5.3.1 Hitachi Compute Systems Managerを使用する場合の設定
Hitachi Compute Systems Managerを使用して,エージェントホスト(物理サーバまたは仮想化サーバ)を制御する場合の設定手順および注意事項について説明します。
Hitachi Compute Systems Managerと連携するには,Hitachi Compute Systems ManagerのCLIを使用します。
JP1/Power MonitorマネージャーとHitachi Compute Systems ManagerのCLIは同じサーバに存在する必要があります。JP1/Power MonitorマネージャーとHitachi Compute Systems Manager管理サーバは別々のサーバに存在しても問題ありません。
ただし,JP1/Power Monitorのエージェントホストとは別のホストにしてください。Hitachi Compute Systems Manager管理サーバが停止すると,Hitachi Compute Systems Managerと連携したエージェントホストの操作ができなくなります。
- 注意事項
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Hitachi Compute Systems Managerとの連携では,自ホストの電源を自動的にオンにする運用はできません。
ホストの電源を自動的にオンしたい場合は,電源制御対象ホストをJP1/Power Monitorのエージェントとしてセットアップし,JP1/AJS3と連携する必要があります。JP1/AJS3のリモート電源制御ジョブで電源制御対象ホストの起動をスケジュール実行してください。
- 〈この項の構成〉
(1) エージェントホストの設定
エージェントホストでは,電源制御装置を使用しない設定とします。
エージェントホストの対応OSはWindowsとLinuxです。ここでは,エージェントホストがWindowsの場合について説明します。エージェントホストがLinuxの場合は,「6.2 他ホストを起動・終了する場合」を参照してください。
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[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの設定をする。
設定する内容で注意する項目を示します。
[自ホスト電源制御コマンド]
電源制御装置を使用しないでホストを制御するコマンドを設定※
- 注※
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電源制御装置を使用しないでホストを制御するコマンドの仕様については,「5.1.8(1)(b) 電源制御装置を使用しないでホストを制御するコマンドを設定する」を参照してください。
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[環境設定]ダイアログボックスで,使用プログラム名と計画終了オプションを設定する。
[使用プログラム名]は手順1で登録した制御装置種別を選択します。
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設定したあと,正常に制御できるかどうか,動作を確認する。
(2) Hitachi Compute Systems Manager管理サーバの設定
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Hitachi Compute Systems Managerをインストールし,環境設定をする。
Hitachi Compute Systems Managerをインストールし,Hitachi Compute Systems Managerでエージェントホストを電源制御できるように環境設定をします。
JP1/Power Monitorとの連携用に,Hitachi Compute Systems Managerのユーザーを作成してください。
Hitachi Compute Systems Managerの環境設定方法については,Hitachi Compute Systems Managerのマニュアルを参照してください。
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Hitachi Compute Systems Managerのインストールおよび環境設定が完了したら,制御したいエージェントホストに対してHitachi Compute Systems Managerで電源のオン・オフを実行し,正しく設定されていることを確認する。
(3) マネージャーホストの設定
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Hitachi Compute Systems Managerの管理サーバからCLIアプリケーションをダウンロードしてインストールした後,CLI環境を設定する。
Hitachi Compute Systems Manager管理サーバとJP1/Power Monitorのマネージャーが同じホストであっても,この設定は必要です。CLIアプリケーションのダウンロード,インストール,およびCLI環境の設定については,Hitachi Compute Systems Managerのマニュアルを参照してください。
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JP1/Power Monitorと連携できるように,Hitachi Compute Systems Manager V8ガイドにある「JP1/Power Monitor連携用コマンドの作成例」を参照してホストの電源を制御するバッチファイルを作成する。
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作成したJP1/Power Monitor用の連携バッチファイルを手動で実行し,正しく動作することを確認する。
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[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの設定をする。
設定する内容で注意する項目を示します。
[他ホスト電源制御コマンド]
手順2で作成した連携コマンドのフルパス名
[実行制限時間]
電源制御コマンドの実行で問題が発生し,制御がJP1/Power Monitorに戻らない場合にコマンド実行を打ち切る時間です。
初期設定は300秒ですが,最大値999秒を設定してください。
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[エージェントホストの設定]ダイアログボックスの設定をする。
設定する内容で注意する項目を示します。
[種別]
手順4で登録した[制御装置種別]
[パスワード]
Hitachi Compute Systems Managerの管理サーバにログインするユーザーのパスワードを設定してください。ユーザー名は連携用のバッチファイル内で設定してください。
[電源制御装置のアクセス方法]
「LAN」
[IPアドレス]
電源を制御したいエージェントホストのIPアドレスを設定します。
IPv4形式のアドレスを指定します。IPv6形式のアドレス指定はできません。
- 注意事項
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エージェントホストのIPアドレスはHitachi Compute Systems Managerに登録したOSのIPアドレスを指定してください。SVPボード(機能)のIPアドレスではありませんので,注意してください。
[機器番号]
設定は不要
[コミュニティ名]
設定は不要
(4) 注意事項
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JP1/Power Monitorでエージェントホストに対する電源制御の実行中には,JP1/Power Monitor以外の手段でHitachi Compute Systems Manager CLIを実行しないでください。エージェントホストに対する電源制御が失敗する可能性があります。
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複数のエージェントホストに対して同時に電源制御を実行する場合,電源制御の終了を待たないバッチファイルを使用してください。JP1/Power Monitorでは,複数のエージェントホストに対する電源制御要求があった場合,一つずつ順番に実行します。このため,電源制御の終了を待つバッチファイルの場合,実行に時間がかかります。
(5) トラブルシューティング
ホストの起動・終了でトラブルが発生したときは,「18.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」に記載されている資料に加えて,次の資料の採取が必要です。
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Hitachi Compute Systems Manager連携用のバッチファイル
[電源制御装置の設定]ダイアログボックスの[他ホスト電源制御コマンド]で設定したバッチファイルを採取します。
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Hitachi Compute Systems Managerの管理サーバの保守情報
保守情報の採取方法はHitachi Compute Systems Managerのマニュアルを参照してください。