COBOL2002 操作ガイド


2.6.2 クイックビルド

〈この項の構成〉

(1) ビルドとクイックビルドの相違

クイックビルドとは,オブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用するプロジェクトに有効となる生成手段です。オブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用しないプロジェクトの場合は,ビルドと同じ処理になります。

ビルドでは,タイムスタンプのチェックによってオブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用したプログラムのソース間の依存関係を必ず再構成します。これに対して,クイックビルドでは,既存の依存関係情報に従ってタイムスタンプをチェックします。したがって,他ファイルとの依存関係が変化しないようなオブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用したプログラムのソースファイルの修正をした場合,ビルドの代わりにクイックビルドを使用すると処理時間を短縮できます。しかし,他ファイルとの依存関係が変化するようなソース修正をした場合,クイックビルドでは正しくビルドできません。

(2) クイックビルドの方法

  1. 開発マネージャのウィンドウの[ビルド]メニューから[クイックビルド]を選ぶ。

    プロジェクトは,以前にビルドまたはリビルドをしたものでないと,ビルド処理と同じになります。

    既存の依存関係情報に従ってビルドされます。

    オブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用しないCOBOLプログラムだけで構成されているプロジェクトに対して実行した場合,普通のビルドと同じ処理になります。

(3) 依存関係の更新

  1. 開発マネージャのウィンドウの[ビルド]メニューから[依存関係の更新]を選ぶ。

    オブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用したプロジェクトのファイル間の依存関係が再構築されます。

    オブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用したプロジェクトでは,依存関係を更新したあとにクイックビルドすると,ビルドと同じ処理になります。

    オブジェクト指向機能または利用者定義関数を使用しないプロジェクトに対して実行しても,何も処理されません。