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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド


2.3.4 メールシステム連携のための環境設定をする

JP1/AJS3での環境設定の手順と,Windowsホストでメールシステムと連携するために必要な設定内容を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 環境設定の手順

環境設定の手順を次に示します。

  1. Windowsにメールシステム連携機能を登録する。

    メールシステム連携機能の登録方法については,「(2) メールシステム連携機能の登録」を参照してください。

  2. メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターを設定する。

    メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定については,「(3) メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定」を参照してください。

    メールシステム連携機能で使用する環境設定パラメーターについては,「(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター」を参照してください。

  3. Windows自動ログオンを設定する。

    メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合は,必要に応じてWindows自動ログオンを設定してください。Windows自動ログオンの設定時に指定したユーザーアカウントが,JP1/AJS3メール監視プロセスの実行アカウントになります。ここでは,使用するプロファイルの作成時にログオンしていたWindowsのユーザーアカウントを指定してください。プロファイルの作成時にログオンしていたユーザーアカウントと別のアカウントを指定すると,JP1/AJS3メール監視プロセス起動時にプロファイルを参照できないため,メールサーバに接続できなくなり,JP1/AJS3メール監視プロセスを起動できません。

    Windows自動ログオンの設定方法については,Microsoftのドキュメントを参照してください。

  4. JP1/AJS3サービス,およびJP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービスを再起動する。

    JP1/AJS3サービスを再起動したあと,メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合はJP1/AJS3メール監視プロセスを,サービス上で使用する場合はJP1/AJS3 Mailサービスを再起動してください。定義した情報で環境設定されて,メールシステム連携機能を使用できるようになります。

    なお,メールシステム連携機能を最初にセットアップするときだけでなく,メールシステム連携機能の環境設定パラメーターを変更した場合には,同様にこれらのサービスやプロセスを再起動してください。再起動することで,変更後の設定でメールシステム連携機能を使用できるようになります。

    Outlook 2019およびOutlook 2016を使用する場合,「2.3.8(16) Outlook 2019およびOutlook 2016を使用する上での注意事項」を参照してください。

(2) メールシステム連携機能の登録

Windowsにメールシステム連携機能を登録する方法について説明します。

(3) メールシステム連携機能に必要な環境設定パラメーターの設定

次のコマンドを実行します。

jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名1"=定義内容1 
["環境設定パラメーター名2"=定義内容2] 
["環境設定パラメーター名3"=定義内容3] 
["環境設定パラメーター名4"=定義内容4] 
["環境設定パラメーター名5"=定義内容5] 
["環境設定パラメーター名6"=定義内容6] 
["環境設定パラメーター名7"=定義内容7] 
["環境設定パラメーター名8"=定義内容8] 
["環境設定パラメーター名9"=定義内容9]
["環境設定パラメーター名10"=定義内容10]
["環境設定パラメーター名11"=定義内容11]
["環境設定パラメーター名12"=定義内容12]

メールシステム連携機能の環境設定に必要な環境設定パラメーターの内容については,「(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター」を参照してください。

(4) メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター

メールシステム連携機能に使用するイベント・アクション制御の環境設定パラメーターを次の表に示します。イベント・アクション制御全般に関する環境設定パラメーターは,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.6 イベント・アクション制御の環境設定」を参照してください。

なお,マニュアルに記載されていないパラメーターは保守用のパラメーターです。値を変更しないでください。

表2‒6 メールシステム連携機能に使用する環境設定パラメーター一覧

項番

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

1

[JP1_DEFAULT\JP1AOMAGENT\mail_link]

"ExecMode"=

メールシステム連携機能を使用するかどうか

2

"ProfileName1"=

メールシステムへのログインで使用するプロファイルの名称

3

"ProfileName2"=

4

"ProfileName3"=

5

"ProfileName4"=

6

"WINMAILCLIENT"=

連携するメールシステムに対応したOutlookの指定

7

"AfterReceiveMail"=

受信後の監視条件に合致したメールの扱い

8

"NextAddress"=

メール受信監視ジョブの引き継ぎ情報「MLRCVADDRESS」に設定する情報の種類

9

"ReceiveIntervalC"=

メールの受信監視間隔

10

"ImmediateSendRecv"=

メールの即時送受信をするかどうか

11

"SendCutOffExcessiveData"=

データのサイズが規定のバイト数を超過する場合に,メールを送信するかどうか

12

"WrapTextWithOutlookOption"=

送信するメールの本文をOutlookのオプションに従って折り返すかどうか

環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。

(a) ExecMode

メールシステム連携機能を使用するかどうかを指定します。

形式

"ExecMode"="{S|D|N}"

指定できる値
S

メールシステム連携機能をサービス上で使用します。

D

メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用します。

N

メールシステム連携機能を使用しません。

デフォルト値

N

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時

(b) ProfileName1

メールシステムへのログインで使用するプロファイルの名称を指定します。

プロファイルはProfileName14を使用することで,最大で4件指定できます。

環境設定パラメーターProfileName24と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携機能が使用できないことがあります。

形式

"ProfileName1"="プロファイルの名称"

指定できる値

256バイト以内の文字列

全角文字も使用できます。

デフォルト値

空白

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時

(c) ProfileName2

環境設定パラメーターProfileName1およびProfileName34と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携が使用できないことがあります。

形式

"ProfileName2"="プロファイルの名称"

(d) ProfileName3

環境設定パラメーターProfileName1〜2およびProfileName4と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携が使用できないことがあります。

形式

"ProfileName3"="プロファイルの名称"

(e) ProfileName4

環境設定パラメーターProfileName1〜3と重複しないプロファイル名を指定してください。プロファイル名が重複していると,メールシステム連携が使用できないことがあります。

形式

"ProfileName4"="プロファイルの名称"

(f) WINMAILCLIENT

メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用する場合に,連携するメールシステムに対応したOutlookを選択します。

連携するメールシステムとOutlookの対応については,「2.3.1(1) 連携できるメールシステム」を参照してください。

メールシステム連携機能をサービス上で使用する場合は,Outlookの種別に関係なく動作するため,このパラメーターを設定する必要はありません。

形式

"WINMAILCLIENT"=dword:{2|3}

指定できる値
2

32ビット版のOutlook 2010を使用します。

3

32ビット版のOutlook 2019,Outlook 2016,またはOutlook 2013を使用します。

デフォルト値
2

JP1/AJS3を新規インストールした場合,デフォルト値は「2」になります。JP1/AJS3を上書きインストールした場合は,インストール前の設定値が引き継がれます。

推奨値

運用環境に応じて「2」または「3」を設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセス起動時

(g) AfterReceiveMail

メール受信監視ジョブが終了したあと,受信後の監視条件に合致したメールの扱いを選択します。

形式

"AfterReceiveMail"="{O|D}"

指定できる値
O(英大文字のオー)

監視条件に合致したメールを開封済みにします。

D

監視条件に合致したメールを削除します。

デフォルト値

O

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセス起動時

(h) NextAddress

メール受信監視ジョブの引き継ぎ情報「MLRCVADDRESS」に設定する情報の種類を選択します。

  • MLRCVADDRESS」は,メール受信監視ジョブに指定する差出人の情報です。

  • この設定は,設定したホスト上で動作する,すべてのメール受信監視ジョブに影響します。

MLRCVADDRESS」の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 付録B イベントジョブで引き継ぐ情報」を参照してください。

形式

"NextAddress"="{Address|Nickname}"

指定できる値
Address

メールアドレスが引き継ぎ情報として設定されます。

インターネットメールのプロファイルを使用している場合は,後続のメール送信ジョブの宛先として利用できます。

Nickname

表示名(ニックネーム)が引き継ぎ情報として設定されます。

プロファイルでExchange Serverを接続先に指定している場合に,後続のメール送信ジョブの宛先として利用できます。

プロファイルでExchange Server以外を接続先に指定している場合は,空値を引き継ぎます。

デフォルト値

Address

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時

(i) ReceiveIntervalC

メールの受信を監視する時間間隔を16進数で指定します。

形式

"ReceiveIntervalC"=dword:時間間隔

指定できる値

16進数で1〜5A0(10進数で1〜1,440)(単位:分)

デフォルト値

A(10進数で10分)(単位:分)

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時

(j) ImmediateSendRecv

メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用時,メールの即時送受信をするかどうかを指定します。

形式

"ImmediateSendRecv"="{Y|N}"

指定できる値
Y

メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブの実行時,Outlookの[送受信]ボタンをJP1/AJS3から操作して,メールの即時送受信を行います。

N

メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブの実行時,JP1/AJS3からOutlookを起動して,メールの送受信をOutlookに任せます。

メールはOutlookのオプションに定義されている送受信間隔で送受信されます。

Outlookのオプション設定については,Outlookのヘルプを参照してください。

ジョブの終了後はOutlookが起動された状態となり,Outlookのアイコンがタスクバーに残ります。

なお,ジョブの実行前にOutlookが起動されていた場合は,ジョブの実行によってOutlookが二重に起動されることはありません。

デフォルト値

Y

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセス起動時

このパラメーターの詳細については,「2.3.5 Outlookを起動して運用する場合の設定」を参照してください。

(k) SendCutOffExcessiveData

本文および件名にマクロ変数が定義されたメール送信ジョブが実行されるとき,次の場合に超過する部分を切り捨ててメールを送信するかどうかを指定します。

  • 次のデータの長さが512バイトを超える場合

    本文に定義した文字列の長さ + 本文に定義したマクロ変数の,ジョブ実行時の文字列の長さ

  • 次のデータの長さが256バイトを超える場合

    件名に定義した文字列の長さ + 件名に定義したマクロ変数の,ジョブ実行時の文字列の長さ

形式

"SendCutOffExcessiveData"="{Y|N}"

指定できる値
Y

超過する部分を切り捨てたデータを,送信するメールに使用します。

また,メッセージ「KAVT3207-W メールのデータのサイズ超過分を切り捨てました」を統合トレースログおよび実行結果詳細に出力します。

N

メールを送信しないでジョブを「異常終了」状態にします。

また,メッセージ「KAVT4255-E データ長が不正です」を実行結果詳細に出力します。

デフォルト値

N

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセスもしくはJP1/AJS3 Mailサービス起動時

(l) WrapTextWithOutlookOption

メールシステム連携機能をデスクトップ上で使用している場合,かつメールサーバにSMTP/POP3でインターネットメールとして接続している場合に,メール送信ジョブの本文を,Outlookのオプションの指定に従って折り返すかどうかを指定します。

形式

"WrapTextWithOutlookOption"="{Y|N}"

指定できる値
Y

メール送信ジョブの本文を,Outlookのオプション[インターネットメール形式]−[テキスト形式オプション]−[自動的に文字列を折り返す]の文字数フィールドに指定されたバイト数で折り返します。

N

メール送信ジョブの本文を,72バイトで折り返します。

デフォルト値

N

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時,および次回JP1/AJS3メール監視プロセス起動時

注意事項
  • 折り返しが有効となるのはメールの受信時です。

  • 次の場合は,このパラメーターが指定されてもメールの本文を折り返しません。

    ・メールシステム連携機能をサービス上で使用している場合

    ・メールサーバにExchange Serverとして接続している場合