1.2.5 Webトランザクションの計測テスト
PFM - Agent for Service Responseでは,定義されたWebトランザクションの計測テストを実行できます。
計測テストのコマンド(jpcvtest)を実行することでWebトランザクションの定義に従ってHTTP(S)リクエストを発行し,そのレスポンスの取得可否を標準出力で確認できます。詳細は,「10. コマンド」の「jpcvtest(計測テストを実行する)」を参照してください。
Webトランザクションの計測テストの概要を次の図に示します。
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計測テストのコマンド(jpcvtest)では,次の定義ファイルが読み込まれます。計測するWebトランザクションの定義内容や作成方法は,「1.2.3 Webトランザクションの計測」と同じです。
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Probe動作条件定義ファイル(esp.conf)
PFM - Agent for Service Responseの起動オプションを定義するファイルです。計測テストのコマンド(jpcvtest)によるWebトランザクションの計測時に,次のオプションが読み込まれ,使用されます。
表1‒3 計測テストのコマンド(jpcvtest)で使用されるProbe動作条件定義ファイルのキー セクション
キー名
General
mode
disable_ssl_protocol
html_script_skip_flag
WEBTRANS Probe
max_keep_alive_session
skip_emb_rsc_error
post_redirect_method
Cluster
cluster_flag
shared_directory
詳細については,「7.2 Probe動作条件定義ファイル(esp.conf)」を参照してください。
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計測条件登録ファイル(esptask.xml)
計測対象のサービスタイプ,ホスト名,計測間隔などの計測条件を定義するファイルです。PFM - Web Consoleから設定するか,または直接編集します。
計測テストの対象となるWebトランザクションの定義が読み込まれます。
PFM - Web Consoleからの設定については,「3.7 PFM - Web Consoleからの計測条件の定義」を参照してください。計測条件登録ファイルの詳細については,「7.3 計測条件登録ファイル(esptask.xml)」を参照してください。
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Webトランザクションファイル
計測対象となるWebトランザクションのアクセス先のURL,Web認証,プロキシなどの情報を定義するファイルです。詳細については,「7.5 Webトランザクションファイル」を参照してください。
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パスワードファイル(esp.pdb)
計測対象のインターネットサービスへログインする際に必要なパスワードを登録・管理するファイルです。詳細については,「3.3.1 パスワードの登録」を参照してください。
Webトランザクションの計測テストは,Webトランザクション新規作成時に本番運用へ適用する前に事前確認を行う場合や監視しているWebサイトに変更があったために計測可能かを確認する場合などに使用できます。
計測テストの利用ケースを次の表に示します。
利用ケース |
具体例 |
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Webトランザクション新規作成時の確認 |
PFM - Agent for Service Response導入時や,監視するWebトランザクションを追加する場合を想定 |
新規作成したWebトランザクションファイルで監視できるかどうかを事前確認する。 |
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監視対象サーバ側の設定変更後の確認 |
Webコンテンツに変更が生じた場合を想定 |
監視対象ページ上のボタンやフレームなどの構成を変更後にも,監視できるかどうかを確認する。 |
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サーバ設定を変更した場合を想定 |
ネットワーク構成 |
変更後に,変更前と同じように監視できるかどうかを確認する。 |
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セキュリティ |
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Webサーバの機能としての設定(同時アクセス数など) |
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PFM - Agent for Service Responseの定義変更後の確認 |
監視対象のWebトランザクションの定義を変更した場合を想定 |
Webトランザクションファイルの定義を変更(遷移先ページの変更やページ上の操作内容を変更)後に,監視できるかどうかを確認する。 |
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計測条件の定義を変更した場合を想定 |
タイムアウト時間を変更(タイムアウト時間を短くするなど)した場合に,計測結果がタイムアウトしないで,問題なく計測できているかどうかを確認する。 |
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認証を要求されるWebページのパスワードを変更した場合を想定 |
変更後のパスワードでWebページが問題なく認証され,監視できることを確認する。 |
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証明書ファイルの新規登録や入れ替えを行った場合を想定 |
問題なく認証され,監視できることを確認する。 |
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Webサーバの稼働状況の確認 |
システム管理者の日常業務,メンテナンス業務を想定 |
定期運用でのWebサーバ再起動後,稼働状態となったかどうかを確認する。 |