同時に実行できないプログラムの機能,およびその対応については「N.3 TCP/IP接続を使用してパフォーマンスデータを収集する場合の注意事項」を参照してください。
HTM - Agent for RAIDは,「コマンドデバイス」と呼ばれる論理デバイスを通じてストレージシステムの性能情報および構成情報を取得します。このため,HTM - Agent for RAIDをインストールしたホストから監視対象のストレージシステムのコマンドデバイスにアクセスできる状態にする必要があります。
なお,この設定は,コマンドデバイスを使用して収集できるパフォーマンスデータを収集するときに必要です。
Agentのインストール先ホストからコマンドデバイスにアクセスできるようにする手順を次に示します。
- 論理デバイスをコマンドデバイスに指定する。
Storage Navigator から監視対象にするストレージシステムに接続し,未使用の論理デバイスの中からHTM - Agent for RAID 専用のコマンドデバイスにする論理デバイスを1つ選択します。選択した論理デバイスに,コマンドデバイスの属性を設定します。
注意
- 監視対象のストレージシステムがVSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,またはVirtual Storage Platform シリーズで,コマンドデバイスに仮想IDが設定されている場合,そのコマンドデバイスはHTM - Agent for RAIDで監視できません。
- HTM - Agent for RAIDでは,次に示すコマンドデバイスは使用できません。
- リモートコマンドデバイス
- 仮想コマンドデバイス- コマンドデバイスに指定した論理デバイスにLUパスを設定する。
手順1でコマンドデバイスに指定した論理デバイスに,HTM - Agent for RAIDをインストールしたホストへのLUパスを設定します。HTM - Agent for RAIDのインストール先がVMware ESXiのゲストOSである場合は,ホストOSへのLUパスを設定します。HTM - Agent for RAIDのインストール先がHyper-VのゲストOSである場合は,管理OSへのLUパスを設定します。
HTM - Agent for RAIDのコマンドデバイスへのアクセスが,プロセッサなどのLUパス上のストレージシステムの資源を一時的に占有することがあります。このため,LUパスを設定する際は,定常的なI/Oトラフィックを発生させる業務アプリケーションとは異なるプロセッサを使用するように設定してください。- ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるようにする。
この手順は,VMware ESXiまたはHyper-VのゲストOSにHTM - Agent for RAIDをインストールしている場合に必要です。詳細については,各仮想化システムのマニュアルを参照してください。仮想化システム別の設定例については,「(5) ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるように設定する」を参照してください。- HTM - Agent for RAIDのインストール先ホストからコマンドデバイスにアクセスできることを確認する。
HTM - Agent for RAIDをインストールしたホスト上でjpctdlistraidコマンドを実行して,設定したコマンドデバイスの情報が出力されることを確認してください。jpctdlistraidコマンドの詳細については,「18.2.13 jpctdlistraid」を参照してください。- コマンドデバイスにパーティションを作成する。
Windowsの[コントロールパネル]-[管理ツール]-[コンピュータの管理]-[記憶域]-[ディスクの管理]機能を使って,コマンドデバイスにパーティションを作成します。作成したパーティションには,ドライブレターのアサイン,フォルダへのマウントおよびフォーマットをしないでください。また,コマンドデバイスに割り当てたディスクはベーシックディスクのまま使用してください。
パーティションを作成したあと,再度jpctdlistraidコマンドを実行して,前回実行時に出力された情報にGUIDが追加されていることを確認してください。このGUIDはパーティションに対して永続的に割り当てられる識別子です。そのため,HTM - Agent for RAIDのインスタンス情報としてデバイスファイル名の代わりにGUIDを指定すると,ディスク構成変更などを行った場合でも,Agentインスタンス情報の見直し,または再設定が不要になります。
ただし,パーティションそのものを削除した場合は,GUIDも消滅します。以後,同じディスクに同じサイズのパーティションを作成しても,削除したパーティションとは異なるGUIDが割り当てられるため注意が必要です。
重要
- マルチパス環境の場合,HTM - Agent for RAID は,次に示すソフトウェアが有効な環境での動作だけをサポートします。
- Hitachi Dynamic Link Manager
Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USPおよびH12000/H10000がサポートするストレージ論理分割(SLPR)機能を使用してストレージシステムを複数のSLPRに分割している場合の注意事項を次に示します。
- コマンドデバイスに指定した論理デバイスが所属するSLPRによって,Agentの情報収集範囲が変わります。
- SLPR番号が「0」のSLPRに所属するコマンドデバイスを指定した場合
Agentはストレージシステム内のすべてのSLPRを情報収集対象とします。また,SLPRによる分割対象とならないリソースの情報も収集します。- SLPR番号が「0」以外のSLPRに所属するコマンドデバイスを指定した場合
Agentは,コマンドデバイスが所属するSLPRに関する情報だけを収集対象とします。なお,SLPRによる分割対象とならないリソースの情報は収集しません。これを,「SLPR制限モード」といいます。
- HTM - Agent for RAIDのインストール先ホストへのLUパス設定では,コマンドデバイスと同じSLPRに所属するポートを使用してください。
- コマンドデバイスと異なるSLPRに所属するポートを使用したLUパスを設定した場合,セキュリティ制限のため,性能統計情報が取得できないことがあります。
SLPR機能の詳細については,Virtual Partition Managerのマニュアルを参照してください。
(5) ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるように設定する
仮想化システムのゲストOSにHTM - Agent for RAIDをインストールしている場合,ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるように設定する必要があります。詳細については,各仮想化システムのマニュアルを参照してください。
仮想化システム別の設定例を次に示します。
- VMware ESXiの場合
VMware Virtual Infrastructure Clientを使用して,ゲストOSにデバイスを追加します。このとき,追加するデバイスとしてコマンドデバイスを指定すると,ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるようになります。
デバイスを追加する設定では,次に示す要件を満たしてください。コマンドデバイスに仮想ディスク(VMwareのVVolを含む)は使用できません。
- デバイスのタイプ:ハードディスク
- ディスクの選択:rawデバイスのマッピング
- 互換モード:物理
- Hyper-Vの場合
ゲストOS上のコマンドデバイスへアクセスするためには,物理ホストを追加し,その物理ホスト上の仮想マシンにハードドライブとしてコマンドデバイスの追加が必要です。
物理ホストを追加するには,ホストOSの[サーバマネージャ]-[役割]-[Hyper-V]-[Hyper-Vマネージャ]を選択します。
ハードドライブとしてコマンドデバイスを追加するには,追加した物理ホスト内の仮想マシン一覧から対象の仮想マシンを選択し,右クリックしてコンテキストメニューを表示します。コンテキストメニューから[設定]-[SCSI Controller]を選択します。SCSIコントローラーの設定画面で,[追加]ボタンをクリックし,ハードドライブの設定画面を表示します。[物理ハードディスク]オプションを選択し,プルダウンメニューからコマンドデバイスと同じディスク番号を持つハードディスクを選択します。
(6) 性能情報を採取するための設定をする(Hitachi USP,SANRISE Hシリーズの場合)
監視対象のストレージシステムがHitachi USP,SANRISE Hシリーズの場合,ストレージシステムで性能情報を採取する設定を行わないと,HTM - Agent for RAIDが提供するレコードの一部のフィールドが取得できません。
性能情報を採取するための設定,およびその設定に対応するフィールドを次の表に示します。表の内容を確認して,必要な設定をあらかじめ行ってください。
表3-2 Hitachi USP,SANRISE Hシリーズで性能情報を採取する設定,ならびに設定に対応するフィールド(Windowsの場合)
対象のストレージシステム 設定するプログラム 設定する場所と設定 対応するフィールド レコードID フィールドのPFM - View名(PFM - Manager名)
- Hitachi USP
- H12000/H10000
Performance Monitor [Monitoring Options]-[モニタリングスイッチ]を「有効」に設定する PI_LDE Busy %(BUSY_RATE) Max Busy %(MAX_BUSY_RATE) PI_RGS Busy %(BUSY_RATE) Max Busy %(MAX_BUSY_RATE)
(7) セキュリティ通信(SSL通信)で使用するプロトコルの選択
Hybrid Storeで運用している場合で,TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータを収集するときにだけ必要な設定です。
セキュリティ通信で使用するプロトコルを選択できるストレージシステムでは,ご使用になるHTM - Agent for RAIDでサポートしている通信プロトコルを設定していることを確認してください。
HTM - Agent for RAIDでサポートしていない通信プロトコルだけを設定した場合,パフォーマンスデータを収集することができません。
HTM - Agent for RAID がサポートする通信プロトコルについては,「ソフトウェア添付資料」の運用上の注意事項について説明している個所を参照してください。
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