6.1.4 フェールオーバー発生後の状態
フェールオーバー発生時に監視対象サービスの監視中または検出中だった場合について,フェールオーバー発生後の状態を説明します。
(1) フェールオーバー発生前後での監視対象サービスの監視の状態
監視対象サービスの監視中にフェールオーバーが発生した場合,監視は続行されます。
フェールオーバー発生前後での監視対象サービスの監視の状態を次の表に示します。
項番 |
発生前の監視状態 |
発生後の監視状態 |
|
---|---|---|---|
JP1/SLM - Managerがフェールオーバーした場合 |
JP1/SLM - URがフェールオーバーした場合 |
||
1 |
開始 |
開始 |
開始 |
2 |
停止 |
停止 |
停止 |
3 |
開始中 |
停止※1 |
|
4 |
停止中 |
開始 |
開始※2 |
- 注※1
ユーザーが監視開始の操作をしてから,JP1/SLM - ManagerからJP1/SLM - URに監視開始指示が行われる前にJP1/SLM - URのフェールオーバーが完了した場合は,監視開始処理が続行されます。
- 注※2
ユーザーが監視停止の操作をしてから,JP1/SLM - ManagerからJP1/SLM - URに監視停止指示が行われる前にJP1/SLM - URのフェールオーバーが完了した場合は,監視停止処理が続行されます。
また,JP1/SLM - Managerがフェールオーバーした場合,フェールオーバー発生後の環境に引き継がれる情報は次のとおりです。
[ホーム]画面や[リアルタイム監視]画面に表示されるサービス性能(サービスの状態を示すアイコン,監視している応答時間,スループット,エラー率の値など)は,フェールオーバー後の環境で復元されません。また,JP1/PFMと連携している場合は,システム性能(監視項目の状態を示すアイコン,監視項目の測定値,可用性監視の状態など)も,フェールオーバー後の環境で復元されません。これは,サービス性能のメモリ上への読み込みに時間が掛かり,フェールオーバー完了までに掛かる時間が長くなることを防ぐためです。
フェールオーバー発生中は,監視対象サービスの監視はできません。監視対象サービスの監視中にJP1/SLM - ManagerまたはJP1/SLM - URのどちらかにフェールオーバーが発生した場合,フェールオーバー発生中のサービス性能は収集できないため,その期間のサービス性能の情報は欠落します。
(2) フェールオーバー発生前後での監視対象サービスの検出の状態
監視対象サービスの検出中にフェールオーバーが発生した場合,フェールオーバーがJP1/SLM - ManagerまたはJP1/SLM - URのどちらで発生したか,また,検出中のJP1/SLM - URがシステム内に幾つあるかによって,状態が異なります。
フェールオーバー発生前後での監視対象サービスの検出の状態の遷移を次の表に示します。
項番 |
発生前の検出状態 |
発生後の検出状態 |
|
---|---|---|---|
JP1/SLM - Managerがフェールオーバーした場合 |
JP1/SLM - URがフェールオーバーした場合 |
||
1 |
検出中 |
停止中 |
検出中または停止中※ |
2 |
停止中 |
停止中 |
- 注※
監視対象サービスの検出中にJP1/SLM - URでフェールオーバーが発生した場合,フェールオーバーが発生したJP1/SLM - URでの検出は再開されません。システム構成内に,フェールオーバーが発生したJP1/SLM - UR以外に監視対象サービスの検出をしているJP1/SLM - URが1つでもある場合は,「検出中」になります。
フェールオーバーが発生したJP1/SLM - UR以外に監視対象サービスの検出をしているJP1/SLM - URが1つもない場合は,「停止中」になります。
なお,JP1/SLM - ManagerとJP1/SLM - URで同時にフェールオーバーが発生した場合,フェールオーバー後の監視対象サービスの検出状態は,「停止中」になります。