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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 for Enterprise Applications


各コマンドの共通引数の形式

ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式,およびインフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式について説明します。

〈このページの構成〉

(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式

ジョブ制御機能のコマンドで共通の「R/3あて先情報」,「R/3ログオン情報」,および「リダイレクション情報」の詳細形式について説明します。

R/3あて先情報

R/3あて先情報は,R/3システムとの接続を確立するための引数です。R/3あて先情報の詳細形式を次に示します。

R/3あて先情報

-h ホスト名 [-s NN]|-d あて先

R/3あて先情報のオプションは,R/3システムへの接続方法に応じて次のように使い分けます。

sapnwrfc.iniファイル,r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。

R/3ログオン情報

R/3ログオン情報は,R/3システムにログオンするときのユーザー情報を指定するための引数です。R/3ログオン情報の詳細形式を次に示します。

R/3ログオン情報

{-c R/3クライアント -u R/3ユーザー名

{-p パスワード | -p2 拡張パスワード} [-l 言語] | -dl}

-c R/3クライアント

ログオン先のR/3システムで有効なR/3クライアントのクライアント番号を指定します。クライアント番号に指定できる文字列の長さは,1〜3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,R/3クライアント番号をR/3システムに送るときには,1〜2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。

例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,R/3システムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-u R/3ユーザー名

ログオン先のR/3システムで有効なR/3ユーザー名を指定します。

指定できるR/3 ユーザーについては「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

R/3ユーザー名に指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。

R/3システムに対する制御は,このR/3ユーザーの権限で実行されます。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-p パスワード

-uオプションに指定したR/3ユーザーに対応するパスワードを指定します。

このオプションは,SAPシステムで従来型のパスワードルールが適用されている場合に指定します。

パスワードに指定できる文字については「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

パスワードに指定できる文字列の長さは,1〜8バイトです。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-p2 拡張パスワード

-uオプションに指定したR/3ユーザーに対応する拡張パスワードを指定します。

このオプションは,SAPシステム側で拡張パスワードルールが適用されている場合に指定します。

拡張パスワードに指定できる文字については「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1〜40バイトです。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-l 言語

使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。日本語または英語が使用できます。使用する言語には,次に示すR/3システムで使用できる言語を指定してください。

  • 日本語の場合:J

  • 英語の場合:E

なお,次の場合,ログオン先のアプリケーションサーバで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。

  • -lオプションを省略した場合

  • ログオン先のアプリケーションサーバで定義されていない言語種別を指定した場合

このオプションに指定した言語種別は,R/3ジョブログの言語と,KAJM0802-E,KAJM0813-Eなどのメッセージの挿入句として出力される,SAPシステムが返すエラーの詳細情報の言語に影響します。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-dl

sapnwrfc.iniファイルを使用してR/3ログオン情報を定義する場合に指定します。

このオプションは,R/3あて先情報に-dオプションを指定した場合に有効となります。R/3あて先情報に-dオプションを指定しないで,-dlオプションを指定した場合は,異常終了します。また,-c-u-p-p2および-lオプションと同時に指定することはできません。

なお,R/3ログオン情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,r3defconファイルに指定したログオン情報(logonセクションの情報)を使用します。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。

r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。

リダイレクション情報

コマンド実行時の標準出力先,および標準エラー出力先を指定するための引数です。リダイレクション情報の形式を次に示します。

-so 標準出力ファイル名

コマンド実行時の標準出力先を指定します。

標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとLinuxとで異なります。

  • Windowsの場合

    標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜259バイトです。

  • Linuxの場合

    標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜255バイトです。

標準出力ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。

標準出力ファイル名には/dev/nullなどのデバイスファイルを指定しないでください。標準出力ファイルが不要な場合は,出力されたファイルを削除してください。

コマンド実行時の標準出力メッセージは,このファイルに追加書きで書き込みます。

-se 標準エラー出力ファイル名

コマンド実行時の標準エラー出力先を指定します。

標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとLinuxとで異なります。

  • Windowsの場合

    標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜259バイトです。

  • Linuxの場合

    標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1〜255バイトです。

標準エラー出力ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。

標準エラー出力ファイル名には/dev/nullなどのデバイスファイルを指定しないでください。標準エラー出力ファイルが不要な場合は,出力されたファイルを削除してください。

コマンド実行時の標準エラー出力メッセージは,このファイルに追加書きで書き込みます。

(2)インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式

インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の「SAP BWあて先情報」および「SAP BWログオン情報」の詳細形式について説明します。

SAP BWあて先情報

SAP BWあて先情報は,SAP BWシステムとの接続を確立するための引数です。SAP BWあて先情報の詳細形式を次に示します。

SAP BWあて先情報

-h ホスト名 [-s NN]|-d あて先

SAP BWあて先情報のオプションは,SAP BWシステムへの接続方法に応じて次のように使い分けます。

sapnwrfc.iniファイル,r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。

SAP BWログオン情報

SAP BWログオン情報は,SAP BWシステムにログオンするときのユーザー情報を指定するための引数です。SAP BWログオン情報の詳細形式を次に示します。

SAP BWログオン情報

{-c SAP BWクライアント -u SAP BWユーザー名 {-p パスワード | -p2 拡張パスワード} [-l 言語] | -dl}

-c SAP BWクライアント

ログオン先のSAP BWシステムで有効なSAP BWクライアントのクライアント番号を指定します。クライアント番号に指定できる文字列の長さは,1〜3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,SAP BWクライアント番号をSAP BWシステムに送るときには,1〜2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。

例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,SAP BWシステムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-u SAP BWユーザー名

ログオン先のSAP BWシステムで有効なSAP BWユーザー名を指定します。

指定できるSAP BWユーザーについては「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

SAP BWユーザー名に指定できる文字列の長さは,1〜12バイトです。

SAP BWシステムに対する制御は,このSAP BWユーザーの権限で実行されます。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-p パスワード

-uオプションに指定したSAP BWユーザーに対応するパスワードを指定します。

パスワードに指定できる文字については「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

パスワードに指定できる文字列の長さは,1〜8バイトです。

このオプションは,SAPシステム側で従来型のパスワードルールが適用されている場合に指定します。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-p2 拡張パスワード

-uオプションに指定したSAP BWユーザーに対応する拡張パスワードを指定します。

拡張パスワードに指定できる文字については「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。

このオプションは,SAPシステム側で拡張パスワードルールが適用されている場合に指定します。

拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1〜40バイトです。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-l 言語

使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。日本語または英語が使用できます。使用する言語には,次に示すSAP BWシステムで使用できる言語を指定してください。

  • 日本語の場合:J

  • 英語の場合:E

なお,次の場合,ログオン先のSAP BWシステムで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。

  • -lオプションを省略した場合

  • ログオン先のSAP BWシステムで定義されていない言語種別を指定した場合

このオプションに指定した言語種別は,KAJM2802-E,KAJM0813-Eなどのメッセージの挿入句として出力される,SAPシステムが返すエラーの詳細情報の言語に影響します。

-dlオプションと同時に指定することはできません。

-dl

sapnwrfc.iniファイルを使用してSAP BWログオン情報を定義する場合に指定します。

このオプションは,SAP BWあて先情報に-dオプションを指定した場合に有効となります。SAP BWあて先情報に-dオプションを指定しないで,-dlオプションを指定した場合は,異常終了します。また,-c-u-p-p2および-lオプションと同時に指定することはできません。

なお,SAP BWログオン情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,r3defconファイルに指定したログオン情報(logonセクションの情報)を使用します。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。

r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。