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JP1 Version 11 JP1/Service Level Management


6.1.5 JP1/SLM - Managerのフェールオーバー発生時に実施される処理

JP1/SLM - Managerでフェールオーバーが発生した場合,実行系サーバのJP1/SLM - Managerによって共有ディスク上のデータベースに障害の発生直前までに書き込まれたサービス性能の情報が,待機系サーバのJP1/SLM - Managerに引き継がれます。待機系サーバは,引き継いだ情報を基に業務処理を続行します。ただし,監視対象サービスの検出処理については,処理は続行されません。

JP1/SLM - Managerのフェールオーバー発生時に実施される処理を次の図に示します。

図6‒3 JP1/SLM - Managerのフェールオーバー発生時に実施される処理

[図データ]

なお,フェールオーバーの発生時は,サービス性能は引き継がれますが,画面に表示されていたエラーや警告の状態を示すアイコンの表示は引き継がれません。フェールオーバーの発生によってサービスが再起動されると,サービス性能が再度分析され,分析結果に応じたアイコンが表示されます。

以降では,フェールオーバーが発生したタイミングごとのフェールオーバーの流れを示します。

〈この項の構成〉

(1) 監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合

監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生したときには,待機系サーバのJP1/SLM - Managerの起動後,JP1/SLM - URとの接続だけが復元されます。監視および検出の処理は開始されません。

(2) 監視対象サービスを監視中の場合

監視対象サービスの監視中にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合,待機系サーバのJP1/SLM - Managerが起動したあとで,共有ディスク上のデータベース内のサービス性能の情報を基に,監視状態が障害発生直前の状態に復元されます。

監視対象サービスの監視中にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れを次の図に示します。

図6‒4 監視対象サービスの監視中にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れ

[図データ]

図に示した流れについて説明します。説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. クラスタソフト(実行系サーバ)の制御によって,JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(実行系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。

    なお,JP1/SLM - URは手動で起動してください。手動によるJP1/SLM - URの起動方法については,「2.1.2 JP1/SLM - URを起動する」を参照してください。

  2. JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)で,監視対象サービスの監視を開始します。

  3. JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)で障害が発生したことによって,Windowsサービスが停止します。

  4. JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)に登録されたJP1/SLM - ManagerのすべてのWindowsサービスが,クラスタソフト(実行系サーバ)によって停止されます。その後,フェールオーバーが開始されます。

  5. クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/SLM - Manager(待機系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(待機系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。

  6. クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/SLM - Manager(待機系サーバ)で,監視対象サービスの監視が再開されます。また,JP1/SLM - URが収集したサービス性能がJP1/SLM - Manager(待機系サーバ)に送信されるようになります。

(3) 監視対象サービスを検出中の場合

監視対象サービスの検出中にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合,検出処理は中断されます。

監視対象サービスの検出中にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れを次の図に示します。

図6‒5 監視対象サービスの検出中にJP1/SLM - Managerにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れ

[図データ]

図に示した流れについて説明します。説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. クラスタソフト(実行系サーバ)の制御によって,JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(実行系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。

    なお,JP1/SLM - URは手動で起動してください。手動によるJP1/SLM - URの起動方法については,「2.1.2 JP1/SLM - URを起動する」を参照してください。

  2. JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)で,監視対象サービスの検出を開始します。

  3. JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)で障害が発生したことによって,Windowsサービスが停止します。

  4. JP1/SLM - Manager(実行系サーバ)に登録されたJP1/SLM - ManagerのすべてのWindowsサービスが,クラスタソフト(実行系サーバ)によって停止されます。その後,フェールオーバーが開始されます。

  5. クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/SLM - Manager(待機系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(待機系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。

  6. クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/SLM - Manager(待機系サーバ)で,監視対象サービスの検出停止処理が実行されます。また,監視対象サービスの検出を停止することが,JP1/SLM - URに通知されます。