3.7 運用上の注意事項
SNMPエージェントのOS共通の運用上の注意事項について説明します。OS固有の注意事項については,次項以降を参照してください。
-
単調増加ファイルの注意事項
動作開始以降に単調増加するログファイルの注意事項を次の表に示します。
表3‒4 単調増加するログファイルの注意事項 パス
ログを出力するプロセス
注意事項
/tmp/esa.log
インストール/アンインストール時のシェル
この製品のインストール/アンインストール時でなければ削除しても問題ありません。
なお,単調増加ファイルの容量の上限はありません。
-
ログファイルの注意事項
動作開始以降に出力するログファイルの注意事項を次の表に示します。
表3‒5 ログファイルの注意事項 パス※1
ログを出力するプロセス
注意事項
/var/adm/snmpd.logn
snmpdm
デフォルトでは,1つのログファイルサイズを10MBとして,10面(n:1〜10)でラップアラウンドしてログファイルを取得します。
運用上,デフォルト値が問題となる場合は,ログファイルサイズ,面数,および出力先パスを変更してください※2。
注※1 AIXの場合は/usr/adm配下です。
注※2 ログファイルサイズ,面数,出力先パスの変更については,「7.3 ログの取得」を参照してください。
-
SNMPエージェントが使用しているファイルについての注意事項
/tmp/.AgentSocketsディレクトリおよびその配下のファイルは,SNMPエージェントが使用しているファイルです。SNMPエージェントが起動中は削除しないでください。
SNMPエージェントが停止中の場合は削除しても問題ありません。SNMPエージェントは起動時にこのディレクトリを作成します。
-
ノードのIPアドレスを変更した場合の注意事項
SNMPエージェントの起動中に,そのノードのIPアドレスを変更した場合は,SNMPエージェントを再起動してください。
-
環境変数定義ファイルのバックアップについての注意事項
-
環境変数定義ファイルをバックアップする場合,Snmpで始まるファイル名でバックアップファイルを作成しないでください。バックアップファイルに付ける名称の例を次に示します。
(例)/opt/CM2/ESA/opt/SnmpMasterのバックアップファイルの場合
/opt/CM2/ESA/opt/Bak.SnmpMaster
-
システムのOSがSolarisの場合,/etc/rc.config.d配下に環境変数定義のバックアップファイルを作成しないでください。
-
-
ネイティブエージェントアダプター機能についての注意事項
Solaris,AIX,およびLinuxのシステムでは,SNMPエージェントのネイティブエージェントアダプターとOSが提供するネイティブエージェント間のコミュニティ名を一致させてください。
-
SNMPエージェントの実行権限についての注意事項
SNMPエージェントのファイルのアクセス権はrootだけで実行できます。ファイルのアクセス権は変更しないでください。
-
SNMPエージェントの言語環境
SNMPエージェントはどの言語環境でも,出力するメッセージは英語だけです。また,SNMPエージェントをインストールしたあとにシステムの言語環境を変更しても問題ありません。
-
JP1/Cm2/SSOを使用してリソースを収集する場合の注意事項
-
プラットフォームごとにタイムアウト値およびリトライ回数を指定してください。
OSごとに推奨するタイムアウト値を次の表に示します。なお,タイムアウト値は,システム負荷やネットワーク環境によって異なります。使用する環境に合ったタイムアウト値を設定してください。
表3‒6 推奨するタイムアウト値 OS
推奨するタイムアウト値
Solaris
6.0秒以上
AIX
3.0秒以上
Linux
3.0秒以上
HP-UX (IPF)
0.8秒以上
SNMPリクエストはUDPを使用していますが,UDPにはリトライ機能がないため,リトライ回数を必ず指定してください。
-
NNMで企業固有MIBを取得する場合は,MIBの注意事項を確認してください。MIBの注意事項については,「4.2.2 HP企業固有MIBオブジェクトの内容」および「4.3.2 日立企業固有MIBオブジェクトの内容」のグループの注意事項を参照してください。
-
-
システム時刻を変更する場合の注意事項
システム時刻を進める場合,特に作業は必要ありません。
システム時刻を戻す場合は,次の手順を実行してください。
-
snmpstopコマンドでSNMPエージェントを停止する。
システムのOSがSolarisおよびAIXの場合で,ネイティブエージェントに対する停止操作を実行したくない場合は,snmpstopコマンド(-nオプション)を実行してください。
-
システム時刻を変更する。
-
snmpstartコマンドでSNMPエージェントを再起動する。
システムのOSがSolarisおよびAIXの場合で,ネイティブエージェントに対する起動操作を実行したくない場合は,snmpstartコマンド(-nオプション)を実行してください。
-
-
OS起動時のcoldStartトラップ送信についての注意事項
マスターエージェントのsnmpdmプロセスは,デフォルトでは起動されてから15秒後にcoldStartトラップを送信します。
ほかのサブエージェントの起動完了を確認することなくcoldStartトラップは送信されるため,この間マネージャーからの要求に対しては応答しません。通常,この15秒間はサブエージェントが起動完了するのに十分な時間ですが,使用している環境によっては起動完了が間に合わないことがあります。その場合は,SnmpMasterファイルのSNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME環境変数にcoldStartトラップを送信するまでの時間(単位は秒)を指定して,coldStartトラップ送信のタイミングを調整してください。
SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME環境変数の指定例を次に示します。
- (例)
-
SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME=15
export SNMP_HTC_INIT_WAIT_TIME
-
SIGHUP受信時の構成定義ファイル(/etc/SnmpAgent.d/snmpd.conf)の再読み込みについての注意事項
SNMPエージェントの動作中に,SIGHUP受信時の構成定義ファイル(/etc/SnmpAgent.d/snmpd.conf)の再読み込みは実施しません。
-
JP1/Cm2/SSOから論理IPアドレスを監視する際の注意事項
-
HP-UX (IPF)の場合
クラスタソフトとして日立のHAモニタおよびHP Serviceguardを使用した場合,JP1/Cm2/SSOのリソースブラウザのネットワークサマリに論理IPアドレスの情報は表示されません。
-
AIXの場合
クラスタソフトとして日立のHAモニタを使用した場合,JP1/Cm2/SSOのリソースブラウザのネットワークサマリに論理IPアドレスの情報は表示されません。
-
Linuxの場合
クラスタソフトとして日立のHAモニタ,CLUSTERPRO X,Veritas Cluster Serverを使用した場合,JP1/Cm2/SSOのリソースブラウザのネットワークサマリに論理IPアドレスの情報は表示されません。
-