Hitachi Command Suite CLI リファレンスガイド

[目次][索引][前へ][次へ]


4.8.2 IOPHプロパゲーションによってS-VOLのアクセス性能を維持する

IOPHプロパゲーションは,Device Manager CLIのコマンドを組み合わせて運用します。ここでは,P-VOLのI/Oモニタリング情報をS-VOLに伝播することで,S-VOLのアクセス性能を維持する場合のシステム構成例,手順,および推奨設定について説明します。

図4-7 IOPHプロパゲーション運用時のシステム構成例

[図]

IOPHプロパゲーションを運用するには:

  1. P-VOL側のストレージシステムに対してExportMonitoringDataコマンドを実行し,P-VOLのI/Oモニタリング情報をファイルとして取得します。
    ボリューム単位での操作では,I/Oモニタリング情報のファイルは,ボリュームごとに出力されます。出力したファイルは編集しないでください。
  2. S-VOL側のストレージシステムに対してImportMonitoringDataコマンドを実行し,手順1で取得したI/Oモニタリング情報をS-VOLに適用します。
  3. S-VOL側のHDTプールに対してAddTieredPoolOperationコマンドを実行し,HDTプールの階層再配置を実行します。
    S-VOLに適用したI/Oモニタリング情報に基づいて,HDTプールの階層が再配置されます。
    S-VOL側のHDTプールに関連づけられたすべてのHDTボリュームにI/Oモニタリング情報を適用してから,階層再配置を実行してください。I/Oモニタリング情報が適用されていないHDTボリュームがあると,そのボリュームのデータの階層配置が正しく判定されないため,効果的な運用ができないおそれがあります。
参考
  • IOPHプロパゲーションは,スクリプトファイルや起動スケジュールを管理する外部プログラムを組み合わせて,定期的に運用することをお勧めします。
  • TrueCopyとUniversal Replicatorのカスケード構成でIOPHプロパゲーションを運用する場合は,P-VOLから取得したI/Oモニタリング情報をSP-VOLおよびS-VOLに適用します。
  • 障害が発生してP-VOLからS-VOLに運用が切り替わった場合は,P-VOLからS-VOLへのIOPHプロパゲーションを停止し,ホストからS-VOLへのI/Oに基づいてS-VOL側のHDTプールの階層を再配置する運用に切り替えることをお勧めします。
  • 障害から回復して,S-VOLからP-VOLに運用を戻す場合には,S-VOLからP-VOLへのIOPHプロパゲーションを実施することもできます。

P-VOLからS-VOLへのIOPHプロパゲーションを運用する場合は,HDTプールおよびHDTボリュームを次の設定にしておくことをお勧めします。

HDTプールに関する推奨設定:

HDTボリュームに関する推奨設定:

重要
Device ManagerではメインフレームのHDTプールおよびHDTボリュームの設定はできません。メインフレームボリュームの管理ツールを使用して設定してください。

関連項目

[目次] [前へ] [次へ]


[マニュアル発行元]

All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.