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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


4.5 実行登録したジョブネットに対する操作

実行登録したジョブネットに対して,スケジュールの変更や,実行中のジョブネットやジョブの中断,強制終了などの操作ができます。

実行登録したジョブネットやジョブに対してできる処理を,次の表に示します。

表4‒3 実行登録したジョブネットやジョブに対してできる処理

項番

処理項目

処理内容

参照先

1

ジョブネットの登録解除

ルートジョブネットの実行登録を取り消す。実行登録を解除すると前回までの実行結果も削除される。

4.5.1

2

実行予定日時の追加

開始時刻待ち,または保留中のルートジョブネットに対して,前倒し日時変更した場合,次回実行予定を追加する。また,確定実行登録の場合は,日時を指定してスケジュールを追加する。

4.5.2

3

実行日時の一時変更

ユニットの実行開始予定日時を一時的に変更する。※1

4.5.3

4

一時的な即時実行

ユニットの実行開始予定日時を,すぐに実行できる実行開始予定日時に一時的に変更する。※1

  • ルートジョブネットの場合

    実行開始予定日時を現在時刻に変更する。

  • ネストジョブネットの場合

    実行日の基準時刻に変更する。

4.5.4

5

実行中止

次回実行予定または確定スケジュールでの実行を中止する。

4.5.5

6

保留属性の一時変更

次回実行予定または確定スケジュールでの実行を,一時的に保留または保留解除する。保留属性は,実行予定の変更などの操作をしたあとで再実行する場合などに指定する。※2

4.5.6

7

遅延監視の一時変更

実行待ちのジョブネットに対して,遅延監視時刻(時間)を一時的に変更する。

4.5.7

8

ジョブネットの優先順位の一時変更

実行待ちのルートジョブネットに対して,実行優先順位を一時的に変更する。

4.5.8

9

ジョブネットの中断

実行中のジョブが終了した時点でルートジョブネットを中断する。ルートジョブネット下のネストジョブネットも中断する。

なお,中断したジョブネットは異常終了として扱われる。監視中のルートジョブネットを中断した場合は,起動条件の監視を打ち切る。

4.5.9

10

強制終了

実行中のユニットを強制終了する。※3

ルートジョブネットを強制終了した場合,実行中のジョブをすべて強制終了し,ジョブネットを中断する。監視中のルートジョブネットを強制終了した場合は,起動条件の監視を打ち切る。

4.5.10

11

再実行

ジョブネットやジョブを再実行する。再実行されたジョブは,世代数(実行回数)としてカウントされない。

4.5.11

12

ジョブの状態変更

ジョブの状態と戻り値を変更する。例えば,ホストに障害が発生して,JP1/AJS3に通知されたジョブの状態が実際の状態と異なってしまった場合に,実際の状態に変更する。

4.5.12

13

コマンド実行時の世代の指定

コマンドでジョブネットの実行登録情報を操作する場合,操作対象となる世代の指定方法について説明する。

4.5.13

14

指定した日時からのジョブネット定義の切り替え

ジョブネットリリース機能を使用して,実行中のジョブネットの定義を,指定した日時から自動的に切り替える。

4.5.14

15

待ち合わせ条件の設定の一時変更

ユニットに対して設定してある待ち合わせの設定を,待ち合わせ対象ユニットごとに,一時的に有効または無効にする。すべての待ち合わせ対象ユニットの待ち合わせが無効になった待ち合わせ条件付きユニットは,すぐに実行を開始する。

4.5.15

16

一時変更情報の確認と再操作

実行登録したジョブネットやジョブに対する一時変更操作を,JP1/AJS3 - Viewから一時変更情報として一覧で参照する。また,一時変更情報の一覧から任意の一時変更の操作を選択し,ジョブネットやジョブに再操作(再反映)する。

4.5.16

17

ルートジョブネットのサスペンド

ルートジョブネットの下位にある全世代に対して,ユニットの実行を一時的に抑止し,実行登録中の定義を変更できるようにする。

4.5.17

注※1

指定したジョブ,またはジョブネットが実行中の場合は変更できません。

またルートジョブネットは,すでに実行が終了している場合,再実行している場合も変更できません。

注※2

一時的に保留属性を変更したジョブネットまたはジョブが終了していないときにJP1/AJS3 - Managerを再起動すると,保留状態のままになります。

注※3

UNIXジョブ中のプロセスが,setpgrp(プロセスグループ設定)システムコールを実行して成功している場合は,そのプロセスグループに含まれるプロセスは,打ち切れません。そのため,このようにして作成されたプロセスグループ内のプロセスは,killコマンドなどのほかの手段で終了させる必要があります。

〈この節の構成〉