画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編

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8.3.9 COBOLによるトランザクション型AP例(OpenTP1を使用した受発注業務)

OLTPサーバ構成での受発注業務の例題です。

例題ではXMAP3クライアントを停止することで業務を終了(初期画面を閉じる)しますが,APからコネクションを解放するコマンド(mcftdctcn)を発行することで業務を終了することもできます。この場合,初期画面に[終了]ボタンを追加し,そのイベント処理でコマンドを発行します。業務を再開するときは,XMAP3クライアントを終了させ,再起動してください。

コネクションを解放するコマンドについては,マニュアル「OpenTP1プロトコル TP1/NET/XMAP3編」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 想定する受発注業務の概要
(2) 受発注業務の流れとサーバAPの関連
(3) 受発注業務の動作環境

(1) 想定する受発注業務の概要

この例題で想定する受発注業務の概要を次の図に示します。

図8-66 受発注業務の概要

[図データ]

  1. 「XMAP3クライアント」を起動すると,初期画面(「利用者名入力画面」)が表示される。
  2. 初期画面で[OK]ボタンを選ぶと,メニュー画面(「受注伝票発行業務」画面)が表示される。
  3. メニュー画面で[受注データ修正]ボタンを選ぶと,修正ヘッダ画面(「受注データ修正:ヘッダ」画面)が表示される。
  4. 修正ヘッダ画面の[ファイル]-[明細]コマンドを選ぶと,修正明細画面(「受注データ:明細」画面)が表示される。
  5. 修正明細画面で[ファイル]-[終了]コマンド,または[ファイル]-[取消]コマンドを選ぶと,修正ヘッダ画面に戻る。
  6. 修正ヘッダ画面で[ファイル]-[終了]コマンドを選ぶと,メニュー画面に戻る。
  7. メニュー画面で[今月の販促ツール]ボタンを選ぶと,販促画面(「受発注業務:販促ツール」画面)が表示される。
  8. 販促画面で[EXIT]ボタンを選ぶと,メニュー画面に戻る。
  9. メニュー画面で[注文書印刷]ボタンを選ぶと,帳票が印刷される。
  10. メニュー画面で[業務終了]ボタンを選ぶと,初期画面に戻る。
  11. 「XMAP3クライアント」を停止すると,初期画面が閉じられる。

(2) 受発注業務の流れとサーバAPの関連

受発注業務で使用する画面と,サーバ側PCで実行するAPとの関連を,業務の流れに基づいて説明します。

(a) XMAP3クライアントの起動からメニュー画面の表示まで

XMAP3クライアントを起動してからメニュー画面の表示処理,およびメニュー画面から初期画面への遷移処理について,トランザクションの流れを次の図に示します。

図8-67 XMAP3クライアントの起動〜メニュー画面

[図データ]

  1. クライアント側で「XMAP3クライアント」を起動すると,連携するサーバ側のAP(またはコマンド)によって,OpenTP1のコネクション要求が発行される。コネクションが確立されたあと,初期画面が表示される。
  2. 初期画面でイベントを発生させると,初期画面のトランザクションコード(MCF1G)に対応したAP「MCF1G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  3. 2で発生したイベントが「[OK]ボタンの選択」の場合,「MCF1G.exe」からメニュー画面に対するSEND要求が発行され,「MCF1G.exe」が終了する。
  4. メニュー画面でイベントを発生させると,メニュー画面のトランザクションコード(MCF2G)に対応したAP「MCF2G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  5. 4で発生したイベントが「[業務終了]ボタンの選択」の場合,「MCF2G.exe」から初期画面に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF2G.exe」が終了する。

4で発生したイベントが「未サポート業務([受注データ修正]ボタン,および[売上状況表示]ボタン)の選択」の場合,「MCF2G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行されます。その後,「MCF2G.exe」が終了します。
(b) メニュー画面から修正ヘッダ画面,修正明細画面の表示まで

メニュー画面から修正ヘッダ画面,および修正明細画面との遷移について,トランザクションの流れを次の図に示します。

図8-68 メニュー画面〜修正ヘッダ画面〜修正明細画面

[図データ]

  1. メニュー画面でイベントを発生させると,メニュー画面のトランザクションコード(MCF2G)に対応したAP「MCF2G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  2. 1で発生したイベントが「[受注データ修正]ボタンの選択」の場合,「MCF2G.exe」から修正ヘッダ画面の表示に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF2G.exe」が終了する。
  3. 修正ヘッダ画面でイベントを発生させると,修正ヘッダ画面のトランザクションコード(MCF3G)に対応したAP「MCF3G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  4. 3で発生したイベントが「[ファイル]-[明細]コマンドの選択」の場合,「MCF3G.exe」から修正明細画面(二次ウィンドウ)の表示に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF3G.exe」が終了する。
  5. 3で発生したイベントが「[ファイル]-[終了]コマンドの選択」の場合,「MCF3G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF3G.exe」が終了する。
  6. 修正明細画面でイベントを発生させると,修正明細画面のトランザクションコード(MCF4G)に対応したAP「MCF4G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  7. 6で発生したイベントが「[ファイル]-[終了]コマンドの選択」,または「[ファイル]-[取消]の選択」の場合,「MCF4G.exe」から修正ヘッダ画面の表示に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF4G.exe」が終了する。

1で発生したイベントが「未サポート業務([受注データ修正]ボタン,および[売上状況表示]ボタン)の選択」の場合,「MCF2G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行されます。その後,「MCF2G.exe」が終了します。
(c) メニュー画面から販促画面の表示まで

メニュー画面から販促画面との遷移までについて,トランザクションの流れを次の図に示します。

図8-69 メニュー画面〜販促画面

[図データ]

  1. メニュー画面でイベントを発生させると,メニュー画面のトランザクションコード(MCF2G)に対応したAP「MCF2G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  2. 1で発生したイベントが「[今月の販促ツール]ボタンの選択」の場合,「MCF2G.exe」から販促画面の表示に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF2G.exe」が終了する。
  3. 販促画面でイベントを発生させると,販促画面のトランザクションコード(MCF5G)に対応したAP「MCF5G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  4. 3で発生したイベントが「[EXIT]ボタンの選択」の場合,「MCF5G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行される。その後,「MCF5G.exe」が終了する。

1で発生したイベントが「未サポート業務([受注データ修正]ボタン,および[売上状況表示]ボタン)の選択」の場合,「MCF2G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行されます。その後,「MCF2G.exe」が終了します。
(d) メニュー画面から帳票の出力まで

メニュー画面から帳票の出力までについて,トランザクションの流れを次の図に示します。

図8-70 メニュー画面〜帳票出力

[図データ]

  1. メニュー画面でイベントを発生させると,メニュー画面のトランザクションコード(MCF2G)に対応したAP「MCF2G.exe」が起動され,RECEIVE命令が実行される。
  2. 1で発生したイベントが「[注文書印刷]ボタンの選択」の場合,「MCF2G.exe」から帳票の出力命令が発行される。
  3. 帳票の印刷終了後,「MCF2G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行され,「MCF2G.exe」が終了する。

1で発生したイベントが「未サポート業務([受注データ修正]ボタン,および[売上状況表示]ボタン)の選択」の場合,「MCF2G.exe」からメニュー画面の表示に対するSEND要求が発行されます。その後,「MCF2G.exe」が終了します。

(3) 受発注業務の動作環境

OLTPサーバ構成用のAPを実行する場合,あらかじめTP1/NET/XMAP3側やXMAP3側での動作環境を設定しておく必要があります。ここでは,本例題を実行するために必要な,動作環境の設定例を説明します。

(a) TP1/NET/XMAP3での環境設定
(b) XMAP3側での環境設定
(c) 実行環境の設定