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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


4.5.10 実行中のジョブネットやジョブを強制終了する

実行中のジョブおよびジョブネットを強制終了できます。強制終了の指示を受けたジョブは,実行中のジョブのプロセスを強制終了します。また,強制終了の指示を受けたジョブネットは,新たなジョブを起動しなくなり,ジョブネット内の実行中のジョブすべてを強制終了します。

この操作は,JP1/AJS3 - View,Web GUI,強制終了APIまたはajskillコマンドで実行できます。JP1/AJS3 - Viewでの操作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 9.10 実行中のジョブネットやジョブを強制終了する」を,Web GUIでの操作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 16.6 [モニタ]ダイアログボックス」を,強制終了APIで操作する場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 7.1.17 強制終了API」を,また,コマンドで操作する場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajskill」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ジョブの強制終了

現在実行中のジョブを強制終了できます。ジョブを強制終了すると,指定したジョブの実行が打ち切られ,強制終了されたジョブは異常終了の扱いになります。実行中でないジョブは強制終了できません。ただし,ジョブを強制終了しても,同じジョブネット内でほかに実行中のジョブがある場合,そのジョブは実行を続行します。ジョブネット内の新たなジョブを実行しないようにするには,ジョブネットの実行を中断してからジョブを強制終了します。

Windowsで実行中のジョブを強制終了した場合,強制終了されるのは,JP1/AJS3が起動したプロセスだけであり,それぞれの配下のプロセスは強制終了されません。また,実行中のジョブを強制終了しても,それぞれの配下のプロセスが使用していた資源は解放されないことがあります。

ただし,JP1/AJS3が起動したプロセスがJP1/Scriptで作成したスクリプトファイル(.spt)の場合,起動した配下のプロセスによって強制終了される範囲が変わります。

詳細については,「5.4.10(3) JP1/Scriptで作成されたジョブの強制停止」を参照してください。

UNIXで実行中のジョブを強制終了すると,ジョブのプロセスグループに対してSIGKILLシグナルが送信され,強制終了されます。ジョブ中のプロセスが,setpgrp(プロセスグループ設定)システムコールを実行して成功している場合,そのプロセスグループに含まれるプロセスは強制終了されません。そのため,このようにして作成されたプロセスグループ内のプロセスは,killコマンドなどのほかの手段で終了させる必要があります。

(2) ジョブネットの強制終了

ジョブネットを強制終了すると,ネストジョブネットも含め,すべての実行中のジョブが強制終了され,新たなジョブは実行されません。強制終了されたジョブネットは異常終了になります。ネストジョブネットだけを強制終了できません。

ジョブネットの強制終了と中断の違いは,実行中のジョブを強制終了するかどうかです。

(3) 起動条件を設定したジョブネットの監視打ち切り

起動条件を監視中のジョブネットの監視を打ち切る場合は,「監視中」の状態になっているルートジョブネットを強制終了します。

起動条件を設定したジョブネットの場合,「監視中」のジョブネットが一つあり,起動条件が成立すると,「監視中」のジョブネットから新しい世代のジョブネットが派生して実行されます。このため,監視自体を打ち切る場合は,元の「監視中」のジョブネットを選択して強制終了してください。

(4) 強制終了できるユニットの状態

次の状態のジョブまたはルートジョブネットだけを強制終了できます。

ジョブの場合
  • キューイング

  • 実行中

キューレスジョブの場合は,「実行待ち」状態のジョブも強制終了できます。

ルートジョブネットの場合
  • 実行中

  • 警告検出実行中

  • 異常検出実行中

  • 監視中