Hitachi Command Suite インストールガイド
非クラスタ構成でDevice Manager,Tiered Storage ManagerまたはReplication Managerのシステムの運用を開始したあとで,クラスタ構成に変更したい場合は,次の手順で変更してください。ここでは,すでに運用中のDevice Managerサーバ,Tiered Storage ManagerサーバおよびReplication Managerサーバがインストールされたマシンを実行系ノードとする場合を想定して説明します。
注意
- クラスタ環境のセットアップでは,Hitachi Command Suiteのサービスの停止を伴う操作を実行します。セットアップ中は,Hitachi Command Suiteにアクセスしないでください。
- REST APIクライアントとREST APIサーバ間で,認証局の署名済みの証明書,または独自に作成した自己署名証明書を使用してSSL通信している場合,クラスタ環境に移行したあともSSL通信をするときは,証明書発行要求のCommon Nameに設定したIPアドレスまたはホスト名を確認してください。Common Nameに設定したIPアドレスまたはホスト名が,クラスタ管理IPアドレスまたは論理ホスト名と異なる場合は,クラスタ環境に移行したあと,次の作業が必要です。
・認証局へのサーバ証明書の再申請
・実行系および待機系の各ノードでのSSL通信の設定
各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。
- Tuning Managerとリモート接続している場合は,Tuning Managerサーバがインストールされているマシンで,Tuning Managerのサービスをいったん停止します。
- 待機系ノードとなるマシンにHitachi Command Suiteをインストールします。
- 使用する製品のライセンスをGUIで登録します。
待機系ノードのIPアドレスにアクセスしてください。
インストールする製品ごとに,ライセンスキーの入力が必要です。- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,GUIを起動するためのURLを論理ホスト名に変更します。
<Hitachi Command Suiteのインストール先>/Base64/bin/hcmds64chgurl -change http://<実行系ノードのIPアドレスまたはホスト名>:<ポート番号> http://<論理ホスト名>:<ポート番号>- 実行系および待機系の各ノードで,テキストエディターを使って,クラスタ設定ファイルを作成します。
クラスタ設定ファイルに指定する項目は次のとおりです。
実行系ノードの場合mode=online virtualhost=<論理ホスト名> onlinehost=<実行系ノードのホスト名> standbyhost=<待機系ノードのホスト名>待機系ノードの場合mode=standby virtualhost=<論理ホスト名> onlinehost=<実行系ノードのホスト名> standbyhost=<待機系ノードのホスト名>作成したファイルは,cluster.confというファイル名で,<Hitachi Command Suiteのインストール先>/Base64/confに格納します。
注意
- modeには,実行系ノードの場合はonline,待機系ノードの場合はstandbyを指定してください。
- virtualhost,onlinehost,standbyhostにはIPアドレスは指定できません。ホスト名からIPアドレスの名前解決ができることを確認してください。
- 実行系および待機系の各ノードで,server.propertiesファイルを開き,server.http.hostプロパティに論理ホスト名を指定します。
<Hitachi Command Suiteのインストール先>/HiCommandServer/config/server.properties- 次のコマンドを実行して,実行系ノードでデータベースをバックアップします。
<Hitachi Command Suiteのインストール先>/Base64/bin/hcmds64backups -dir <バックアップファイルの格納先ディレクトリ> -auto
- dir
- データベースのバックアップファイルを格納するローカルディスク上のディレクトリを絶対パスで指定します。
- dirオプションに指定するディレクトリが空であることを確認してください。
- auto
- Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
重要
- hcmds64backupsコマンドを実行すると,dirオプションに指定したバックアップファイルの格納先ディレクトリにdatabaseというディレクトリが作成され,データベースのバックアップファイルがbackup.hdbというファイル名で格納されます。
- REST APIを使用する場合は,実行系ノードで次の操作を実施します。
各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。
- ストレージシステムの構成変更の通知を利用しているときは,ストレージシステムに登録した構成変更の通知先を削除するAPIを実行する
- データベースおよび環境設定ファイルをバックアップする
- HiRDBが使用するポートをデフォルト(22032/tcp)以外のポートに変更して運用している場合は,使用しているポート番号を控えておきます。この手順は実行系ノードだけ実施します。
- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,データベースを共有ディスクに移行します。
このコマンドは,データベースの内容をローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリにバックアップしたあと,指定した共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリにデータベースを再作成します。
<Hitachi Command Suiteのインストール先>/Base64/bin/hcmds64dbclustersetup -createcluster -databasepath <共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ> -exportpath <ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ> -auto
- createcluster
- 非クラスタ構成のHitachi Command Suite製品をクラスタ構成へ移行するためのオプションです。
- databasepath
- クラスタ環境で使用するデータベースの再作成先ディレクトリを指定します。共有ディスク上のディレクトリを,63バイト以内の絶対パスで指定してください。
- パスに使用できる文字を次に示します。そのほかに,スラント(/)をパスの区切り文字として使用できます。
- A~Z a~z 0~9 . _
- exportpath
- 移行する前のデータベース内のデータを退避するディレクトリを指定します。ローカルディスク上のディレクトリを,63バイト以内の絶対パスで指定してください。パスに使用できる文字は,databasepathに指定できる文字と同じです。
- auto
- Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
注意
- hcmds64dbclustersetupコマンドを実行すると,Tuning Managerのリモート接続の設定が初期化されます。
- <ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ>がすでにある場合は,ディレクトリの中を空にするか,ディレクトリを削除してください。
- hcmds64dbclustersetupコマンドが正常終了するまでは,共有ディスクを実行系ノードから切り離さないでください。
- hcmds64dbclustersetupコマンドが異常終了した状態でサーバを再起動すると,共有ディスクの接続先が待機系ノードに切り替わることがあります。
- 待機系ノードで次のコマンドを実行して,共有ディスク上のデータベースを使用するように設定を変更します。
このコマンドは,データベースの内容をローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリにバックアップしたあと,指定した共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリのデータベースを使用するように設定を変更します。
<Hitachi Command Suiteのインストール先>/Base64/bin/hcmds64dbclustersetup -createcluster -databasepath <共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ> -exportpath <ローカルディスク上の退避データ格納先ディレクトリ> -auto
hcmds64dbclustersetupコマンドに指定するオプションについては,手順9を参照してください。
databasepathには,実行系ノードで指定した<共有ディスク上のデータベース再作成先ディレクトリ>と同じディレクトリを指定してください。- hcmds64dbclustersetupコマンドを実行すると,HiRDBが使用するポート番号の設定がデフォルト値(22032/tcp)に戻るため,非クラスタ環境で,HiRDBが使用するポート番号をデフォルト値以外の番号に変更して運用していた場合は,事前の手順で控えておいたポート番号と同じ番号を実行系ノードおよび待機系ノードで再設定します。
- 実行系および待機系の各ノードでHitachi Command Suite製品のサービスが停止していることを確認します。
サービスの稼働状態の確認については,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。- 実行系および待機系の各ノードで次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のサービスがマシンの起動時に自動的に開始しないようにします。
<Hitachi Command Suiteのインストール先>/Base64/bin/hcmds64srv -starttype manual -all- 実行系および待機系の各ノードで,Device ManagerサーバおよびTiered Storage Managerサーバがマシンの起動時に自動的に開始しないようにします。
次のファイルを別ディレクトリに移動するか,ファイル名を変更します。ファイル名を変更する場合は,変更後のファイル名の先頭文字にKとSを使用しないでください。
- /etc/rc3.d/S99hicommand(Device Managerの場合)
- /etc/rc3.d/S99htsmserver(Tiered Storage Managerの場合)
- /etc/rc5.d/S99hicommand(Device Managerの場合)
- /etc/rc5.d/S99htsmserver(Tiered Storage Managerの場合)
- REST APIを使用する場合は,次の操作を実施します。
各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。
- 実行系および待機系の各ノードで,REST APIサーバのサービスを停止する
- 実行系ノードで,共有ディスク上にREST API用の共有ディレクトリを作成する
- 実行系ノードで,データベースファイルを共有ディレクトリにコピーする
- 実行系ノードで,REST APIサーバのクラスタ環境を設定する
- 実行系ノードで,ストレージシステムの構成変更の通知を利用するための任意の文字列を設定する
- 実行系ノードで,REST APIサーバのサービスを起動する
- 実行系ノードで,バージョン情報を取得するAPIを実行して,リクエストが適切に処理されることを確認する
- 実行系ノードで,REST APIサーバのサービスを停止する
- 実行系ノードでバックアップしたデータベースファイルおよび環境設定ファイルを,待機系ノードでリストアする
- 次に示す実行系ノードの環境設定ファイルを待機系ノードに上書きする
・StartupV.propertiesファイル
・rabbitmq-env-conf.batファイル
・rabbitmq.configファイル
・.erlang.cookieファイル- 待機系ノードで,ストレージシステムの構成変更の通知を利用するための文字列を設定する
- 待機系ノードで,REST APIサーバのサービスを起動する
- 待機系ノードで,バージョン情報を取得するAPIを実行して,リクエストが適切に処理されることを確認する
- 待機系ノードで,REST APIサーバのサービスを停止する
- 実行系および待機系の各ノードで,OS起動時にREST APIのサービスが自動的に起動しないように設定を変更する
- Hitachi Command Suiteのサービスをサービスグループに登録します。
- 非クラスタ環境で運用していた時にTuning Managerとリモート接続していた場合は,必要に応じて,Tuning Managerのサービスを起動したあと,Tuning Managerと連携するための設定を再度実施します。
これで,クラスタ環境の構築が完了します。クラスタ環境での運用を開始する場合は,クラスタ環境での運用開始手順について説明している個所を参照してください。
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