JP1/Power Monitor

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19.5.3 JP1/Power Monitorによる他ホストの起動・終了時のトラブル

UNIXホストのJP1/Power Monitorによって他ホストが起動・終了するときに発生するトラブルの現象を次の表に示します。

表19-4 他ホストの起動・終了時のトラブル一覧

項番 現象
1 エージェントホストを起動・終了できない。
2 マネージャーホストがエージェントホストの停止を検知しない。
3 「jaompwagt v」コマンドを実行するとエージェントホストが稼働中にもかかわらず「状態不明」と表示される。
4 APC社製のSNMPアダプターとSmart-UPS(またはSymmetra)に接続したエージェントホストを起動・終了できない。
5 「jaomstart」コマンドを実行しても,JP1/Power Monitorリモート電源連携デーモンが起動しない。
6 日立製作所製の遠隔電源制御装置(THE-RP-0010)に接続したエージェントホストを起動・終了できない。

次に,考えられる原因と対処方法をトラブルの現象ごとに説明します。

<この項の構成>
(1) エージェントホストを起動・終了できない
(2) マネージャーホストがエージェントホストの停止を検知しない
(3) 「jaompwagt v」コマンドを実行するとエージェントホストが稼働中にもかかわらず「状態不明」と表示される
(4) APC社製のSNMPアダプターとSmart-UPS(またはSymmetra)に接続したエージェントホストを起動・終了できない
(5) 「jaomstart」コマンドを実行しても,JP1/Power Monitorリモート電源連携デーモンが起動しない
(6) 日立製作所製の遠隔電源制御装置(THE-RP-0010)に接続したエージェントホスト,または遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使用したエージェントホストを起動・終了できない

(1) エージェントホストを起動・終了できない

(a) 電源制御装置がエージェントホストに接続されていない

インストールとセットアップの手順に従って,電源制御装置をホストに接続してください。電源制御装置を使わないでホストを運用する場合,ホストのシャットダウンはできますが,起動および電源オフはできません。

(b) 電源制御装置が正しく設定されていない

各製品のマニュアルを参照し,電源制御装置を正しく設定し直してください。

(c) マネージャーホストとエージェントホストが正しく設定されていない

マネージャーホストでエージェントホストの情報が,また,エージェントホストでマネージャーホストの情報が正しく設定されているかどうか確認してください。

FAQ Q7も参照してください。

(d) マネージャーホストとエージェントホストのネットワークの設定が正しくない

マネージャーホストとエージェントホストそれぞれで,pingコマンドなどを実行してアドレス解決してください。アドレス解決できない場合は,ホスト間のネットワークの設定を正しくしてください。

(e) エージェントホスト名が正しく設定されていない

ホスト名には,そのホストで動作しているJP1/Baseのイベントサーバ名を設定してください。デフォルトのイベントサーバ設定の場合は,デフォルトのイベントサーバ名を設定します。また,FQDN形式のイベントサーバ設定の場合はFQDN名を設定します。入力するホスト名とイベントサーバ名が一致していなければ正しく運用できませんので,同じ名前で登録されているか確認してください。JP1/Baseのイベントサーバ名の設定は,大文字と小文字が区別されます。例えば,「ABC」と「Abc」は,別のホストとみなされます。JP1/Baseのイベントサーバ名については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(f) マネージャーホストおよびエージェントホストで,サービスまたはデーモンが起動していない

マネージャーホストおよびエージェントホストで次のサービスまたはデーモンが起動しているかどうか確認してください。起動する必要があるサービスまたはデーモンを次の表に示します。

表19-5 マネージャーホストおよびエージェントホストで起動するサービスまたはデーモン

ホストのOS ホスト サービスまたはデーモン
UNIX マネージャーホスト
  • JP1/Base Eventサービス
  • JP1/Power Monitorデーモン(リモート電源連携デーモン)
エージェントホスト
  • JP1/Base Eventサービス
  • JP1/Power Monitorデーモン(リモート電源連携デーモン)
Windows エージェントホスト
  • JP1/Base Control Serviceサービス
  • JP1/Base Eventサービス
  • JP1/PW Agent Serviceサービス
(g) エージェントホストを強制再起動する場合,ホストの電源オフからオンまでの間隔が短過ぎる

エージェントホストを強制再起動しないで,強制電源オフしたあと,十分な時間を空けて電源をオンにしてください。Smart-UPSやSymmetraなど,電源制御装置の種類によっては,電源オフからオンまでの間隔が短いために,正しくホストが起動されない場合があります。

(2) マネージャーホストがエージェントホストの停止を検知しない

次に示す現象のどれか,または複数が発生することがあります。

上記に該当する場合は,停止スクリプトファイル(/usr/lib/jp1_aom/stop)を「vi」などのエディタを使用して次のように設定します。

(変更前)
/usr/bin/jp1_aom/jaomstop
(変更後)
/usr/bin/jp1_aom/jaomstop
for i in 1 2 3 4 5
do
 /bin/sleep 2
 if ps -ef | grep 'HITACHI JP1[/]PW jaomrpwd' >/dev/null
 then
  :
 else
  exit 0
 fi
done
注意
追加する行に含まれる「:」は,「半角のコロン(:)」です。

(3) 「jaompwagt v」コマンドを実行するとエージェントホストが稼働中にもかかわらず「状態不明」と表示される

(a) マネージャーホストとエージェントホストが正しく設定されていない

マネージャーホストでエージェントホストの情報が,また,エージェントホストでマネージャーホストの情報が正しく設定されているかどうか確認してください。

FAQ Q7も参照してください。

(b) マネージャーホストとエージェントホストのネットワークの設定が正しくない

マネージャーホストとエージェントホストそれぞれで,pingコマンドなどを実行してアドレス解決してください。アドレス解決できない場合は,ホスト間のネットワークの設定を正しくしてください。

(c) エージェントホスト名が正しく設定されていない

ホスト名には,そのホストで動作しているJP1/Baseのイベントサーバ名を設定してください。デフォルトのイベントサーバ設定の場合は,デフォルトのイベントサーバ名を設定します。また,FQDN形式のイベントサーバ設定の場合はFQDN名を設定します。入力するホスト名とイベントサーバ名が一致していなければ正しく運用できませんので,同じ名前で登録されているか確認してください。JP1/Baseのイベントサーバ名の設定は,大文字と小文字が区別されます。例えば,「ABC」と「Abc」は,別のホストとみなされます。JP1/Baseのイベントサーバ名については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(d) マネージャーホストおよびエージェントホストで,サービスまたはデーモンが起動していない

マネージャーホストおよびエージェントホストで次のサービスまたはデーモンが起動しているかどうか確認してください。起動している必要があるサービスまたはデーモンを次の表に示します。

表19-6 マネージャーホストおよびエージェントホストで起動するサービスまたはデーモン

ホストのOS ホスト サービスまたはデーモン
UNIX マネージャーホスト
  • JP1/Base Eventサービス
  • JP1/Power Monitorデーモン(リモート電源連携デーモン)
エージェントホスト
  • JP1/Base Eventサービス
  • JP1/Power Monitorデーモン(リモート電源連携デーモン)
Windows エージェントホスト
  • JP1/Base Control Serviceサービス
  • JP1/Base Eventサービス
  • JP1/PW Agent Serviceサービス
(e) マネージャーホストとエージェントホストの日付と時刻が合っていない

それぞれのホストで,日付と時刻が合っているか確認してください。

(f) JP1/Baseが正しく設定されていない

マネージャーホストおよびエージェントホストのJP1/Baseが正しく設定されているか確認してください。

(4) APC社製のSNMPアダプターとSmart-UPS(またはSymmetra)に接続したエージェントホストを起動・終了できない

(a) 電源制御装置がエージェントホストに接続されていない

SNMPアダプターおよびSmart-UPS(またはSymmetra)がエージェントホストに接続されているかどうか確認してください。

(b) 電源制御装置の環境設定が正しくない

SNMPアダプターおよびSmart-UPS(またはSymmetra)の環境設定が正しいかどうか確認してください。

(5) 「jaomstart」コマンドを実行しても,JP1/Power Monitorリモート電源連携デーモンが起動しない

(a) リモート電源連携構成定義ファイルのactiveパラメーターにnが指定されている

マネージャーホストとエージェントホストの両方で,リモート電源連携構成定義ファイル(rpw_confファイル)のactiveパラメーターにyを指定してください。

(6) 日立製作所製の遠隔電源制御装置(THE-RP-0010)に接続したエージェントホスト,または遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使用したエージェントホストを起動・終了できない

(a) 同一の遠隔電源制御装置に対し連続して電源制御を実行した

遠隔電源制御装置は電源制御の実行中に新たな要求を受理できません。このため,同一の遠隔電源制御装置に対し連続して電源制御を実行する場合,時間を置いて再実行してください。