COBOL2002 操作ガイド


2.6.1 ビルド

〈この項の構成〉

(1) 再コンパイル,再リンケージの規則

ビルドによってプログラムが再コンパイル,再リンケージされるときの規則について示します。

(a) 再コンパイルされる場合

プログラムが再コンパイルされるケースとその対象を次に示します。

表2‒24 ビルド時に再コンパイルされるケースとその対象

コンパイルの対象となるケース

再コンパイルの対象となるプログラム

プロジェクトを構成するファイルを更新/追加した場合

変更したファイル。

コンパイラオプションを変更した場合

  • プロジェクトのコンパイラオプションを変更した場合は,オプションを変更したプロジェクトに対応するすべてのファイル。

  • ファイルのコンパイラオプションを変更した場合は,コンパイラオプションを変更したファイル。

メインプログラムの指定を変更した場合

メインプログラム指定を解除したプログラム,および新しくメインプログラムの指定をしたプログラム。

  • ソースファイルに対応する出力ファイルがない場合

  • 出力ファイルを持つソースファイルまたは依存ファイルを更新した場合

出力ファイルの生成元となるファイル。

前回のビルド処理で,リビルド中に中断した場合

ビルド処理が実行されなかったファイル。

ソースファイルがない場合は,メッセージウィンドウに警告のメッセージが出力され,そのままビルド処理が継続します。

注※

更新時間が取得できないため,更新されたかどうかわからないファイルは,必ず再コンパイルされます。

(b) 再リンケージされる場合

再リンケージされるのは,「2.6.1 ビルド」でプログラムが再コンパイルされる場合と次の場合です。

  • 最終生成物がない場合

    (最終生成物を削除した場合,またはほかの場所に移動した場合)

  • 最終生成物の名称を変更した場合

  • オブジェクトファイルが,最終生成物よりも新しい場合

  • リンカオプションを変更した場合

  • プロジェクトからファイルを削除した場合

注※

更新時間が取得できないため,更新されたかどうかわからないファイルは,必ず再リンケージされます。

(c) 注意事項

  • ファイル単位のコンパイルで作成したファイルをプロジェクトに登録した場合,ビルドをすると,結果が保証されないことがあります。このため,最初の1回はリビルドをしてください。

  • 実行ファイルが実行されている状態でビルドをすると,実行ファイルに対する書き込みエラーになります。このような場合は,実行ファイルの実行が終了してからビルドをしてください。

(2) ビルドの実行順序

開発マネージャでビルドを実行した場合,作業中プロジェクトがビルドされます。このとき,作業中プロジェクトに子プロジェクトがある場合は,最も深い階層の子プロジェクトから順にビルドが実行されます。

図2‒3 プロジェクト間の関係とビルドの実行順序

[図データ]

(3) ビルドの方法

作業中プロジェクトのビルドを実行する方法
  1. 開発マネージャのウィンドウの[ビルド]メニューから[ビルド]を選ぶ。

    作業中プロジェクトのビルドが実行されます。

選んだプロジェクトのビルドを実行する方法
  1. 開発マネージャのツリービューウィンドウで,ビルドを実行したいトップレベルプロジェクトを右クリックし,表示されるメニューから[選択中のプロジェクトのビルド]を選ぶ。

    選んだプロジェクトのビルドが実行されます。

ビルドを実行すると,再コンパイル,再リンケージの規則に従ってプログラムがコンパイル,リンケージされ,メッセージウィンドウにメッセージが表示されます。また,ビルドの対象に定義ファイルやHTMLファイルなど,出力ファイルを指定したファイルがある場合は,出力ファイルが生成されてからコンパイルされます。

(4) ビルド処理の中止

  1. 開発マネージャのウィンドウの[ビルド]メニューから[ビルドの中止]を選ぶ。

    実行中のビルド処理が中止され,メッセージウィンドウにメッセージが表示されます。

(5) コンパイルエラーの修正

  1. メッセージウィンドウから,修正したいファイル名を含む1行をダブルクリックする。

    1.7.3 テキストエディタの設定」で設定したエディタが起動され,指定したファイルが開かれます。

補足説明

コンパイルエラーが発生した場合に,ビルドまたはリビルドを中断するか続行するかを設定できます。

開発マネージャのウィンドウの[ツール]メニューから[開発マネージャの動作設定]を選び,表示されたダイアログボックスで設定してください。