COBOL2002 使用の手引 操作編


2.2.8 バッチによるテスト

〈この項の構成〉

(1) テストケース

バッチモードでは,TDコマンドによる処理を,テストケースに分けて記述できます。記述した複数のテストケースは,順番に実行されます。次の方法によって,テストケースを選択して実行することもできます。

TESTコマンドは,テストケースの集まりを定義します。CASEコマンドは,ケース識別子による名前と,一連の処理を実行するためのTDコマンドの集まりによるテストケースを指定します。

TESTコマンドについては「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.27 TEST(テストケースの選択)」を,CASEコマンドについては「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.28 CASE(テストケースの指定)」を参照してください。

一つのテストケースの実行が終了したとき,次に示すテストデバッガの機能が設定されていた場合,テストケースの設定が解除されます。解除されたテストケースの設定は,次のテストケースには引き継がれません。プログラムが実行中のときは,強制的に終了されます。テストケースを複数実行している場合でも,データなどは次のテストケースに引き継がれません。

(2) ケース識別子の指定

ケース識別子の指定によって,テストケースを選択して実行できます。ケース識別子の末尾に*を付けて指定すると,*より前の文字列が一致するケース識別子のテストケースが選択されて,実行されます。

ケース識別子が指定されている場合にケース識別子の指定がないテストケースは実行されません。

使用例1

指定されたテストケースから,TEST1とTEST3を選んで実行します。テストケースはCASEコマンドが指定された順に実行されます。TESTコマンドのCASEIDオペランドに指定したケース識別子の順序は,テストケースの実行順序にはかかわりません。

[図データ]

使用例2

CASEIDオペランドにTEST*を指定することによって,TESTで始まるケース識別子のテストケースを実行します。

[図データ]

(3) ケースコードによる条件判定

ASSIGN CASECODEコマンドによって,テストケースの実行結果をケースコードに設定できます。ケース選択条件は,このケースコードの値を条件判定して,あとに続くテストケースの実行を決めます。

ASSIGN CASECODEコマンドについては「5.4 TDコマンドの詳細」の「5.4.29 ASSIGN CASECODE(ケースコードの設定)」を参照してください。

ケース選択条件は,次のどちらかを,<,>,<=,>=,=,NOT= の比較演算子によって比較します。

ケース選択条件に複数の条件式を指定すると,すべての条件を満たしたときに,テストケースを実行します。

使用例1

最後に設定されたケースコードによって,テストケースを実行します。

[図データ]

使用例2

直前に実行されたテストケースがケースコードに値を設定しないとき,ケースコードによるケース選択条件が指定されたテストケースは実行されません。

[図データ]

使用例3

最初のテストケースにケースコードによるケース選択条件を指定すると,そのテストケースは実行されません。

[図データ]

使用例4

同一のケース識別子を持つテストケースが複数あるときは,最後に実行されたテストケースのケースコードを判定します。ケース選択条件に指定されたケース識別子のテストケースがまだ実行されていないときは,判定が偽となり,実行されません。

[図データ]

使用例5

TESTコマンドで選択され,かつ,ケース選択条件の判定が真のときに,テストケースは実行されます。

[図データ]

注意事項

TESTコマンドを複数記述したとき,前のTESTコマンドのテストケースで設定されたケースコードは,次のTESTコマンドのケース選択条件では参照されません。