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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 for Enterprise Applications


jr3bjsub

〈このページの構成〉

形式1

jr3bjsub [R/3あて先情報] 
         [R/3ログオン情報] 
         [リダイレクション情報] 
         -jn ジョブ名
         [-class ジョブクラス]
         ジョブステップ情報... 
         [{-tgh ターゲットホスト | -tgs ターゲットサーバ}]
         [{-rs | -ri}] 
         [-wait [-time 監視時間 [-cancel]]
                [-ival 監視間隔]
                [-jo R/3ジョブログファイル名
                [-mt [-mts メッセージタイプ文字列]]]
                [-with_child]]
注意

引数に指定した文字列に空白が含まれる場合,引数を「"(二重引用符)」で囲んでください。

形式2

jr3bjsub -help

機能

R/3システムにバックグラウンドジョブを登録します。

登録できるR/3システムのバックグラウンドジョブは,トランザクションコードSM36で定義/実行できるバックグラウンドジョブです。

ジョブの登録に成功すると,R/3システムでは,登録されたジョブにジョブを識別できるジョブ番号が割り当てられます。このジョブ番号は,メッセージの一部として標準出力に出力されます。

ユーザーは,登録時に指定したジョブ名とこのジョブ番号を使用して,登録したジョブの状態を参照したり,ジョブの実行をキャンセルしたりできます。

R/3システムに登録したジョブを削除したい場合は,jr3bjdelコマンドを使用して削除してください。

引数

R/3あて先情報

ジョブを登録するR/3システムを指定します。通常,登録したジョブは,ジョブを実行できるアプリケーションサーバ間で負荷分散されて実行されます。ただし,-tghまたは-tgsオプションを使用すると,ジョブの実行先のシステムを指定できます。R/3あて先情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。

R/3ログオン情報

ジョブを登録するR/3システムで有効なR/3ログオン情報を指定します。通常,ジョブの実行時に有効となるユーザーは,R/3ログオン情報で指定したR/3ユーザーです。ただし,ジョブステップ情報の-authオプションを使用するとジョブの実行時に有効となるR/3ユーザーを変更できます。

なお,R/3ログオン情報の-lオプションで指定した言語は,R/3ジョブログの言語と,KAJM0802-E,KAJM0813-Eなどのメッセージの挿入句として出力される,SAPシステムが返すエラーの詳細情報の言語に影響します。ジョブの実行時に,ジョブステップとして定義したABAPプログラムの言語種別をR/3システムのデフォルトから変更させる場合は,ジョブステップ情報の-langオプションで言語を指定してください。

R/3ログオン情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。

リダイレクション情報

コマンド実行時の標準出力先,および標準エラー出力先を指定します。リダイレクション情報の形式については,「(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。

-jn ジョブ名

登録するR/3ジョブの名称を指定します。ジョブ名に指定できる文字列の長さは,1〜32バイトです。

-jnオプションの指定は省略できません。

-class ジョブクラス

登録するR/3ジョブのジョブクラス(ジョブ実行時の優先度)を指定します。指定できる文字と意味は,次のとおりです。

A:優先度「高」
B:優先度「中」
C:優先度「低」

通常は「C」,優先して実行したいときは「B」,緊急時に直ちに実行させたいときなどは「A」を指定します。デフォルトは「C」です。

注意

ジョブクラスを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用可能になっている必要があります。

ジョブステップ情報...

プログラム(ABAPプログラムまたは外部プログラム)を,ジョブを構成するジョブステップとして指定します。ジョブステップ情報を複数指定すると,複数のジョブステップをジョブに割り当てることができます。ジョブステップ情報は,99個まで指定できます。ジョブに指定したジョブステップは,指定した順序で実行されます。

ジョブステップを設定する場合は,-paオプション(または-pxオプション)とそれに続くオプション(-authなど)を一つの組として指定してください。ジョブステップを設定する場合の例については,使用例を参照してください。

ジョブステップ情報の形式は,ジョブステップとして指定するプログラムの種類によって異なります。ジョブステップ情報の形式をプログラムごとに示します。

ジョブステップ情報の形式(ABAPプログラムの場合)
-pa ABAPプログラム [-var バリアント]
                     [-auth 権限ユーザー] 
                     [-lang 言語] 
                     [-armode 保管モード]
                     [-out 出力先] 
                     [-ln ] [-col ]
                     [-fmt 書式]
                     [-cc 印刷部数]
                     [-shwpwd 権限]
                     [-ip][-dp] 
                     [-rpd スプール保存期間] 
                     [-title スプール依頼表題] 
                     [-sapcvr SAP表紙] 
                     [-selcvr] 
                     [-receiver 受信者]
                     [-dpt 部署]
                     [-objtyp オブジェクトタイプ] 
                     [-doctyp 文書タイプ] 
                     [-info 情報ID] 
                     [-text 情報テキスト]
                     [一時バリアント情報]
-pa ABAPプログラム

ジョブステップとして追加するABAPレポートプログラム(ABAPプログラム)の名称を指定します。ABAPプログラムに指定できる文字列の長さは,1〜40バイトです。なお,指定するABAPプログラムは,あらかじめR/3システムに登録しておいてください。

-var バリアント

ABAPプログラムに対してバリアントがある場合に,バリアントの名称を指定します。バリアント名に指定できる文字列の長さは,1〜14バイトです。-varオプションで指定できるバリアントは,R/3システムに登録されているバリアントだけです。

-auth 権限ユーザー

ABAPプログラムの実行時に設定される権限ユーザーの名称を指定します。権限ユーザーに指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。なお,-authオプションの指定を省略した場合,R/3システムにログオンしたユーザー(R/3ログオン情報で指定したユーザー)がABAPプログラムの実行時に設定される権限ユーザーとなります。

-lang 言語

使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。日本語または英語が使用できます。使用する言語には,次に示すABAPプログラムの実行環境で使用できる言語を指定してください。

  • 日本語の場合:J

  • 英語の場合:E

なお,-langオプションの指定を省略した場合,ログオン先のアプリケーションサーバで使用されている言語が使用されます。このオプションで指定した言語は,スプールリストの出力情報にも影響します。

-armode 保管モード

ABAPプログラムの実行結果を保管する方法を指定します。

指定できる文字と意味は次のとおりです。-armodeオプションの指定を省略した場合,保管モードにはP(印刷)が設定されます。

P       :印刷

A       :アーカイブ

PA(またはAP):印刷とアーカイブ

AまたはPAを指定した場合,必ず-objtyp-doctypおよび-infoを設定してください。

-out 出力先

指定したABAPプログラムの実行結果の印刷先を,R/3システムに設定されている出力先デバイス名で指定します。出力先デバイスの略称を指定してください。指定できる文字列の長さは,1〜4バイトです。印刷先の指定を省略した場合,R/3システムで定義されているデフォルトの出力先に設定されます。

-ln

ABAPプログラムの実行結果の出力書式を行で指定します。

1ページに指定できる行数は,1〜255です。オプションの指定を省略した場合,適切な書式がR/3システムによって選択されます。

-lnオプションと-fmtオプションを同時に指定することはできません。

-col

ABAPプログラムの実行結果の出力書式を列で指定します。

1ページに指定できる列数は,1〜255です。オプションの指定を省略した場合,適切な書式がR/3システムによって選択されます。

-colオプションと-fmtオプションを同時に指定することはできません。

-fmt 書式

ABAPプログラムの実行結果の出力書式を書式名で指定します。

指定できる文字列の長さは,1〜16バイトです。オプションの指定を省略した場合,適切な書式がR/3システムによって選択されます。

-fmtオプションと-lnまたは-colオプションを同時に指定することはできません。

注意

-fmtオプションを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用可能になっている必要があります。

-cc 印刷部数

印刷部数を指定します。指定できる値は,1〜255です。指定を省略した場合,1部となります。

-shwpwd 権限

印刷要求を不当に操作されないようにする場合,権限文字列を指定します。ここに指定した権限文字列に一致するスプールアクション権限オブジェクトを持つユーザーだけがこの印刷要求を操作できます。指定できる文字列の長さは1〜12バイトです。

-ip

印刷要求をすぐに印刷装置に送ります。

この指定を省略した場合,即時出力(即時印刷)されません。

-dp

印刷要求を印刷装置に送ったあと,印刷要求を削除します。

この指定を省略した場合,出力後削除(印刷要求送付後,印刷要求を削除)されません。

-rpd スプール保存期間

印刷要求を保存する日数を指定します。

指定できる文字と意味は次のとおりです。-rpdオプションの指定を省略した場合,スプール保存期間には8(8日後に削除される)が設定されます。

8 :印刷要求を保存する日数

unlimited:印刷要求を無期限に保存する

-title スプール依頼表題

スプール依頼の表題を指定します。指定できる値は,1〜68バイトです。この指定を省略した場合は,スプール依頼の表題は空白になります。

注意

-titleオプションを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用可能になっている必要があります。

-sapcvr SAP表紙

印刷結果に,受信者名,部署名などの情報を含むSAP表紙を添付します。

指定できる文字と意味は次のとおりです。

Y:SAP表紙を印刷する

N:SAP表紙を印刷しない

D:使用する印刷装置の設定に従う

-sapcvrオプションの指定を省略した場合,SAP表紙にはDが設定されます。

-selcvr

印刷結果に,プログラムの実行条件を表示したレポート選択表紙を添付します。

-receiver 受信者

印刷結果を受け取る受信者名を変更します。このオプションを指定すると,SAP表紙に印刷される受信者名も変更されます。

指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。受信者名の指定を省略した場合,ABAPプログラムの実行権限を持つユーザーが設定されます。

-dpt 部署

SAP表紙に印刷する部署を入力します。

指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。この指定を省略した場合は,ABAPプログラムの実行権限を持つユーザーのプロファイルに設定されている部署となります。

注意

-dptオプションを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用可能になっている必要があります。

-objtyp オブジェクトタイプ

レポート印刷のアーカイブを分類するオブジェクトタイプを指定します。

指定できる文字列の長さは,1〜10バイトです。なお,指定するオブジェクトタイプは,あらかじめR/3システムに登録しておいてください。

注意

このオプションは,-armodeにA(アーカイブ)またはPA(印刷とアーカイブ)を指定した場合,必ず設定してください。-armodeにP(印刷)を指定した場合,または-armodeの指定を省略した場合は,設定しないでください。

-doctyp 文書タイプ

レポート印刷のアーカイブを分類する文書タイプを指定します。

指定できる文字列の長さは,1〜10バイトです。なお,指定する文書タイプは,あらかじめR/3システムに登録しておいてください。

注意

このオプションは,-armodeにA(アーカイブ)またはPA(印刷とアーカイブ)を指定した場合,必ず設定してください。-armodeにP(印刷)を指定した場合,または-armodeの指定を省略した場合は,設定しないでください。

-info 情報ID

アーカイブ要求のための情報IDを指定します。

指定できる文字列の長さは,1〜3バイトです。

注意

このオプションは,-armodeにA(アーカイブ)またはPA(印刷とアーカイブ)を指定した場合,必ず設定してください。-armodeにP(印刷)を指定した場合,または-armodeの指定を省略した場合は,設定しないでください。

-text 情報テキスト

アーカイブ要求の内容を説明するテキストを指定します。

指定できる文字列の長さは,1〜40バイトです。このオプションは,-armodeにA(アーカイブ)またはPA(印刷とアーカイブ)を指定した場合に指定できます。このオプションは省略できます。

注意

-textオプションを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用可能になっている必要があります。

一時バリアント情報

プログラム(ABAPプログラムまたは外部プログラム)に設定する一時バリアントの値を指定します。一時バリアント情報を複数指定すると,複数の一時バリアント情報を1つのプログラムに割り当てることができます。一時バリアント情報は,32個まで指定できます。

同時に-varオプションを指定した場合,指定したバリアントに指定されている項目を読み込んで,-tvに指定された項目を上書きしたあと一時バリアントに設定します。

同時に-varオプションを指定していない場合は,-tvで設定された項目だけを一時バリアントとして設定します。

一時バリアント情報の形式

{-tv} {-selname 項目名} [-sign I/E]
                        [-option option]
                        [-frm frm]
                        [-to to]
  • -selname 項目名

    一時バリアントの名称を指定します。項目名に指定できる文字列の長さは,1〜8バイトです。

    -tvオプションを指定する場合は,-selnameオプションを指定してください。

  • -sign I/E

    項目名に指定した一時バリアント名を選択するかどうかを指定します。設定された値をそのままSAPシステムに渡します。なお,項目によっては設定しても一時バリアントの値として設定されない場合があります。

  • -option optionの値

    項目名に指定した一時バリアント名のoption値を指定します。option値に指定できる文字列の長さは,1〜2バイトです。設定された値をそのままSAPシステムに渡します。なお,項目によっては設定しても一時バリアントの値として設定されない場合があります。

    注※ SAPフロントエンドソフトウェアでABAPエディタを起動してバリアント照会画面で表示されるoptionの値

  • -frm frmの値

    項目名に指定した一時バリアント名のfrm値を指定します。frm値に指定できる文字列の長さは,1〜45バイトです。設定された値をそのままSAPシステムに渡します。また,項目によっては設定しても一時バリアントの値として設定されない場合があります。SAPシステム内で使用している値を指定してください。なお,SAPフロントエンドソフトウェアで表示される値と,SAPシステム内で使用している値が異なる場合があるので注意してください。

    注※ SAPフロントエンドソフトウェアでABAPエディタを起動してバリアント照会画面で表示されるfrmの値

  • -to toの値

    項目名に指定した一時バリアント名のto値を指定します。to値に指定できる文字列の長さは,1〜45バイトです。設定された値をそのままSAPシステムに渡します。また,項目によっては設定しても一時バリアントの値として設定されない場合があります。SAPシステム内で使用している値を指定してください。なお,SAPフロントエンドソフトウェアで表示される値と,SAPシステム内で使用している値が違う場合があるので注意してください。

    注※ SAPフロントエンドソフトウェアでABAPエディタを起動してバリアント照会画面で表示されるtoの値

注意

一時バリアント情報を指定する場合は,接続先のR/3システムでXBP3.0インターフェースが使用可能になっている必要があります。

ジョブステップ情報の形式(外部プログラムの場合)
-px 外部プログラム -xpgtgh 対象ホスト
                   [-arg 引数]
                   [-auth 権限ユーザー]
-px 外部プログラム

ジョブステップとして追加する外部プログラムの名称を指定します。外部プログラムに指定できる文字列の長さは,1〜128バイトです。

なお,外部プログラムは,次に示す条件を満たしている必要があります。

  • 外部プログラムはSAP CPI-Cユーザーが実行できるプログラムである

SAP CPI-Cユーザーの詳細については,R/3のマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。

-xpgtgh 対象ホスト

外部プログラムを実行させるホストのホスト名を指定します。対象ホストに指定できる文字列の長さは,1〜32バイトです。ホスト名には,次の形式の名称を使用できます。

  • hostsファイルに定義されているホスト名

  • IPアドレス

このオプションには,アプリケーションサーバが稼働しているホスト名を指定します。

なお,コマンドの実行時に,対象ホストの正当性(指定したホスト名またはIPアドレスがhostsファイル中にあるか)はチェックされません。

-arg 引数

外部プログラムに対して引数がある場合に,引数の名称を指定します。引数に指定できる文字列の長さは,1〜255バイトです。

-auth 権限ユーザー

外部プログラムの実行時に設定される権限ユーザーの名称を指定します。権限ユーザーに指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。ただし,外部プログラムがSAP CPI-Cユーザー経由で実行されるため,-authオプションに指定した権限ユーザーは無効になります。外部プログラムは,SAP CPI-Cユーザーで実行されます。

なお,-authオプションの指定を省略した場合,R/3システムにログオンしたユーザー(R/3ログオン情報で指定したユーザー)が外部プログラムの実行時に設定される権限ユーザーとなります。

-tgh ターゲットホスト

登録したジョブを実行させるアプリケーションサーバのホスト名を指定します。ターゲットホストに指定できる文字列の長さは,1〜32バイトです。ホスト名には,トランザクションSM51でホスト名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバに割り当てられたホスト名を使用できます。

このオプションを指定すると,指定されたホストで稼働しているアプリケーションサーバの中から任意のサーバを選択し,ジョブの実行先を決定します。

このオプションを省略し,-tgsオプションも指定しない場合,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。なお,このオプションは,-tgsオプションと同時に使用できません。

注意

このオプションは,リリース4.0以前のR/3システム用に作成されたジョブ定義の互換パラメーターです。リリース4.5以降のR/3システム用にジョブを定義する場合は,-tgsオプションを使用してください。

-tgs ターゲットサーバ

登録したジョブを実行させるアプリケーションサーバのサーバ名またはジョブサーバグループ名を指定します。ターゲットサーバに指定できる文字列の長さは,1〜20バイトです。サーバ名には,トランザクションSM51でサーバ名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバに割り当てられたサーバ名(大文字・小文字は区別される)を使用できます。また,ジョブサーバグループ名には,トランザクションSM61でジョブサーバグループ名として表示される一覧のうち,バックグラウンド処理サービスを提供するアプリケーションサーバがグルーピングされたジョブサーバグループ名(大文字・小文字は区別される)を使用できます。

このオプションを省略し,-tghオプションも指定しない場合,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。なお,このオプションは,-tghオプションと同時に使用できません。

-rs

ジョブの登録後にジョブをできる限り早くリリースします。

ジョブをできる限り早くリリースするとは,ジョブを実行するために必要なシステムリソースが確保された時点でジョブをリリースすることです。

ほかのジョブがR/3システムのシステムリソースを占有していて,必要なリソースを確保できない場合は,必要なリソースが確保できるまでジョブのリリースが待たされます。

-ri

ジョブの登録後にジョブをすぐにリリースします。

ジョブを実行するために必要なシステムリソースの確保ができているかどうかに関係なく,コマンド実行後すぐにジョブをリリースします。したがって,ほかのジョブがR/3システムのシステムリソースを占有している場合には,ジョブのリリースに失敗します。

-wait

リリースしたジョブの実行が終了するまでジョブを監視します(ジョブの実行が終了するまで,コマンドラインからコマンドを実行できなくなります)。

なお,終了監視中のジョブがR/3システムによって割り込まれた場合は,終了監視処理が終わらないことがあります。その場合は,メッセージKAJM1836-Wが表示されるので,そのメッセージに従って対処してください。

-waitオプションは,-rsまたは-riオプションを指定した場合に有効です。

-time 監視時間

ジョブの終了を監視する時間(単位:分)を指定します。監視時間に指定した時間,ジョブの終了を監視できます。監視時間は,-ivalオプションで指定した監視間隔より長くなるように指定してください。監視時間に指定できる値は,1〜65,535です。-timeオプションの指定を省略した場合,監視時間は無限になります。

なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブの終了を監視するための時間になります。

また,指定した監視時間内にジョブが終了しない場合は,ジョブの監視がタイムアウトになり,ジョブの状態に関係なくコマンドが終了します。

-timeオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。

-cancel

-timeオプションで指定した監視時間内にジョブが終了しない場合,監視しているジョブを打ち切ります。打ち切ることができるのは,「実行中」(Active)の状態のジョブだけです。次の条件のジョブを打ち切ることはできません。

  • 終了監視対象のジョブが「実行中」(Active)の状態になっていない場合

  • 終了監視対象のジョブの状態が「実行中」(Active)の状態で,外部プログラムのジョブステップが実行中のとき

なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブが打ち切られます。

また,-cancelオプションを指定しない場合,ジョブの実行はそのままR/3システムで継続します。

-cancelオプションは,-timeオプションを指定した場合に有効です。

-ival 監視間隔

ジョブを監視する時間間隔(単位:秒)を指定します。ジョブが終了するまで,監視間隔に指定した周期でジョブを監視できます(ジョブのポーリング監視)。監視間隔に指定できる値は,1〜65,535です。-ivalオプションの使用時に監視間隔の指定を省略した場合,監視間隔に5が設定されます。

なお,デフォルトの監視間隔(5秒)は,環境設定ファイルで変更できます。

-ivalオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。

-jo R/3ジョブログファイル名

R/3ジョブログの出力先を指定します。R/3ジョブログは,ジョブの実行が終了した場合(-waitオプションの指定時に戻り値が0または1の場合)に取得できます。R/3ジョブログファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとLinuxとで異なります。

  • Windowsの場合

    R/3ジョブログファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜259バイトです。

  • Linuxの場合

    R/3ジョブログファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜255バイトです。

R/3ジョブログファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。

R/3ジョブログファイル名には/dev/nullなどのデバイスファイルを指定しないでください。R/3ジョブログファイルが不要な場合は,出力されたファイルを削除してください。

R/3ジョブログの出力形式は,「書き込み日付 書き込み時刻 メッセージコード(メッセージクラスとメッセージ番号) メッセージテキスト」です。

R/3ジョブログは,このファイルに追加書きで書き込みます。

  • -seオプションを指定した場合

    R/3ジョブログは,-seオプションに指定した標準エラー出力ファイルに出力できます。

  • -seオプションを指定しないで,JP1/AJS - Viewの[詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスで「標準エラー出力ファイル名」を指定した場合

    R/3ジョブログの内容は,JP1/AJS - Viewの[ジョブネットモニタ]ウィンドウの[実行結果詳細]ダイアログボックスで参照できます。

環境設定ファイルのCommandセクションのJoblogAddToStderrキーに"YES"を設定した場合には,R/3ジョブログは指定したファイルと同時に標準エラー出力にも出力されます。このため,-seオプションを指定しない場合,上記のように,R/3ジョブログの内容をJP1/AJS - Viewで参照できます。

なお,-with_childオプションを指定した場合は,子ジョブを含むすべてのジョブの終了監視が終わった時点(タイムアウト時を含む)で,「終了」または「中止」の状態になっているすべてのジョブのログが取得されます。

また,-joオプションの指定を省略した場合,JP1/AJS3 for EAPのシステムにR/3ジョブログは出力されません。

-mt

メッセージタイプをR/3ジョブログに出力する場合に指定します。

-joオプションを指定しない場合,このオプションを指定できません。

-mts メッセージタイプ文字列

R/3ジョブログのメッセージタイプを検索する場合に指定します。

メッセージタイプ文字列に指定できる文字列の長さは,1〜8バイトです。指定できる文字と意味は,次のとおりです。複数指定する場合は文字を続けて記載してください。

A:異常終了
E:エラー
S:正常終了
I:情報
W:警告

メッセージタイプを検索する場合は,省略できません。-mtオプションを指定しない場合,このオプションを指定できません。出力されたジョブログのメッセージタイプにメッセージタイプ文字列に指定した文字列が含まれていた場合,戻り値が「4」でコマンドが異常終了します。

-with_child

ジョブの実行中に生成された子ジョブを含むすべてのジョブの終了を監視します(親/子ジョブの終了監視)。終了監視の対象となる子ジョブは,終了監視中のジョブが終了または中止されたときに検出される子ジョブです。終了監視できるジョブの最大数は,子ジョブの世代数には関係なく,100個です。

終了監視対象のジョブが最大数を超えた場合は,メッセージKAJM1872-Wが表示され,終了監視可能なジョブについて終了監視処理が続行されたあとで,1個以上のジョブの結果が確認できなかったことを示す戻り値1が返されます。

終了監視中のジョブが削除された場合は,メッセージKAJM1837-WまたはKAJM1871-Wが表示され,ほかの終了監視対象ジョブについて終了監視処理が続行されたあとで,1個以上のジョブの結果が確認できなかったことを示す戻り値1が返されます。

なお,リリースされていない子ジョブが検出された場合は,終了監視処理が終わらないことがあります。その場合は,メッセージKAJM1838-Wが表示されるので,そのメッセージに従って対処してください。

-with_childオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。

注意

-with_childオプションを指定する場合は,実行先ホストにJP1/AJS2 for EAP 07-10以降がインストールされ,かつ接続先のR/3システムでXBP2.0インターフェースが使用できる状態で親/子機能が有効になっている必要があります。

-help

このコマンドの使用方法を表示します。

戻り値

注意事項

次の条件のどちらかに該当する場合には,jr3bjsubコマンドで指定したジョブ実行先指定オプション(-tghまたは-tgsオプション)は無効となります。

このような場合は,R/3上に登録されたジョブには実行先が設定されません。

このジョブを特定の実行先ホスト/サーバで実行させたい場合には,jr3bjrelコマンドの-tghまたは-tgsオプションで実行先を指定し,ジョブをリリースしてください。jr3bjrelコマンドで実行先を指定しないでジョブをリリースした場合には,ジョブの実行先はR/3システムによって動的に選択されます。

補足事項

使用例