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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレート開発ガイド 


3.6.5 可視性またはデータ型によるマッピングの可否について

プロパティをマッピングするとき,値を引き継ぐ元となるプロパティと引き継ぐ先のプロパティでは,可視性およびデータ型を一致させることをお勧めします。プロパティの可視性またはデータ型が異なる場合,可視性またはデータ型の組み合わせによっては,ビルド時にエラーになります。エラーになった場合は,[Service Builder Edit]画面の[プロパティ]タブでサービスプロパティの可視性またはデータ型を見直してください。

可視性によるマッピング可否

プロパティの値を引き継ぐ先のプロパティには,引き継ぐ元となるプロパティと同じか,下位の可視性を設定してください。可視性が下位であるとは,公開範囲(プロパティが表示される画面)が限定されているという意味です。値を引き継ぐ元となるプロパティより,引き継ぐ先のプロパティのほうが公開範囲が広い場合,ビルド時にエラーになります。

可視性の組み合わせによるマッピング可否を次の表に示します。

表3‒6 入力プロパティを編集する場合の,可視性の組み合わせによるマッピング可否

値を引き継ぐ元のプロパティの可視性

値を引き継ぐ先のプロパティ(入力プロパティ)の可視性

サービスの入力プロパティ(関連ステップあり)

ステップの入力プロパティ

[設定画面と実行画面]

[設定画面のみ]

サービスの入力プロパティ(関連ステップなし)

[設定画面と実行画面]

[設定画面のみ]

×

サービスの入力プロパティ(関連ステップあり)

[設定画面と実行画面]

[設定画面のみ]

×

変数

×

×

ステップの入力プロパティ

×

×

ステップの出力プロパティ

×

×

(凡例)

○:正常にマッピングできます。 ×:マッピングはできますが,ビルド時にエラーになります。

注※

ステッププロパティおよび変数は,Developロール以上のユーザーがサービステンプレートの開発時に参照・設定できる内部プロパティです。そのため,可視性はサービスプロパティよりも下位になります。

表3‒7 出力プロパティを編集する場合の,可視性の組み合わせによるマッピング可否

値を引き継ぐ元のプロパティ(出力プロパティ)の可視性

値を引き継ぐ先のプロパティの可視性

サービスの出力プロパティ(関連ステップなし)

サービスの出力プロパティ(関連ステップあり)

変数

サービスの出力プロパティ(関連ステップあり)

×

×

ステップの出力プロパティ

×

(凡例)

○:正常にマッピングできます。 ×:マッピングはできますが,ビルド時にエラーになります。

注※

ステッププロパティおよび変数は,Developロール以上のユーザーがサービステンプレートの開発時に参照・設定できる内部プロパティです。そのため,可視性はサービスプロパティよりも下位になります。

データ型によるマッピング可否

プロパティの値を引き継ぐ先のプロパティは,引き継ぐ元となるプロパティのデータ型を扱えるデータ型を設定してください。なお,ステッププロパティおよび予約プロパティ「reserved.loop.output」にはデータ型がありません。ただし,ステップの基となるコンポーネントが基本部品の場合,一部のステッププロパティには,データ型が設定されています。このようなステッププロパティは,サービスプロパティに昇格すると,[サービスの入力プロパティ編集]ダイアログボックスでデータ型を確認できます。

データ型の組み合わせによるマッピング可否を次の表に示します。

表3‒8 入力プロパティを編集する場合の,データ型の組み合わせによるマッピング可否(引き継ぎ元が入力プロパティ)

値を引き継ぐ元の入力プロパティのデータ型

値を引き継ぐ先のプロパティ(入力プロパティ)のデータ型

boolean

integer

string

double

date

password

composite

データ型なし

boolean

×

×

×

×

integer

×

×

×

×

string

×

×

×

×

×

double

×

×

×

×

date

×

×

×

×

password

×

×

×

×

×

×

composite

×

×

×

×

×

×

データ型なし

×

×

×

×

×

(凡例)

○:正常にマッピングできます。 ×:マッピングはできますが,ビルド時にエラーになります。

表3‒9 入力プロパティを編集する場合の,データ型の組み合わせによるマッピング可否(引き継ぎ元が出力プロパティ)

値を引き継ぐ元の出力プロパティのデータ型

値を引き継ぐ先のプロパティ(入力プロパティ)のデータ型

boolean

integer

string

double

date

password

composite

データ型なし

boolean

×

×

×

×

×

integer

×

×

×

×

×

string

×

double

×

×

×

×

×

date

×

×

×

×

×

password

×

×

×

×

×

×

composite

×

×

×

×

×

×

データ型なし

×

×

×

×

×

×

×

(凡例)

○:正常にマッピングできます。 ×:マッピングはできますが,ビルド時にエラーになります。

表3‒10 出力プロパティを編集する場合の,データ型の組み合わせによるマッピング可否

値を引き継ぐ元のプロパティ(出力プロパティ)のデータ型

値を引き継ぐ先のプロパティのデータ型

boolean

integer

string

double

date

password

composite

データ型なし

boolean

×

×

×

×

×

integer

×

×

×

×

×

string

×

double

×

×

×

×

×

date

×

×

×

×

×

password

×

×

×

×

×

×

×

composite

×

×

×

×

×

×

×

データ型なし

(凡例)

○:正常にマッピングできます。 ×:マッピングはできますが,ビルド時にエラーになります。

ヒント

プロパティをマッピングするとき,値を引き継ぐ元となるプロパティに設定されていた入力文字制限や最大長などの制限は無視され,引き継ぐ先の制限が適用されます。そのため,引き継ぐ先のプロパティには,引き継ぐ元となるプロパティの値も考慮した制限を設定してください。