5.2.2 監視ノードの状態
監視オブジェクトおよび監視グループは,監視対象で発生したJP1イベントをもとにして,監視対象の状態を管理します。
監視ノードには次の2種類の状態があります。
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状態
監視ノードは「状態」によって,監視ノードで発生した事象を管理します。
監視ノードの状態には優先度の順に「緊急」「警戒」「致命的」「エラー」「警告」「正常」「デバッグ」,および「初期状態」があります。
例えば,監視ノードで障害が発生して,重大度が緊急のJP1イベントが発行された場合,セントラルスコープはその事象を監視ノードの状態によって管理します。
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監視状態
監視ノードの状態を監視するかどうかを決める情報です。
監視ノードの監視状態には「監視」および「非監視」があります。
監視状態が監視になっている監視ノードは,監視する条件に一致するJP1イベントを受信すると状態が変更されます。[監視ツリー]画面と[ビジュアル監視]画面では,状態が色によって表示されます。
非監視状態の監視ノードは,その監視ノードからのJP1イベントを受信しても,監視ノードの状態は変更されません。[監視ツリー]画面と[ビジュアル監視]画面では,グレーアウトして表示されます。
監視ノードは,初めは「初期状態」と呼ぶ状態です。初期状態とは,監視ノードがどのような状態か情報を持っていないことを意味しています。
監視状態が「監視」になっている監視オブジェクトで,例えば,障害が発生して重大度が緊急のJP1イベントが発行された場合,そのJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信すると, 監視オブジェクトの状態を変更します。どのようなときに監視オブジェクトの状態を変更するかは,状態変更条件と呼ぶ条件によって決まります。
監視オブジェクトの状態が変更されると,その状態は上位の監視グループへと順に伝わります。監視グループの状態より,伝わった状態の優先度が高い場合や,下位の監視ノードの状態が監視グループの状態変更条件に合致した場合は,監視グループの状態が変化します。
監視状態が「非監視」の監視オブジェクトの場合は,障害などのJP1イベントを受信しても,監視ノードの状態は変更されません。監視状態を「監視」に変更すると,監視対象からのJP1イベントによって,監視ノードの状態が変わるようになります。なお,監視ツリーを自動生成すると,監視ノードは「非監視」の状態になっています。
- 〈この項の構成〉
(1) 監視ノードの状態を手動で変更する場合の動作
監視ノードの状態を手動で変更する場合,監視ノード種別が監視オブジェクトか監視グループかによって,変更できる状態,および状態変更時の動作が異なります。
監視ノード種別 |
変更できる状態,および状態変更時の動作 |
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監視オブジェクト |
「緊急」「警戒」「致命的」「エラー」「警告」「正常」「デバッグ」および「初期状態」※1に変更できます。 状態を変更すると,その情報が上位に伝わり,上位監視グループの状態は,下位監視ノードの状態の中でいちばん優先度の高い状態に変わります。 |
監視グループ |
「初期状態」※1にだけ変更できます。 状態を変更すると,その情報が上位に伝わり,上位監視グループの状態は,下位監視ノードの状態の中でいちばん優先度の高い状態に変わります(上位伝播の動作は監視オブジェクトと同じです)。 また,下位監視ノードの状態は,すべて「初期状態」に変わります。 |
なお,監視ノードの状態を手動で変更する方法は,GUIで変更する方法とjcschstatコマンドで変更する方法の2種類があります(jcschstatコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcschstat」(1. コマンド)参照)。
監視ノードの監視状態を「非監視」に変更すると,下位監視ノードの監視状態もすべて「非監視」に変わります。また,状態は下位監視ノードも含めてすべて「初期状態」に変わります。同様に,監視ノードの監視状態を「監視」に変更すると下位監視ノードの状態もすべて「監視」に変わります。
なお,上位監視ノードの監視状態が「非監視」の場合,下位監視ノードの監視状態だけを「監視」に戻すことはできません。監視状態を「監視」に戻す場合は,「非監視」となっている最上位の監視ノードを「監視」に戻す必要があります。