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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド


1.4.1 スマートデバイスの管理を始める流れ

スマートデバイスの利用を開始する場合、購入したスマートデバイスをJP1/IT Desktop Management 2で管理できるようにしてから、利用者に配布します。

スマートデバイスの管理を始める流れを次に示します。

1.MDMシステムを導入する

JP1/IT Desktop Management 2でスマートデバイスの管理を始めるために、MDMシステムを導入し、スマートデバイスを登録します。

2.スマートデバイスを管理対象にする

スマートデバイスをJP1/IT Desktop Management 2の管理対象にすると、組織内のほかの機器や資産と同様にスマートデバイスを管理できるようになります。

スマートデバイスを管理対象にするためには、MDM連携の設定をして、MDMシステムからスマートデバイスの情報を取得します。

3.スマートデバイスを配布する

スマートデバイスをJP1/IT Desktop Management 2の管理対象にしたら、利用申請に応じて利用者に配布します。配布する前にスマートデバイスの一覧を作成し、その一覧を基に配布します。

ほかの機器やハードウェア資産と同様に、JP1/IT Desktop Management 2でスマートデバイスの管理を始めます。

〈この項の構成〉

(1) MDMシステムを導入する流れ

JP1/IT Desktop Management 2でスマートデバイスの管理を始めるために、MDMシステムを導入し、スマートデバイスを登録します。

1.MDM製品を購入する

スマートデバイスの導入に伴い、MDM製品を購入します。

2.MDMサーバにMDM製品をインストールする

組織内のサーバに、購入したMDM製品をインストールします。

3.MDM製品にスマートデバイスを登録する

MDM製品のエージェントプログラムをスマートデバイスにインストールし、MDM製品にスマートデバイスを登録します。また、MDM製品のポリシーをスマートデバイスに適用します。

ヒント

JP1/IT Desktop Management 2では、MDM製品に登録されているスマートデバイスを管理できます。このため、管理したいスマートデバイスはMDM製品に登録しておく必要があります。

MDM製品の導入が完了します。

(2) スマートデバイスを管理対象にする流れ

スマートデバイスをJP1/IT Desktop Management 2の管理対象にすると、組織内のほかの機器や資産と同様にスマートデバイスを管理できるようになります。

スマートデバイスを管理対象にするためには、MDM連携の設定をして、MDMシステムからスマートデバイスの情報を取得します。

1.JP1/IT Desktop Management 2でMDM連携の設定をする

初めてMDM連携機能を利用する場合、設定画面の[MDM 連携の設定]画面で、MDMシステムからスマートデバイスの情報を取得するよう設定します。連携済みの場合は、この手順は不要です。

2.スマートデバイスをJP1/IT Desktop Management 2の管理対象にする

設定画面の[MDM 連携の設定]画面で、[操作メニュー]の[MDMシステムから機器情報を取得する]を選択します。MDMシステムから情報が取得され、発見されたスマートデバイスが自動的にJP1/IT Desktop Management 2の管理対象になります。

なお、設定画面の[MDM 連携の設定]画面に表示される[発見した機器への操作]に、「設定されていません。」と表示されている場合は、設定画面の[発見した機器]画面から、発見されたスマートデバイスを手動で管理対象にしてください。

3.スマートデバイスが管理対象になったことを確認する

機器画面の[機器一覧]画面に、管理対象にしたスマートデバイスが表示されていることを確認します。このとき、[機器種別](スマートデバイス)、[登録日時]などの条件でフィルタを利用すると、目的のスマートデバイスを素早く探せます。

4.ハードウェア資産情報を編集する

スマートデバイスのハードウェア資産情報は、[資産状態]が「未確認」になっています。また、MDMシステムから収集できた情報だけが登録されています。このため、自動的には収集されない[利用者名]、[部署]、[資産管理番号]、[資産状態]などを手動で登録します。

また、必要に応じて購入や通信契約などの契約情報を登録して、ハードウェア資産情報と関連づけます。

スマートデバイスをJP1/IT Desktop Management 2で管理するための準備が完了します。情報の登録が完了したら、利用者にスマートデバイスを配布します。在庫として保管するスマートデバイスがある場合は、保管場所にスマートデバイスを移動します。

関連リンク

(3) スマートデバイスのソフトウェアを管理対象にする

スマートデバイスのソフトウェアを管理対象にするためには、MDM システムからスマートデ バイスのソフトウェア情報を取得し、管理ソフトウェアとして追加ます。

管理ソフトウェアとして追加するために、ソフトウェア情報を取得する際に指定する検索ワードについて次の表に示します。

スマートデバイスのOS

指定する検索ワード

指定するアプリケーション名

Android

Android-アプリケーション名

JP1/ITDM2 - SDMの[管理対象のスマートデバイス一覧]の[ソフトウェア]タブに表示されるアプリケーション名、または端末の[設定]−[アプリ(アプリケーションの管理)]以下に表示されるアプリケーション名を指定します。

iOS

iOS-アプリケーション名

JP1/ITDM2 - SDMの[管理対象のスマートデバイス一覧]の[ソフトウェア]タブに表示されるアプリケーション名、または端末の[設定]−[一般]−[ストレージの使用状況]−[ストレージを管理]以下に表示されるアプリケーション名を指定します。

注※ JP1/ITDM2 - SDM:JP1/IT Desktop Management 2 - Smart Device Manager

(4) スマートデバイスを利用者に配布する流れ

JP1/IT Desktop Management 2で管理しているスマートデバイスは、利用申請に応じて利用者に配布します。配布する前にスマートデバイスの一覧を作成し、その一覧を基に配布します。

1.利用者からの利用申請を受ける

利用申請と併せて、スマートデバイスの管理に必要な利用者情報を入手しておきます。次の情報を入手してください。

  • 部署

  • 設置場所

  • 利用者名

  • メールアドレス

  • 電話番号

2.スマートデバイスを特定する

資産画面の[ハードウェア資産]画面で、[資産状態]が「在庫」のスマートデバイスを特定します。このとき、フィルタを利用すると素早く探せます。

3.利用者情報を変更する

資産画面の[ハードウェア資産]画面で[状態を変更]ボタンをクリックし、スマートデバイスの利用者情報を変更します。また、[資産状態]を「運用中」に変更します。

4.配布するスマートデバイスの一覧を作成する

スマートデバイスを配布するため、配布するスマートデバイスの一覧を作成します。配布するスマートデバイスのハードウェア資産情報をCSVファイルにエクスポートしてください。ハードウェア資産情報のうち、配布時に必要な情報をエクスポートします。例えば、配布するスマートデバイスを識別するために[資産管理番号]を、設置場所を確認するために[部署]、[設置場所]を、利用者と連絡を取るために[利用者名]、[メールアドレス]、[電話番号]などの項目をエクスポートしてください。

ヒント

ハードウェア資産情報をエクスポートするときは、効率良く配布するために、[部署]や[設置場所]などを基準に並べ替えておくと便利です。ハードウェア資産情報は、操作画面上の項目名をクリックすると並べ替えができます。

5.スマートデバイスを配布する

エクスポートした一覧の情報を基に、スマートデバイスを配布します。配送業者にスマートデバイスの配布を依頼する場合は、一覧を渡して作業してもらいます。利用者に受理したことを示すサインを一覧に記入してもらうと、配布が完了したことを確認できます。

スマートデバイスを配布したら、JP1/IT Desktop Management 2で管理を始めます。発生する業務に応じて情報をメンテナンスし、常に最新の状態でハードウェア資産情報を管理してください。

関連リンク