JP1/Power Monitor

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19.5.2 JP1/Power Monitorによる自ホストの起動・終了時のトラブル

UNIXホストのJP1/Power Monitor によって自ホストが起動・終了するときに発生するトラブルの現象を次の表に示します。

表19-3 自ホストの起動・終了時のトラブル一覧

項番 現象
1 スケジュールで設定した時刻に,ホストの電源がオンにならない。
2 スケジュールで設定した時刻に,ホストの電源がオフにならない。
3 監視対象ホストの運用中に,自ホストが終了した。
4 ホストを再起動できない。
5 ホストをシングルユーザーモードにできない。

次に,考えられる原因と対処方法をトラブルの現象ごとに説明します。

<この項の構成>
(1) スケジュールで設定した時刻に,ホストの電源がオンにならない
(2) スケジュールで設定した時刻に,ホストの電源がオフにならない
(3) 監視対象ホストの運用中に,自ホストが終了した
(4) ホストを再起動できない
(5) ホストをシングルユーザーモードにできない

(1) スケジュールで設定した時刻に,ホストの電源がオンにならない

(a) 電源制御装置がホストに接続されていない

インストールとセットアップの手順に従って,電源制御装置をホストに接続してください。電源制御装置を使わないでホストを運用する場合,ホストの再起動はできますが,電源オフまたはスタンバイの状態から電源オンはできません。

(b) 電源制御装置が正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力され,そのメッセージの中の「次回電源投入時刻」が正しい場合,電源制御装置が正しく設定されていない可能性があります。各製品のマニュアルを参照し,電源制御装置を正しく設定し直してください。

(c) 電源制御装置自身の電源がオフになっている

電源制御装置の電源をオンにしてください。

(d) UPS機能を搭載した電源制御装置を使っている場合,前回,長時間の停電が原因でホストがシャットダウンされた

ホストの電源を手動でオンにしてください。

(e) 運転スケジュール定義ファイルが正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力され,そのメッセージの中の「次回電源投入時刻」が誤っている場合,またはメッセージKAVP0183-Iが出力されない場合,運転スケジュール定義ファイルに次回電源投入時刻が正しく設定されていない可能性があります。運転スケジュール定義ファイルの設定内容を確認してください。

(f) 構成定義ファイルが正しく設定されていない

構成定義ファイルの設定内容を確認してください。

(g) 前回のシャットダウン時にJP1/Power Monitorを使わなかった

ホストの電源を手動でオンにしてください。ホストをシャットダウンするときは,次回から必ずJP1/Power Monitorでシャットダウンしてください。

(h) ホストの電源オフからオンまでの間隔が短過ぎる

ホストのシャットダウンに必要な時間を考慮し,ホストの電源オフからオンまでに十分な間隔を設定してください。Smart-UPSやSymmetraなど,電源制御装置の種類によっては電源オフからオンまでの間隔が短いために正しくホストが起動されない場合があります。

(i) PowerChute plusを使っている場合,ホストの電源オフから電源オンまでの間隔が168時間以上に設定されている

次のどれかの方法で対処してください。

ホストの電源オフの時刻から電源オンまでの間隔が168時間以上になっていると,PowerChute plusで設定されている電源オン時刻にホストの電源がオンになります。

(j) PowerChute plusを使っている場合,ホストが自動的に再起動する構成になっていない

電源再供給後,ホストが自動的に再起動する構成にしてください。または,ホストの電源がオンになっているかどうか確認してください。ホストの電源は,オンのままにしてください。

構成の確認については,ご使用のホストのハードウェアマニュアルなどを参照してください。

(2) スケジュールで設定した時刻に,ホストの電源がオフにならない

(a) 電源制御装置がホストに接続されていない

インストールとセットアップの手順に従って,電源制御装置をホストに接続してください。電源制御装置を使わないでホストを運用する場合,ホストのシャットダウンはできますが,電源オフはできません。

(b) 電源制御装置が正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力され,そのメッセージの中の「次回電源投入時刻」が正しい場合,電源制御装置が正しく設定されていない可能性があります。各製品のマニュアルを参照し,電源制御装置を正しく設定し直してください。

(c) 電源制御装置本体のスイッチが正しく設定されていない

各製品のマニュアルを参照し,電源制御装置本体のスイッチを正しく設定し直してください。

(d) 電源制御装置のシリアルポートを設定する場合,ほかのソフトウェアやサービスのシリアルポートを重複して設定している

シリアルポートが重複しないように設定してください。

(e) JP1/Power Monitorデーモンが起動していない

JP1/Power Monitorデーモンが起動しているかどうか確認してください。停止していた場合,jaomstartコマンドを実行してJP1/Power Monitorデーモンを起動してください。

(f) JP1/AJS3のジョブ(ジョブネット)の監視を設定している場合,実行中のジョブ(ジョブネット)がある

JP1/AJS3の実行状況を確認してください。ホストの強制終了を実行しても,JP1/AJS3が停止するまでホストは終了しません。

(3) 監視対象ホストの運用中に,自ホストが終了した

(a) 他ホストの監視時にタイムアウトが発生した

ネットワーク性能が他ホスト監視機能の下限を下回っている可能性があります。

監視対象ホストとのネットワーク性能は,10秒以内のレスポンスが必要です。それを超えた場合,監視しているホストが停止中であると判断します。ホスト間の速度については,pingコマンドで確認してください。

DNSまたはWINSを使ってホスト名を対応付けている場合には,他ホストとの通信に時間がかかることがあります。必要に応じて,監視対象のホスト名およびIPアドレスを「hosts」ファイルに定義することをお勧めします。

(4) ホストを再起動できない

(a) 構成定義ファイルが正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力されていない場合,構成定義ファイルが正しく設定されていない可能性があります。構成定義ファイルの設定内容を確認してください。

(b) 運転スケジュール定義ファイルが正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力されていない場合,運転スケジュール定義ファイルが正しく設定されていない可能性があります。運転スケジュール定義ファイルの設定内容を確認してください。

(c) PowerMonitorHおよびPowerMonitorH for Networkを使っている場合,alt_shutdownコマンドが使えない

PowerMonitorHおよびPowerMonitorH for Networkを使っていて統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力されている場合,alt_shutdownコマンドが環境に合っていない可能性があります。PowerMonitorHおよびPowerMonitorH for Networkの作成元にお問い合わせください。

(5) ホストをシングルユーザーモードにできない

(a) 構成定義ファイルが正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力されていない場合,構成定義ファイルが正しく設定されていない可能性があります。構成定義ファイルの設定内容を確認してください。

(b) 運転スケジュール定義ファイルが正しく設定されていない

統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力されていない場合,運転スケジュール定義ファイルが正しく設定されていない可能性があります。運転スケジュール定義ファイルの設定内容を確認してください。

(c) PowerMonitorHおよびPowerMonitorH for Networkを使っている場合,alt_shutdownコマンドが使えない

PowerMonitorHおよびPowerMonitorH for Networkを使っていて統合トレースログファイルにメッセージKAVP0183-Iが出力されている場合,alt_shutdownコマンドが環境に合っていない可能性があります。PowerMonitorHおよびPowerMonitorH for Networkの作成元にお問い合わせください。

(d) ホストのOSがSolarisである

ホストのOSがSolarisの場合は,シングルユーザーモードに切り替えられません。