7.1.6 トラブルの要因調査に使用する資料を採取する
次の場合には,要因調査に使用する資料を採取した上で,システム管理者に連絡する必要があります。
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メッセージに対処できない場合
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メッセージに従って対処しても改善しない場合
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トラブルが発生しているのにメッセージが出力されていない場合
ここでは,トラブルの要因調査に使用する資料の採取方法について説明します。
なお,トラブル発生時にエラーダイアログボックスが表示された場合は,表示された状態で資料の採取を始めてください。
(1) 作業手順
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スレッドダンプを採取する。
次のコマンドの実行結果を採取してください。
- JP1/ITSLM - Managerの場合:
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JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\system\psb\jdk\jre\bin\jheapprof△-f△-p△プロセスID
- JP1/ITSLM - URの場合:
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JP1/ITSLM - URのインストール先フォルダ\ur\system\psb\jdk\jre\bin\jheapprof△-f△-p△プロセスID
プロセスIDには,Windowsの[タスクマネージャー]の[プロセス]タブを開き,次に示すJP1/ITSLMのプロセスのプロセスIDを指定してください。
- JP1/ITSLM - Managerの場合:
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・cjstartweb.exe
・jslmmengine.exe(すべてのjslmmengine.exe)
・jslmmpcollect.exe
・jslmmRMI.exe
・jslmmUR.exe
・jslmmadaptor.exe
・jslmmdao.exe
- JP1/ITSLM - URの場合:
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・jslmuengine.exe
・jslmuRMI.exe
・jslmuUR.exe
JP1/ITSLMのプロセスと同じ名称のプロセスが[プロセス]タブにある場合は,対象のプロセスを右クリックで選択し,表示されたコンテキストメニューの中から,[プロパティ]を選択して[全般]タブの[場所]がJP1/ITSLMのインストール先フォルダ下であるかどうかを確認することで,JP1/ITSLMのプロセスであるかを判定できます。
例えば,JP1/ITSLM - Managerのプロセスであるcjstartweb.exeの場合,JP1/ITSLM - Managerインストール先フォルダが「C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM」であれば,cjstartweb.exeの[全般]タブの[場所]は「C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\system\psb\CC\web\bin」となります。
[プロセス]タブにプロセスIDが出力されていない場合は,[表示]−[列の選択]を選択し,[PID(プロセスID)]をチェックしてください。
スレッドダンプを採取するためのコマンドの詳細については,「7.2.4 スレッドダンプ」を参照してください。
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資料採取コマンドを実行する。
次の資料採取コマンドを実行してください。
- JP1/ITSLM - Managerの場合:
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JP1/ITSLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\bin\jslmminfoget.bat
- JP1/ITSLM - URの場合:
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JP1/ITSLM - URのインストール先フォルダ\ur\bin\jslmurinfoget.bat
なお,資料採取コマンドの詳細については,「9. コマンド」の「jslmminfoget(JP1/ITSLM - Managerのトラブルの要因調査に使用する資料の採取)」,または「jslmurinfoget(JP1/ITSLM - URのトラブルの要因調査に使用する資料の採取)」を参照してください。
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OSの統計情報を採取する。
統計情報の採取には,Windowsのパフォーマンスモニターを使用します。パフォーマンスモニターは,Windowsの[スタート]メニューから[管理ツール]−[パフォーマンス モニター]を選択すると表示できます。
OSの統計情報として採取が必要なパラメーターは次の表のとおりです。
表7‒2 OSの統計情報として採取が必要なパラメーター オブジェクト
インスタンス
カウンタ
Processor
_Total
%Processor Time
%Privileged Time
%User Time
Memory
なし
Cache Bytes
Cache Faults/sec
Page Faults/sec
Transition Faults/sec
Process
_Total
Handle Count
Page Faults/sec
Private Bytes
Virtual Bytes
Working Set
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トラブル発生時の操作内容を記録する。
手順1.〜3.に従い,資料の採取が完了したら,トラブル発生時の操作内容を記録してください。記録する必要がある情報は次のとおりです。
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トラブル発生直前の操作内容の詳細
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発生しているトラブルの詳細
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トラブルが発生した時刻
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システム構成(OSのバージョン,ホスト名,JP1/ITSLM - ManagerやJP1/ITSLM - URの構成)
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トラブルの再現性
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ログインユーザー名
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画面上のエラー情報を採取する。
キーボードの「Ctrl」キー+「PrintScreen」キーを押して,トラブル発生時の画面情報を採取してください。採取する必要がある情報は次のとおりです。
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JP1/ITSLMおよびOSが出力しているエラーメッセージ
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エラーダイアログボックス
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コマンドが出力しているメッセージ
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ユーザーダンプを採取する。
JP1/ITSLMのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,エラーダイアログボックスが表示されている状態で,Windowsの[タスクマネージャー]の[プロセス]タブを開き,停止したプロセスを右クリックで選択します。表示されたコンテキストメニューの中から,[ダンプファイルの作成]を選択してユーザーダンプを採取します。
JP1/ITSLMのプロセスは次のとおりです。
- JP1/ITSLM - Managerの場合:
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・cjstartweb.exe
・jslmmengine.exe(すべてのjslmmengine.exe)
・jslmmpcollect.exe
・jslmmprocctrl.exe
・jslmmRMI.exe
・jslmmUR.exe
・jslmmadaptor.exe
・jslmmdao.exe
- JP1/ITSLM - URの場合:
-
・jslmuengine.exe
・jslmuprocctrl.exe
・jslmuRMI.exe
・jslmuUR.exe
JP1/ITSLMのプロセスと同じ名称のプロセスが[プロセス]タブにある場合は,対象のプロセスを右クリックで選択し,表示されたコンテキストメニューの中から,[プロパティ]を選択して[全般]タブの[場所]がJP1/ITSLMのインストール先フォルダ下であるかどうかを確認することで,JP1/ITSLMのプロセスであるかを判定できます。
例えば,JP1/ITSLM - Managerのプロセスであるcjstartweb.exeの場合,JP1/ITSLM - Managerインストール先フォルダが「C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM」であれば,cjstartweb.exeの[全般]タブの[場所]は「C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\system\psb\CC\web\bin」となります。
- 注意
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正確なユーザーダンプを採取するため,必ずエラーダイアログボックスが表示されている状態で採取してください。
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JP1/ITSLMのインストール時のログファイルを採取する。
JP1/ITSLMのインストール時のログファイルは,JP1/ITSLMのインストールに失敗した場合にだけ採取する必要があります。
JP1/ITSLMのインストールに失敗した場合は,OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウントで次に示すコマンドを実行し,インストーラーを実行してログファイルを採取してください。
- JP1/ITSLM - Managerの場合:
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cd△JP1/ITSLM - Managerのインストーラー(MSIファイル)の格納先フォルダ
msiexec.exe△/i△ITSLM_MGR.msi△/l*vx△JP1ITSLM_MGR.log
- JP1/ITSLM - URの場合:
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cd△JP1/ITSLM - URのインストーラー(MSIファイル)の格納先フォルダ
msiexec.exe△/i△ITSLM_UR.msi△/l*vx△JP1ITSLM_UR.log
また,次に示すフォルダ(フォルダ下のファイルを含む)を採取してください。
- JP1/ITSLM - Managerの場合:
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%TEMP%※\Hitachi\JP1ITSLMM\hliclib
- JP1/ITSLM - URの場合:
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%TEMP%※\Hitachi\JP1ITSLMU\hliclib
注※ %TEMP%は,環境変数TEMPの示すパスです。
すべての資料を採取できれば,トラブルの要因調査に使用する資料の採取は完了です。