JP1/Power Monitor

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6.2.7 電源制御装置を制御するコマンドを作成する

次の場合,JP1/Power Monitorと連携できるように,エージェントホストの電源制御装置を制御するコマンドをマネージャーホストで作成する必要があります。

このような場合,次に示すコマンドインターフェースで動作するコマンドをマネージャーホストで作成してください。エージェントホストでエージェントホストの電源制御装置を制御するコマンドの作成方法については,「6.1.7 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。

電源制御装置を使って他ホストを起動・終了するときに使用するコマンドの機能および形式を説明します。作成したコマンドは,リモート電源連携エージェント定義ファイルのctrl_cmdパラメーターに指定します。コマンドを作成する場合は,この仕様に従って作成してください。なお,コマンドの記述形式については,「15. コマンド」を参照してください。

形式
コマンド名称 { -r | -o | -f }
              { -h IPアドレス | -h ホスト名 | -h 電話番号 }
              [-p パスワードまたはコミュニティ名]
              [-O 次回電源投入時刻]
              [-c チャネル番号]
              [-t 猶予時間]
「コマンド名称」には任意の半角英数字を指定します。
{ -r | -o | -f } は,この中から一つ以上を必ず指定します。
{ -h IPアドレス | -h ホスト名 | -h 電話番号}は,この中からいずれかを必ず指定します。
機能
他ホストの強制再起動,強制電源オン,および強制電源オフを実行します。
引数
-r
ホストを強制再起動します。
-o
ホストを強制電源オンします。
-f
ホストを強制電源オフします。
-h IPアドレス,-h ホスト名,または-h 電話番号
エージェントホストに接続された電源制御装置のIPアドレスまたは電源制御装置の名称を255バイト以内で指定します。この引数は,省略できません。使用する電源制御装置によっては,電話番号を50バイト以内で指定することもできます。
-p パスワードまたはコミュニティ名
パスワードは8文字以内で指定します。
電源制御装置へのアクセスにLANや,SNMPアダプターを使用する場合は,必要に応じてコミュニティ名またはパスワードを指定します。
電源制御装置へのアクセスに電話回線を使用する場合は必要に応じてパスワードを指定します。
-O 次回電源投入時刻
ホストを強制電源オフしたあと,次回,ここで指定した時刻に電源をオンにします。「-O」は,大文字で指定してください。
次回電源投入時刻は,「//.:」の形式で指定します。例えば,2001年7月31日午前8時30分を次回電源投入時刻として設定したい場合,「2001/07/31.08:30」と指定します。「年」は,4バイトの数値で,「年」以外は,2バイトの数値で指定します。
この引数は,オプション-oまたは-fを指定した場合だけ有効になります。ただし,使用する電源制御装置が,ホストを強制電源オンまたは強制電源オフするときに,次回電源投入時刻を設定できない仕様の場合,ここで指定した時刻は,無効になります。
-c チャネル番号
電源制御装置を制御する出力チャネルまたは機器が複数ある場合に,制御したい出力チャネルまたは機器の番号を0〜9,999以内の数値で指定します。
この引数を省略した場合,接続されている電源制御装置全体を制御します。
-t 猶予時間
電源制御装置を制御するコマンドを使用する場合に,実際に制御(強制電源オン,強制電源オフまたは強制再起動)するまでの猶予時間を0から600(単位:秒)までの数値で設定します。なお,猶予時間が設定できない電源制御装置を使用している場合は,ここで設定された値は無効にしてください。
注意事項
  • コマンド作成上の注意事項
    コマンドの実行中は,画面に表示されないので,キーボードやマウスからユーザーが入力できないようにコマンドを作成してください。
    また,コマンドを実行するときに,メッセージやダイアログボックスを表示させると処理が停止してしまうので,コマンドを実行した結果は,戻り値で示すように作成してください。コマンド実行時の電源制御装置の状態と動作について,推奨する動作を次の表に示します。

    表6-10 コマンドを実行するときの電源制御装置の状態と動作

    ホストの状態 引数 コマンドの実行結果 電源制御装置の状態と動作
    電源オフ -f 正常終了 ホストの電源は,引き続きオフのまま。
    -r 正常終了 ホストの電源は,オンにする。
    電源オン -o 正常終了 ホストの電源は,引き続きオンのまま。
    電源供給が異常な状態
    (停電時など)
    -f 異常終了 電源制御装置は,異常時の処理を続ける。
    戻り値の推奨値は,「18」。
    -r 異常終了 電源制御装置は,異常時の処理を続ける。
    戻り値の推奨値は,「18」。
    -o 異常終了 電源制御装置は,異常時の処理を続ける。
    戻り値の推奨値は,「18」。
  • コマンド実行時の注意事項
    オプション-tで設定した時間を超えても処理が終了しない場合,JP1/Power Monitorは,コマンドプロセスを打ち切ります。
戻り値
0(正常終了) 処理が正常に終了しました。
4 処理が正常に終了しました。ただし,設定が無視されたパラメーターがありました。
8 処理が正常に終了しませんでした。再度処理を実行してください。
16 パラメーターに誤りがあります。
17以上 処理が正常に終了しませんでした。
使用例
エージェントホストhost1を強制電源オフしたあと,2002年6月30日午前8時30分に,電源がオンになるように指定します。
任意のコマンド名称)-h host1 -f -O 2002/06/30.08:30