画面・帳票サポートシステム XMAP3 入門

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1.3 XMAP3を使った業務開発の流れを紹介します

XMAP3を使った業務開発の流れについて説明します。ここでは,アプリケーションプログラムの開発にCOBOL2002またはCOBOL85を使用する場合について説明します。業務の流れは,次の四つのパターンについて説明します。

なお,XMAP3/Webを利用した業務開発の流れについては,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3/Web」を,XMAP3/Web for Cosminexusを利用した業務開発の流れについては,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3/Web for Cosminexus」を参照してください。

<この節の構成>
(1) PCを利用したシステム開発の流れ
(2) WSを利用したシステム開発の流れ
(3) メインフレームとPCを分散したシステム開発の流れ
(4) メインフレームの定義ツールとして利用する開発の流れ

(1) PCを利用したシステム開発の流れ

XMAP3には,画面や帳票の業務開発に使用するさまざまな機能が用意されています。次に,XMAP3を利用したPC用システムでの開発の流れ(新規パターン作成の業務開発)を,図1-5および図1-6に示します。

図1-5 PCを利用したシステム開発の流れ(1/2)

[図データ]

図1-6 PCを利用したシステム開発の流れ(2/2)

[図データ]

 

  1. XMAP3の概要を理解します
    業務開発を始める前に,XMAP3でどのようなことができるか,また,どのような手順で作業を進めればよいかを理解しましょう。XMAP3の概要を理解するために,次に示すドキュメントやサンプル機能を利用できます。

    入門マニュアル,またはXMAP3ホームページのデモプログラム
    入門マニュアル,またはXMAP3ホームページのデモプログラムを参照します。

    APサンプル
    ソースプログラムや画面・帳票のレイアウト定義のサンプルが提供されています。実際にプログラムを実行することもできます。

    定義サンプル
    画面や帳票のレイアウト定義のサンプルが提供されています。

  2. 画面や帳票のイメージを考えます
    ドロー機能で実際に画面・帳票を定義する前に,どのような形式の画面・帳票を定義するかを設計します。定義したい画面や帳票のレイアウト,画面の遷移などを考えます。あわせて,画面・帳票の定義サンプルの中で参考になるものはないかを検討します。
    レイアウトはXMAP3のウィンドウ上で直接定義するので,ここでは,ラフスケッチなどで大体のイメージを把握しておく程度で十分です。また,ここで,あらかじめデータ設計をしておきます。画面または帳票の設計については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編」または「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 帳票編」を参照してください。

  3. 画面や帳票のレイアウトを定義し,マップを生成します
    2.で考えたイメージを基に,ドロー機能を使って画面,帳票,または書式のレイアウトを定義します。
    レイアウトの定義を始める前に,必要に応じてXMAP3の開発環境をカスタマイズします。開発環境の設定には,ドローセットアップ機能を使います。画面の外観や操作キーの割り当て,プリンタの印刷モードなど,ユーザの使用環境に合わせて,表示または印刷の各種設定ができます。テスト表示またはテスト印刷するためには,表示・印刷セットアップ機能を使います。
    また,レイアウトのひな型となるレイアウトパターンレイアウト部品も必要に応じてドロー機能を使って作成しておきます。
    定義したレイアウトや画面遷移は,テスト支援機能を使って,表示または印刷して確認します。画面を印刷物として保管したい場合は,ハードコピー機能を使用することもできます。また,ドキュメンテーション支援機能を使用すると,マップ一覧,レイアウトリストなどを出力でき,レイアウト定義の確認や,作成したファイルの管理に利用できます。
    レイアウトに問題がなければ,定義情報をマップ定義ファイルに保管し,アプリケーションプログラムの実行に必要なマップを生成します。
    なお,ユティリティを使うと,1台のPCでドローセットアップ機能を使って設定した開発環境を,複数のPCに配布できます。

  4. アプリケーションプログラムをコーディングします
    XMAP3では,コーディングのひな型となるAPパターンを標準提供しています。プログラムの処理内容に応じたAPパターンを利用し,エディタを使ってコーディングします。また,必要に応じ,APサンプルのソースプログラムを参考にしてコーディングします。

  5. アプリケーションプログラムをコンパイル,実行してテストします
    作成したアプリケーションプログラムをCOBOL2002やCOBOL85などのコンパイラでコンパイルし,リンケージします。このとき,画面または帳票を使用するプログラムでは,COPY文に指定した論理マップが取り込まれます。
    また,アプリケーションを実行する前に,必要に応じて画面や帳票の実行環境を設定します。この作業には,表示・印刷セットアップ機能を使います。
    コンパイルを終えたあと,アプリケーションプログラムを実行してテストしましょう。必要に応じてロギング支援機能を使い,実行時のログ情報を取得します。

  6. アプリケーションプログラムを保守,運用します
    完成したアプリケーションプログラムを保守,運用します。定義したマップは,ドキュメンテーション支援機能を使って保守ドキュメントを出力します。
    また,このとき,ユティリティを使ってマップや環境設定の情報などを一括バックアップすることができます。ユティリティを使うと,1台のPCで表示・印刷セットアップなどで設定した実行環境を,複数のPCに配布するためにバックアップすることができます。バックアップした実行環境は,JP1/NETM/DMなどを利用して配布し,ユティリティを使ってリストアします。

ドローセットアップ,表示・印刷セットアップについては,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

レイアウト定義で使用するオブジェクトやアプリケーションプログラムの作成方法の詳細については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編」または「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 帳票編」を参照してください。

XMAP3の各機能を操作しているとき,ヘルプを利用すると,詳細な操作方法や説明が参照できます。

(2) WSを利用したシステム開発の流れ

ターゲットをWSに設定し,WSで利用していた資産(パネル定義文)をPCにインポートします。その後,PCのXMAP3を利用して画面・帳票を開発し,WS上でアプリケーションプログラムを開発する流れを,図1-7および図1-8に示します。

図1-7 WSを利用したシステム開発の流れ(1/2)

[図データ]

図1-8 WSを利用したシステム開発の流れ(2/2)

[図データ]

 

  1. ターゲットを設定します
    ドローセットアップ機能でターゲットとする業務開発環境(AIX(文字コード:シフトJIS)用の画面・帳票開発など)を設定します。

  2. レイアウトを定義し,マップを生成します
    定義したレイアウトをテスト表示したり,テスト印刷したりするために,あらかじめ表示・印刷セットアップ機能を使用して,画面環境の設定や印刷環境の設定をしておきます。
    SEWB3などの定義資産(パネル定義文)ユティリティのインポート機能を使って,マップ定義ファイルに変換します。変換されたマップ定義ファイルは,ドロー機能を使って画面,帳票,または書式のレイアウトを定義します。また,レイアウトのひな型となるレイアウトパターンレイアウト部品も必要に応じてドロー機能を使って作成しておきます。
    定義したレイアウトや画面遷移は,テスト支援機能を使って,表示または印刷して確認します。画面を印刷物として保管したい場合は,ハードコピー機能を使用することもできます。また,ドキュメンテーション支援機能を使用すると,マップ一覧,レイアウトリストなどを出力でき,レイアウト定義の確認や,作成したファイルの管理に利用できます。
    ドローで作成したWS用の論理マップおよび物理マップは,FTPなどを使用してWSへ転送します。また,ドローで編集したマップ定義ファイルをユティリティのマップ生成機能を使用して一括でマップを生成することもできます。
    EUC環境で使用する場合は,WSへ転送後,iconvコマンドなどを使用して,論理マップをシフトJISからEUCに変換します。

    注※
    資産があるのは,HP-UX,HI-UX/WE2だけです。

  3. アプリケーションプログラムをコーディング,コンパイル,実行してテストします
    WSに転送された論理マップおよび物理マップを利用して,アプリケーションプログラムを作成します。
    作成したアプリケーションプログラムをCOBOL85などのコンパイラでコンパイル,リンケージします。
    WSでC/S構成に対応する環境設定をして,プログラムのテストをします。

  4. 画面・帳票およびマップを保守します
    作成した画面・帳票およびマップをPC上で保守します。
    このとき,ユティリティを使ってマップや環境設定の情報などを一括バックアップすることができます。

ドローセットアップ,表示・印刷セットアップ,ユティリティ,ドキュメント支援については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

また,既存資産を流用したPC上でのWSで利用する画面・帳票の作成,およびWSで利用する画面・帳票を新規に作成するなどの詳細については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

レイアウト定義などの詳細については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編」または「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 帳票編」を参照してください。

(3) メインフレームとPCを分散したシステム開発の流れ

ターゲットを「メインフレーム−PC分散」に設定し,メインフレームで利用していた資産(パネル定義文)をPCにインポートします。その後,PCのXMAP3を利用して画面・帳票を開発し,PC上で画面管理プログラム,メインフレーム上でアプリケーション開発する流れを,図1-9および図1-10に示します。

図1-9 メインフレームとPCを分散したシステム開発の流れ(1/2)

[図データ]

図1-10 メインフレームとPCを分散したシステム開発の流れ(2/2)

[図データ]

  1. ターゲットを設定します
    ドローセットアップ機能でターゲットとする業務開発環境(メインフレーム−PC分散用の画面・帳票)を設定します。

  2. 画面や帳票のレイアウトを定義し,マップを生成します
    定義したレイアウトをテスト表示したり,テスト印刷したりするために,あらかじめ表示・印刷セットアップ機能を使用して,画面環境の設定や印刷環境の設定をしておきます。
    メインフレームの定義資産(パネル定義文)をユティリティのインポート機能を使って,マップ定義ファイルに変換します。変換されたマップ定義ファイルは,ドロー機能を使って画面,帳票,または書式のレイアウトを定義します。また,レイアウトのひな型となるレイアウトパターンレイアウト部品も必要に応じてドロー機能を使って作成しておきます。
    定義したレイアウトや画面遷移は,テスト支援機能を使って,表示または印刷して確認します。画面の確認にはハードコピー機能を使用することもできます。
    なお,ユティリティを使うと,1台のPCで表示・印刷セットアップなどで設定した実行環境を,複数のPCに配布するためにバックアップすることができます。
    定義したマップは,ドキュメンテーション支援機能を使って保守ドキュメントを出力します。
    ドローで作成した論理マップを,IFITなどを使用してメインフレームへ転送します。また,ドローで編集したマップ定義ファイルをユティリティのマップ生成機能を使用して一括でマップを生成することもできます。

  3. 画面管理プログラムを作成します
    PC環境では,メインフレームと連携してPCの画面・帳票の入出力を処理するための画面管理プログラムを作成します。画面管理プログラムは,サンプルとして提供されていますので,それを利用し,エディタを使ってコーディングします。

  4. アプリケーションプログラムをコンパイル,実行してテストします
    メインフレーム環境では,プログラムの処理内容に応じて,エディタを使ってコーディングします。
    作成したアプリケーションソースは,メインフレームのCOBOL85などのコンパイラでコンパイルし,リンケージします。このソースは,画面または帳票を使用するプログラムでは,COPY文に指定した論理マップを取り込みます。
    アプリケーションを実行する前に,必要に応じて画面や帳票のメインフレームでの実行環境を設定します。

  5. アプリケーションプログラムを保守,運用します
    完成した画面・帳票,マップを保守,運用します。
    定義したマップは,ドキュメンテーション支援機能を使って保守ドキュメントを出力します。

メインフレーム連携による分散開発,ドローセットアップについては,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 メインフレーム連携ガイド」を参照してください。

表示・印刷セットアップについては,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

レイアウト定義,アプリケーションプログラムの作成方法については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編」または「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 帳票編」を参照してください。

(4) メインフレームの定義ツールとして利用する開発の流れ

ターゲットを「メインフレーム(VOS3/VOS1/VOS K)の画面・帳票開発」に設定し,メインフレームで利用していた資産(パネル定義文)をPCにインポートします。その後,PCのXMAP3を利用して画面・帳票を開発し,パネル定義文をメインフレームへ転送する流れを,図1-11に示します。

図1-11 メインフレームの定義ツールとして利用する開発の流れ

[図データ]

  1. ターゲットを設定します
    ドローセットアップ機能でターゲットとする業務開発環境(VOS1,VOS3環境など)を設定します。

  2. 画面や帳票のレイアウトを定義し,マップを生成します
    定義したレイアウトをテスト表示したり,テスト印刷したりするために,あらかじめ表示・印刷セットアップ機能を使用して,画面環境の設定や印刷環境の設定をしておきます。
    メインフレームの定義資産(パネル定義文)をユティリティのインポート機能を使って,マップ定義ファイルを生成します。生成されたマップ定義ファイルは,ドロー機能を使って画面,帳票,または書式のレイアウトを定義します。また,レイアウトのひな型となるレイアウトパターンレイアウト部品も必要に応じてドロー機能を使って作成しておきます。
    定義したレイアウトは,ドローのテスト表示・印刷機能を使って確認します。
    定義したマップは,ドキュメンテーション支援機能を使って保守ドキュメントを出力します。

  3. メインフレームで運用します
    ドローで作成したパネル定義文をメインフレームへ転送します。
    また,ドローで編集したマップ定義ファイルを,ユティリティのエクスポート機能を使用して,一括でパネル定義文を生成することもできます。

ドローセットアップ,表示・印刷セットアップについては,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

レイアウト定義で使用するオブジェクトやアプリケーションプログラムの作成方法の詳細については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編」または「画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 帳票編」を参照してください。

メインフレーム資産の定義ツールとしての利用については,マニュアル「画面・帳票サポートシステム XMAP3 メインフレーム連携ガイド」を参照してください。

XMAP3の各機能を操作しているときには,ヘルプを使用すると,詳細な操作方法や説明を参照できます。

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