Hitachi Command Suite Mainframe Agent ユーザーズガイド

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3.4.2 初期設定パラメーターの詳細

初期設定パラメーターの詳細について説明します。

この項の構成
(1) 形式
(2) パラメーター
(3) パラメーターの複数指定

(1) 形式

SETINIT
[△1PORT(ポート番号)]
[△1RECVWAITTIME(受信待ち時間)]
[△1HOSTNAME('ホスト識別名')]
[△1PREFIX('プレフィックス','ローカルサイトのDADID')]
[△1DEVN(開始デバイス番号終了デバイス番号)]
[△1LOGLEVEL(出力レベル)]

(2) パラメーター

PORT (ポート番号) ~ <数字> ((1~65535)) <<24042>>
Device ManagerまたはReplication ManagerとのTCP/IP通信に使用するMainframe Agent側のポート番号を指定します。ほかのジョブが使用しているポート番号は指定できません。システム内で使用されていないポート番号を指定してください。

RECVWAITTIME (受信待ち時間) ~ <数字> ((0~65535)) <<180>>
Device ManagerまたはReplication ManagerとTCP/IP通信する場合,受信要求開始からデータを受信するまでの待ち時間を秒単位で指定します。ゼロを指定すると,Mainframe Agentはデータを無限に待つようになります。

HOSTNAME ('ホスト識別名') ~ <50文字以内の英数字> <<&SYSNAMEシステム・シンボルの指定値>>
Device ManagerまたはReplication ManagerがMainframe Agentを区別する必要がある場合に指定します。
Mainframe Agentが複数のホストで動作するとき,それらホストのHOSTNAME(ホスト識別名)が重複していると,Device ManagerまたはReplication ManagerはMainframe Agentが動作しているホストを識別できません。Mainframe Agentが動作しているホストをDevice ManagerまたはReplication Managerが区別できるように,ホスト間で重複しないHOSTNAMEを指定してください。
このパラメーターを省略した場合,&SYSNAMEシステム・シンボルの指定値が仮定されます。&SYSNAMEシステム・シンボルについては,IBMマニュアル「MVS 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。
Mainframe Agentが複数のホストで動作し,&SYSNAMEシステム・シンボルの指定値がそれらのホスト間で重複している場合,Device ManagerまたはReplication Managerがホストを区別できなくなります。&SYSNAMEシステム・シンボルの値が重複している場合は,HOSTNAMEパラメーターの値がホスト間で重複しないようにしてください。

HOSTNAMEパラメーター指定時の注意
Device Managerに通知するホスト名が,すでにDevice Managerが管理しているホスト(Device Manager上でホストとして管理されている外部接続用のExternalポートも含む)の名称と重複しないように,次のどれかの方法で設定してください。
  • DNSで解決可能なホスト名を指定してください。
  • DNSで解決可能なホスト名がすでにDevice Managerで管理しているホスト名と重複する場合,メインフレームホストのホスト識別名をHOSTNAMEパラメーターに設定し,そのホスト識別名をDevice Managerに設定してください。
  • 上記のどちらの方法でもホスト名が重複してしまう場合,Device Managerが管理している既存のホストのホスト名を変更してください。
  • 上記の三つの方法で,ホスト名を一意に設定できない場合,任意のホスト名を指定してください。

PREFIX ('プレフィックス','ローカルサイトのDADID')
Replication ManagerからMainframe Agentの情報を取得する場合に,YKP2Aコマンドで生成したConfigurationファイルのプレフィックスを指定します。YKP2Aコマンドについては,「4.2.4 YKP2Aコマンド」を参照してください。
PREFIXパラメーターは複数指定できます。Replication ManagerとMainframe Agentが1対1の環境で,プレフィックスが異なる複数のConfigurationファイルに登録されたストレージ情報を取得する場合に,複数のPREFIXパラメーターを指定します。

プレフィックス ~ <16文字以内のPREFIX文字列>
Replication Managerが使用するMainframe AgentのConfigurationファイル名のプレフィックスを指定します。ここで指定したプレフィックスを持つディスク構成定義ファイル,コピーグループ定義ファイルに定義されたボリューム情報,およびコピーグループがReplication Managerに提供されます。

ローカルサイトのDADID ~ <28文字以内のDAD文字列>
YKP2AコマンドでDADパラメーターに指定したプライマリサイトのDADIDを指定します。

PREFIXパラメーター指定時の注意
  • PREFIXパラメーターに存在しないプレフィックスやDADIDを指定しないでください。指定した場合,Mainframe Agentの起動時にはエラーになりませんが,Replication Managerからの要求時にエラーとなります。
  • PREFIXパラメーターにConfigurationファイルのプレフィックス以外を指定しないでください。指定されたプレフィックスに該当するデータセットが多数あった場合,Mainframe Agentの処理が遅くなることがあります(例えば「SYS1」などのプレフィックス)。
  • 同じプレフィックスを指定した複数のPREFIXパラメーターを定義しないでください。Device ManagerまたはReplication Managerの監視処理が遅くなることがあります。
  • PREFIXパラメーターを複数指定すると,Replication Managerからの要求時に異なるプレフィックスごとにConfigurationファイルを切り替える時間が必要となります。そのためConfigurationファイルが多数ある場合には,Replication Managerからの要求・回答のアクセス時間を短くするために,Configurationファイルのプレフィックスを集約して,PREFIXパラメーターの指定を一つにすることを推奨します。
  • PREFIXパラメーターに指定したプレフィックスのConfigurationファイルを修正しないでください。Replication ManagerにMainframe AgentのConfigurationファイルの情報が表示されなかったり,エラーになったりすることがあります。
  • Replication Managerからの要求・回答のアクセス時間は,指定したプレフィックスを持つコピーグループ定義ファイルに定義されているコピーペア数に応じて大きくなります。このため,環境(コピーペア数に応じたホスト処理能力)に合わせてReplication Managerの監視時間を設定してください。

DEVN (開始デバイス番号,終了デバイス番号) ~ <4けたの16進数>
Device ManagerまたはReplication Managerに渡すホストボリュームの情報を絞り込みたいとき,情報収集の対象とするデバイス番号の範囲を指定します。開始デバイス番号終了デバイス番号は16進数の昇順に指定します。DEVNパラメーターを一度も指定しなかった場合は,DEVN(0000,FFFF)が仮定されます。

DEVNパラメーター指定時の注意
  • Device ManagerまたはReplication Managerからの要求・回答のアクセス時間を短くするために情報収集の対象とするデバイスの範囲を指定した使用を推奨します。
  • DEVNパラメーターを複数指定する場合,重複するデバイスについては重複排除されません。重複がないように指定してください。

LOGLEVEL (出力レベル) ~ <数字> ((0~2)) <<2>>
ログの出力レベルを指定します。

0
ログが出力されません。0を指定すると,通信障害やMainframe Agentのコマンド実行時のエラー原因の特定が困難になります。

1
通信関連のメッセージ(YKY300IYKY301IYKY304IYKY307I)が出力されます。

2
LOGLEVEL(1)指定で出力されるメッセージに加え,Mainframe Agentのコマンド実行時にYKY680Iエラーメッセージが出力されます。
LOGLEVELと出力されるメッセージを次の表に示します。

表3-3 LOGLEVELと出力されるメッセージ

LOGLEVEL 出力されるメッセージ
0 出力されない
1 YKY300IYKY301IYKY304IYKY307I
2 YKY300IYKY301IYKY304IYKY307IYKY680I

(3) パラメーターの複数指定

各初期設定パラメーターを指定する際に,複数のSETINITコマンドが使用された場合の結果を次の表に示します。

表3-4 初期設定パラメーターの複数指定の可否

パラメーター名 複数指定の結果
PORT 複数指定した場合,最後に指定したパラメーターが有効になる。
RECVWAITTIME
HOSTNAME
PREFIX 複数指定できる。
DEVN
LOGLEVEL 複数指定した場合,最後に指定したパラメーターが有効になる。

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