Hitachi Command Suite ユーザーズガイド
移行元ストレージシステムの構成やホストからの性能要求に基づいて,マイグレーションの計画を立てます。必要に応じて,ホスト管理者やペア管理サーバの管理者と連携して推進してください。
データ移行には,Device ManagerのGUIのほかにStorage Navigatorを使用します。トラブルシューティング時にはDevice Manager CLIも使用します。
計画に当たっては,ハードウェアおよびソフトウェアの要件,システム構成に応じた設定要件などを,Hitachi Command Suiteのソフトウェア添付資料で確認してください。
大規模な移行をスムーズに実行するために,あらかじめ次の観点で計画を立てます。
- 移行先のパリティグループやDPプール
移行対象のボリュームおよびコピーペア構成を移行できるパリティグループやDPプールの構成を,容量,性能,信頼性などを考慮して設計します。各ボリューム,またはShadowImageの副ボリュームの移行先パリティグループやDPプールを決定します。
マイグレーションの実行フェーズで作成するマイグレーションターゲットボリュームの容量は,移行元ボリュームの未使用領域分も含めて割り当てられます。移行先ストレージシステムのDPプールの空き容量を超えないよう,注意してください。- 移行先ストレージシステムのポート
移行元ストレージシステムの各ポートに対応する,移行先ストレージシステムのポートを決定します。- 外部パス構成
マイグレーション実行時に移行元ストレージシステムのボリュームを移行先ストレージシステムに仮想化するために,移行元ストレージシステムと移行先ストレージシステム間の外部パスの構成を決定します。- 作業スケジュール
移行作業は,I/O性能に影響を与えるおそれがあります。許容できるI/OレスポンスタイムやI/Oスループットをあらかじめ確認しておきます。また,大量のボリュームを移行するため,移行自体に時間が掛かります。データ移行に掛かる時間を見積もり,見積もり結果や許容できるI/Oレスポンスタイム,I/Oスループットを基に,ボリュームやコピーペア構成をいつ,どれだけ,どの順番で移行するかを決定します。データ移行中は,サーバのI/O に対する性能に関して以下の制約があります。
データ移行を実行する場合,移行元ボリュームを移行先ストレージシステムにマッピングして,サーバと移行先ストレージシステムの間に交替パスを追加します。サーバから移行先ボリュームにI/Oを発行したときのレスポンス時間を次に示します。
レスポンス時間 = (移行元ボリュームに直接I/Oを発行した時のレスポンス時間) + (移行先ストレージシステム内でのI/O転送処理の時間)
図9-4 サーバから移行先ボリュームにI/Oを発行したときのレスポンス
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