Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


11.1.3 監視二重化の定義情報

ここでは,プライマリーとセカンダリーで一致させる必要のある定義情報について説明します。

〈この項の構成〉

(1) プライマリーの情報をセカンダリーに移行する定義情報

次の表にある定義情報はプライマリーで設定し,セカンダリーではその情報を移行して使用します。

監視二重化の環境を構築したあとにこれらの定義情報を変更した場合は,プライマリーの情報をセカンダリーに移行する必要があります。移行方法の詳細については,「11.5 定義情報の二重化」を参照してください。

表11‒1 プライマリーの情報をセカンダリーに移行する定義情報

項番

定義情報

確認方法

一致方法

1

アラーム情報(アラーム定義/アクション定義)

11.6.1(1) アラーム定義およびアクション定義のアラーム情報を確認する手順」を参照する。

11.5 定義情報の二重化」を参照する。

2

バインド情報

11.6.1(2) バインド情報を確認する手順」を参照する。

3

レポート定義

11.6.1(3) レポート定義を確認する手順」を参照する。

4

業務グループ情報

11.6.1(4) 業務グループ情報を確認する手順」を参照する。

5

Performance Managementユーザーアカウント情報

11.6.1(5) Performance Managementユーザーアカウント情報およびエージェント階層(User Agents)の情報を確認する手順」を参照する。

6

エージェント階層(User Agents)の情報

7

自動バインドの設定

11.6.1(8) 自動バインドの設定を確認する手順」を参照する。

8

ブックマークの定義情報

11.6.2(1) ブックマークの定義情報を確認する手順」を参照する。

9

プロセス監視のテンプレート情報

11.6.2(2) プロセス監視のテンプレート情報を確認する手順」を参照する。

(2) プライマリーとセカンダリーで同一の設定をする定義情報

次の表にある定義情報はプライマリーとセカンダリーでそれぞれ設定します。このとき,プライマリーとセカンダリーで設定内容を統一してください。一致しているかどうかは「確認方法」列の方法で確認してください。

監視二重化の環境を構築したあとにこれらの定義情報を変更した場合は,プライマリーとセカンダリーの情報を合わせる必要があります。「一致方法」列を参照し対処してください。

表11‒2 プライマリーとセカンダリーで同一の設定をする定義情報

項番

定義情報

確認方法

一致方法

1

管理エージェントの情報

11.6.1(6) 管理エージェントの情報を確認する手順」を参照する。

マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のサービス情報の削除手順について説明している章を参照する(PFM - Managerが管理するPFM - AgentまたはPFM - RMが減少した場合だけ不一致になる)。

2

接続先PFM - Manager設定

11.6.1(7) 接続先PFM - Manager設定を確認する手順」を参照する。

11.3.4 接続先PFM - Managerを二重化する方法」を参照する。

3

ヘルスチェックエージェントの設定

サービス階層のホスト名<Health Check>

およびホスト名<Health Check>(store)で,編集可能なプロパティの値が同じであること。※1

3.4.8 エージェントのプロパティを一括配布する」を参照して,プライマリーのヘルスチェックエージェントからセカンダリーのヘルスチェックエージェントにプロパティを配布する。

4

JP1/SLM連携定義情報

  • 連携するJP1/SLMのホスト名

サービス階層のMaster Manager サービスの[サービスのプロパティ]画面で「ITSLM Coordination Configuration/ITSLM Coordination」ノードのプロパティの値が同じであること。※1

サービス階層のMaster Manager サービスの[サービスのプロパティ]画面で「ITSLM Coordination Configuration/MANAGE ITSLM COORDINATION」ノードのASSIGN ITSLM COORDINATIONで,編集できるプロパティの値を合わせる。※1

5

JP1イベントに関する設定

サービス階層のMaster Manager サービスの[サービスのプロパティ]画面で「JP1 Event Configurations」ノード,「JP1 Event Configurations/Alarm」ノードおよび「JP1 Event Configurations/System」で,編集できるプロパティの値が同じであること。※1

サービス階層のMaster Manager サービスの[サービスのプロパティ]画面で「JP1 Event Configurations」ノード,「JP1 Event Configurations/Alarm」ノードおよび「JP1 Event Configurations/System」で,編集できるプロパティの値を合わせる。※1

6

JP1/SLM連携定義情報

・カスタム監視項目

monitoringitems.cfgファイルの内容が同じであること。※2

マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,定義ファイルについて説明している章を参照して,monitoringitems.cfgの設定値を合わせる。

7

ホスト情報設定ファイル(jpchosts

jpchostsファイルの内容が同じであること。※2

マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のIPアドレスを設定する方法について説明している章を参照して,jpchostsの設定を合わせる。

8

認証モードの設定

jpcvsvr.iniファイル中のUserServer.authenticationModeラベルの値が同じであること。※2

2.4 ユーザーアカウントの認証モードを設定する」を参照して,UserServer.authenticationModeラベルの値を合わせる。

9

起動情報(jpccomm.ini内の定義)

一致の必要性が設定項目ごとに異なる。

表11-3 jpccomm.iniで一致させる必要がある定義情報」を参照する。

10

ヘルスチェック機能

jpcconf hc displayコマンドの結果が同じであること。

jpcconf hc enableコマンドまたはjpcconf hc disableコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

11

ステータス管理機能

jpcconf stat displayコマンドの結果が同じであること。

jpcconf stat enableコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

12

プロダクト名表示機能

jpcconf prodname displayコマンドの結果が同じであること。

jpcconf prodname enableコマンドまたはjpcconf prodname disableコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

13

IPv6通信

jpcconf ipv6 displayコマンドの結果が同じであること。

jpcconf ipv6 enableコマンドまたはjpcconf ipv6 disableコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

14

ポート番号の設定

jpcconf port list -key statコマンドの結果が同じであること。※4

jpcconf port define -key statコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

15

暗号化通信

jpcwconf https displayコマンドの結果が同じであること。

jpcwconf https enableコマンドまたはjpcwconf https disableコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

16

JP1/IM2との連携

jpcconf im2 displayコマンドの結果が同じであること。

jpcconf im2 enableコマンドまたはjpcconf im2 disableコマンドを実行し,設定を合わせる。※3

注※1

詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,定義情報の検証について説明している個所を参照してください。

注※2

詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,ファイルおよびディレクトリ一覧について説明している個所を参照してください。

注※3

詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注※4

Name ServerとStatus Serverのポート番号が一致している必要があります。

起動情報ファイル(jpccomm.ini)内で一致させる必要のある定義情報を次の表に示します。

表11‒3 jpccomm.iniで一致させる必要がある定義情報

項番

セクション名

ラベル名

1

Common Section

Multiple Alarm Table Bind

2

Alarm Message Mode

3

JP1 Event Double Quote

4

Correlator Startup Mode

5

Retry Getting Alarm Status

6

Business Group Monitor Mode

7

Agent Remote Protection

8

Service List Protection

9

Prioritize Manager Startup Communication

10

Remote Action Control

11

Alarm Command Wait Mode

12

Alarm Command Timeout

13

Historical Data Collection Priority Mode

14

Random Retry Mode

15

Monitoring Suspend Mode

16

Auto Sync for Suspend Setting

17

Auto Alarm Bind Mode

18

次のセクションを除くすべてのセクション

  • Common Section

  • Action Log Section

NS Keepalive Mode

19

次のすべてのセクション

  • Name Server Section

  • Master Manager Section

  • Correlator Section

NS Connection Timeout

NS Maximum Connections

20

Tools Section

StartService Retry Interval

21

StartService Retry Count

22

Agent Collector 0 Section

Historical Data Collection Priority Mode

23

Action Handler Section

Action Execution Count Limitation

24

Action Concurrent Execution Count

25

Action Execution Queue Count

26

Action Execution Time Limit

注※

バージョン11-50以降では,プライマリーとセカンダリーで値が不一致の場合,値に70を設定してください。

起動情報ファイル(jpccomm.ini)内の各項目が不一致の場合,次のように対処してください。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。

  2. テキストエディターなどでjpccomm.iniを開く。

  3. プライマリーとセカンダリーのPFM - Managerで,表11-3のセクション名,ラベル名の値を合わせる。

  4. jpccomm.iniを保存して閉じる。

  5. Performance Managementのプログラムおよびサービスを起動する。

詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。