Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


9.4 システム統計情報機能の概要

システム稼働中の様々な事象の発生状況、頻度をシステム統計情報としてファイルに取得します。また、これを編集出力することによりシステム稼働状況の把握に役立てることができます。

システム統計情報機能を使用する場合は、システム定義でシステム統計情報機能オプションを定義してください。また、システム統計情報ファイルのサイズとファイル数も定義で指定してください。

システム統計情報の取得

システム統計情報の取得はシステム定義に従い、指定された間隔で取得要求が発生するようタイマ登録して取得処理を行います。指定間隔で取得する処理の流れを以下に示します。取得範囲はシステム起動からシステム停止までの間で、取得要求ごとに1レコードとして出力します。

図9‒13 指定間隔でのシステム統計情報取得処理概要

[図データ]

システム統計情報の詳細

システム統計情報の詳細を以下に示します。

表9‒8 システム統計情報の詳細

システム統計情報種別

イベント

内容

出力プロトコル*1

編集ID

日本語

英字

日本語

英字

パケット

情報

packet-

information

パケット受信のサイズ

Captured

packet size

パケット受信したサイズ

イベント数は、パケット受信した回数

キャプチャ制御で破棄したパケットは含まれません

共通

1

パケットロストのサイズ

Failed capture

packets size

パケットロストしたサイズ

イベントの数は、パケットロストした回数

2

キャプチャしたパケット数

Captured

packets

キャプチャに成功したパケット数

3

キャプチャできなかった

パケット数

Failed capture

packets

トラブルシュートで使用する情報です。

4

エラーパケット数

Error packets

エラーにより破棄したパケット数。

5

フラグメントパケット数

Fragment packets

フラグメントパケット数。

6

再送パケット数

Retransmit packets

再送パケット数。

7

エラーによるコネクション切断数

Error connection count

エラーによりコネクション切断と認識した数。

8

通信制御

情報

communication-

control-

information

データ送信サイズ

Send size

トラブルシュートで使用する情報です。

共通

11

データ受信サイズ

Receive size

トラブルシュートで使用する情報です。

12

EAGAIN

EAGAIN

トラブルシュートで使用する情報です。

13

ディスクリプタ不足

(connect)

Connect descriptor shortage

トラブルシュートで使用する情報です。

14

ディスクリプタ不足

(accept)

Accept

descriptor shortage

トラブルシュートで使用する情報です。

15

IBF確保要求回数

IBF reservation request

トラブルシュートで使用する情報です。

16

IBF確保失敗回数

IBF reservation failure

トラブルシュートで使用する情報です。

17

コネクション確立回数

(connect)

Connect count

トラブルシュートで使用する情報です。

18

コネクション確立回数

(accept)

Accept count

トラブルシュートで使用する情報です。

19

コネクション解放回数

Release count

トラブルシュートで使用する情報です。

20

コネクション断検知回数

Disconnect count

トラブルシュートで使用する情報です。

21

電文組立て情報

constitution-

data-

information

完成したRPC電文数

Completed data

受信パケットから組み立てに成功した電文数

以下の電文数を含みます。

  • 破棄したRPC電文数(定義)

  • 破棄したRPC電文数(UOC)

  • 破棄したRPC電文数(対象外)

  • 破棄したRPC電文数(要求電文なし)

rpc

31

破棄したRPC未完成

電文数

Incomplete

discard data

rpc_build_message_watchtime -t watchtimeに指定した監視時間内に電文組立処理が完了しなかった電文数。

32

破棄したRPC電文数

(定義)

Definition discard data

定義:rpc_telegram_filterに従い破棄したRPC(またはRAP)電文数

33

破棄したRPC電文数

(UOC)

UOC discard data

入力判定UOCで破棄したRPC(またはRAP)電文数

34

破棄したRPC電文数

(対象外)

System discard data

取得対象外のRPC(またはRAP)電文のため破棄した電文数

35

破棄したRPC電文数

(要求電文なし)

No request discard dat

以下の要因で破棄した応答電文数。

  • 応答電文に対応する要求電文が受信されなかった

  • address_destination -sオプションにて指定したIPアドレス・ポート番号の要求電文に対応していない応答電文を受信した

36

処理対象RPC電文数

Target for processing data

トラブルシュートで使用する情報です。

37

処理キュー

情報

processing-

queue-

information

プロトコルデータの

キュー滞留時間

Protocol data stayed time

キューに登録されてから引き出されるまでの時間

イベント数はプロトコルデータ処理を行った回数

共通

41

プロトコルデータの

キュー滞留数合計

Queued protocol data total count

キュー引き出し時にキューに残っている処理対象のプロトコルデータ数の合計。

イベント数はプロトコルデータ処理を行った回数

42

蓄積ファイル

情報

stored-file-

information

本番要求電文の

writeサイズ

Req Data Output buffer

トラブルシュートで使用する情報です。

共通

51

本番要求電文の

出力用バッファ面数

Req Data Buffer extension count

トラブルシュートで使用する情報です。

52

本番要求電文の

open時間

Req Data File open time

トラブルシュートで使用する情報です。

53

本番要求電文の

close時間

Req Data File close time

トラブルシュートで使用する情報です。

54

本番要求電文の

出力処理時間

Req Data Output time

トラブルシュートで使用する情報です。

55

本番応答電文の

writeサイズ

Rpy Data Output buffer

トラブルシュートで使用する情報です。

56

本番応答電文の

出力用バッファ面数

Rpy Data Buffer extension count

トラブルシュートで使用する情報です。

57

本番応答電文の

open時間

Rpy Data File open time

トラブルシュートで使用する情報です。

58

本番応答電文の

close時間

Rpy Data File close time

トラブルシュートで使用する情報です。

59

本番応答電文の

出力処理時間

Rpy Data Output time

トラブルシュートで使用する情報です。

60

テスト要求電文の

writeサイズ

Reqts Data Output buffer

トラブルシュートで使用する情報です。

61

テスト要求電文の

出力用バッファ面数

Reqts Data Buffer extension count

トラブルシュートで使用する情報です。

62

テスト要求電文の

open時間

Reqts Data File open time

トラブルシュートで使用する情報です。

63

テスト要求電文の

close時間

Reqts Data File close time

トラブルシュートで使用する情報です。

64

テスト要求電文の

出力処理時間

Reqts Data Output time

トラブルシュートで使用する情報です。

65

テスト応答電文の

writeサイズ

Rpyts Data Output buffer

トラブルシュートで使用する情報です。

66

テスト応答電文の

出力用バッファ面数

Rpyts Data Buffer extension count

トラブルシュートで使用する情報です。

67

テスト応答電文の

open時間

Rpyts Data File open time

トラブルシュートで使用する情報です。

68

テスト応答電文の

close時間

Rpyts Data File close time

トラブルシュートで使用する情報です。

69

テスト応答電文の

出力処理時間

Rpyts Data Output time

トラブルシュートで使用する情報です。

70

蓄積ファイルの

readサイズ

Data Input size for verification

トラブルシュートで使用する情報です。

71

蓄積ファイルの

read時間

Data Input time for verification

トラブルシュートで使用する情報です。

72

ファイル出力

スレッド情報

file-thread-

information

トラブルシュートの

キュー滞留数

Troubleshooting Queued count

トラブルシュートで使用する情報です。

共通

81

トラブルシュートの

キュー滞留時間

Troubleshooting Queuing time

トラブルシュートで使用する情報です。

82

トラブルシュートの

排他実行時間

Troubleshooting Exclusion time

トラブルシュートで使用する情報です。

83

本番要求電文蓄積の

キュー滞留数

Req Data Queued count

トラブルシュートで使用する情報です。

84

本番要求電文蓄積の

キュー滞留時間

Req Data Queuing time

トラブルシュートで使用する情報です。

85

本番要求電文蓄積の

排他実行時間

Req Data Exclusion time

トラブルシュートで使用する情報です。

86

本番応答電文蓄積の

キュー滞留数

Rpy Data Queued count

トラブルシュートで使用する情報です。

87

本番応答電文蓄積の

キュー滞留時間

Rpy Data Queuing time

トラブルシュートで使用する情報です。

88

本番応答電文蓄積の

排他実行時間

Rpy Data Exclusion time

トラブルシュートで使用する情報です。

89

テスト要求電文蓄積の

キュー滞留数

Reqts Data Queued count

トラブルシュートで使用する情報です。

90

テスト要求電文蓄積の

キュー滞留時間

Reqts Data Queuing time

トラブルシュートで使用する情報です。

91

テスト要求電文蓄積の

排他実行時間

Reqts Data Exclusion time

トラブルシュートで使用する情報です。

92

テスト応答電文蓄積の

キュー滞留数

Rpyts Data Queued count

トラブルシュートで使用する情報です。

93

テスト応答電文蓄積の

キュー滞留時間

Rpyts Data Queuing time

トラブルシュートで使用する情報です。

94

テスト応答電文蓄積の

排他実行時間

Rpyts Data Exclusion time

トラブルシュートで使用する情報です。

95

比較検証情報

verification-

information

RPCのデータ一致数

(正常応答電文)

Normal reply detects match

既存システム環境とテストシステム環境の両方で正常応答電文が返り、比較結果が合致した数

rpc

101

RPCのデータ一致数

(エラー応答電文)

Error reply detects match

既存システム環境とテストシステム環境の両方でエラー応答電文が返り、比較結果が合致した数

102

RPCのデータエラー数

(システム検出)

System detects error

システムでデータ比較検証時に検出したエラー数

103

RPCのデータエラー数

(UOC検出)

UOC detects error

UOCでデータ比較検証時に検出したエラー数

104

メモリ情報

memory-

information

システム用テーブル領域

使用量

System table area

トラブルシュートで使用する情報です。

共通

111

システム用ワーク領域使用量

System work area

トラブルシュートで使用する情報です。

112

IBF使用量

IBF

トラブルシュートで使用する情報です。

113

トラブルシュート情報

troubleshooting-

information

TASKTM出力レコード数

TASKTM output records

トラブルシュートで使用する情報です。

共通

121

TASKTM破棄レコード数

TASKTM destruction records

ファイルに出力せずに破棄したTASKTMレコードの数

122

TASKTMopen時間

TASKTM open time

トラブルシュートで使用する情報です。

123

TASKTMclose時間

TASKTM close time

トラブルシュートで使用する情報です。

124

TASKTM書き込み時間

TASKTM write time

トラブルシュートで使用する情報です。

125

統計情報出力レコード数

Statistics output records

トラブルシュートで使用する情報です。

126

統計情報破棄レコード数

Statistics destruction records

ファイルに出力せずに破棄したシステム統計情報レコードの数

127

統計情報open時間

Statistics open time

トラブルシュートで使用する情報です。

128

統計情報close時間

Statistics close time

トラブルシュートで使用する情報です。

129

統計情報書き込み時間

Statistics write time

トラブルシュートで使用する情報です。

130

TCPスルー情報

tcp-through-information

処理対象パケット数

Target for processing packet

キャプチャしたパケットのうち、実際に処理された数。

tcp

http

141

送信できなかったパケット数

Sending error packets

送信処理に失敗したパケット数

142

破棄パケット数(コネクション不可)

Discard packet(connection)

トラブルシュートで使用する情報です

143

破棄パケット数(対象外キャプチャ)

Discard packet(capture)

トラブルシュートで使用する情報です

144

破棄パケット数(対象外受信)

Discard packet(recv)

トラブルシュートで使用する情報です

145

コネクション解放検知回数

Release connection

トラブルシュートで使用する情報です

146

UDPスルー情報

udp-through-information

処理対象パケット数

Target for processing packet

キャプチャしたパケットのうち、実際に処理された数。

udp

151

送信できなかったパケット数

Sending error packets

送信処理に失敗したパケット数

152

破棄パケット数(対象外キャプチャ)

Discard packet (capture)

トラブルシュートで使用する情報です

153

破棄パケット数(対象外受信)

Discard packet (recv)

トラブルシュートで使用する情報です

154

UDP通信制御情報

udp-communication- control-information

データ送信サイズ

Send size

トラブルシュートで使用する情報です。

udp

161

EAGAIN

EAGAIN

トラブルシュートで使用する情報です。

163

*1

この欄に記載されている文字列が、address_destination -pに指定されている場合に出力されます。

共通と記載されている項目は、address_destination –pの指定に関係なく出力されます。

システム統計情報ファイル出力

システム統計情報のファイル出力はTASKTMと同様の方法で行います。詳細は「9.3.2 TASKTMのファイル出力」を参照してください。

但し、参照する場合は「TASKTM情報」を「システム統計情報」に読み替えてください。

システム統計情報の強制出力コマンドの詳細については「4.3.14 estrbstcfput(システム統計情報の強制出力)」を参照してください。

メモリマップ

TASKTMと同様の方法で行います。詳細は「9.3.2 TASKTMのファイル出力」の「メモリマップ」を参照してください。

但し、参照する場合は「TASKTMファイル」を「システム統計情報ファイル」に読み替えてください。

ファイル管理

TASKTMと同様の方法で行います。詳細は「9.3.2 TASKTMのファイル出力」の「ファイル管理」を参照してください。

ファイル名は以下の命名基準に従います。

「テスト識別子+"stc"+通番(10進数の3桁)」

出力契機と出力先切り替え

TASKTMと同様の方法で行います。詳細は「9.3.2 TASKTMのファイル出力」の「出力契機と出力先切り替え」を参照してください。

但し、参照する場合は「TASKTMファイル」を「システム統計情報ファイル」に読み替えてください。

出力先ディレクトリ

出力先ディレクトリは、「/opt/HSIC/job/テスト識別子/spool/dceeinf/stc」とします。

システム統計情報リアルタイム出力

システム稼働中のリアルタイムな情報を「estrbreport」コマンドにより標準出力へ出力することができます。

システム統計情報強制出力コマンド

メモリ上に蓄積していたシステム統計情報をファイルへ出力します。

出力先ファイル切り替えオプションを指定することで出力先ファイルを切り替えられます。デフォルトでは出力先ファイルの切り替えは行わず、同一ファイルへ出力を続けます。

コマンドの詳細は「4.3.14 estrbstcfput(システム統計情報の強制出力)」を参照してください。

システム統計情報編集コマンド

システム統計情報ファイルを入力として、システム統計情報の編集結果を標準出力またはcsvファイルに出力します。

コマンドの詳細は「4.3.13 estrbstced(システム統計情報のファイル編集)」を参照してください。

システム統計情報機能の縮退

TASKTMと同様の方法で行います。詳細は「9.3.4 TASKTM機能の縮退」を参照してください。

但し、参照する場合は「TASKTM」を「システム統計情報」に読み替えてください。