4.2.2 HP企業固有MIBオブジェクトの内容
グループごとのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を説明します。なお,表中では次の凡例を使用しています。
- (凡例)
-
−:該当なし。
MIBオブジェクトの内容は,/var/opt/OV/share/snmp_mibs/eagent/hp-unixでも参照できます。
- 〈この項の構成〉
(1) computerSystemグループ
computerSystemグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
computerSystemUpTime |
システムが起動してからの経過時間。 |
1/100秒 |
2 |
computerSystemUsers |
システムにログインしているユーザー数。 |
− |
3 |
computerSystemAvgJobs1 |
過去1分の期間での実行待ち行列の平均ジョブ数 * 100。 実行待ち行列の平均ジョブ数とは,過去の1分間に「実行状態」または「実行可能状態」であったプロセスやスレッドの平均値のことです。 例えば,この実行待ち行列の平均ジョブ数が「1」であった場合,過去1分間で「実行状態」または「実行可能状態」となっていたプロセスやスレッドが平均的に1つ存在していて,常にCPUは処理を実行していた状況であったと推測できます。 |
− |
4 |
computerSystemAvgJobs5 |
過去5分の期間での実行待ち行列の平均ジョブ数 * 100。 |
− |
5 |
computerSystemAvgJobs15 |
過去15分の期間での実行待ち行列の平均ジョブ数 * 100。 |
− |
6 |
computerSystemMaxProc |
システムで許される最大プロセス数。 |
− |
7 |
computerSystemFreeMemory※1 |
物理メモリーの空き容量。 |
キロバイト |
8 |
computerSystemPhysMemory |
物理メモリー容量。 |
キロバイト |
9 |
computerSystemMaxUserMem |
最大ユーザーメモリー容量。 |
キロバイト |
10 |
computerSystemSwapConfig※2,※3 |
デバイススワップ空間のサイズ。 |
キロバイト※4 |
11 |
computerSystemEnabledSwap |
使用できるディスクスワップ空間のサイズ。 |
キロバイト |
12 |
computerSystemFreeSwap※2 |
実際の空きスワップ領域のサイズ。 |
キロバイト※4 |
13 |
computerSystemUserCPU※5 |
nice値21以上で,ユーザーモードで実行されたCPU時間。ただし,SolarisおよびAIXではSNMPエージェントが起動してからのユーザーモードで実行されたCPU時間。 |
1/100秒 |
14 |
computerSystemSysCPU※5 |
カーネルモードで実行されたCPU時間。ただし,SolarisおよびAIXではSNMPエージェントが起動してからのカーネルモードで実行されたCPU時間。 |
1/100秒 |
15 |
computerSystemIdleCPU※5 |
アイドル状態のCPU時間。ただし,SolarisおよびAIXではSNMPエージェントが起動してからのアイドル状態のCPU時間。 |
1/100秒 |
16 |
computerSystemNiceCPU※5 |
nice値20以下で,ユーザーモードで実行されたCPU時間。ただし,SolarisおよびAIXではSNMPエージェントが起動してからのユーザーモードで実行されたCPU時間。 |
1/100秒 |
- 注※1
-
computerSystemFreeMemoryについての注意事項を次に示します。
- 取得時間
-
SolarisのcomputerSystemFreeMemoryの値は取得するために6秒以上必要です。取得する場合はマネージャーシステムのSNMP要求のタイムアウト時間を6秒以上に指定してください。
Solaris,AIXおよびLinuxの物理メモリーの空き容量については,「2.13 物理メモリーの空き容量についての注意事項」を参照してください。
- 注※2
-
各OSのcomputerSystemSwapConfigおよびcomputerSystemFreeSwapに物理メモリーが含まれているかどうかを,次に示します。
- HP-UX (IPF)およびLinuxの場合
-
物理メモリーは含まれません。
- Solarisの場合
-
物理メモリーは含まれます。
- AIXの場合
-
AIXについては,実際にはページングスペースの使用状況を応答していますので注意してください。物理メモリーは含まれません。
- 注※3
-
Solarisの場合のスワップ空間についての注意事項を次に示します。
Solarisのスワップ空間はディスク上のスワップ領域に未使用の実メモリーが含まれ,実メモリーでの仮想記憶領域は動的に確保されます。そのため,computerSystemSwapConfigの値は動的に変化します。
- 注※4
-
AIXの場合,単位はバイトです。
- 注※5
-
CPU情報については,「2.15 CPU情報についての注意事項」を参照してください。
(2) fileSystemグループ
fileSystemグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
fileSystemMounted |
マウントされているファイルシステムの数。 |
− |
2 |
fileSystemTable |
ファイルシステム情報テーブル。 |
− |
2.1 |
fileSystemEntry |
各エントリーはfileSystemID1とfileSystemID2の値で識別される。 |
− |
2.1.1 |
fileSystemID1 |
ファイルシステムID。 |
− |
2.1.2 |
fileSystemID2 |
ファイルシステムID(ファイルサーバのタイプなどの情報)。 |
− |
2.1.3 |
fileSystemName |
マウントされているファイルシステム名。 |
− |
2.1.4 |
fileSystemBlock |
ファイルシステム中のトータルブロック数。 |
ブロック |
2.1.5 |
fileSystemBfree |
ファイルシステム中のフリーブロック数。 |
ブロック |
2.1.6 |
fileSystemBavail |
スーパーユーザーではない場合,利用できるフリーブロック数。 |
ブロック |
2.1.7 |
fileSystemBsize |
基本ファイルシステムのブロックサイズ。 |
バイト |
2.1.8 |
fileSystemFiles |
ファイルシステム中のiノード総数。 |
− |
2.1.9 |
fileSystemFfree |
ファイルシステム中の未使用iノード総数。 |
− |
2.1.10 |
fileSystemDir |
ファイルシステムのpath。 |
− |
- 注意事項
-
fileSystemグループのHP企業固有MIBオブジェクトの注意事項を次に示します。
-
AIXおよびLinuxでは,fileSystemグループについてもfileSystem64グループと同様に,/etc/SnmpAgent.d/esafilesys.confの設定が有効になります。fileSystem64グループの/etc/SnmpAgent.d/esafilesys.confの設定については,「2.12.2 不正な共有ディスク容量の応答抑止の設定(AIXおよびLinuxの場合)」を参照してください。
SolarisおよびHP-UX (IPF)では,/etc/SnmpAgent.d/esafilesys.confの設定が有効にならないので注意してください。
-
AIXでファイルシステムがJFS2の場合は,最大4ペタバイトのファイルシステムを構築できます。SNMPエージェントのhp.nm.system.general.fileSystemグループのMIBで表現できるファイルシステムのサイズの最大値を次に示します。iノード数は,最大231-1まで表現できます。
ファイルシステムのブロックサイズ(単位:バイト)
ファイルシステムのサイズ(単位:テラバイト)
512
1
1,024
2
4,096
8
-
Linuxの場合で,不要なファイルシステムの情報を応答しないようにする方法については,「2.16 応答不要なファイルシステムの情報を応答しない設定(Linuxの場合)」を参照してください。
-
Linuxでは,hp.nm.system.general.fileSystemグループのファイルシステム情報にある「マウントされているファイルシステム名」が,dfコマンドの表示と異なります。これは,このソフトウェア製品が/etc/fstabの情報を参照しているからです。/etc/fstabの内容とは一致しています。次に例を示します。
(例)
-
MIBの情報
-
/etc/fstabの情報
-
dfの情報
-
Solarisのhp.nm.system.general.fileSystemグループは,tmpfsファイルシステム形式のファイルシステムをMIB値に追加していません。そのため,tmpfsファイルシステム形式のファイルシステムを監視できません。
-
(3) processesグループ
processesグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
processNum |
実行中のプロセス数。 |
− |
2 |
processTable |
実行中のプロセス情報テーブル。 |
− |
2.1 |
processEntry |
各エントリーはprocessPIDの値で識別される。 |
− |
2.1.1 |
processPID |
プロセスID。 |
− |
2.1.2 |
processIdx |
プロセスのエントリー番号。 |
− |
2.1.3 |
processUID |
プロセスのユーザーID。 |
− |
2.1.4 |
processPPID |
親プロセスID。 |
− |
2.1.5 |
processDsize |
プロセスのデータ領域サイズ。 |
ぺージ |
2.1.6 |
processTsize |
プロセスのテキスト領域サイズ。 |
ページ |
2.1.7 |
processSsize |
プロセスのスタック領域サイズ。 |
ページ |
2.1.8 |
processNice※1 |
プロセスのナイス値。 |
− |
2.1.9 |
processMajor |
プロセスの制御端末のメジャー番号。 |
− |
2.1.10 |
processMinor |
プロセスの制御端末のマイナー番号。 |
− |
2.1.11 |
processPgrp |
プロセスグループID。 |
− |
2.1.12 |
processPrio |
プロセスの優先度。 |
− |
2.1.13 |
processAddr |
プロセスのユーザー領域アドレス。値は,プロセスがメモリー上にロードされている場合はメモリー中の物理アドレス,スワップアウトされている場合はディスク上のアドレスを示す。 |
− |
2.1.14 |
processCPU |
スケジューリングのためのプロセッサ利用率。 |
− |
2.1.15 |
processUtime |
プロセスがユーザーモードで実行した経過時間。 |
1/100秒 |
2.1.16 |
processStime |
プロセスがシステム(カーネル)モードで実行した経過時間。 |
1/100秒 |
2.1.17 |
processStart |
プロセスが開始してからの経過時間。 |
秒 |
2.1.18 |
processFlags※2 |
プロセスフラグ。 incore(1),sys(2),locked(4),trace(8),trace2(16) |
− |
2.1.19 |
processStatus |
プロセスの実行状態。 sleep(1),run(2),stop(3),zombie(4),other(5),idle(6) |
− |
2.1.20 |
processWchan |
プロセスがスリープしているアドレス。 |
− |
2.1.21 |
processProcNum |
プロセスを最後に実行したプロセサ。 |
− |
2.1.22 |
processCmd |
プロセスを実行したコマンドライン文字列。 |
− |
2.1.23 |
processTime |
プロセスのインコアでの経過時間。 |
秒 |
2.1.24 |
processCPUticks |
現在のタイムスライス中にプロセスが消費したCPUのティック数。 |
− |
2.1.25 |
processCPUticksTotal |
プロセス生成以降,プロセスが消費したCPUのティック数。 |
− |
2.1.26 |
processFss |
プロセスが所属する均等割り当てスケジューラグループのID。 |
− |
2.1.27 |
processPctCPU |
インコアでの経過時間に占めるCPU使用時間の割合。 |
% |
2.1.28 |
processRssize |
インコアにロードされているぺージ数。 |
ぺージ |
2.1.29 |
processSUID |
プロセスの実ユーザーID。 |
− |
2.1.30 |
processUname |
プロセスを起動したユーザー名。 |
− |
2.1.31 |
processTTY |
プロセスのtty。 |
− |
(4) clusterグループ
clusterグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
isClustered |
マシンがクラスタシステムかどうかの識別。 standalone(1),rootserver(2),cnode(3) |
− |
2 |
clusterTable |
クラスタノード情報テーブル。 |
− |
2.1 |
clusterEntry |
各エントリーはclusterIDの値で識別される。 |
− |
2.1.1 |
clusterID |
cnode ID。 |
− |
2.1.2 |
clusterMachineID |
cnode マシンID。 |
− |
2.1.3 |
clusterType |
cnodeタイプ(rまたはc)。 |
− |
2.1.4 |
clusterCnodeName |
cnode名。 |
− |
2.1.5 |
clusterSwapServingCnode |
スワップサービングcnode。 |
− |
2.1.6 |
clusterKcsp |
KCSP。 |
− |
2.1.7 |
clusterCnodeAddress |
cnode IPアドレス。 |
− |
3 |
clusterCnodeID |
マシンのcnode ID。 |
− |
(5) ieee8023Macグループ
ieee8023MacグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
ieee8023MacTable |
ieee802.3インタフェース情報テーブル。 |
− |
1.1 |
ieee8023MacEntry |
各エントリーはieee8023MacIndexの値で識別される。 |
− |
1.1.1 |
ieee8023MacIndex |
ifIndexに対応したインタフェース番号。 |
− |
1.1.2 |
ieee8023MacTransmitted |
転送に成功したフレーム数。 |
フレーム |
1.1.3 |
ieee8023MacNotTransmitted |
転送されなかったフレーム数。 |
フレーム |
1.1.4 |
ieee8023MacDeferred |
媒体のbusyによって据え置かれたフレーム数。 |
フレーム |
1.1.5 |
ieee8023MacCollisions |
衝突のために再送された転送試行回数の総称。 |
− |
1.1.6 |
ieee8023MacSingleCollisions |
1つの衝突に妨げられ,そのあと転送に成功した転送試行回数。 |
− |
1.1.7 |
ieee8023MacMultipleCollisions |
2〜5回の衝突試行で妨げられ,そのあと転送に成功した転送試行回数。 |
− |
1.1.8 |
ieee8023MacExcessCollisions |
15回以上衝突試行で妨げられ,そのあと転送に成功した転送試行回数。 |
− |
1.1.9 |
ieee8023MacLateCollisions |
割り当てられたチャネル時間が経過したあと,発生した衝突のために失敗した転送試行回数。 |
− |
1.1.10 |
ieee8023MacCarrierLostErrors |
転送を試みたとき,carrier senseが失われた回数。 |
− |
1.1.11 |
ieee8023MacNoHeartBeatErrors |
転送のあと,heart beatが指し示されることのない回数。 |
− |
1.1.12 |
ieee8023MacFramesReceived |
受信に成功したフレーム数。 |
フレーム |
1.1.13 |
ieee8023MacUndeliverableFramesReceived |
フレームが受信されるより早く送信されたとき,ソフトウェアバッファーがオーバーランのため配送されなかった受信フレーム数。 |
フレーム |
1.1.14 |
ieee8023MacCRCErrors |
CRCエラー発見回数。 |
− |
1.1.15 |
ieee8023MacAlignmentErrors |
misalignedで,誤ったCRC両方の受信フレーム数。 |
フレーム |
1.1.16 |
ieee8023MacResourceErrors |
リソースが不足したため,失われた受信フレーム数。 |
フレーム |
1.1.17 |
ieee8023MacControlFieldErrors |
コントロールフィールドにエラーがある受信フレーム数。 |
フレーム |
1.1.18 |
ieee8023MacUnknownProtocolErrors |
タイプフィールドまたはサップフィールドが誤ったプロトコルを参照したためドロップしたフレーム数。 |
フレーム |
1.1.19 |
ieee8023MacMulticastsAccepted |
マルチキャストアドレスを受け取った数。 |
− |
(6) icmpグループ
icmpグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
icmpEchoReq※ |
icmpエコー要求に応答するために掛かる秒数およびエラー情報。 |
− |
(7) trapグループ
trapグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
trapDestinationNum |
トラップ宛先の数。 |
− |
2 |
trapDestinationTable |
エージェントのトラップ宛先アドレステーブル。 |
− |
2.1 |
trapDestinationEntry |
各エントリーはtrapDestinationの値で識別される。 |
− |
2.1.1 |
trapDestination |
エージェントのトラップ宛先アドレス。 |
− |
(8) snmpdConfグループ
snmpdConfグループのHP企業固有MIBオブジェクトの内容を次の表に示します。
ID |
オブジェクト名 |
内容 |
単位 |
---|---|---|---|
1 |
snmpdConfRespond |
true(1)がセットされていると全オブジェクトに応答する。 true(1),false(2) |
− |
2 |
snmpdReConfigure |
reset(1)がセットされるとエージェントが再構成される。 |
− |
3 |
snmpdFlag |
エージェントの能力。 removetrap(1),netwareproxy(2) |
− |
4 |
snmpdLogMask |
エージェントのログマスク値。 |
− |
5 |
snmpdVersion |
エージェントのバージョン番号。 |
− |
6 |
snmpdStatus |
デーモンの状態。 up(1),down(2) |
− |
7 |
snmpdSize |
エージェントのデータセグメントの大きさ。 |
バイト |
9 |
snmpdWhatString |
エージェントのプロフィール。 製品名,バージョン,日付,コピーライト |
− |