COBOL2002 使用の手引 操作編


2.2.9 テストデバッグのための設定

テストデバッグをするための設定について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 入力する文字の扱い(等価規則)

#OPTIONコマンドで,入力する文字の扱い(等価規則)を変更できます。詳細については,「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.34 #OPTION(オプションの変更)」を参照してください。

TDコマンドに使用される文字コードでは,英数字文字は1バイトの標準コードに,拡張文字は2バイトの拡張コードになります。標準コードの文字を英数字文字(例えば大文字Aと小文字a)と呼び,拡張コードの文字を拡張文字(例えば大文字Aと小文字a)と呼びます。

英大文字と英小文字,英数字文字と拡張文字を,同じに扱うか区別するかの規則が等価規則です。等価規則の指定がない場合は,同じ文字を表す英大文字と英小文字,英数字文字と拡張文字は同じものとして扱われます。例えば,次に示す,すべての形でコマンドが実行できます。このとき,データ名はすべて英数字文字の大文字ABCとして扱われます。

使用例1

#OPTION NOCASEを指定した場合は,次の指定はすべて同じ結果となります。

DISPLAY DATA(ABC)
display data(abc)
DISPLAY DATA(ABC)
使用例2

TDコマンドのオペランド#PROGRAMの#は必ず英数字文字で記述します。

データ名 #DATA@01は,拡張文字の#が使用できます。

DISPLAY DATA(#PROGRAM(P/P) #DATA@01)

等価規則は,次の入力に適用されます。また,アポストロフィ(')やダブルコーテーション(")で囲まれた文字列は,等価規則の対象となりません。

(2) TDコマンド格納ファイルの読み込み

#INCLUDEコマンドで,ファイルに格納したTDコマンドを入力し,実行させることができます。シミュレーション手続きなど,テストデバッグのたびに使用する手続きをTDコマンドで記述しファイルに保存することによって,繰り返し実行できます。

詳細については,「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.33 #INCLUDE(TDコマンド格納ファイルの取り込み)」を参照してください。

TDコマンド格納ファイルは,利用者がテキストエディタ(viやFSEDなど)によって作成できます。また,-TestCmdコンパイラオプションを指定してコンパイルすることによって自動生成し,必要に応じてTDコマンドの修正や追加をすることで作成できます。

コンパイラが自動生成するTDコマンド格納ファイルについては,「8 TDコマンド生成機能」を参照してください。

(3) テスト結果の出力

(a) 結果出力先の指定

SET PRINTコマンド,RESET PRINTコマンド,SET LOGコマンド,またはRESET LOGコマンドで,結果出力の出力先を変更できます。バッチモードでは,結果出力ファイル以外のファイルへ出力先を変更できます。詳細については,「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.35 SET PRINT/RESET PRINT(テスト結果蓄積先の設定と解除)」,「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.36 SET LOG/RESET LOG(ログ出力ファイルの設定/解除)」を参照してください。

(b) 注釈の表示

DISPLAY COMMENTコマンドで,任意の文字列をテスト結果に表示できます。テスト結果に説明を追加することによって,わかりやすくできます。詳細については,「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.31 DISPLAY COMMENT(注釈の表示)」を参照してください。