Hitachi Command Suite Mainframe Agent ユーザーズガイド
YKP2Aコマンドは,PPRCコピーペアのConfigurationファイルを生成するTSO/Eコマンドです。
YKP2Aコマンドの形式と機能について説明します。コマンドの形式の説明で使用している記号については,「A.1 文法説明で使用する記号」を参照してください。
- この項の構成
- (1) 形式
- (2) 機能
- (3) パラメーター
- (4) 注意
- (5) リターンコード
YKP2A △1PREFIX(プレフィックス) △1DEVN(デバイス番号1,デバイス番号2) △1DAD(DADID1{,DADID2,[DADID3]}|{,,DADID3}) [△1CGNAME1(TCコピーグループ名)] [△1CGNAME2(TCAコピーグループ名)] [△1CGNAME3(SIコピーグループ名)]
指定した範囲のSI,TC,およびTCAのP-VOLをスキャンし,検出されたP-VOLとペアを組むS-VOLとのPPRCコピーペアをMainframe Agentのコピーグループとして定義して,Configurationファイル(ディスク構成定義ファイルおよびコピーグループ定義ファイル)を生成します。コピーグループ定義ファイルは,コピー種別ごとに生成されます。
コピーグループ定義ファイルは次の単位で生成されます。
- SIおよびTC:検出されたすべてのPPRCコピーペアで一つ
- TCA:C/Tグループ単位
生成されるディスク構成定義ファイル,およびコピーグループ定義ファイルの名称を次に示します。
ディスク構成定義ファイルの名称:プレフィックス.DSK.SNnnnnn.DADID
- (凡例)
- nnnnn:ストレージシステムのシリアル番号
コピーグループ定義ファイルの名称:プレフィックス.GRP.コピーグループ名xx
- (凡例)
- xx:00から始まる2けたの通し番号
- PREFIX (プレフィックス) ~ <16文字以内のPREFIX文字列>
- 生成するディスク構成定義ファイル,およびコピーグループ定義ファイルの名称に使用するプレフィックスを指定します。
- DEVN (デバイス番号1,デバイス番号2) ~ <4けたの16進数>
- スキャンするPPRCコピーペアのP-VOLの範囲をデバイス番号で指定します。デバイス番号1にはスキャンする範囲の最初のDEVN,デバイス番号2には終端のDEVNを指定してください。例えば,DEVN(7000,7300)と指定した場合,デバイス番号が7000から7300の範囲でPPRCコピーペアのP-VOLがスキャンされます。
- デバイス番号1がデバイス番号2より大きい場合は,デバイス番号2をスキャンする範囲の最初のDEVN,デバイス番号1を終端のDEVNとみなします。
- YKP2Aコマンドを実行すると,PPRC以外のコピーペアも検出されます。一つの環境にPPRCコピーペアとPPRC以外のコピーペアが両方存在する場合は,それぞれで運用しているコピーペアが同時に検出されないように,次の両方の項目に異なる値を指定してそれぞれのコピーペアをスキャンしてください。
- スキャンするP-VOLのデバイス番号の範囲
- Configurationファイルのプレフィックス
- DAD (DADID1{,DADID2,[DADID3]}|{,,DADID3})~<28文字以内のDAD文字列>
- DADは,ホストからアクセスできるボリュームの集合です。Mainframe Agentは,DADIDによってアクセスできるボリュームを認識します。PPRCコピーグループのConfigurationファイルを生成する場合,P-VOL,S-VOLにそれぞれ異なるDADIDを指定してください。
- DADID1,DADID2,およびDADID3にはそれぞれ次の値を指定します。
- DADID1:スキャンするPPRC TC/TCA/SIコピーペアのP-VOLが属するDADID
- DADID2:スキャンするPPRC TC/TCAコピーペアのS-VOLが属するDADID
- DADID3:スキャンするPPRC SIコピーペアのS-VOLが属するDADID
- DADID3を省略すると,PPRC SI コピーグループのConfiguration ファイルは生成されません。
- PPRC SIコピーグループのConfigurationファイルだけを生成する場合は,DADID1およびDADID3を指定し,DADID2の値を省略してください。
- DADパラメーターの指定例を次に示します。
- PPRC TCおよびTCAコピーグループのConfigurationファイルを生成する場合
DAD(DADID1,DADID2)- PPRC TC,TCA,およびSIコピーグループのConfigurationファイルを生成する場合
DAD(DADID1,DADID2,DADID3)- PPRC SIコピーグループのConfigurationファイルだけを生成する場合
DAD(DADID1,,DADID3)
重要
- DADID1に指定した値と同じ値を初期設定パラメーターのPREFIXパラメーターに指定してください。
- CGNAME1 (TCコピーグループ名)~<6文字以内のコピーグループ名文字列>
- TCのコピーグループ名を指定します。
- コピーグループ名は,ピリオドで結合される一つまたは複数の部分で構成されるコピーグループ名文字列で指定してください。
- このパラメーターで指定したコピーグループ名に対し,00から始まる2けたの通し番号が昇順に与えられ,最大8文字のコピーグループ名となります。例えば,PREFIX(MFA.MIGRATE)とCGNAME1(MFATCS)を指定した場合でTCコピーグループが三つ生成されるとき,次の名称のConfigurationファイルが生成されます。
MFA.MIGRATE.GRP.MFATCS00 MFA.MIGRATE.GRP.MFATCS01 MFA.MIGRATE.GRP.MFATCS02- CGNAME1パラメーターを省略した場合,または名称を指定しなかった場合は,MYTCSが仮定されます。
- CGNAME2 (TCAコピーグループ名)~<6文字以内のコピーグループ名文字列>
- TCAのコピーグループ名を指定します。
- コピーグループ名は,ピリオドで結合される一つまたは複数の部分で構成されるコピーグループ名文字列で指定してください。
- このパラメーターで指定したコピーグループ名に対し,00から始まる2けたの通し番号が昇順に与えられ,最大8文字のコピーグループ名となります。例えば,PREFIX(MFA.MIGRATE)とCGNAME2(MFATCA)を指定した場合でTCAコピーグループが三つ生成されるとき,次の名称のConfigurationファイルが生成されます。
MFA.MIGRATE.GRP.MFATCA00 MFA.MIGRATE.GRP.MFATCA01 MFA.MIGRATE.GRP.MFATCA02- CGNAME2パラメーターを省略した場合,または名称を指定しなかった場合は,MYTCAが仮定されます。
- CGNAME3 (SIコピーグループ名)~<6文字以内のコピーグループ名文字列>
- SIのコピーグループ名を指定します。
- コピーグループ名は,ピリオドで結合される一つまたは複数の部分で構成されるコピーグループ名文字列で指定してください。
- このパラメーターで指定したコピーグループ名に対し,00から始まる2けたの通し番号が昇順に与えられ,最大8文字のコピーグループ名となります。例えば,PREFIX(MFA.MIGRATE)とCGNAME3(MFASI)を指定した場合でSIコピーグループが三つ生成されるとき,次の名称のConfigurationファイルが生成されます。
MFA.MIGRATE.GRP.MFASI00 MFA.MIGRATE.GRP.MFASI01 MFA.MIGRATE.GRP.MFASI02- CGNAME3パラメーターを省略した場合,または名称を指定しなかった場合は,MYSIが仮定されます。
- YKP2Aコマンドを実行することで生成されるディスク構成定義ファイル,およびコピーグループ定義ファイルと同じ名称のファイルがすでに存在する場合,すでに存在するファイルに上書きされます。
既存のファイルを保持したい場合は,PREFIXパラメーター,CGNAME1パラメーター,CGNAME2パラメーター,およびCGNAME3パラメーターに,既存のファイルとは異なる名称を指定してください。- Mainframe Agentの起動中に,YKP2Aコマンドを実行しないでください。必ず,Mainframe Agentを停止してからYKP2Aコマンドを実行してください。
- Replication Managerと連携している場合,YKP2Aコマンドを実行すると,Configurationファイルの割り当てエラーになることがあります。この場合は,Replication Managerでストレージ情報の取得を停止したあとにMainframe Agentを停止してから,YKP2Aコマンドを再実行してください。
- YKP2Aコマンドを実行するときに,Replication Managerから情報取得要求があると,エラーとなり情報を取得できない場合があります。この場合,次の要求(Replication Managerで設定した一定インタバル間隔)で情報取得されます。
- Hitachi Business Continuity Managerでコピー種別に対するアクセス制御機能を設定している場合,YKP2Aコマンドは,ユーザに権限が付加されていないコピー種別のコピーグループ定義ファイルを作成しません。そのため,ペア関係があってもコピーグループ定義ファイルが作成されないコピー種別があります。
- YKP2Aコマンドは,S-VOLに対するディスク構成定義ファイルを作成する際に,取得できない値についてはダミー値を設定します。ダミー値が設定される属性および設定値は次のとおりです。
この場合,Replication Managerでは,取得できない情報は「n/a」が表示されます。
属性 S-VOLのCU番号が40未満 S-VOLのCU番号が40以上 Devn P-VOLのDEVN P-VOLのDEVN Model USP USPV IFType 1616 2020 Microcode 500970FF 500970FF
YKP2Aコマンド終了時のリターンコード一覧を次の表に示します。
リターンコード 意味 0 正常終了しました。ディスク構成定義ファイルおよびコピーグループ定義ファイルが生成されました。 4 正常終了しました。指定されたデバイス番号の範囲からは,PPRCコピーペアが検出されませんでした。 8 スキャンする範囲中のボリュームでI/Oエラーが発生しました。検出に成功したボリュームのディスク構成定義ファイルおよびコピーグループ定義ファイルが生成されました。 44 エラーが発生したため,処理を中断しました。ディスク構成定義ファイルおよびコピーグループ定義ファイルは生成されませんでした。 48 無効なパラメーターによって終了しました。 64 REXX処理中にエラーが発生しました。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2019, Hitachi, Ltd.