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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド


2.3.1 メールシステム連携の前提プログラム

ここでは,Windows上でOutlookと連携する場合の,メールシステム連携機能で必要になる前提プログラムおよび設定について説明します。

前提となるプログラムはOutlookです。メールシステム連携機能を使用するためには,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentと同じホストに,Outlookがインストールされている必要があります。

OutlookはMicrosoft提供のプログラム規格であるMAPI準拠のプログラムのため,Outlookを前提とするメールシステム連携機能は,MAPIを使用して実現しています。

〈この項の構成〉

(1) 連携できるメールシステム

Windowsホストでのメールシステム連携機能は,次に示すメールシステムをサポートしています。

これらのメールシステムのうち,どちらかのメールサーバソフトを,メールシステム連携機能を動作させるホストにセットアップしてください。メールサーバソフトをマネージャーホストおよびエージェントホストと別のホストにセットアップする場合でも,連携できます。Exchange Onlineには対応していません。

連携するメールシステムに応じて,メールシステム連携機能をサービス上で使用するか,デスクトップ上で使用するかを選択します。どちらも選択しない場合は,メールシステム連携機能を使用できません。

連携できるメールシステムとメールシステム連携機能との対応を次の表に示します。

表2‒4 連携できるメールシステムとメールシステム連携機能

連携できるメールシステム

メールシステム連携機能

デスクトップ上

サービス上

Exchange Server

SMTP/POP3

×

Exchange Online

×

×

(凡例)

○:連携できる。

×:連携できない。

注※

SMTP/POP3プロトコルをサポートするメールサーバ(Groupmax Mail ServerやLotus Notes Dominoなどを含む)

メールシステム連携機能を使用する場合,サービス上で使用するときはJP1/AJS3 Mailサービスを,デスクトップ上で使用するときはJP1/AJS3メール監視プロセスを,メール送信ジョブまたはメール受信監視ジョブを実行する前に,あらかじめ起動する必要があります。

サービス上で連携する場合とデスクトップ上で連携する場合での違いは,Windowsにログオンしていなくてもメールシステム連携機能を使用できるかどうかです。サービス上で連携する場合は,JP1/AJS3 Mailサービスを起動しておくことで,Windowsにログオンしていない状態でもメールシステム連携機能を使用できます。デスクトップ上で連携する場合は,WindowsにログオンしないとJP1/AJS3メール監視プロセスを起動できません。このため,あらかじめWindowsにログオンしておく必要があります。

サービス上で連携するか,デスクトップ上で連携するかの設定方法については,「2.3.4 メールシステム連携のための環境設定をする」を参照してください。また,JP1/AJS3メール監視プロセスまたはJP1/AJS3 Mailサービスの起動方法については,「2.3.6 メールシステム連携機能の起動と終了」を参照してください。

また,メールシステム連携機能はOSによって,対応可否および連携できるOutlookのバージョンが異なります。OSごとのメールシステム連携機能の対応可否,および連携できるOutlookのバージョンの一覧を次の表に示します。なお,Office 365版のOutlookには対応していません。

表2‒5 OSごとのメールシステム連携機能の対応可否および連携できるOutlookのバージョン一覧

OS

Outlookのバージョン

Outlook 2019(64ビット版)

Outlook 2019(32ビット版)

Outlook 2016(64ビット版)

Outlook 2016(32ビット版)

Outlook 2013(64ビット版)

Outlook 2013(32ビット版)

Outlook 2010(64ビット版)

Outlook 2010(32ビット版)

  • Windows Server 2022

  • Windows Server 2019

×

×

×

×

×

×

×

  • Windows Server 2016

  • Windows Server 2012

  • Windows Server 2012 R2

×

×

×

×

×

(凡例)

○:連携できる。

×:連携できない。

次のOSでは,Outlook 2019(32ビット版),Outlook 2016(32ビット版),Outlook 2013(32ビット版),およびOutlook 2010(32ビット版)をWOW64環境上で動作させることでメールシステム連携機能を使用できます。

Outlook 2019(64ビット版),Outlook 2016(64ビット版),Outlook 2013(64ビット版),およびOutlook 2010(64ビット版)は,OSに関係なくメールシステム連携機能を使用できません。

メールシステム連携機能で使用できるOutlookのバージョンは,メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブの実行ホストの環境(WindowsおよびJP1/AJS3のバージョン)によって異なります。メールシステムと連携する場合は,あらかじめ,メール送信ジョブおよびメール受信監視ジョブの実行ホストで使用するJP1/AJS3に添付されているリリースノートを参照し,必要なOutlookのバージョンを確認してください。

(2) システム構成例

メールシステム連携のシステム構成例を次の図に示します。

図2‒10 メールシステム連携のシステム構成例

[図データ]